Wat00139 レーザー光線の人体への影響は?

#0000 sci2771  8902181148

レーザー光線の人体への影響は?
                              BY HAL
 レーザー光線がいろいろな分野で使われるようになってきましたが、なかには
医療の道具として人間の体に直接作用させるものもあります。完全に無害だと証
明された上で使用されているのか、まだはっきりしないけれど利点の方が大きい
から使われはじめたのかお答え・ご意見・参考資料を求めます。

#0001 sci1395  8902230112

        具体的にどんなことを心配なさっているのでしょうか?
        レーザー光線ってただの光だと思うんですけど。
                                                        MNEMO

#0002 sci1380  8902230319

        そうですよね・・・?
                                        <ぺけろっぱ>

#0003 sci1429  8902231128

でも、ですことかで ばしばしにレーザーだしてるのを見ると
「目に入ったらあぶねーなー」 とか思ってしまう私。

#0004 sci1395  8902231433

        それは言えてるかも知れないですね。あぁいうレーザー光の出力は
        どれくらいなのでしょうか?
                                                (フリートークへ移しませんか?)

                                                        MNEMO

#0005 sci2377  8902240328

レーザー光は自然光と違い位相が単一であるから云々と言う事を
以前聞いたことがあったんですが、
多分、エネルギーが溜り易いとかなんとかだとおもった。
で、目にはいると網膜が侵されるとか、なんとかだったような・・・。
                                未確認情報です
                                                kota.

#0006 sci2100  8902240937

 台湾の物理学のある教授は、その著書の中で、
 「ディスコなどで使われているれーざー光線は、眼に入ったら非常に危ない」
というようなことを書いていました。
 しかし、考えてみれば、眼にあたる確率などは原発がメルトダウンする確率
ほど低い? のではないか? な?

       ということは高いんぢゃないでしょうか?
                             ぼの

#0007 sci2100  8902240943

 それと、ちょっと関係ないことですけれども、
 現在の技術でミサイルを破壊(AAMていど)する威力をもっている
レーザー併記もとい兵器をつくろうとすると、B707いっぱいの大きさ
になってしまうらしいですね。
 私、小学生の頃に、図書館で「20世紀の科学」(青い本です。誰かおぼえて
いないかな?)というシリーズの、21せいきへの科学、という本で、
「将来は、レーザー光線であっという間にトンネルがほれます」などということ
が書いてあったののを読んで、感動しましたが、現実はそうでもないんですね。

 ちなみに、その本の著者は、今から考えるとずいぶん乱暴な未来予言を
していました。

 例えば、80年には火星へ有人着陸 とか 空飛ぶ車が80年ごろには
実用するとか。。。
               また関係ないことをかいてしまった。

#0008 sci1157  8902242220

レーザ光線は目にはいるとたいへん危険です.手元に定量的な数値を持っていませ
んが,専門家達は目に直接いれないよう防護眼鏡を着用するなど注意しています.
レーザーの種類にもよりますが,一般に細く集束されていてエネルギー密度が高い
ため網膜への損傷が大きくなり安いためでしょう.
目に見えない赤外線の場合は当たっているのがわからないだけに差らに危険なよう
です.もっともパワー密度が問題なので,位相が揃っているために特に危険と言う
わけでは無いのでしょう.
安全については法的な規制もあるはずです.これに従っていればデイスコ等の装飾用
のレーザー光に問題はないはずです.
専門家の中にレーザーで目をやられた人がいると聞いています.油断しないで下さい.

#0009 sci2782  8902251934

仕事柄レーザーに関わっているもので、一言。
  私、光通信用光パワーメータなる測定器の校正に携わっている者です。
我々が扱っている光(レーザー)は、光通信用ですからパワーレベルは、
せいぜい100mW以下で、平行光の光径は、1.5〜5mm程度です。
波長は、0.2〜1.55μm(可視光は、0.38〜0.76μm)で、
sci1157さんがご指摘のように必ず防護眼鏡(波長によって使い分け
て)を使用しています。可視光であっても空気中のチリに反射するから人間
の目に見えるのであって、事実我々の光標準室内では、ほとんど見えません。
(このチリが、測定誤差になるのでクリーン・ルームになっています。)

  安全性についての知識を持ち合わせていないのですが、(こんな事では
いけないと自戒しつつ)問題はパワー密度だと思います。
レーザーを扱っておられる専門家は、それなりの知識を持っているから(デー
タを提供できなくて、すみません)あまり問題にならないのかも知れませんが。
ディスコなどのレーザー光についての安全性を科学部の方に調査していた
だけたらと思います。
                                                ダサイエンチスト

#0010 sci1395  8902260259

        気になっていますので一言。

        どうも基調発言をなさった方がレーザー光線を放射線の一種かなにかと
        混同なさっているのではないか、という気がするのです。僕の考え過ぎ
        だったらすいません。僕は医療用にレーザー光が使用される用途として
        “レーザーメス”という奴しか知りません。(何て無責任なんだ。)そ
        の無知な目から見て「人体に直接作用させる」とか、「完全に無害だと
        証明されて」とかいう言い方は違っているような気がします。皮膚を焼
        き切ることができなければ“メス”としては役に立たないわけですから。

        普通の光でも、強ければ目をやられます。そういえば紫外線はガンの原
        因になりましたっけ。そういう意味ではレーザー光とそれ以外の光との
        間に本質的な違いは何もないのではないかと思っています。逆に言うと、
        普通の光だって状況によっては人体に有害でありうるわけです。レーザー
        光だけを特別扱いする必要はないような気がするわけです。もちろん、
        僕にはたいした知識があるわけではないのですが。

        もし、レーザー光がレーザー光であるが故、人体に悪影響を及ぼすこと
        があるのでしたら、どなたか知識のある方に教えていただきたいと思い
        ます。僕は最初に上のような思考を経て「レーザー光線ってただの光だ
        と思うんですけど。」という発言をしたのですが、ちょっと軽率だった
        かな?と思っているところです。

        うるさいことを言うようですが、このノートはフリートークへ移すのが
        妥当だと思います。できれば、基調発言者である sci2771 氏にフリー
        トークに改めて基調発言を開いていただきたいと思います。どうぞよろ
        しくお願いします。
                                                        MNEMO

#0011 sci1429  8902272210

でも、この「ですこのレーザーの危険性」って 記事にするのに
すごくいい題材だと思うんだけどなー。
記者の人の突っ込みが欲しい所ではあります。

                 秋田県の「おさり沢マインランド」では
                 もろ頭の高さでレーザー出してたよ。怖い。

#0012 sci2771  8903231754

長文です。ご注意ください。(100行位)

ここに発言してから、そもそもレーザとはなにかということを全く知らないと
いうことに気が付きました。
少し勉強しましたのでその一部をお伝えします。

途中、p120レザキ などとあるのは引用の頁数と略号で文末にリストをあ
げてあります。
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レーザの由来

レーザ=LASERは
Light Amplificatino by Stimulated Emission of Rdiation の頭文字による
(邦訳:誘導放出による光増幅)
タウンズTownesとシャウロウSchawlowが1958年論文発表で命名した。

実際のレーザによる発振
 実際の第1号レーザは1960年カリフォルニアヒューズHughes研究所のメイマン
Maimanが成功させた。人工ルビーを使った波長0.6943μmの赤色パルス状レーザ
発振であった。
「Maimanは1960年7月このレーザ光線で風船を割って見せた。」 p227レザシ 

レーザとは何か
 レーザは誘電放出と呼ばれる発光現象を利用して特定の波長の光を強める増幅
器である。(発振器とも言われる。)          

レーザ光線
 このレーザ(増幅器)によって強められた人工の光をレーザ光線laser beam と言う。
レーザ光線と普通の光線との違い
  自然光は自然放出,レーザは誘電放出である。
               *レーザ発生のメカニズムと誘電放出についての
                分かりやすい説明はレザシp224ーにある。

レーザの波長の範囲と種類
 ある物質から出せるレーザ光の波長は決まっている。例えば
「He−Cdレーザ 0.33μ(紫外光),0.4416μ(青)の2種類
エキシマレーザF2 1570オングストローム(紫外線)」        p149レザキ
「発振出力範囲で10μW-1000GW(ギガワット)まで1000種類以上が開発されて
いる」                             p4レーカ
 最も短いものについては
「10.2nm(ナノメートル=0.0102μ)を米国立ローレンス・リバモア研究所が実現
したと1986,3月発表」                                       p229ヒカス 
という記述がある。
 最も長いものについてはいろいろな記述があるが,数cmといったところのよう。
「物質を構成する分子や原子がある一定の条件が満たされれば、気体・固体・液体
にかかわらずレーザにできる。」                p19レザシ

レーザ光線の性質
 分かりやすいのは翻訳だがP12レザセに説明がある。以下に引用する。
「レーザとは、きわめて特殊な光をつくりだす装置である。レーザからでてくるビ
ームは、非常に強力な閃光を連想してもよいが、次の四つの点で閃光とは異なる。
   
1 レーザ光は強い。ただし、強力なレーザは数少ない。・・・中略・・・強さと
は単位面積当りの力の大きさであって、ほんの数ミリワットしか放射しないレーザ
でも、直径わずか一ミリメートルのビームのなかにはかなりの強さを−−太陽光に
等しい強さ−−をつくりだせる。ふつうの電球はこのていどのレーザより多くの光
を発するが、その光は部屋全体へ拡散する。・・・後略
2 レーザ・ビームは細くて、ふつうの光線のようには広がらない。・・・後略
3 レーザ光はコヒーレントである。つまり、レーザから出る光はすべてたがいに
緊密に整列している。・・・後略
4 レーザの出す光は一色しか含まない。・・・中略・・・レーザ光でいちばん多
い色は赤だが、レーザを使ってすべての色ばかりか、いろいろな不可視光を出すこ
とができる。ただし、ひとつのレーザが放射できるのは一色にかぎられる。・・・後略」
レーザの用途
 無限に近いくらいたくさんある。使い道は今もどんどんひろがりつつあり,競争
で開発が進められている。実用化されているものは医学・通信・印刷・音響機器・
複写機・各種加工機器・計測機器・ホログラフィイ・その他にわたり,光計算・兵
器・核融合などへの利用は開発途上にある。

危険性についての記述はわずかしかないか、まったく触れていない。
「出力1mwでも肉眼で直視すれば太陽を見たよりひどい損傷を受けることが動物
実験で確認されている。5mwでは完全に失明してしまう。」   p16レザシ
「前略・・・レーザはみごとな安全記録をつくってきた。・・・中略・・・レーザ
にまつわる死亡事故は、レーザガス内で放電を起こすのに使う高圧電流に感電して
死んだ事故だけである。」                   p40レザセ  
「前略・・・電磁波(レーザ光線も電磁波の一種である HAL注)公害には,生体に
与える負のインパクト、電子機器に与える電磁波ノイズなどがある。・・・後略」
(世界各国のマイクロ波の人体安全制限値の一覧表あり。ただしその中に日本のは
ない。)                            p3セキハ
「電磁波が危ない」はタイトルの通り、始めから終わりまで電磁波が引き起こして
いるかもしれない危険性について書かれた本だが、これを読んでわかることはまだ
何もわかっていないということだ。すなわち、安全であるとの確証があって電磁波
が使われているわけではないということ、とくに日本では疑問も起こっていない。
従って安全性と危険性に関する研究もほとんどされていないようだ。著者が前書き
のなかでエントツの煙のタレ流しを例えにあげているのが印象的である。レーザ光
線に範囲を絞っても同じことが言えるのではないだろうか。

参考文献リスト

略号  TITLE                       著者      発行年出版社   
デンア 電磁波が危ない              吉永良正   1989光文社    
セキハ 赤外線のはなし             大森豊明   1986日刊工業新聞社
レーカ レーザ加工               小林昭    1982開発社    
レカ2 続・レーザ加工          小林昭    1982開発社    
ヒカス 光技術のすべてがわかる本     青柳全     1987PHP     
レザシ レーザー新時代            日経産業新聞 1982日本経済新聞社
レザセ レーザーの世界 J.HECHT&D.TERESI 井坂清訳  1983講談社    
レザキ レーザー光学の基礎        伊賀健一     1988オーム社   
ヘイヒ 世界大百科事典32巻               1972平凡社    

#0013 sci2320  8903250300

ディスコのレーザーって本物のレーザー光なんですか?

医療用のレーザーメスでは,関係者はみんな防護眼鏡をかける(ように努
めて)ます.
高出力のレーザーはもちろん一方向に進むので,使っている医師がただち
に目をやられるようなことはないのですが,メスやカンシ・針などで思わ
反射光を受けることを防いでいます.

レーザーの散乱光がどの程度危険なのか?
これはちょっと分らないですね.
網膜以外の組織がレーザーによって特に障害されるとも考えにくい.
レーザーのエネルギーってのはほとんど全部が組織に吸収されて熱に変る
ことが,医療用に利用する根拠のはずですから.

                     TOMMOMI