Wat00316 10/26「時々刻々」 息をした脳死患者

#0000 sci1004  9010261426

定義に従って判定したが 臓器移植直前体動いた!! 
6日後改めて死亡宣告 (見出しより)

#0001 sci1004  9010261426

 今日(10/26)の朝刊「時々刻々」は,脳死議論を注目
する人にとっては,注目の価値があるのでは.

 アメリカ・ノースカロライナ州の病院で,臓器摘出のために
搬送されてきた「脳死」者が,臓器摘出手術に向かうエレベー
タのその中で「自発呼吸」をはじめた・・という内容なんです
ね.

脳死の経緯は,1・自動車事故で頭部を強打 2・多量の脳内
出血 3・頭部に放射性物質を注入し,脳内の血流が脳内出血
で阻害されているのを確認・・「脳死」判定.交通事故だった
ため監察医も死亡を確認.

 あとから記録を確認した医師も「脳死だった」と断言してる
そうだけど,うーん,やっぱりそゆ場合があるのかあ・・と
考えちゃいますわね.「結局意識が回復せずに死亡したのだか
ら,判定のタイミングの問題だった」なんていうコメントが出
てますけど,タイミングでとかいう問題なのかしらねえ・・

 記事の右下に,今回の脳死判定の脳死定義が出ていますけど
(ナイス補足),これ日本での厚生省案とほぼ同じヤツでしょ
う?(確認してないけど) これで「判定」後に呼吸始めちゃっ
たらマジイんでないのかしらねえ.

 ちなみにこの患者さん,呼吸が確認された直後に脳手術を受
けたけど,意識は回復せず二度目の死亡宣告をされたそう.が,
家族は(二度目の)臓器提供は承諾しなかったそうだ.

 ということで,お詳しい方,コメントなぞいただければうれ
しいです.

てむぽ

#0002 ultra7   9011292205

 ここも、長らくノーレスで申し訳ありませんでした。

 あの例は、米国発の記事でしたので、話題を呼んだらしいですが
 実は、同じ話がメイド・イン・ジャパンであるです。

 なんで知ってるかっていうと、わらひが昔、ちゃんと記事にしたのでした

 ということで、以下の長いアップを興味ある方は、お読みください。
ギョエイもインチキですが、「脳死はヒトの死」などと、こういう
症例をしらべもせず、「俺は、専門家だ」とばかり言い放つ医師らが
どのくらいインチキか、よく見て欲しい。

 艮神

#0003 ultra7   9011292207

脳死、厚生省基準に疑問続々
          88.06.22  夕刊 5頁 みんなの科学 写図有 (全1876字)

  脳死患者の瞳孔(どうこう)が変化した、脳がホルモンを出した、呼吸を始めた−
−。日本医師会の生命倫理懇談会は今年1月「脳死を人の死と認める」との最終報告
署を出したが、脳死についての研究が進むにつれ、脳死患者が、いろいろな「活動」
をしていることが分ってきた。
 脳死かどうかを判定するには、これらの事実が分る前に厚生省の「脳死に関する研
究班」(班長・竹内一夫杏林大学長)が定めた脳死判定基準がもっとも広く使われて
いるが、この基準から外れる例が数多く見つかってきたことから、厚生省基準への疑
問は高まる一方だ。
 【その1】 拡大縮小する瞳孔径
 厚生省基準では、脳死患者の瞳孔は動かないものとされている。自治医科大精神科
の石黒健夫教授らのグループは、脳死患者の瞳孔を測ってみた。13歳の男の子の例
では、脳死判定後心臓死するまでの9日間に、瞳孔径が5ミリから7.5ミリの間を
数回揺れ動いた。
 岩手医科大脳神経外科の黒田清司助手も、過去5年間に脳幹死と判定された患者を
調べたところ、17例中14例の瞳孔が変化していたことが分かった。自分で呼吸で
きるかどうかのテストが行われていないため、厚生省基準による脳死とはいえないが、
最初は瞳孔径が4ミリを超えていたのに、途中で4ミリ以下に落ち込んだ例が2例あ
った。
 大阪府立病院の桂田菊嗣救急診療科部長は「脳死患者でも瞳孔径がゆっくり変わる
ことはありうると思う。問題は、脳死でないのに厚生省基準で脳死と判定されてしま
う場合があるかどうかだ」と話している。
 【その2】 脳からホルモン分泌
 厚生省基準では、脳死は脳のすべての機能が止まる「全脳死」と定義している。だ
が、脳死患者が脳からホルモンを分泌している、という報告がこれまでもあった。観
察されたホルモンのほとんどは、脳下垂体前葉が分泌しているものだった。このため
「脳下垂体前葉は、発生学的には脳とはいえない」として、厚生省基準との矛盾を避
けていた。
 ところが、日本医科大の救急医学と脳神経外科のグループは、脳下垂体の上に位置
する視床下部からも、3種類のホルモンが分泌されていることを見つけた。いずれの
ホルモンも普通の人並みの量が記録され、脳死判定後27日たっても分泌していた脳
死患者もいた。
 広島大医学部の魚住徹教授らも、4人の脳死患者の視床下部からホルモンが出てい
ることを確認、5月末に医学誌に発表した。魚住教授は「視床下部の一部が生きてい
る可能性が高いのに、厚生省基準では、脳死を全脳死と断定的に定義している」と話
している。
 【その3】 自力で呼吸も始まる
 患者が自分で呼吸ができるかどうかは、脳死判定の大事な項目だ。具体的には、脳
死患者の人工呼吸器を10分間外し、その間に自力で呼吸を始めるかどうかをみる「
無呼吸テスト」で判定する。患者の脳幹が生きていれば、人工呼吸器を外すことで血
液中の炭酸ガス濃度が上昇、脳幹にある呼吸中枢を刺激し、自然に自発呼吸が始まる
はずだ。
 京大付属病院の救急部、集中治療部、麻酔科のグループは厚生省の脳死判定基準で
脳死と判定された患者について、無呼吸テストを10分以上に延長してみた。テスト
開始25分後に脳死患者の腹部が規則的に上下し始め、1分間に数回のペースの自発
呼吸が10分間続いた。厚生省基準では脳死とされてしまった例といえる。
 同病院救急部の新宮興・助教授は「あれは確かに自発呼吸。このような患者は臓器
摘出の対象から外さなくてはならない。移植となると、基準に加えて、患者の脳血流
が止まっていることくらいは確認する必要があるのでは」と話す。
 作成学者「見直す必要ない」
 現場の医師たちから続々と寄せられるこれらの批判や疑問に対し、厚生省基準の作
成に参加した山口大医学部の武下浩教授は「脳死患者が呼吸をしたというが、せき髄
反射で1、2度腹筋が動いただけだ。瞳孔が変化したのも、脳幹以外の反射が考えら
れる。視床下部ホルモンなどについては、発表を聞いていないので何ともいえないが、
確認した範囲では厚生省基準から外れる脳死は一例もないと思っており、基準を見直
す必要はない」と話している。
 <脳死判定基準> 厚生省の「脳死に関する研究班」(班長・竹内一夫杏林大学学
長)が、60年に定めた脳死判定基準では、脳死というには(1)深いこん睡(2)
自発呼吸の消失(3)瞳孔(どうこう)径が4ミリ以上で固定(4)脳幹反射の消失
(5)脳波が平たん(6)以上の条件が満たされた後、6時間経過を見ても変化がな
い――の6条件をすべて満たすことが必要とされている。

#0004 sci1004  9011292221

ふーむ,データベースで「のうし」と引くと,65件近くあったのは
覚えてたけど,この記事もコンジンさんでしたかあ.

しかし書き出しが似てますねえ あっちと^^

てむぽ

#0005 ultra7   9011301551

 脳死患者が死んでるかどうかわからん、という実験が出てる
という記事が、データベースの中にもいくつかあるはずですが、

 その大部分は、わらひの記事です。

 昔は、脳死にケチをつけるのが生きがいだった、艮神

#0006 ultra7   9011301554

 大学の倫理委で「脳死は人の死」とか、よく発表しますが、
 上のような事実をちゃんと考慮した例ってあるんでしょうか。

 脳死は人の死というだけなら、ばかでも審議なしでも言えます。
 こういう例を、どう考えるかってことを、倫理委は審議すべきと
 思っているのですがねえ。

 名大の倫理にメチャクチャ文句つけて、組織を全面改定させて
 やったよんの艮神

#0007 sci1004  9011301811

う データベースはNIFの会計月が改まってから
ちゃんと引きますんで・・・今月はNIFの大得意.

いつも不思議に思うんですが,脳死を容認するか否か
っていう判断,非医者(ってことばはあるのかな)は
慎重な意見を口にするのに,お医者さんはぼくらより
当然データを持っているはずなのに,なぜかキッパリ
と脳死を容認しているように見えてならないのね.

だってさあ,普通に考えてもデータをいっぱい持って
いるほうが判断は簡単にはできないはずでしょう?
ぼくなんかいい論文かくためにいっぱい材料を集め
ると,かえって論文が書けなかったりするから,
都合の悪い資料は捨てたりしますけど(^_^;)

今年最後のペーパーに苦しむ てむぽ

#0008 ultra7   9012010145

 ああ、それねえ、よっぱらったついでに書くと、脳死の資料なんて
 ちゃんと持ってる医者なんか、ほとんどいませんよ。

 わらひが聞いた救急関係の有名なある医師がいってたのは、「移植医
 は、脳死のことなんかなんにも、わかってませんから」ってこと
 確かに、全然分かってないですね。

 もう一個ついでに書くと、先日の名古屋での脳死臨調公聴会で
 絶対、脳死は人の死、と意見発表したお医者さんがおりまして
 質問にきた脳死に疎い、名古屋の記者捕まえて、「脳死は人の死でない
 というのなら、普段人はどうやって死ぬの。脳が死んでるんだよ」
 とか、お話しぶってるわけ。

 横で聞いてた艮神は、素人だましをするこの「ギョエイ医者」に腹が
 立って来まして、「ならば、先生は脳死として、脳官死と全脳死とどちらを
 取られてますか」って質問してやったのでした。

 一瞬ぎょとして、「イギリスの脳管死と竹内基準の全脳死では、同じ脳死」
 でも、基準が異なりますよ」というと、「竹内基準は、全脳死ではないでしょ」
 と言われました。

 私は、この人、絶対竹内基準もまともに読んでないと思いますね。
 それでも、臨調で堂々と「脳死は人の死」と言い切ってしまう、
 お医者さんには、こういう人が結構多いのですね。

 艮神

#0009 kepel    9012010952

のうかんしは
脳幹死
ですよ。(正確性が疑われるとやばい)

     さしでがましいことをしたkepel

#0010 ultra7   9012011409

 IEいえてま、

 よっぱらって書いてて、どっか違うべとは思いつつ、
 かまわず書きなぐっていた艮神 平謝りの巻

 やっぱKEPL先輩には、かないませんなあ・・・・

#0011 sci2449  9012050039

私が思い出したのは、あのフランク永井さんの件。あれは確か
「脳死状態」から元気になったんだよね。脳死「状態」が何の
ことからはよくわからないけど。確か脳死論議が盛んになって
いたころの話だっと思います。あのとき、脳死は人の死なんて、
うそだあ、と思ったものです。

#0012 sci2919  9012122207

 読売新聞の記事の又聞きなのですけれども、名市大の生体肝移植の申請で、”親子
間の生体肝移植に対して社会的にある程度の理解が得られたと判断したため。”とあ
るそうですが、先天性胆道閉鎖症の1000例を越える外科的治療の実績があるにも
関わらず、たかが、10例でそのうち3人も亡くなっている生体肝移植を試みようと
する理由はどこにあるんでしょうね。

先天性胆道閉鎖症の外科的治療の生存率が極めて小さいということなのでしょうね。
ようするに外科的治療は未知数の生体肝移植よりも危険ということになるのでしょう
ね。
それとも、乗り遅れるのを・・・・・

          藤治

#0013 ultra7   9012122312

 うーーん、これねええ。葛西の手術で助からない子と助かること
 いるわけでして、実は葛西の手術でも、成功3割、半病人3割
 助からないの3割っていわれてるわけです。

 葛西の手術でだめだったり、もともとこの手術のできないような
 子供が、生体部分肝移植の対象になるわけです。

 このまま、生体部分肝移植の成功率がどう推移するか分かりませんが
 やらねば100%死ぬといわれた場合、私だったら10分の7の
 成功率にかけて、息子か娘に(ウウ、イタソウダケド)肝臓あげますね。

 脳死からの移植は、人様に迷惑をかけるでしょ。家族内で処理できる
 問題なら、できるだけのことを試みるのが、「家族」ってもんでしょう。

 やれるのにやらず、子供らが死んじゃったら、一生十字架を背負うのでは
 って、思うのは、私だけではないと思うけど。
 やっても死んじゃったら、運命と親も納得しやすいと思いますが。

 読売の突っ込みよりよっぽど詳しい記事書いてるから、藤治さん
 朝日買ってねの艮神であった。

#0014 sci2919  9012132130

 そうですね、私の場合、成功率が20〜30%でも肝臓を提供するでしょうね。
勿論、この場合提供者側の安全率は95%以上欲しいですね。えへへ

新しい技術を試みたかった分けではなく、医師は生体肝移植の方が葛西の手術よりも
安全で生存率が高いと判断したわけですね。

それから、朝日の朝刊と夕刊はチャントとってますよ、ただ、最近は流し読みで・・・

             藤治

#0015 sci1004  9012160142

ほんじつ NHKで「脳死」の特集をやってましたが,
見た方はおられるのかしら.ということでビデオを見
ながら感想を練ってきます.

てむぽ

#0016 sci4341  9012161110

 前半の解体シーン、ショッキングだった。 「ウッ」「ひえー……」言葉なし。

 アメリカ人って、すごいなあ。 TVドラマ「マックス・ヘッドルーム」の世界だ
よ。 植物状態の娘さんをカメラの前に出せる大きさ、かなわないな。宗教観の違い
だろうか。

 後半の討論の途中で眠ってしまったけど、個人的には脳死は人の死だと思っている。
でも、その脳死を判定する現段階での技術には不安を感じるな。

     いつかは塵に還る    y-star

#0017 sci1902  9012161240

わたしの脳死見ました。
   ↑も、のあやまり。
ビデオにとってまた見直しましたけど、後半はいまいちの感が多かった。
特にいまいちだったのは、いわゆる「お偉い」お医者さんの態度で
ありまして、「おまえらなあ、人が発言しているときはそれをさえぎって
ぶつくさいうんじゃねえよ。」と、TVにむかっていいたくなるような
議論の稚拙さでした。
中身については、もう一度ビデヲを見てからっつーことで。
しかし、こんな子供の口げんかみたいな態度でしか議論できない人たちが
議論してつくっている脳死の基準だの、脳死りんちょだのってなんなんでしょ?
話の中身より、そっちが気になってしまった。
ちなみに実は11月頃に私のとこにもNHKから「アンケートご協力のお願い」
が来ていました。正確には、同僚の脳外科医に来てたのをなぜかわたしのとこへ
回されてきたのですが。(神経内科医ということでかなあ?)
脳外科医でも救急医でもないのでムシしちゃったのですが、やっぱり参加しなくて良
かったと思ったのでした。
んだば、これから当直ですんで、ビデオはまたのちほどにでも見直します。
             つちねこ

#0018 ultra7   9012161443

 「脳死は人の死かどうか」という議論は、不毛というか、常に使われるこ
の「常套句」が、実は真に脳死で何が問題になっているかを隠し続けている
のでは、と思っているのは、ひねくれものの艮神だけでありましょうか。

 例えば、「脳死が人の死かどうか」というより、「どこまで死んだら人の
死なのか」ということが問われるべきだと思います。

 脳死と簡単に言ってますが、脳の障害は、脳震盪(これを脳障害とはまず
呼べないけど)程度の軽い物から細胞が既にどろどろに溶けている重い物ま
で段階が色々あります。どこまで障害されたら、その人は「死んだ」のでし
ょうか。ここらが大きな問題だと思います。

 まあ、脳がどろどろになれば「死んだかなあ」と言ってもいいと思う人は
多いでしょうが、今の竹内基準で脳死を決めると、このかなり前の段階での
臓器摘出を認めることになります。

 よく脳死は、蘇生限界(ポイント・オブ・ノーリタン)を越えているので
、「死んでいるのだ」と言いますが、これは、正確には「もう今の技術では
蘇生させることができない」というだけで、(「かなり死にかけている」こ
とは間違いないでしょうが)、「すでに死んでいる」こととは、別物と思い
ます。

 「死んでいる」が確実ならば、臓器摘出の考慮の余地はあるでしょうが、
「死にかけている」というだけしか保証できない基準で心臓などの臓器を取
り出し、医療行為の名の元に、医師が死にかけている人に「とどめを」刺し
てしまっていいものなのでしょうか。

 米国で問題になった「脳死患者が動いた、息をした」という問題ですが、
実は国内で新聞に載っただけでも、似たように脳死判定基準から外れ掛けて
しまったという、器用な脳死患者の方の例が16例が報告されています。

 脳死判定基準を作った竹内さんは、脳死臨調で「そんなことは、1981
年の外国の論文でとっくに指摘されている」「十分そういうことはありえる
と分かって判定基準を作った」などと威張ってますが、出来上がった基準に
は、その「織り込み済み」のはずの話が、全然反映されてないのは、なぜな
んでしょうねえ。

 自分の「脳死」という言葉で「私」は、どんな状態のヒトを差しているの
か、せめて、私は脳幹死でいいとか、全脳死でいい、というくらい区別をし
て議論しないと、「雰囲気で語る脳死」は、なんかまずいような気がします。

 艮神

#0019 sci2919  9012161913

 帰りが遅くて討論の途中からしか見れなかった。

「死」の定義を厳密に決めるのは難しいようですね。死の定義は、逆にいえば生を定義す
ることにもなりますが、生命を創造できない以上、生死の定義は厳密にはできないと思え
るのですが。
定義できない以上、死は個人の死生観によって変わるだろうから、個人の意思によって決
定すべきで、各個人が遺志を法的に有効な遺言として残せばいい。

そうすれば厳密な死の定義から逃れることができるし、たとえ、生死の判断が極めて困難
な場合でも本人がその危険性を承知で遺言を残していれば法的な問題はでてこないと思い
ますけど・・・

移植推進派の先生が錦の御旗”ヒューマニズム”をもちだしてましたね。あの発言はな
かなか破壊力があるのだけれども、胡散臭さを感じてしまうな。臓器提供者のヒューマニ
ズムが失われる可能性を一切考慮していないようにな・・・・
ヒューマニズム云々というよりも移植をしたいという気持がすごく強そう。

           藤治

蛇足

・・・・シカゴ大では生体肝移植を「実験的医療」と位置づけて13例実施(うち2
例死亡)しており、20例終わった段階で手術の妥当性を見直すとしている。・・・
という、米国の生体肝移植に関する記事が朝日にでてました。
艮神さんの記事?

13例のうち2例の死亡なら、11例のうち4例の死亡の日本の部分生体肝移植より
成績はいいのだから、見直す必要はなさそうに思えるのだが・・・

シカゴ大の問題点は提供者に対するリスクが法的に問題なのか、手術の困難さが問題
なのか、あるいは治療管理データの不足を問題にしてるのか記事からよくわかりませ
んでしたが。

いずれにしても重大で深刻な問題があるように読めます・・・・
それが、治療管理データの不足の問題ならば、いま生体肝移植を受けてる人達は先駆
け?

#0020 sci4843  9012170408

 NHKの番組は第2部の前半だけ見ました。推進側のあざとい質問と強引
な論法には見ていて辟易させられた。

 ところで、脳死−臓器移植問題でいくつか疑問が出てきたのですが、解決
されているのでしょうか。

 1.人間の死の判断基準は何か。知りたいのは、心臓死、脳死という枠組
   みより上のレベルでの、いわば哲学的概念としての基準。さらに、従
   来の基準をなぜ変更する必要があるのか。

 2.人間の死の判断基準に法律的裏付けはあるのか。また、必要ないのか。

 3.人工臓器や生命維持装置によって生きながらえている人は、いつ死ぬ
   のか。場合によっては、いつ死ねるのか。

 4.臓器提供は本人の意志による場合だけに限定できるか。患者の家族を
   説得することを禁止できるか。

 1の疑問は、#18での艮神さんの発言に対応していますが、現在の医療
技術では救えない地点を越えたら「死」と判定するのは、やはり早すぎると
思います。
 たとえば、医学の進歩で堕胎可能期間が短縮されていますよね(超未熟児
でも救えるようになった)、それなのに死の判断基準が早められるのは不思
議に思えるのですが。

                              知恵捨猫

#0021 sci1004  9012171721

 ビデオ見直しましたが,大して感想が浮かんでこないのが困った
ところです.

 前半のドキュメンタリーですけど,動いている心臓を目の前にし
て,臓器を摘出していくっていうのは,連想してはいけないのかも
しれないけど,遠藤周作の「海と毒薬」を思い出してしまった.人
工呼吸器で動かされている心臓なのかもしれないが,ある判断の時
点以後(つまり脳死判定以後)は,その心臓は移植のために臓器を
新鮮に保つための道具となってしまうっていうのが,どうにも割り
切れない.脈打つことが生命の証しだという価値観をそれこそ脈々
と持つ歴史の重み,これをある時点で道具と見なすことにやはり抵
抗を覚えますね.似たようなことは梅原氏も言ってますが,こうい
う論点を,医学的でいうポイントオヴノーリタンとすり合わせる視
野を,是非脳死容認論者にも持っていただきたいなと.

 各論においては,議論内で立花氏が出した見解に一番妥当さを感
じました.つまり「器質死としての脳死ならば脳死を容認するしか
ないだろう」. 脳の機能が死ぬことではなくて,脳の臓器として
の死ならば,これはまさしくポイントイヴノーリターンであって,
「死」でしょうね.そうなるとやはり判定方法の問題に帰ってくる
のではと思います.そして器質死説ならば,なんらかの反応が返っ
てきてはマズイわけですが,機能死というのは,なんらかの反応が
あっても,それをすくい上げる範囲を意図的に狭くする判定法しか,
構造的に産み出せないのではと感じます.

 脳が機能してないことを証明するっていうのは,そんなに簡単な
ことなんでしょうか.むしろ機能してないことの証明を反論するこ
とのほうが簡単に思えます.ならば脳が死んでいることを証明すれ
ばいいのであって,これならば反論は出にくいだろうし,納得も得
られやすいと思うのですが.

 循環器センターの先生でしたっけ,「心臓死は心臓の機能死だぞ」
というのは,かなり注意しないと引っ掛かりやすい詭弁だと思いま
した.

 梅原氏と立花氏の見解聞きたさに実はテレビを見ていた てむぽ

#0022 sci1004  9012171722

そうそう タイトル変えときました.

#0023 kepel    9012181304

 話題の「脳死」番組をやっと見ました。(昔の研究室の忘年会、友人の結婚式
と忙しかったもんで、なかなか時間がとれなかったのです)
 前半の感想は確かに「ひぇー」
 後半の感想は「あーあ」でした。

【すごいね、アメリカは】

 米国があそこまで人間を「品物化」しているとは知らなかった。コンジンさんの
大好きな(?)「死体写真雑誌」どころではありませんね。理屈ではわかっても
私の持っている感情的、心情的、文化的背景からはちょっとなじまないものがあ
ります。

 後半は、「また同じことやっているなあ」という感じ。どうして、議論がみん
な下手なんでしょう。日本人には議論をうまくやる能力、あるいは訓練が不足し
ているのではないか、と以前から思っていますが(もちろん私自身もあまり得意
ではないのです)、「またか」という思いでほとんど欲求不満です。「朝まで生
テレビ」に場所を変えてリターンマッチ(?)をやれ、という声も某科学部では
聞かれました。

【医学なんてそんなもの】

 私は、体に侵襲を加えずにある時点である人が死んでいるかどうかは厳密には
(100%!!)証明できないだろう、と思っています。でも、98%ぐらいな
らいけるかも知れない、とも考えています。

 問題は、脳死の診断でどれだけ誤診例が出てくるか、というデータがまったく
ないし、そういう実証的な研究を進めているところもまったくない、ということ
ではないか、と思います。臨床医学で100%正しいなんてことは、ないのが本
当でしょう。討論のなかでやっていたアンケートで一番おもしろかったのは「医
療の体制でなにが問題か」ととわれて、一番多かったのが「一部の質の悪い医師」
だったことでした。

 われわれ患者がつきあわなければならない臨床医にはそういう人もいる、いや、
どんな医者だって間違いをする、ということはどうしても認めなければならない
事実だと思います。

 学会の症例報告で「これこれの患者にこういうふうに治療したら、死んでしま
った。こうこうすれば良かったのかも知れない」などというのはいくらでもあり
ます。かかった医者にもっと能力と経験があれば、死ななかったということはい
くらでもありえます。もう少しいえば、そういうミスの積み重ねで医学が発展し
てきた、といっても、それほど間違いではないでしょう。

 だから、脳死の診断だって間違えるでしょう。それは100例に1例かもしれ
ないし、1000例に1例かもしれないし、1億例に1例かもしれない。どこま
でが、許せる範囲か、ということを考えてもいいのではないかと思います。

【もっと議論を】

 「いや死は本人にとっては1回しかないことだし、絶対、100%間違えても
らってはこまる」。そういう方もいらっしゃるでしょう。でも、それは、多分無
理なのです。「なら、そんなことはやらないでほしい」といっていいかどうか。
そこがもっとぎりぎり討論しなければならないことなのではないでしょうか。「
今の基準でいい。そうなったら、ぜひ私の臓器を使ってほしい」と生前から、希
望を述べている人の臓器を、無駄にすることもばかばかしいような気がします。

 後半の討論を聞いていると、あまりにも雑な議論が多すぎて、私は不愉快な気
持ちにさえなりました。回りを良くみて、一番まともな議論をしようとしていた
のは、東大PRCの阿部さんかな。梅原さんのは、「私はこう信じている。そう
でなきゃいやだ」と自分の思うことを吐露しているのに過ぎず、私にはあまりお
もしろくありませんでした。

 加藤さんも年なのかな、議論が余りにも素朴です。(もっとも脳死に対する法
律家の態度にも、みんな一律に並べようとする刑法的な見方と、当事者同士が納
得すればそれでよしとする民法的な見方があって、加藤さんは典型的な後者です
ので、一貫しているといえば一貫していますが)

【どうしたらいいんですかねえ】

 私は、個人的には推進派でも反対派でもなく「そちらに私たちの納得できない
足をひっぱるような材料がなければ、おやりになればいいではないですか」とい
うていどのことしか考えていません。
 遅かれ早かれ、脳死を前提とした移植が日本でも始まると思います。そのため
に多分、これからは推進派も反対派も(こっちはどうかな)妥協の道を探してい
かなければならないだろうと思います。日本人はこういうのを公の場でするのが
大の不得意なのだと思います。(裏で根回しして妥協するのは得意なんですがね
え)。プラクティカルにはどこまで許せるのか、将来どういう世の中になる可能
性があるのか、歯止めはどうすればいいのか、もう少しためになる議論ができる
よう、私たちもデータを提供していきたいと思います。

               東京科学部 内村直之(kepel)

#0024 kepel    9012261245

他の方,ご意見いかがですか

他のところの妄想論を見ていたら,脳死論議にも通じるところが
あるのではないか,と思えてきました.
妄想とそうでない議論を峻別する事が議論を正しく進めるのに
大事なことなのではないか.

      東京科学部  内村直之(kepel)

#0025 sci4843  9106010449

 NHKスペシャル「脳死」が今夜(6/1)ありますね。

 臓器移植や安楽死の話題が最近続いているので、素人ながらそれなりに脳
死について、知識を得ることができました。

 「脳死」を「人の死」として認めても構わないと最近では思っています。
現在の医療技術で治療をいくら施しても効果のないポイント・オブ・ノーリ
ターンを過ぎてしまったのなら、一種の「尊厳死」として「人の死」と認め
て欲しいという訳だけど、変でしょうか。

 ただ、判定基準の精度が問題として残るだろうな。

  1)誰が判定しても同じ結果になるか
  2)誤差の発生率は何%程度なら許されるか

                              知恵捨猫


#0026 sci1004  9106010747

あ,どうもどうも・・・
そいえば昨日の朝刊は,脳死臨調の中間報告の報道が
ありましたね.

あと毎日のスクープだけど,岡山では脳死腎移植が
行われたことが発覚?してます.

てむぽ


#0027 sci2919  9106012255

 脳死を人の死として考えられるけど、実感としては納得できないなぁ。
というのも、人ではないのですが、10年近く付き合ってきた猫が先日死んだんです
が、真っ黒な血を吐きながらもがき苦しんでいるうちに、呼吸が停止したんです。
それでやっと2箇月の苦しみから開放されたんだなぁと思ったんです。
ところがしばらくするとガッと吐いたのです、あれっ、生きているのかと胸をみても
呼吸はしてません。やっぱり死んでいると思ったのですが、しばらくするとまたガッ
とやるのです。
それが20分?近く続いたのでやっぱり生きていると思って体を揺すったのですけど
、呼吸は停止したままなのです。
それで、胸に手を当てて脈を診てみると確かにしっかりしたパルスがあるんです。
しばらくして脈がだんだん弱くなってくると、、またガッときて脈が元に戻って強く
なるのです。それならばと胸を人工呼吸の要領で動かしてみると脈が強くなってくる
のです。
この人工呼吸で自発的な呼吸が戻る可能性もあったのですが、やめました。
苦しむための蘇生なんか意味がないと思ったからですが・・・

この猫の死をみて心臓が動いている状態を死と認めるのは実感として納得できなかっ
たのです。心臓が動いていれば生きていると思うのが正しい死の判定だと思う。
それを移植できる技術ができたからといって脳死を死と決めようとするのはねぇ。
移植には不純さを感じるよ。

                     katou


#0028 sci1004  9106031826

 NHKの脳死番組,今ビデオを見終りました.

 今回の後半の討論は,人選がかなり洗練されてきたなと
思いました.前回ひどかったですからね.脳死賛成(医者),
あとは全て慎重派(生命倫・学生・弁護士・作家)という
のは,なかなか深みがあったと思います.対立の立場だと,
ヤイノヤイノの応酬にしかならないのは,前回でわかりま
したからね.

 個人的には,意見が少々生硬だと思ったけど,東大生の
見方には納得できました.つまり,社会の未成熟な諸相の
延長上に脳死問題を位置付けるというのは,プロパーの閉
鎖性や社会の閉鎖性にともすれば陥りそうになる脳死議論
への,一つの処方箋だと思います.

 あと作家さんが言ってた,生活観とか文化観という,脈
々と受け継がれてきた「死」に対する認識を顧みることな
く,ここ数年の新しい「死」観を肯定せよと言っても,無
理があるのでは・・・というのも,少々情緒的かなと抵抗
も無い訳ではないけど,肯けます.

 やはり言われるんですね,「議論不足」問題.東大生も
言ってたし,慎重派さんはみなさん口にしてたけど.議論
不足だとは言わないのが賛成派さん,という図式は何を物
語るのかな・・・というのは勘繰り過ぎですねキット.

 しかし考えるんですが,脳死という死を規定する必要っ
て,どこまであるんでしょう.「これで死んだんですよ」
って納得できないかもしれない「死」を,作り出す事にな
らないんでしょうか.納得させられないなら,規定すると
かしないとか必要があるのかと思ってしまう.
 毎日新聞の報道によれば,「脳死は人の死か」という判
断はしない,しかし臓器移植は妨げない別の見方が脳死臨
調の少数派にあるそうですが.本人の承諾があれば脳死か
否かの判断を行い,そうでなければ判断そのものはやらな
い・・・つまり,脳死をもって人の死という判断はせずに,
死の前段階として脳死をとらえ,本人の生前の意志によっ
てはその脳死が,移植のための臓器摘出によって心臓死に
至らしめられても,その責任は問わない・・というモノら
しいのですが.
 どうも私は,こっちのほうがピンとくるのよね.死の現
実は,人間の内面から受け止めるものであって,外部から
「死にました」と押し付けるべき性質ではないのではない
かしらん.

 でえ,私の認識不足をばらす事になるんだけど,脳死判
定は慎重とか反対意見があっても,脳死移植そのものを反
対する意見っていうのは,ないのでしょうかぁ.つまり,
他人に臓器を供与するのが反対だから,脳死判定に反対す
るという「過激」なの.どうも今回の番組とか,公開なん
たらのレポート見てると,脳死の判断には議論百出なんだ
けど,脳死がクリアなら臓器移植は全てクリアになるのか
な?って思ってしまうんだけど.

 こんな例えをすると不謹慎かもしれないんだけど,脳死
論議の趨勢を見てると,なんか自衛隊と憲法の問題を思い
浮かべてしまうんですよ.
 憲法改正には反対だけど,自衛隊は容認する.
 脳死には慎重だけど,臓器移植は容認する.
 なんかねじれてるなあ,と思うヘンクツは私だけかしらん.

てむぽ


#0029 kepel    9106040932

NHKの脳死番組みそこねたんですよねえ
びびびびビデオおおお!!!(あれ?誰かと似てきた)
貸してくださるとうれしくなってしまうんですが

    KEPEL


#0030 sci1004  9106041257

頭10分欠けていてよろしいのでしたらお送りしますよ.

サイエンスネット専属ビデオ商会 てむぽ屋


#0031 kepel    9106041802

わーーい,わーーい
ありがとうございます.
ぜひ見せて下さい

代わりにビールでも飲みに行きましょうか

    kepel


#0032 ultra7   9106042245

 っぼ、っぼ、ぼくも、それ取り損なって、しまったんですけどおお

 元祖・ッビッビビイデオ小僧


#0033 sci1004  9106051201

んじゃま 社内便というのがあるそうですね.
よろしく転送のほど >ケペル先生


#0034 kepel    9106051247

了解しました

    kepel


#0035 ultra7   9106072056

ああ、着いた、着いた。どうもありがとうの艮神


#0036 sci1004  9106212136

朝日ジャーナルに脳死臨調小数意見の全文が
出ているというから買いに出かけたら,どこ
も売り切れ・・・どうしたんだろ〜

てむぽ


#0037 kepel    9106221255

脳死臨調の中間意見全文のテキストファイルありますけれど
アップしても読む人いるかなああ

    kepel


#0038 sci2754  9106222124

  取敢えず読んでみたいと思います。
                                                      長谷川


#0039 sci2919  9106222144

 中間意見の全文!読みまーす。

そういえば、賛成派委員かな、TVインタビューでフィリピンとかタイで移植が行わ
れているのに日本で脳死移植ができないことで不安を感じているというような発言が
ありましたね。少なくとも私にはそう感じた。
日本だけが移植医療の世界から取り残されるという不安を医師がもっているという・
・・・・
やはり、心臓が動いているということの重さを医師はわからんということではなく、
賛成派の本質は日本の移植医療が世界的レベルから取り残されることに対する不安に
あるということじゃないのかなぁ。

                  katou

蛇足
こんなうわさ話を聞きました。
T大とO大の移植医療の先陣争いがあり、その前衛としてT大系のSN大とO大系の
SM大が先陣争いをしたという・・ニュアンスの噂でして
いかにもありそうな話で。
この対決の元はT大のAT氏とO大のAK氏とのライバル意識云々とか・・・
このあたりになるとちょっと怪しげかなぁ。


#0040 sci1004  9106231520

あのお,中間意見全文って,膨大ですよ〜
テレビに綴じたのが写ってたけど,厚かった
もん.

ということで,私はパス.
てむぽ


#0041 sci2919  9106232223

そんなに膨大なんですか。考え直そぉ。

    katou


#0042 sci2754  9106232309

  えってむぽさんがパスするほど膨大なの。う〜ん、どうしよう。

                                                      長谷川


#0043 kepel    9106240011

たしか、56キロバイト程あるはずです。
こないだつくった要旨だけで済ませてもいのですが。

この中間意見について、国民からの意見が脳死臨調に届かないと
脳死臨調の意味はないと思うのですが、脳死臨調はささやかな
公聴会、世論調査程度でお茶を濁すつもりです。

    脳死反対派ではないけれど、なんとなく釈然としない
    kepelでした。


#0044 sci1004  9106240229

あら56kb?
だってテレビで久米宏が,十何万字とかいってて,傍らの
冊子をペラペラとやってたんですが・・・・

おっかしいなあ てむぽ

まだ朝ジャみつかりません? どうしてなんでしょう


#0045 sci2754  9106252029

  56キロバイトですか。ダウンし読む気力はあります。あとは私
に理解できるかだけの問題。
                                                      長谷川