Wat00127 科学面連載「深海は生きている」のこぼれ話

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 1月31日夕刊(一部地域は1日朝刊)から始めた科学欄の連載「深海は
生きている」の筆者です。

 記事らしい記事を書くのは、実はこれが4年ぶりです。記事を書かない新
聞記者がいるのか、と驚かれるかも知れませんが、各部には「デスク」とい
う人間がいます。外に取材に行かないで、いつも机に座っているのが仕事で
す。原稿の執筆を依頼したり、出てきた原稿に手を加えたり、そのほか社内
外との連絡など雑事一般をこなします。

 小生はこのデスクに、4年前から座っています。「久しぶりに外の空気を
吸ってこい」というわけで実現したのが、今回の企画です。取材は楽しかっ
たのですが、原稿にする段になって、長い間自分で書いていないつけが回っ
てきました。ふだんは偉そうなことをいって、人の原稿にあれこれと注文を
付けるのに、自分で書くとなると、なかなか筆(ワープロ)が進みません。
要するにさび付いた機械と同じです。

 弁解がましくなりますが、船で揺られっぱなしだったことも、中年の身に
は殊の外こたえました。昔ならもう少しうまく書けたはずなのに(昔からへ
ただったくせに、という陰の声もありますが)というのが、書き終えての感
想です。

 でも自分で記事を書けるのはいいですね。

 タイトルの「深海は生きている」は、小学生のころ見た記録映画「砂漠は
生きている」を拝借しました。中年以降の人なら、先刻お見通しのことでし
ょう。真っ暗なやみの中で、数百気圧の水圧に耐えながら生きている奇妙な
生物たちには、砂漠の動物たちの時と同じように、いいようのない感動を覚
えました。もっとも生物の話は3回目までで終わり、4回目以降は生きてい
る地球の話に移ります。
        原稿を書く喜びを久しぶりに味合わった大阪のおじさん

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わが家は、申し訳ありませんが、朝日ではないのでした。これはもんだみんだ。
こんなに面白い話が連載されているとはしらなんだ。もう終わってしまった
だろうか。トホホ。一応明日買ってみよう。

私は、学生の時は、海に出ていっては海底地震計を投げ込んだり、
エアガン(圧搾空気による人工音源、地震探査用)を叩いたり、
海中で高圧電流でスパークさせて(スパーカという)夜光虫を驚かせたり
していたので、とても興味ある話です。ぜひぜひこちらの方でもう一度
なんて無理ですよねーー? 科学朝日には出ませんかぁ??

今回は不覚であった。誰かに捨てないでとって置いてもらおうか。

                                                        Sadow

我が、Shadow博物館には、コバルト・リッチ・クラストも保存されています。

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前の話の続きになります。

うちの職場はやはりこういったジャンルを扱っているので、
やはり「深海は生きている」も、しっかり切り抜いて保存されていました。
しかも、本日はそれが回覧になって課内を回っていました。

あの位の船で南半球まで行くと、途中は結構搖れたのではないでしょうか。
ところで、疑問に思うことが一つ。 あんなに遠くで熱水鉱床が発見されても
日本はそれを開発する権利はあるのでしょうか。まさか見つけたもの勝ち、
というわけでもないでしょうが。
                                                        Shadow

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 Shadow様
 回覧とは恐れ入ります。
 北フィジー海盆の熱水活動域は、フィジーとバヌアツの200海里経済水
域に当たりますので、熱水鉱床の所有権は両国に帰属します。しかし、独力
で開発するのは無理なので、その時には日本が名乗りを挙げ、有利な条件で
採掘権をものにしようーーという深謀遠慮かと思われます。

 記事には触れませんでしたが、調査するについても両国はじめ南太平洋諸
国の了解を取り付け、両国の科学者を船にも同乗させていました。
           とりあえず、大阪のおじさん

#0004 tomar    8902090041

 こぼれ話 その2
 南太平洋というと、波もなく穏やかな海を想像します。ところが、北フィ
ジー海盆は貿易風帯の真ん中にあり、連日風速15メートルの東風が吹き続
けていました(空は晴天にもかかわらず)。「なるほど、これなら帆船でも
滑るように航海できたただろうな」と実感しましたが、当然のことながら波
も高くなります。海洋科学技術センターの調査船「かいよう」は、双胴船で
揺れには強い方だといのですが、小生は船に酔いっぱなしで、連日あくびを
連発していました。

 船酔いしていると、酒も余り飲む気にもならず(二日酔いで酒を飲むよう
な気分でした)、頭も働きません。寝ている間もベッドから落ちないように
と緊張しているせいか、熟睡できません。昼間は、船が揺れるのに合わせて
体のバランスをとるせいか、やたらに腹が減ります。外に楽しみもないこと
もあって、ガツガツ食べた結果、1カ月で4キロも太りました。
 同乗の研究者の皆さんは、1年のうち平均100日は船に乗るそうです。
Tさんによれば「1年の3分の1はボーッと暮らしている」とか。結婚式か
ら6日目に船に乗ったIさんは、皆に「いまごろ奥さん家出しているかもね」
と冷かされ、心配そうでした。仕事とはいえ、プロとなると大変ですね。
こんな苦労話も書いておきたかったのですが。
                 大阪のおじさん