Wat00165 3/18夕刊科学面  脳の患部もくっきり

#0000 sci1902  8903190325

脳の患部もくっきり

偏光フィルターを使って見る3Dですね。これを使うのはすごいアイディアだ。
まあ、教育用の目的が主なのでしょう。
双眼顕微鏡(顕微鏡とは言ってもたいした倍率ではない)のすごさ、医学におけ
るシュールレアリスムとでも言いましょうか、こりゃ見た人じゃないと分からな
いくらいすごいものであります。これを多くの人が同時に見られるというのは、
教育や、学会発表、はたまた記録の面でも臨場感と言いましょうか、視覚情報の
量ってのは、きっと多くなるのでしょうね。

ところで話は変わりますが、脳外科領域での新しい機器の話。
BRONCHO FIBERみたいなもので、もっと細いのを開発したらどうで
しょう? 脳手術って、開頭したところを中心に、見ることのできる範囲はそう
多くないのです。で、手術中に、そのファイバースコープを滑り込ませて・・・
術中の情報量、増えると思うんですけど。
どなたか医療機器メーカーの方、考えてみません? 
                脳外科は、座れるから好きな つちねこ

#0001 sci2320  8903250340

どこを見るのですか? /TOMMOMI

#0002 sci1902  8903251537

お、お、resがある!!
うれしいーしろさー、にこにこ。

ノーガキはこれくらいにして、ご質問にお答えを。
Fiber を使って、どこを見るか、ということです。はい、脳の裏側や、通常の
開頭法では見にくい部分(のーかんのほうとか)をみます。

例えば、脳腫瘍の手術の際メインである腫瘍のほかに、裏側にも腫瘍の存在が
疑われた際など、切除の対象となるかどうか調べるのにもう一ヶ所開頭したり
頭蓋骨の上半分取っちゃったり(ウーン、こんなことするのかなあ)するより
も侵襲が少なく情報がてにはいるのではないかとおもうのです。(この例、今
思い付くままに考えたものなので、例として適切でないかも知れないし、脳外
科の人からは笑われちゃうような変な例かも知れません。納得いかない例でし
たらその辺、割り引いてください。)

さらに将来的には、現在消化管関係で行なわれているように、Fiber scope を
用いて、遠隔操作的なことができたらいいですね。まあ、脳は頭蓋骨に囲まれ
ていますから、消化管とは違ってどっかに小さな穴開けなきゃなりませんが。
そう、藤ノ木古墳みたいにやったらいいのかな? 

という訳で(←便利でしょ? )今のところ、確固とした方法や適応など考え
てある状態ではなく、「こんなこともできるんじゃないかなあ」程度の話です。

TOMMOMIさん。こんな答えでよろしいかなあ? 
                       つちねこ

#0003 sci2320  8903251733

あまり賛成できない./TM

ファイバースコープは,腹腔や気管支内のような,フリーな空間が存在
するところでないと使えないのではないでしょうか.
ファイバーが走る部分の脳実質を損傷する怖れがあるので実用できるか
どうか?

腫瘍の存在を特定するには,術前のMRIなんかの検査をちゃんとやる
ことで可能となるのではないでしょうか.
それに,ファイバーでたまたま発見されたような意外な位置の腫瘍に,
アドリブで対応するのは難しいだろうし.

脳室の内側を見られるほど細いファイバーが開発されれば有用でしょう
けど.
                 TOMMOMI

#0004 sci1902  8903251842

う〜ん。やっぱり、例がまずかったかなあ。
あの例は、省いて下さいね。こういうこともできるかも、のつもりで出したんです
けど。いやあ、撤回撤回。

TOMMOMIさんのご心配もっともなことと思います。脳実質は傷付きやすいで
すから。現在のことではなく、将来的にきっともっともっと細いファイバーが開発
されれば大丈夫になるのではないかなあ、少なくとも可能性はあるんじゃないかな
あ、そういうつもりです。まだまだ、動物実験以前の段階の話(だと思ってますが)
ですので、もしどなたかが臨床応用に向けていろいろ研究されるのでしたら、そう
いう危険性についてももちろん配慮されると思います。

ファイバースコープの威力は大した物です。例えば、早期胃癌は最近は直りうる癌
の一つですが、「癌=死」から早期胃癌を解放した功労者として胃内視鏡は、落と
すことはできないでしょう。最近では、血管から内視鏡を入れて心臓の様子をみる
「心内視鏡」の研究も進んでいると聞きます。色々な可能性を含めて、「脳内視鏡
(いま勝手に命名しちゃいました)」は、これから研究が行なわれたらいいなあと
思っています。どうでしょう、問題点は多々あると思うのですが、可能性の話とし
て聞いて頂けませんでしたでしょうか。で、研究の結果どうしても駄目ならしょう
がないけど、安全性が確立されるようになって、臨床応用ができるようになったら
素晴らしいこととは思いませんか。TOMMOMIさんの言われるような「脳室内
をもみられる」様にもなるかも知れませんよ。

ここでタネ明かしをしちゃいましょう。
今をサルこと数年前、私は脳外科で学生実習なるものをしていました。その時、3
年目の先生が漏らした言葉がヒントです。母校の脳外科の助教授(若手の助教授で
すが、脳外科の最高責任者でした。)は、3年目の先生からそのアイディアを聞き、
頑張れば実用になるかもしれない、と(本気かどうか知りませんが)結構乗り気だっ
たそうです。
その後、助教授先生は、九州大学の助教授として栄転され、この話がどうなったか
私は知るよしもありません。まあ、そろそろ時効でしょう、と思い、科学欄に教育
用(?)の、脳外科の視覚の記事が出たのを幸い、オマケの形で(さも自分が考え
付いたかのように、わはは。私にそんなアイディアが出るはずがない? )述べた
のでした。
てなわけで、この話、まだ海の物とも山の物ともわかんないあくまでも「可能性」
の話です。科学記事のコーナーでresをいただきたいへん嬉しかったのです(わ
たしゃ、記者さんじゃありませんけど)が、TOMMOMIさん、こんなところで
了承していただけますか? あんまり答えになってないかもしれませんが。
            外科は体力がいるからできない   つちねこ

#0005 sci1902  8903251845

PSそうそう、「光る壁」って、朝日新聞でしたっけ?
東大(だったかしら? )で、胃カメラ(当時はまだ
硬性鏡だった)を、開発した話です。

あ、関係なくてご免なさい。あれ、好きだったんですが・・・。
            オンライン       つちねこ

#0006 sci2320  8903270632

どんなに細くても脳実質に針を刺すのはね.

むかしCTももちろんNMRもないころ,「気脳写」といって,脳に針を
刺て脳室内に空気をいれてレントゲンをとる方法がありましたが,検査
方が進歩したことで使われなくなりました.

腫瘍の存在なんかを知るためには,NMRの解像度上げるなどの工夫を
して,術前のオリエンテーションを正確に行うほうがいいと思っています.

                   TOMMOMI

#0007 sci1902  8903271612

あの、次長いですので、興味ない方は飛ばしてくださいね。
          前科一犯・禁治産者        つちねこ

#0008 sci1902  8903271614

はいはい、またまたこんにちは。ここも関連発言がたくさんついて嬉しい
嬉しい。

TOMMOMIさんは、脳実質に傷がつくことを恐れている、そのために
賛成できない立場である、そう受け取りましたけど、よろしいかなあ? 

それに対しての私の答えは、「まだ研究段階以前のものだから、そういう
心配についても配慮されるようになるのでは? 研究してみてどうしても
だめなら、臨床応用は諦めればいいのでは? 」というものでしたけど、
そう受け取ってもらえました? 

さて、本意ではないのですが、話がMRI(NMR)の方へ行ってますの
で、そちらについてもコメントさせてくださいね。
TOMMOMIさんの言われますように、MRIは、これから解像力を上
げたり時間がかかるという欠点を補ったり、(そういえば、3−4日前の
夕刊科学面にありましたね。呼吸センサーを付けて横隔膜の動きが静止し
た時のみ撮影するようにしたら、鮮明なMRIがとれたというの。感想出
そうと思ってたんですけど。う、う、すいません。)かつてCTがたどっ
て来たような、いろんな工夫をしなくてはならないでしょう。もちろん、
私はそれに何ら反対する立場ではありません。むしろTOMMOMIさん
同様、大賛成であります。

消化管の検査法に、upperGIと、内視鏡という方法がよく使われる
検査の中にあります。それぞれ、一長一短であり、また副作用と言います
か、検査による弊害もそれぞれあります。例えば、upperGI(あ、
いわゆるバリウムを飲んで、あっちひっくりがえったり、こっち向いたり
してレントゲンとられる、あれ、です。)は、検診ならともかく、入院時
の精密検査では、15ー20枚の撮影をしますし、撮影の位置を決めるた
め、フィルムにはとらねどX線をあてて透視しますから、普通われわれが
経験する胸部撮影(「はあ〜い。息を大きく吸ってえ、はい止めてえ」、
パシャッ)に比べたら大量の被爆をします。内視鏡のほうにも、潰瘍を作
るかもしんないとか、何よりもむちゃくちゃキモチワルイとか問題があり
ます。
うまいことこの両者が、互いの欠点を少しでも補えれば一つの検査法しか
ない場合に比べたらよりよい選択ができ、患者さんへの悪影響も、ちっと
は少なくなる、そう思いません? (もっとも、現実には補いあう、まで
行ってるのかな? )
長々と、直接関係ない例を挙げて説明しました。ごめんなさい。この例の
関係が脳外科の分野でもあったらいいな、そう思うのです。脳内視鏡は、
まだまだ研究段階以前のものだと思っています(どこかで、研究している
方いらっしゃいましたらごめんなさい)。TOMMOMIさんのご心配は
よくわかります。そういう意見こそ、(研究が進んでいるとしたら)研究
者に参考にされ役立たせられるものであるでしょう。TOMMOMIさん
の考え方こそ、研究に必要なものであると思います。決して、研究をやっ
ても意味がない、とおっしゃっているのではない、と受けとめています。

それから、気脳写についてひとこと。(にしちゃ長いか)
おそらくTOMMOMIさんは、承知の上で言われているのだと思います
が、多少、誤解を招きそうな点があったので補足しておきます。
気脳写は、私の世代ではもうすでに使われなくなった検査法で、実際をみ
たことはありません。ですから、これは教科書や、先輩医師から得た知識
でしかありませんけど。
私の聞いた気脳写は、腰椎穿刺(腰のところの背中側から10cm位の長
いはりをさして、脊髄のクモ膜下腔=脳のクモ膜下腔につながっている、
を穿刺すること。いまでも、髄液採取、麻酔、等で頻用される比較的簡便
な検査手技)によって行なわれます。脳実質を刺すことはありません。腰
椎のところから、針を刺して空気、または笑気等の気体を注入しますと、
立っている状態ですと、脳の方へブクブクと、ガスが上がっていきます。
脳室は4室あり、それらを結ぶ水道もいくつかありますが、いろいろな姿
勢を取らせることにより目的の場所にガスを集め撮影します。脳実質と髄
液は、X線上区別が付かないのですが、脳実質と空気等のガスは、良く区
別されるのでこの検査により、脳室の形状の変化といったことがよく分か
るそうです。このとき、断層撮影を行なえば脳室に関しては、今のCTの
様な撮影ができます。
気脳写は、その副作用と適応のむずかしさから、そう頻用されるべき検査
ではなく、ことに、この検査によって脳ヘルニアという、致死的な合併症
を引き起こすくらい危険なものでした。より安全な、CTが登場してから
はほとんど全く行なわれなくなった検査です。
脳実質を穿刺する検査であるので行なわれなくなったのではありませんか
ら念のため。
そういえば、再放送で見たベンケーシーでは、気脳写をやって「meni
-ngiomaだ」とか診断してた。

いやあ、長くてすみません。そういうわけで、TOMMOMIさん。こん
な答えでよろしいでしょうか。ご意見、ご感想お待ちしております。
  科・技コーナーを盛り上げたい   前科一犯・禁治産者 つちねこ

#0009 sci1009  8903280456

胃カメラの連載小説は読売だったと思います。
毎日楽しみに読んでました。
   sci1009:狩野

#0010 sci2320  8903290104

私の補足
 
腰椎穿刺による気脳撮影では,一般に第3脳室の正中断面像を撮影します.
CTににた像ではなく,MRににた像です.

側脳室の造影を行うときは,穿頭術を行います.
この場合,撮影位置を変えることで立体的な情報をえることができます.

                    TOMMOMI

#0011 sci1902  8903290340

はいはい、またまた登場するつちねこです。何と!! 関連発言が10を越えた!!
 科・技コーナーにしてはヒットの方ではないだろうか!? 

さて、TOMMOMIさん。いつも書込みどうもです。
気脳写の話ですが。えーと、私の持っている脳外科の本(手元に放射線の本がない
のがつらい)には、やっぱり腰椎穿刺にて行なう、とかいてあります。医学書院の
標準シリーズの3版(これはもはや古くて、NMRがのってない! )ですけど、
気脳写の項には、「被検者を坐位にして腰椎穿刺を行ない、約20mlの空気を注
入した。被検者の体位変換や撮影方向により、空気は側脳室体部や前角(A),側
脳室(B,C),側脳室後角(C),第三脳室や脳槽なども造影される。」となっ
ていまして、その時の写真がA,B,Cの3枚載っています。それには、側脳室が
きれいに写っています。
私は、前にも言いましたが、直接気脳写をするところを見たことがないので断定的
なことは言えません。一度、放射線の本を調べてみます。
脳外科の本にも、脳を穿刺するやり方は、気脳写とは別の項目で書いてあります。
それによりますと、「目的は、側脳室を穿刺し、造影剤(陰性、陽性)を注入し脳
室系を撮影すること。方法は、頭蓋骨に穴を明けてから、側脳室前角を穿刺する。
適応は、気脳写で造影の困難な例、危険な例。」となっています。TOMMOMI
さんの言われているのは、これのことかしら? だとしたら、「側脳室の造影は、
脳を直接穿刺する方法でやる。」と言うのは、誤りではありませんが、1st チョ
イスでは、ありませんね。このことなのかしら? お返事待ってます。

それから・・・と。また、私の舌足らずがでてしまいました。前のアップで、「断
層を撮ると脳室にかんしてはCTみたいに撮れる。」と書きました。あれ、そんな
に深い意味はなかったのです。言わんとしていることは、「CTの概念のごとく(
画像状態が似ている、といういみではない)、平面上の断面がとることができる」
ということでした。うーん。MRIに似ているのですか? その辺は、不勉強で知
りませんでした。これは画質が、MRIに似ているという意味でしょうか? それ
とも、断層は、矢状断で撮れるから、という意味でしょうか。その辺、教えて下さ
い。
ちなみに、何が何だか分からずに読んでいる方のために説明です。CTは、原則と
して、「ワギリ」しかできません。後で、コンピュータ上の処理で、縦ぎりにもで
きますが、縦方向の解像度は、5mmとか、1cmとかの、非常に荒いものになり
ます。一方MRIは、縦でも、ワにでも切れます。気脳写の際の断層は、(ここか
らは私の想像ですから、間違ってるかも)線源と、フィルムを平行移動させて作り
ますから、おそらく縦ぎり中心にならざるを得ない、そう思います。

ところで、TOMMOMIさん。脳内視鏡の話は、あんなもんでよかったでしょう
か。ご意見・感想等お待ちしております。
              実は、更に続いたりする    つちねこ

#0012 sci1902  8903290341

3/28夕刊科学面に、またも3Dを使った話が出ていました。(今、はやりなの
かしら? )今度は、眼科でして、眼科の手術で顕微鏡を使いますが、それを立体
的にTVで見ちゃおうというはなしです。電波で飛ばせば、遠隔地でも3Dで見ら
れるという実験でした。
うーん。時代は進む。

ほとんど、ゴミ同然の感想しか出せない      つちねこ

#0013 sci1902  8903291504

かのさん
光る壁の情報どうも有り難うございます。

そうか、あのころ、実家はヨミウリをとっていたのだなあ。
実家は、とる新聞をコロコロ変えるからどこの話かよく
わかんなくなっちゃうのです。

どうも有り難うございました。今度、単行本でも捜してみよっと。
                          つちねこ

#0014 sci1902  8903291724

あ、「かりの」さま、でしたっけ? 
すんません。読み方を教えて下さいまし。

国語能力の乏しい                つちねこ

#0015 kepel    8903292122

お医者様の多さにびっくりした
kepel

#0016 sci1009  8904050319

あ、どうも、かのです。
うちもよく新聞を変えますが、
反応がよくないというのは、
朝日でなくて読売だと考えられないかな??
やっぱり朝日読者が多いんでしょ、このネットは。

たしか(証拠はないけど)読売だと思います。
   sci1009:狩野

#0017 sci1902  8904051224

自分で勝手に宿題としておりました、放射線の本を調べる、というのちょこっとで
したがやってきました。御報告(ってほどのものではありませんが)致します。
昨日、本屋さんで放射線の本(標準シリーズ)を立ち読んできました。しくしく。
ほとんどのっていないのです。私の持っているちょっと古い脳外科の本の方がよっ
ぽど詳しく載ってました。ちなみに新しい脳外科の本では、写真は削除、説明は前
のまま、でした。(そのかわり、MRIがたくさん載っていました。)
こうなったら、図書館へ行って古い本を調べるしかないようです。時間の関係上、
今すぐ図書館で調べられるかどうかは確約できませんが、何とか調べてみようかな
と思っております。

>かの様
私の実家は、新聞の銘柄をころころ変えるので、何新聞か良く分かりませんでした。
でも母が、読売巨人軍は永遠に仏滅です! のファンですので、読売をとることが
おおいです。(ちなみに、実家では朝日はとらないことがおおいですねえ。サンケ
イとか毎日とかは良くとってますが。)どうも有り難うございます。「光る壁」毎
朝学校へいく前に、楽しみに読んでいたのを思い出します。

            とりあえず御報告、の    つちねこ