Wat00304 お天気博士の気象ノート

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     お天気博士の気象ノート



#0001 sci5990  9008311051


         講談社文庫〈お天気博士の気象ノート〉
               倉嶋 厚


              【春は年の朝】

  一年という時間単位は、日、月、とともに、人類にとって、古くから使われてきた
基 本的な単位である。そして、現在では、地球が太陽のまわりを一回公転する時間が
一年 であることは、小学生の知識になっている。が、もしも地球が、その自転軸を公
転面に 直立させていたならば、人間はたぶん、年という時間単位を採用しなかったか
、あるい は、採用したとしても、ずいぶん後のことであったに違いない。
  周知のように、春、夏、秋、冬の四季が生じ、それに対応して自然界に芽生え・万
緑 ・黄落・荒涼の変化が表れるのは、地軸が公転面に傾斜していることにより、地表
面に 入射する太陽エネルギーに一年を単位とする周期的変化があるためである。むろ
ん、直 立していても、夜空に見える星座が、地球の公転に伴い回帰的に交換すること
とか、あ るいは近日点を通る時(現在の一月)が、地球全体がいくぶん暖まり、遠日
点通過時( 現在の七月)にいくぶん冷えることなどにより、「一年」の存在は認識し
得るであろう 。
  しかし、それらは実生活にはほとんど関係のない変化である。人間にとって一年は
地 球の公転を認識するよりはるか前から使われていた「春生夏長秋収冬蔵」あるいは
「春 耕秋収」という農耕の一サイクルであった。一米と書いて、昔はこれを「ひとと
し」と 読んだのも、そのことを表している。
 その「ひととし」を自然界の諸相により、いくつかの期間に分けたものが、季節であ
る 。季節を英語でseason、フンランス語でsaisonというが、これは「種
蒔き 」を意味するラテン語のsatioまたはsationに由来する。季節を区分
して暦 に記入し、その到来を知ろうとしたのは、何よりも第一に、「種子蒔き」の時
期を誤ら ないためであった。
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#0002 sci3855  9009091823

天気に関する記録が日本でとられたのはいつごろからでしょうか。
それらの記録はどこで保管されていますか。
関係のない話かも知れませんが。    ksh

#0003 kepel    9009092225

手元の気象データマニュアル(理科年表読本 丸善)に、そういう
ことが、書いてあるかな、とおもって見てみましたが、書いてない。
(そのぐらい書いておけ、と怒ってもしょうがない)
ととと、ありました。
14章の付表の所に「日本の主な気象要素のベスト10」という
項目がありまして、統計開始年月というのがついてます。
その中では、1883年(最高気温の5位 岐阜と最大風速の6位
 鹿児島)がいちばん古いようです。
 日本でいちばんふるくから観測しているのは多分東京の気象台でしょう。
各地の気象台もそれとおなじころにできているはずです。
たしか1989年は福岡管区気象台の100年でしたから、そこは
1889年創立でした。(100年物語を書いたもので知っている)
 それから、そういう古い記録は各気象台で持っているはずです。
たぶん気象庁には集まっているでしょう。100年史を作っているところも
多いと思います。

  多分、多分というお答えで済みません。
   お江戸のkepel
      こと 東京科学部 内村直之・ 拝