Wat00312 kepel in オーストラリア

#0000 kepel    9010162326

今オーストラリアのブリスベーンからアクセスしています。
脳死臨時調査会の海外視察第3弾
についてきています。

みなさんの興味のあることがあればそれについても取材します。
ご協力を!!!!
    お江戸のkepel
koto
    東京科学部内村 直之

#0001 sci1004  9010170325

お もう着きましたか.頑張ってられますね・・・
アクセス代金は堂々と「科学部」に請求しましょうね(^_^)

オーストラリアでの生体肝移植の倫理感についてのコメント
なんか収集できればなあ と思ったりして.

てむぽ

#0002 kepel    9010170815

了解しました
   kepel

#0003 ultra7   9010171627

 いいなああ、僕なんか「ヒップエレキバン」ででも当たらないとオオスト
ラリア行けないもん。
 
 名古屋なんか、どうせ第一回臨調公聴会くらいしか、ようがない
島流し艮神

#0004 sci4851  9010172203

日本で脳死というと生理的に拒否する人が多いがオ−ストラリア
の人々で反対を唱える人々はいないのでしょうか?
例えば宗教上の理由とかで・・・・・
あまり関係ないかも知れませんが私は教えて頂きたいのですが。

       from 変なことに疑問を持つ ファミレド氏

#0005 sci2919  9010172227

脳死移植に対する反対派の論理は。

オーストラリアと他国と比べて移植の割合が多いか少ないか。
そして、その理由など。

犯罪率と移植率に相関があるか否か。こんなことわかるわけないかぁ。

移植者における癌発生率。免疫抑制剤の影響があるのではないかと。

移植後の感染症による死者の割合。

社会復帰の度合い。普通の人との生活の違い。

      あつかましの藤治

#0006 kepel    9010172322

ブリスベーンの第二夜です。
きょうは、たくさんの日本人が肝臓移植を受けていることで
有名な王立子供病院とここの移植センターがあるプリンセス・
アレキサンドラ病院に行きました。
今、ここにいる日本人の家族は三家族。移植をすませたのが二家族
これから受けようというのが一家族です。

 ポイントだと思ったことはふたつ。
そのひとつは、こちらの第一の原則は「くれた臓器は長く生かす」だと
いうこと。つまり、「患者がいるから臓器がほしい」ではなく、くれた
臓器をなるべく長く生かすために、移植する患者を選ぶというのです。

そのふたつ。プリンセスアレキサンドラ病院の外科部長をつとめる
ラッセル・ストロングの話。「私たちは米国にいって、移植を学び多くの
ものを負った。今、移植のできないの日本からくる患者を助けるのは、
その借りがあることも一つ。日本が移植を始めた時に、また他の国の
人を助けてほしい」。

今日の感想は以上です。

てむぽさんへ

 今こちらでは生体肝移植はあまり行なわれていないようです。
日本の生体肝移植については「バックアップ(再移植のこと)もないのに
やるなんて」とストロング部長はコメントしていました。つまり、
バックアップあるからこそ(むずかしいものを)やれるのだ」ということ
のようです。

       また紙面で長く書きたいと思っています。

        お江戸のkepel
                こと        東京科学部内村 直之

#0007 sci2754  9010180043

  kepelさん
  出張とはこれでしたか。土産を待ってまーす。

  おっとっと、ご協力ね。
  う〜ん、あまり知識ないからあれだけど、脳死の判定方法なんて
いうのは、どのようになっているのでしょうか。日本でしたら呼吸
が停止してから何分でしたっけ、広く用いられているのは。で、よ
り確実に正確に分かる方法などが確立されていれば紹介していただ
ければと思います。
                                                美優

#0008 ultra7   9010181357

 ブリスベーンで肝臓移植を受けた子供の内、何人がオーストラリア人で、何
人が日本人か。ちゃんと聞いてきて下さいね。オーストラリアでの、驚愕
すべき、肝臓移植の実態が明らかになるはずです。
 
 ほとんど、矢追モードの艮神 

#0009 sci1004  9010181952

 ふーむ,日本みたいに「患者がいるから」という倫理ではなくて,
「臓器があるから」という倫理ですか.うーむ,こういう論理は思
いもつかなかった.こんなこと言ってはイカンのだろうけど,「患
者はどうなるんだ」という日本でよく言われるキメの言葉に反発を
覚えていただけに,頭がコペルニクスしてしもうた.
 再移植の問題も,患者優先的思考の結果であって,その先の問題
はあくまでも不透明ですもんねえ.(と言い切っていいかはわからん)

 美優さん,脳死判定は日本ではまだ試案的脳死判定方法が議論(
ホントに議論されてるのかいね)されている段階で,従って脳死判
定方法を「広く用いて」いる段階ではないはずです.kepelさ
んが同行している脳死臨調は,まさにその事の叩き台を出すために
調査をしているんです.

 ちなみに脳死判定方法周辺については,フリートークの「旧ネッ
ト復活」の冒頭部分NO.1〜 もしくはここのボードの「旧ネット復
活」のこれまた冒頭部分に,詳しい記述があります.前者はkep
elさんが中心になり,後者はコンジンさんが中心となってやりと
りされてます.「ウルトラ久保田はなぜ怒る!」というのは,タイ
トルからして興味を引きます.
 新ネットについては,美優さんのほうが詳しいですね.

てむぽ

いまfコマンドで探したら #136 #105がありますね.

#0010 sci2919  9010182213

 日本人のほうが多いのですか。
うーん、知らなかったぁ。ブリスベーンはそうゆうところだったのですか・・・・
私って無知、鞭、ぶって!冗談をいってる場合ではないなぁ。

しかし、なぜ、ブリスベーンなの?

すっすると、日本の場合の「患者優先」というのも案外うそかもね。
なぜって、レシピエントのことを考えても、やはりレシピエントに合う臓器を用い
ることが延命に効果があるわけだから、レシピエントにとってもいいはずですよね。

もし、「患者がいるから」といいつつ、その場しのぎ的な移植をしているのならば、
患者優先とはいいにくい面があるように思えてきますね。

臓器が生着しないから、また、すぐに再手術が必要になる状況に直面するのだからな。
レシピエントは。

      藤治

#0011 ultra7   9010182247

 多いと言うより、「ほとんど」に近い。じゃあ、エコノミックアニ
マル「ジャパーーン」が、エンに物言わせて、オーストラリア人の肝臓を買って行
ってるかというと、そうじゃない。
 
 あそこは、現地人のみなさまの残った肝臓しか日本人に回さない。
 
 大体、患者がいないだよ。羊ばっかで・・・
 
 こういう発言は、国際問題の種火か・・・の艮神

#0012 kepel    9010182248

ブリスベーンの取材をほぼ終わり、今はシドニーに来ました。
あすは、セントビンセント病院で心臓移植についての取材です。
しかし、こちらの主任であるドクターチャンが、日本胸部外科学会
の講演(アジアの移植というシンポジウム、国立循環器病センターの
川島病院長は「もうやけくそや」といっていました)に出席のため
不在。さて、どうなるやら。

さて、お返事です。
 ブリスベーンの移植数のデータです。
 一九八五年(移植開始)から一九九〇年九月三〇日までのデータで
移植患者数は一三三人(再移植も含めて延べ一四四人、つまり再移植は
一一人)
 内訳は大人七三人(再移植五人)、子供六六人(再移植六人)

 これまでに日本から来た患者数は三八人(子供三五人、大人三人)
 そのうち、七人待機中死亡、三〇人肝臓移植、一人待機中
 移植した患者では三〇人中、九人死亡、二人治療中、一九人帰国
ということでした。
 外国人を何人世話したかについては
 移植数ではなく患者リストに乗せた数を見ると、
 約二五〇人中、四分の一がオーストラリア人以外の外国人。
 その内訳は、ニュージーランド(ここは準オーストラリア人扱い)
 日本、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ハンガリー、米国。
 日本人は外国人の約半分を占める、ということでした。
どうしてこうなるか、は記事で書きたいと思っています。

 もう一つ
 こちらの脳死についてですが、基準の書類はまだ見ていないのですが、
医師の話によれば、脳幹死説に従っているということでした。
脳幹死説をとっている英国の影響が強いことを考えれば、そうかという
気がします。
            シドニーにて
            kepel
                        こと東京科学部内村直之

#0013 sci2919  9010192042

 臓器は鮮度が重要なのだから、移植する患者を選んでいると、臓器が古く
なってしまうのでは、するとオーストラリアでは捨ててしまう臓器があると
いうことに・・・まさか。

もしそうなら、捨ててしまうなら、臓器が適合する他国の人に臓器を提供して
役立てようということになるのかねぇ。
それで日本人のブリスベーン詣でが起こるのかしらん。

      藤治

#0014 sci2919  9010192121

 残り物ですか。まぁ、福があるといいますから。

でも、臓器が余るってことは、交通事故による死者が多いってことかなぁ。
もしそうなら、オーストラリア人はシートベルトせぇーへんのかなぁ。
そうでもなけりゃ、交通事故による脳死者がそんなにでるわけないよう
に思うのだが。
他にも脳死者の供給源があるのかしらん。

ものの本に、この国の人はおばあさんでもかっとぶそうで、田舎道のカー
ブをカウンターステアをあてながら回って行く書いてあったことを思い出
した。

30人中9人が死亡ですか。この比率は高いのか低いのか、きっと低いで
すよね。でなければ患者を選んだ甲斐がないというもの。
ひょっとして、残り物だから適合性はよくなかったりして。

           藤治

#0015 sci2754  9010201536

  kepel様
  ありがとうございます。
  脳幹死説ですか。それなら、臓器を大切にしなければいけません
ね。
                                                美優

#0016 kepel    9010232341

土曜日にオーストラリアからタイ・バンコクに来ました。

タイは臓器移植が進んでいる国です(脳死を前提とする心臓、肝臓についてですが)

チュラロンコーン大学付属病院の先生達の話によると
腎臓は1972年から始まりいままでに約300例。
肝臓は1987年から、同20例。
心臓は同じく1987年から、同30例。
というのが実態だそうです。

 脳死は、オーストラリアと同じく脳幹死を採っています。
 簡単にいえば
       ・自発呼吸がない
       ・脳幹からの反射がない。(これはいろいろ見ます)
 だけで、大脳皮質の働きである脳波は原則としてみません。

 脳死については、米国ハーバード基準がでた1968年から、いろいろな
 議論はしていたようです。

 移植を定着させた方法はやや乱暴です。
1987年に、脳死での移植3例を実施、それを大々的に発表する一方、
大学での委員会をつくり、ラウンドテーブルと称して、医学者、法学者、
裁判官、マスコミ人による話し合いをして「医学の専門家で脳死に関する統一
基準をつくれと報告。常設である政府の医学審議会による1989年の報告書で
決着をつけたというプロセスです。「まず実績あり」という態度といえます。

 宗教の問題ですが、移植医によれば仏教的な慈善の思想が強調されました。

 オーストラリアとは若干の違いを感じさせました。

  より詳しいレポートは紙面で展開します。(さあ、朝日新聞を採っていない人は
  いますぐ販売店に電話しよう!!!!!、セールスマンモード???)

        いいわけ
         こちらの電話事情は豪州より良くないようで
         1200ボーはばけばけで使えません。
         今日、300ボーで試したらうまくいったんですが
         その遅いこと、遅いこと

         タイの女性にみとれて、仕事も忘れそうな
          kepel
                  こと 東京科学部 内村直之でした。

#0017 ultra7   9010241241

 今度は、タイ!!いいなあ、いいなあ(こればっかモード)

 ついでに、「ゴーゴーバー」値段比べとか、タマサート大学
 裏の軍隊試射場で、拳銃一発いくらで撃てるとか、タイ名物
 大人気、恐怖の「死体雑誌」の実態とか、くだらない突撃ルポも
 期待してます。

 いいなああ、いいなあの坤神

#0018 kepel    9010242223

今、バンコクのアジア総局にいます。

こちらのエイズをよく調べているマヒドン大学の教授にあって来ました。
やはりかなりの問題になっているようです。
おふろやさん????
ゴーゴーバー????
   はてなんのことかとしらばっくれる
   東京科学部
      内村直之
      (KEPEL)
でした

#0019 ultra7   9010252035

 えへえへえへへ、旦那、よいかったら艮神の手元にある
 「お進めゴーゴーバー名」及び場所、値段などなど、資料送りましょうか。

 なんでそんな資料持ってるかって??

 艮神は、色々な資料集めているのよん。有名2大「死体雑誌」や
 人気爆発、タイ独特の「お守り専門雑誌」など色々資料はあるよん。

 艮神

#0020 sci2919  9010252306

 サイエンスネットにタイ産のエイズウイルスの保菌者がでないよう祈りましょう。

しかし、「死体雑誌」はなんのためにあるんですか。
あっちじゃ、死体の需要があるんかねぇ。日本じゃ”したい”需要はあっても”死
体”の需要はないと思うけど。

                        藤治

#0021 ultra7   9010260108

 ああ、これねえ。いわゆる覗き見趣味の雑誌です。ほら昔
 「フォーカス」「フライデー」で、死体をガバってだすのって
 あったでしょ。

 全編あればっかっていうのが、今タイに2冊あって良く売れている
 のですよ。

 艮神

#0022 kepel    9010261922

お勧めゴーゴーバー名簿早くください
間に合わないよう!!!!

エイズレポート少しおくりましょうか
    MNPで化けが消えたのにうれしくなった
                                                 ケペル

#0023 sci1223  9010270056

ゴーゴーバーってなんですかぁ?
                  匿名希望

PS. KEPELさん、遠いところからご苦労さまです。新聞に載るのを楽しみにして
  おりますよ。何てったって、朝日新聞の購読者。

#0024 magam    9010270319

あれ、kepelさんはまだバンコクでしたか?

鍋を囲む会が11月17日に決まろうとしてるけど。
都合が悪かったらお早めに。

死体雑誌>ゴーゴーバー>人肉市場>鍋の会>闇鍋
だんだん考えが恐くなってきた・・・・
                  管理人

#0025 sci2754  9010280052

  kepelさん
  今度はタイだそうですが、タイでは臓器移植が進んでいるとは知
りませんでした。日本から臓器移植のために海外に行く時は、アメ
リカなどはよくあるようですが、タイは聞かないものでして、もっ
とも私が知らなかっただけかもしれませんが。
  さて、臓器移植の成功率などはアメリカ、オーストラリア、タイ
など移植を行う地域や病院や医者などによってかなり違うものなの
でしょうか。成功か失敗かの判定も難しいのかもしれませんが、患
者が無くなれば原因がなんであろうと失敗とすれば数値で出るので
はないかと思います。
  次にオーストラリア、タイは脳幹死を採用しているようですが、
大脳皮質の死は関係ないようですね。これって、凄くまずいように
思いました。だって、考えるのは大脳皮質が主だと思いますからで
す(そうですよね)。
  朝日新聞か。講読していないけど記事は読みたいな。記事が出る
時は何日版か教えて下さいね。キオスクで買って見たいと思います
ので。残念ながら朝日新聞は定期講読するほどの魅力はないもので
、ごめんなさい。

  オフは管理人様もおっしゃられているように、kepelさんさ
え都合がよければ17日になると思います。いかがですか。

  管理人様
  気をつかわせてしまいましてごめんなさい。

                                                美優

#0026 kepel    9011011113

ええっと
ただ今帰ってまいりました。
バンコクは日本への回線が100ぐらいしかない上、
回線そのものの質が悪くて、どうしようもないのです。
また詳しいレポートをアップしたいと思っています。

管理人様、美優様、

  17日が勤務になるかどうかまだわからない(ヘヘへ)
  ので明日(11月2日)以降にご連絡します。

       東京科学部  内村直之
              kepel

#0027 magam    9011020007

お帰りなさい、ケペル様。 ご無事でなにより。
                        爺や

#0028 sci2754  9011020053

  kepel様
  レポートをお待ちして下ります。
  17日ですが交流の「なんとかします」のほうでいいのかな。あ
ちらのほうが新しいようですが。
  それと脳死問題はNHKが取り上げるようでして、そちらのほう
も期待していたりします。
                                                美優

#0029 sci1004  9011291702

 うーむここの基調もノーレスだけど,ケペルさんはもうとっくに記事を書いて
 ますよ.みんな新聞よんでるのかなあ ・・・記者さんかわいそ(^^;)

気をとりなおして・・・記事情報

 「外国人の差別なく格安」 11/17夕刊 科学面(げげオフの日じゃないかあ)

 「委員・患者・提供者遺族・・交錯する苦悩」 脳死臨調第一回公聴会
 11/27夕刊科学面

 前者はケペル記者の署名記事,後者はコンジンさまではないかと踏んでいます.

 それと見逃していたんだけど,脳死臨調が,「あの」立花隆氏を招いて勉強会
 を開いていたんですね.どうやら科学朝日の「立花隆が歩く」で紹介された
 画像診断法とかも挙げて,厚生省基準を強く批判したんだとか.11/15朝刊3総

てむぽ

#0030 kepel    9011291735

てむぽ様、ご紹介ありがとうございます
なんかスーパーマーケットの安売りみたいで
困ったみだしだったんですけれどね

 その後、患者さんと称する人から「オーストラリアに連絡したい」
と電話がかかってきました。ビラ効果があったのかなあ、と思って
しまいました。

 オーストラリアで取材した藤田さんのお子さんの未来(みく)ちゃん
は、その後移植を受けられたのですが、そのかいなく、出血を起こして
亡くなられました。6キロという小さいからだで受けたのは、ブリスベーンでも
最小記録だったそうです。ご冥福を祈ります。

       kepel

#0031 kepel    9011292041

次とその次は掲載された記事です。
少し長いので注意!!
    kepel

#0032 kepel    9011292043

移植先進国視察の成果は 脳死臨調、本格審議入り
          90.11.08  朝刊 4頁 解説 写図有 (全3322字)

  脳死状態の人からの臓器移植の是非などを検討する首相の諮問機関「臨時脳死及び
臓器移植調査会」(脳死臨調、会長・永井道雄元文相)が、米国、欧州、オーストラ
リア・タイの3班に分かれての海外視察を終え、審議はいよいよ本格化する。海外視
察は、「脳死・臓器移植先進各国」がどのようにして移植にこぎつけたかを見聞する
にとどまり、問題点についての調査は不十分だった感が強い。脳死臨調は来春にも中
間報告を出す予定だが、国民の広範な支持・信頼を得るには、今後、国内の反対派・
慎重派の意見や懸念を誠実にくみ取る努力と、審議の公開が望まれる。(岩切勉、内
村直之、大牟田透記者)
 10月3日夕、デンマーク・コペンハーゲン空港へ降り立った欧州視察団の一行は、
同国で初めての心臓移植が、前日夜から当日朝にかけて行われたというニュースに出
迎えられた。視察団が滞在中の5日には、初の脳死肝移植も実施された。
 ○移植待つ邦人
 オーストラリア・ブリスベーンで今年9月末までに手術を受けた肝臓移植患者の総
数は144人(再移植11人を含む)。うち、日本人患者は5分の1を超える30人。
豪亜視察団は、ここで移植を待つ日本人家族からも話を聞いた。タイでも1987年
から肝臓で20例、心臓で30例を超す移植が行われていることを知った。
 これより先、7月に訪れた米国を含め、視察団の訪問先はいずれも日本に比べれば
「脳死・臓器移植の先進国」ばかり。「他の国々は進んでいる。論議のスピードアッ
プが必要だ」(永井会長)、「考えていたこと、聞いていたことがすっきり実行され
ていることに感銘を受けた」(早石修委員)といった反応も出た。
 しかし、どの視察も10日前後と短期間だったために、各国とも訪問先は移植を推
進している行政当局や病院ばかり。得られた情報も、いわば公式見解にとどまってい
ることを忘れてはならないだろう。
 例えば、英国では、同国の脳死の基準である「脳幹死」(脳の中の脳幹という部分
の機能停止を脳死とする考え方)について、保健省の医務官のトップから説明を聞き、
強く印象づけられた委員が多かった。その一方で脳死・臓器移植に反対している医師
たちの主張については、「脳幹死に対してというよりも、他人から取り出した臓器の
移植に対しての、いささか哲学的な批判だ」との説明を医務官から聞いただけで終わ
った。
デンマークでは、84年ごろから脳死・臓器移植法制定の動きが起こったものの難航
した。旧西独の医療機関から「国内で脳死移植を始めない限り、90年以降移植患者
を受け入れない」とする通告を受けたことなどもあって、ようやく今年7月脳死・臓
器移植法が施行された。
 その背景には国民に広範な論議を巻き起こすことが必要と考えた倫理評議会(国会、
保健相双方の諮問機関)の活動があった。しかも、その活動は人口500万人余の国
で1年間に200回もの公聴会を開き、6万冊にものぼる資料・パンフレットを配布
するといった徹底したものだった。視察団はこうした事情についても、保健省や報道
陣から話を聞いただけで、倫理評議会の代表者には会わなかった。
 ○突っ込み不足
 豪亜視察団も同様だった。豪州で日本人が肝臓移植を受けられる背景には、末期肝
臓病患者が日本に比べてはるかに少ないという疾病構造の違いがある。タイの場合、
医師が患者に対し絶対的権威を持っており、庶民にとっては手の届かない高額の移植
が慈善事業として行われている。「成功した例は大々的に報道されるが、失敗例が知
らされたことは全くない。一種の実験のようにも思える」(地元有力紙記者)といっ
た疑問などについては、突っ込んだ調査はなかったように思える。
 すでに英国やインドなどで実例が報じられている臓器売買の問題にいたっては「そ
んなことを聞くのは失礼でしょう」(ある委員)と、遠慮が先に立って、触れようと
しなかったようだ。
 そうした制約があったことを意識している委員もいないわけではない。永井会長も
10月31日、帰国後初めて開いた調査会の席上、欧州視察の報告を行い、「もっと、
ゆっくり勉強したかった。いささか不満な状態で帰ってきた」と述べた。
 脳死臨調はこれまで各種視察をはさみながらほぼ月1回のペースで開いてきた調査
会を、今後は合宿を含め月2回ペースにする計画だ。来春に予定している中間報告を
にらんでの審議スピードアップだ。
 ○審議公開必要
 欧州視察の総括記者会見で永井会長は「後発になるとえてして急いでしまいがちだ
が、拙速は後に迷惑をかける」「(移植推進の)少数派だけで固まっているという印
象を与えるのは、ぜひ避けたい」ともつけ加えた。その姿勢をどこまで貫くか。
 また、そうした姿勢を国民に示すためには、審議の積極的な公開が必要だ。10月
31日の調査会から講師の意見表明の部分に限って報道陣の傍聴を認めたが、委員同
士の意見交換は非公開だ。米国視察で大統領委員会がすべて公開で行われたことなど
を踏まえて「我々も何も秘密にすることはないので、もう少し公開を推進させたい」
(井形昭弘委員)といった発言も出ており、真剣な検討が求められている。
 ◆視察先での委員語録
 ○審議スピード化を
 永井道雄会長「日本の場合、意見が違うと十分に論議しない傾向がある。だんだん
にコンセンサスを得ていきたい。一方で、他の国々では進んでおり、審議のスピード
アップは必要と感じた」(欧州視察の総括記者会見で)
 ○日本は努力足りぬ
 早石修委員「脳死は、日本の風土だから受け入れられにくいのかと思っていたが、
西欧諸国でも同じだった。みんなが努力して乗り越えていったわけで、日本はそうし
た努力が足りなかった」(同)
 ○外国のマネでなく
 森亘会長代理「脳死・臓器移植に関して、豪州でも日本と全く同じような議論を約
10年前にしている。法律やシステムをほかの国から借りてくるというのではなく、
自分たちで自分たちの(臓器移植)を作った、という印象を受けた」(豪州・シドニ
ーのセント・ビンセント病院で)
 ○国際社会の仲間に
 木村栄作委員「脳死・臓器移植には国際性が必要になっている。日本も一つひとつ
問題を解決してその特殊性を克服し、国際社会の仲間入りすることを念願する」(豪
州・ブリスベーンのプリンセス・アレクサンドラ病院で)
 ○学ぶもの特にない
 平野龍一委員「脳死を認めて30年、移植を始めて20年のアメリカは現在ではす
っかり安定している。ここで見たことをすぐに日本で役立てることはできない。大統
領委員会も脳死臨調も同じようなもので、新たに学ぶものはあまりなかった」(米国
視察の総括記者会見で)
 ●脳死臨調の主な活動と今後の予定
 3月28日  第1回調査会
 4月26日  第2回調査会
 5月16日  日本医大病院救命救急センター視察
 5月30日  北里大病院救命救急センター視察
 6月21日  第3回調査会(講師・竹内一夫杏林大学長)
 7月12日  米国視察
  −21日
 7月25日  第4回調査会(講師・中川米造滋賀医大教授、
        加賀乙彦氏=作家)
8月1日   神戸市立市民中央病院救急部・集中治療部視察
 9月20日  第5回調査会(講師・村瀬敏郎日本医師会副会長、
        武下浩・小倉記念病院長、魚住徹広島大病院長)
 9月30日− 欧州視察(英国、デンマーク、ドイツ)
 10月11日
 10月16日 豪亜視察(オーストラリア、タイ)
   −23日
 10月31日 第6回調査会(講師・唄孝一北里大医学部教授、
        中山研一大阪市大名誉教授、西岡芳樹弁護士、
        石川元也弁護士)
 11月14日 第7回調査会(講師・加藤一郎成城学園長、
        立花隆氏=評論家、沢田允茂慶大名誉教授)
 11月21日 第1回地方公聴会(名古屋市)
 11月28日 第8回調査会
 12月6日  第9回調査会(合宿)
   −7日
 1月17日  第10回調査会
 1月29日  第11回調査会
 2月12日  第12回調査会
 2月14日  第2回地方公聴会(福岡市)
 2月25日  第13回調査会

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「外国人の差別なく格安」 豪で続く日本人の肝臓移植、現地で聞く
          90.11.17  夕刊 15頁 みんなの科学 写図有 (全2008字)

  脳死を前提とする肝臓や心臓の移植が、日本でできないため、海外へ行って手術を
受ける患者が続いている。このほど、「臨時脳死及び臓器移植調査会(脳死臨調)」
の豪亜視察団(団長、森亘会長代理)も、オーストラリア肝臓移植の中心となってい
るブリスベーン市の王立子供病院、プリンセス・アレクサンドラ病院で日本人患者・
家族に面談、事情を聴いた。現地での移植事情、患者・家族の声を追った。
 (内村直之記者)
 「ほら、移植をするとこんなに元気になるんですよ」。1988年5月に肝臓移植
を受けた山岡紗季ちゃん(4)を抱き上げながら、母親の友紀枝さん(35)が言っ
た。紗季ちゃんは手術後、脳出血を起こし、今はリハビリ中。友紀枝さんは、自らの
経験を生かそうと、プリンセス・アレクサンドラ病院内にある「クインズランド肝臓
移植サービス」で外国人のためのコーディネーターとして働き始めた。「英語も下手
なんですが、なんとか役に立ちたいと思って」。山岡さんは、自分を雇うというブリ
スベーングループの懐の深さに改めて感謝している。
 オーストラリアにおける肝臓移植の約半分を実施しているブリスベーンのチームで
は1985年の移植開始から今年9月30日までで、再移植11人を含めて144人
に肝臓を移植した。これまでに日本から来た患者は38人(子供35人、大人3人)
で、そのうち、7人待機中死亡、30人は肝臓移植を済ませた。移植した30人中、
19人は退院して帰国、9人は死亡、2人は治療中。
 同チームでの1年生存率は72%というから、日本人は少し成績が悪い。「日本で
ぎりぎりまでいて、渡豪してくるからでしょう。日本人だからと言って治療の質が違
うことは絶対にありません」と金沢医大から留学中の北谷秀樹医師(40)はいう。
 ブリスベーングループの臓器移植の第1原則は臓器提供者の善意を最大に生かすこ
と。「患者がいるから臓器がほしい」ではなく、くれた臓器をなるべく長く生かすた
めに、移植する患者を選ぶという。さらに積極的に社会復帰の意思のはっきりしてい
る人へなどという考え方がある。
 外国人の扱いはどうなっているのか。「肝臓の提供があったら、まずオーストラリ
ア人、次に準オーストラリア人扱いのニュージーランド人、その次が日本人などの外
国人だ。オーストラリア人の利益を損なわないというのが原則」とプリンセス・アレ
クサンドラ病院移植スタッフの中心、ラッセル・ストロング移植外科部長はいう。
 この優先順位原則と、医療費11万豪ドル(約1100万円)を払うことを除けば、
外国人だからといってなにも差別はない。実際、移植をしたいといって申し込む患者
の4分の1は外国人だ。
 「決まったお金さえ払えば、手術、術後の管理、さらに再移植にいたるまで、他の
費用は不要です。米国での5000万、6000万円というのよりはるかに受けやす
い」とブリスベーンで8カ月も移植の日を待っていた藤田未来ちゃん(1)の父親正
美さん(23)はいう。体重をつけるための徹底的な栄養管理や、詳しい治療方針の
説明など、日本では経験できなかったことを経験し、ブリスベーンの医者への信頼感
はますます深まっている。
 一方、臓器移植全体をながめてみると、肝臓移植は心臓移植よりもだいぶ有利だ。
一番大きな違いは移植を待っている患者の数だ。プリンセス・アレクサンドラ病院の
肝臓移植待機患者は10月中旬の時点で3人。それに対して、これまでに230人(
再移植5人を含む)の心臓移植を行いオーストラリアの心臓移植の中心となっている
セント・ビンセント病院(シドニー)では、待機人数は60人もいる。外国人に行っ
た心臓移植はわずか13人だ。
 「この国では、肝臓病より心臓病の方がずっと問題」。セント・ビンセント病院心
臓移植プログラムのマネジャーを務めるソニア・ニュウエルさんが説明する。WHO
に報告されている死因の統計によると、10万人あたりの死亡者数で心疾患は日本の
129人に対してオーストラリアは237人。これに対して肝臓疾患は日本同13.
9人に対してオーストラリアでは半分の7.3人。さらに、肝臓には、比較的長い時
間保存できる、部分肝移植などで患者に合わせやすい、などの点があるのに比べ、心
臓は不利な点が多い。
 ストロング部長は「オーストラリアも10年前は移植ができず、米国などほかの国
に厄介になった。だから、日本も移植ができるようになったらほかの国の人を助けて
あげてください」といった。この余裕は提供肝臓数の余裕からくる。しかし、ドナー
不足に悩む心臓移植に取り組む医師からはこのような言葉は聞かれなかった。
 視察した脳死臨調の委員たちも、ブリスベーングループの国の分け隔てをしない態
度に感心した。「日本で脳死移植ができるようになったとき、外国の人もその治療を
受けられるよう一定の枠を作ることも必要なのでは」とある委員はいった。

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 なんで、わらひの記事とわかったやりなあ。
 と、なると、わらひも記事をアップせざるを得まいに。
 長いので注意ヨン。

 艮神

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  委員・患者・提供者遺族…交錯する苦悩 脳死臨調第1回公聴会から
          90.11.27  夕刊 7頁 みんなの科学 写図有 (全1454字)

「うめきながら探し求めなければ本物ではない」。名古屋市で21日開かれた脳死臨
調(永井道雄会長)の第1回地方公聴会で、臨調委員の1人は、脳死・移植問題で国
民の合意点を見つけ出す難しさをこう表現した。この日の公聴会では、他人の死を待
つことに疑問を抱きつつ臓器提供を望む患者や、脳死状態で夫の臓器を提供したこと
にいまだ迷いを残す主婦らの交錯する思いが吐露された。体験から語られる、これら
の矛盾する意見をどのような結論へ導くか、臨調側に重い宿題となった。
 意見発表をした8人のうち3人が、脳死や移植を自分の問題として体験した遺族や
患者だった。愛知県安城市の主婦横井智子さん(47)は、インフルエンザの予防注
射の副作用で夫を亡くした。最初に診てもらった病院では「かぜ」と言われ、翌日行
った休日診療所でも誤診された。重体になってから運び込んだ病院で初めて脳炎と分
かったがすでに手遅れ。次の日には呼吸が止まり、5日後に脳死と宣告された。
 横井さんは、夫の脳死をみとった経験から、「自分が脳死になったら、臓器を迷わ
ず使ってもらいたい」と思うようになったと語った。だが、突然の発病、誤診、脳死
と心の準備もないままに、臓器を求められた夫の場合は、「血の引く思いの中で、せ
めて心臓が止まるまで治療を、と頼むのがやっとだった」「とても納得なんかできま
せんでした」と話した。
 また、脳死した夫の腎臓を、心臓が動いている状態で提供した新潟市の公務員中村
良子さん(48)は「申し出た善意は十分に生かしてもらい感謝しています。しかし
5年たった今でも、自らの手で夫を抹殺してしまったのではないか、傷つけることな
く安らかに逝かせた方が良かったのではと、後悔を覚えることがあります」と、いま
だに揺れる遺族の心の内を明かした。
 また、病室に現れず病状の説明もしてくれなかった医師が、腎臓の提供を申し出た
とたん態度を豹変(ひょうへん)させた体験を述べ、「医師が患者家族に誠意を尽く
すことこそ、臓器提供の同意を得る近道ではないのか」と、遺族の心も理解せずに臓
器を求める医師をたしなめた。
 しかし、傍聴していた外科医の中には、「脳死を体験しながらも、まだ脳死が理解
されていないことが問題と思えた」と語る人もおり、医師と遺族の意識のすれ違いの
深さを見せていた。
 患者側からは、腎臓を15年間患い、人工透析を受けながら移植の順番が巡って来
るのを待つ福井市の地方公務員大田保彦さん(44)が、移植で性格まで明るく変わ
った知人の例を挙げ、「ぜひ善意の臓器提供をお願いしたい」と移植を待つ人々の期
待を伝えた。
 しかし、「死体からの腎移植を希望することは、他人の死に期待すること。このこ
とには矛盾を感じ、割り切れない」と、自分が助かるために、他人の死を待たねばな
らないジレンマを訴えた。
 このほか、脳死は死といえないのではと、脳死概念のあやふやさを問う弁護士や、
本人の治癒力ではなく、自分が病気を治すのだと考える医師のごう慢さを訴える元看
護婦ら、多様な意見が発表された。公聴会の最後には、「すべての意見に賛成したく
なった」という声が、臨調委員から出された。
 脳死臨調はこの後、福岡などで公聴会を開き、来春にも中間報告をまとめる予定。
傍聴した三菱化成生命科学研究所の米本昌平さんは「米国でも、大統領委員会がこう
いった公聴会を何回も開いて、リポートをまとめた。臨調が、これらの意見をどう総
括するのか。バランス感覚と、わけへだてなくまとめる能力が必要だ」と指摘してい
た。

                                                                  朝日新聞社

#0036 sci1004  9011292218

まあまあ データベースから引っ張りだしちゃっって・・・^^

しかしまあ 大サービスだなや
てむぽ