Wat00132 科学朝日3月号にご批評を!

#0000 kimot    8902062220

 科学朝日3月号を、2月4日に発売させていただきました。

 お買い上げたまわるだけで大変有難いことでございますが、もしも
よろしければ、ご感想、ご批判、ご要望などをこの場にてお寄せ願え
ませんでしょうか。なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

                      科学朝日 木元・拝

#0001 lumi     8902071852

 科学朝日3月号、ご覧になりましたか?
今月号の特集T「未来飛翔系 宇宙へ!」は我らが木元俊宏さん(拝さんでは
ありません)の構成によるものです。

 サイエンスネットでは、何かとお世話になっている木元さんの記事となれば、
ここはひとつ力を入れて応援せねば・・・というわけで、皆さん是非このコー
ナーにご感想をお寄せ下さい。

 ご感想をお寄せいただいた方には、特別のご褒美があるかも・・・?
 今日付けの夕刊に2月号の完売御礼と、3月号の広告も掲載されていますの
でよろしく!
                  また風邪をひいてしまったlumi

#0002 sci1004  8902072254

 ではでは,先月号の感想をさぼってしまいましたので,ぼちぼちと・・・

 表紙のデザインは,毎回苦労の後が見られて興味深いですね.今月号はなんとも
奇抜.はてさて・・とよおく見たらば,そのものずばり飛翔系と土偶とおぼしきオ
ブジェの合体ですね.しかし,何か隠された意味もありそうな気がしますね.トカ
ゲさんがいたり,尾ヒレがあったりで,フームなんでしょね.(ところで,表紙の
デザインでいちばんラクしてるのがFMファンだと思うんだけどネ.おっと余談)

 みんなの広場の編集長氏の”記事”は,さすが科学雑誌だけあって,データに基
づいていて,納得させられます.確かに”読む”のならば縦書きがいいのかもしれ
ません.ですから,より”読ませる”誌面展開をお願いします.ところで,読むた
めに飽きさせない秘密は,縦書き5段組のレイアウトにあるんですね.なーるほど
ねえ.

☆8m級大型望遠鏡時代の到来
 去年の11月に行なわれた,国立天文台の公開でもJNLT計画を説明したコー
ナーで,研究員さんが汗をふきふき熱弁をふるってましたが・・・要するに,これ
はアッピール記事ですね.興味を引いたのは,「JNLTでは,(中略)薄くて軽
い鏡を採用する.薄いと柔らかいが,コンピュータ制御の多数のアクチュエーター
で上手に支えて,姿勢と形を保つ。」という部分.この技術って,1月号の立花隆
氏の記事にあった野辺山の電波望遠鏡の技術の応用なのでは? とにかく,できれ
ばいいですね.平成元年度予算で調査費くらいはついたのかなぁ.

☆特集1 未来飛翔系宇宙へ!
 この記事で,やっと新レイアウトの科学朝日が生きてきたなあと感じました.ど
うも図版への興味で記事を読んでいるフシが私にはありまして,この記事を旧科学
朝日のレイアウトでやられても,はたして読んだかどうか・・.図版の選択や配置
もシックリくるようになってきたと思います.
 いちばん興味をそそられたのが,「火星を飛ぶジェットエンジン」.最初から最
後までなるほどねえとブツブツ言いながら読んでました.確かに,薄いながらも火
星には大気があるし,CO2 と Mg,確かにたしかに記憶があります.あれにそ
んな推進力があるんですねえ.でもエンジンはよくわかったんだけど,薄い大気で
の操縦性に関する話も欲しかったなあ.(揚力についてはちょいとだけ書いてある
けど,操舵についてはどうなるんでしょうね)
 核融合推進ロケットはむつかしかったなあ.そういえば,宇宙空間での核爆発を
禁止するなんらかの国際条約があったような気がしたんですが,なんだったけなあ.
どなたか教えて下さい.

 長くなりそうなので,ひとまず区切ります.院生浪人
あっ lumiさんだ! パタパタ.

#0003 sci1004  8902080223

#2の続きです. 
 lumiさんもあー言っておられますので,敬意を表しまして,飛翔系の所でちょ
っと質問をば.  p16”エアブリージングで”のところに,早い飛行機ほど離陸
時総重量中の燃料の比率が高くなりがちであり,コンコルドでは約5割,だそうです
が,ラムジェット機では,何割くらいになるのでしょうか.

☆ NIESの追撃
 この連載,科学の話だけでなく経済の話でもあります.だけど,経済の面からこれ
を読むと,記事の印象がガラっと変わってしまうんですよね.かっての日本の高度成
長時代における師匠兼目標はアメリカだったわけだけど,台湾は日本とアメリカから
吸収して,悪しき経済慣習まで吸収しはじめてはいないのかなあ.いやあ,テイコク
シュギでんなあぁ.日帝,米帝,台帝とかね.そのうち,日本とおんなじ歪が来ます
って. しかし,かってのアメリカが日本を見る目っていうのは,いま現在の日本が
韓国や台湾を見る目とおんなじだったのでしょうねえ.(どうも経済のことだと話が
固くなりますね) ウチの教授(経済)がしっかりとファイルしてました.

☆ シリコンの英雄たち−3
 この連載の楽しみの一つは,コンピュータにまつわる伝説的人物の意外なエピソー
ドが読めることなんだけど,今回は超有名なノイマンさんですね.マンハッタン計画
に関わっていたのは知ってましたけど(情けないけどSFで),アインシュタインと
の親交(ある筈ですよね?)は,どんなものだったのでしょうね.
 しかし,ノイマンという人はコンピュータで名を為した人だとばかり思ってました
けど,それはむしろ死んでからの事で,生前はマンハッタン計画の顧問として有名だ
ったのですね.初めて知りました. ところで,ノイマンがどの様な業績があってそ
のような重職(?)に就いたのかが,この文からはまったくわかりませんね.(おっ
と,こりゃあ馬上さんには責任がありませんけど)

☆ フロッピーカメラ
 「従来商品の欠点を一挙に解決」のところに,妙に納得させられてしまいました.
確かにそんなニーズはありますね.いやぁ企業も考えてます.ところで,撮影したフ
ロッピーは,コピーができるのでしょうか.少なくとも基本セットじゃ無理のようで
すが.そういやあ,ソニーがマビカを真っ先に発表した時は,株がえらく上がったこ
とを思いだしました. (なんて賢そうなお子さんなんでしょ.)

☆ 御神渡り
 P117の写真は,今月号の写真の中で一番印象に残りました.1ページに丸まる
掲載したのは,見識です.すげぇーなー.大伸ばしで見てみたいものです.

長々書きましたが,まだ考古学の特集2と「立花隆が歩く」が残ってしまいました.
これは近日中に乾燥芋をお届けするということで,今日はこれまで.

くだらん感想に長々付き合わされたとお怒りの方,ごめんなさい.院生浪人.

#0004 magam    8902082306

院生浪人さん

「シリコンの英雄たち」は実は全訳ではありません。ページ数の関係でかなり端折っ
てあります(とくに訳しにくいところや、地名などがたくさん出てくるところ)。
そこでご要望に応じて、該当箇所を復活します。ただし、ここに書かれていること
以外はお手上げです。

 フォン・ノイマンは1921年にブダペスト大に入学、同年から1923年に
かけてベルリン大で学んだ。そこで彼は数学者のエルハルト・シュミットと席を
並べ、アルバート・アインシュタインの講義を聴いた。その後、チューリッヒの
スイス連邦工科大に移り、1925年に化学工学のディプロマを得た。さらに
1926年3月12日、弱冠22歳でブダペスト大数学科の博士課程を最優等で修
了した。彼は副専攻科目として実験物理と化学を修めた。ロックフェラー奨学生
として1926、27年の両年、ゲッチンゲン大で学び、ここで彼はロバート・オッ
ペンハイマーと友人になった。1927年から193年にかけてフォン・ノイマンは
ベルリン大の数学科の講師をつとめた。このころ彼はすでに世界の指導的な数学者の
一人として認められるようになっていた。

     ( 中略 ) 

 彼の人生の重大な転換点は、1940年代にロスアラモス研究所で最初の原爆製
造にかかわった時に訪れた。この仕事にたずさわった結果、彼はコンピューターの
重要性に気付いた。ゲッチンゲン時代からの知合いであるJ・ロバート・オッペン
ハイマ>ーはフォン・ノイマンを説きつけて彼を1942年に原爆製造秘密計画の
「マンハッタン計画」の数学顧問にした。この強力な武器を作るためにぼう大な計
算が必要とされた。そこで彼の才能が買われたのである。数学、および爆発の衝撃
波に関する彼の知識がどうしても必要だったのだ。(以下略)


フォン・ノイマンは原爆製造に何の疑念も抱いていなかったようですね。むしろ反
ナチ、反共の立場から核兵器開発を推進していたようです。
いま評判のノーベル賞物理学者の自伝「ご冗談でしょう、ファインマンさん」第1
巻(フリートーク327番にこの本の話題が出てましたね)の201ページにこん
なくだりがあります。リチャード・ファインマンもロスアラモスでのマンハッタン
計画に参画した1人だったのです。

>また大数学者のジョン・フォン・ノイマンもいた。僕たちは日曜になると散歩に
>出かけては、峡谷深く分け入ったりしたものだったが、これにはよくベーテや、
>ボブ・バッカーもついてきて、ほんとうに楽しかった。このとき、我々が今生き
>ている世の中に責任を持つ必要はない、という面白い考え方を僕の頭に吹き込ん
>だのがフォン・ノイマンである。このフォン・ノイマンの忠告のおかげで、僕は
>「社会的無責任感」を強く感じるようになったのだ。それ以来というものの、僕
>はとても幸福な男になってしまった。僕のこの「積極的無責任さ」の種はフォン
>・ノイマンが播いたのである。

もしかしてこの本を読まれた方の多くは、なにげなくこのくだりを読み過ごしてお
られたのではないでしょうか。原爆製造の話とからめてこの文章を読むと、背筋が
冷たくなるものがあります。確かにフォン・ノイマンもリチャード・ファインマン
もその学問の領域では偉大な人物だったのでしょうが。

私はMITで宇宙物理学のフィリップ・モリソン教授とインタビューしたことがあ
ります。彼はやはりマンハッタン計画に参加した科学者の1人でした。しかし、モ
リソンは原爆投下後の広島を訪れて、そのあと生涯の反戦・反核主義者になりまし
た。彼はSDI計画にも強く反対しています。このこといまから5年半ほど前の科
学朝日の特集「近未来の戦争」に書いたことがあります。フォン・ノイマンの親友
だったロバート・オッペンハイマーは水爆製造に反対して米原子力委員会から追放
されました。オッペンハイマーやモリソンとは違う科学者たちはどんな人間なのか、
とかねてから考えていましたが、こういう「幸福な人たち」だったということがど
うやら分かりました。
                         管理人   馬上

#0005 lumi     8902101633

院生浪人さんへ

 さっそくの超大作レスポンス、ありがとうございました。
これからも、ごひいきにねっ
                      lumi

#0006 sci1004  8902101736

あらあらlumiさんではないですか.お風邪はいかがですか?
ではまたちょっとだけ.

 馬上さん,わざわざ恐れ入ります.もう少し早く御礼をと思ったのですが,猫は
集団で風邪をひく,バイクは盗まれるで,爆発しておりました.

 全訳ではないなあとは,前々から思っていたのですが,いやいや,わがままも言
ってみるもんです.没(失礼!)部分の復活なんて誌上では不可能ですから,これ
もネットの特典ですね.しかし,中略以後は本文にあってもおかしくないですね.

 ムカシトカゲさんもどこかで言っておりましたけど,やはりコンピュータという
ものは,軍事利用の副産物としての性格が強いですよね.ENIACも専ら団藤で
はない弾道計算用だったそうだし,暗号解読のためにソフトウエアが発達した経緯
もあるそうだし,そしてノイマンの原爆製造のためのそれ.我々がパソコンで遊べ
るのも,軍事のおかげですねえ.とか言ってると思考が後向きだ!なんて言われち
ゃいますけどね.

 「幸福な人たち」という言葉,どっかで聞いたことがあると思ったら,岩波新書
「核先制攻撃症候群」という本の中にも「幸せな同僚達」という表現で,核兵器を
作る職場を描写してましたっけ.確かに小手先の幸せは,疲れなくていいかも知れ
ませんケド.

 ところで,ここを読んでいるみなさん.上の馬上さんの書き込みは院生浪人宛に
なってますけど,みなさんかみしめて読んで下さいよぉ.こういうアーティクルは
ヨソじゃ読めるもんじゃぁありませんよ.しかも記者さんが肌で感じた事を書き込
んでられるのですから,これこそこのネットの価値というものです.さあ読んでる
人はレス入れよう!

 やっぱり,「シリコンの英雄達」のコーナーを作った方がいいかな?鞍の会会員
諸君!

 PS.あのお,僕が科学朝日の感想芋出荷を休憩しているからって,書き込みを
遠慮なさらなくてもよろしいのですよ.どうぞ,どんどん続けて入れてね.(お前は
いつからそんなに偉くなったんじゃい!!)お懐かしや,一人時間差突っ込み.

というわけで御礼でした.院生浪人

#0007 kimot    8902110249

 いろいろお心づかいたまわり、申し訳ございません。
 なお、ご質問の件につきましては、他の皆様からの質問をしばらく
お待ちしまして、まとめて専門家に伺おうと横着を考えておりますの
で、よろしくおねがい申し上げます。
                  科学朝日 木元・拝

#0008 sci1213  8902111151

<科学朝日 3月号について>

 −未来飛翔系宇宙へ!−

 大変興味ぶかくよまさせてもらいました。
 二酸化炭素中で燃焼現象がおきるとは、思いもよらなかったです
 (水蒸気中でも燃焼現象は、起きるんでしょうかと、あらたなる
 疑問も出てきたりしました。)
 あと、核融合推進ロケットについて、早く実用段階に入らないか
 なーと思っています。でも1Gの加速ができるような、エンジン
 もあと、数年すれは、出てきそうな気がします。

 これは、別のはなしですけど、こんど「バイオ−エンジン」につい
 て特集してほしいな、とおもっています。

 −縦横論争について−
 私は、縦組がいいです。なんてったって、流し読みができるから
 です。横組だとこれができないんですよ

 −馬上さんのレスポンスの「積極的無責任」について−
 私は、ノイマンが許せなくなりました。しんじられないですよ
 やはり、自分の仕事については、責任をもつべきです。
 しかし、今コンピュータがあるのは、ノイマンのおかげなんで
 しょうけど、かなしいですね戦争の副産物で今のコンピュータ
 社会があるなんて

 最後に、日本の第五世代コンピュータは、戦争につかわれない
 ようにしたいです。そのためには、ロボット三原則を導入した
 いものですね。
                    yougan.

#0009 sci2596  8903220151

 ■ ひと―統計学の新しい理論で朝日賞を受賞した赤池弘次さん
 モデルに対する観測・実験値の適合の度合を定量的に表わしてモデルの比較ので
きる AIC(赤池情報量規準)は,かなり以前に知ったとき,これは役に立つ概念だ
と感じました.
 記事に紹介されているように,(統計学者の批判をよそに)実務現場で評価が高
まって行ったというのは十分うなずけることです.いろいろなモデルが立てられて
議論されている事柄がたくさんありますが,それらの分析に AIC を用いれば,ずい
ぶん見通しがよくなるのではないかと思います.一例として,最近 LD50 (50% Let
hal Dose―50% 致死量)というのを自分の身近の人が計算するのを見ておりますが,
計算方法にいろいろなやり方があるようです.これなぞも AIC で最も信頼性の高い
計算方法を見つけられるのではないかと思っています.

 ■ 特集 I 未来飛翔系宇宙へ 外惑星をめざす核融合推進ロケット
 ロケットの推進方法の比較に,比推力というちょっとわかりにくい数値を使われ
ていたため,化学ロケット 500 未満に対し核融合型 200,000 と400倍になっている
のに,惑星間往復必要日数のところでは 地球・火星間で 200 日に対し 150 日とあ
まり変わっていないので戸惑いました.要するにスピードという点ではあまり改善
されないということなのでしょうか? この地球・惑星間往復の表で,天王星や冥
王星のところを見,さらに,最も近い恒星アルファ・ケンタウリに2万年かかると
読んで行くと,気が遠くなってしまいます.そして光速ロケットの可能性について
尋ねてみたくなります.また,重力波を使うのではないかと考えられている UFO に
ついても興味をかき立てられてしまいます.
 ちなみに,外惑星探査衛星ボイジャー2号は,約 8.5 年かかって天王星(1986.1),
約 12 年で海王星をかすめるが(1989.8),木星と土星の観測時に惑星重力の加速効
果を受けるよう設定されたため,天王星をかすめたとき,10 万km/h に達していた
らしい(清水幹夫 1986).これはほぼ地球の公転速度に等しい.また,化学ロケッ
トでは天王星まで約30年かかったはずだというから,約3.5倍の速度である.ただし
減速については考えられていないため,惑星間旅行という場合には問題があるので
しょうね?
                                                                 Kennywell