Wat00126 科学面(2月1日/2月2日)の感想コーナー #0000 sci1004 8902020221 科学面(2月1日/2月2日)の感想はこちらに #0001 sci1004 8902020221 2/1付夕刊科学面の生干しお芋の配達です.乾燥しきってなかったりします. ☆粒界腐食とは 先週といい今週といい,おんなじ所におんなじ署名の記事.しかも,派手なレイアウ ト.思わず目に飛び込んで来ます. ステンレス=錆びない,と無知蒙昧な条件反射をしてしまうもので,この前の新幹線 の事故報道でも,時速200Km以上で走る衝撃に耐える部品の規格は厳しいものなん だろうになあ,と勝手な感想を持ってましたが,ふーむ,力を加えなくても発生する腐 食が原因なのですか.粒界腐食なんていう言葉は初めて聞きました.ステンレスも錆び るのですねえ.(だいたい粒界なんて言葉,変換できなかった)あれれ,こんなに腐食 の種類があるのですか.(と,こういう時に素直に驚けるのが文系の強み?!) yamanさんのこの記事,変わった写真につられて拝読致しました.フムフムと快 調に読ませて頂きましたが,ちょっとヒネクレた疑問が湧いてしまいましたので,以下 にちょっとだけ. それは,ターンバックルの製造法のところで,「最新の製法では,丸棒を常温で削っ て加工.加熱しないで済ましている.」とのことなんですが,その”丸棒”自体の製造 段階において,粒界腐食が起こるような製法がされることはないのでしょうか.つまり 丸棒をそのまま削るのならば,その丸棒の製造過程に,腐食を引き起こすようなことは ないのかしらとちょっと不思議に思いましたもので.それとも,最新の製造法に使われ る丸棒といままで使われていた丸棒とでは,モノがちがうのかしら? それと,粒界腐食は力を加えても力を加えなくても発生するとのことですが,発生頻 度としては,どちらの方が高いのでしょうか. どうも,シロウトまるだしの質問で申し訳ありません. しかし,この写真ですが,流氷が接岸しそうな時に必ず報道される写真にそっくりで すね.写真の左右でシャープペンの芯先くらいなんですね. タイムリーな記事で,タメになりました. ☆深海は生きている −2 この連載楽しいですね.数年前にNHKで熱水周辺の生物コロニーの番組をやってま したが(潜水艇への同乗取材だった),その当時はなんでこのような群生コロニーがあ るのか,出演者の偉いと思われる先生も”不思議だ!”を連発してましたけど,けっこ うわかってきているんですね.硫黄細菌との共生関係なんですか.でも,硫化水素と酸 素と二酸化炭素などからできる有機物って,一体どんなものなんでしょうね.興味があ ります.今後楽しみです.おじさん,がんばってー!と言ってももう脱稿してますね, きっと. ☆「平成」にギブアップ プログラマーさんが多くおられるこのネットでは,この記事,笑えない人が多いの じゃないかしら.でも興味をそそられますね.免許証のコンピュータ処理で一番重要な のは日付関係である筈で,だからこそ約1000ヶ所もいじらなければならないのだろ うとは思いますけど,警察関係に納入するのに改元を想定してないのは,SEのミスな のではないのかなあ,とか思ったりします.プログラマーのみなさんどう思われます? ”ソフトの担当者”談が,あはれを誘います. 勝手なお芋で失礼しました.院生浪人. #0002 sci1082 8902021334 2月2日(一部夕刊のあるところでは2月1日夕刊)の... と、書こうとしたら、院生浪人さんに先を越されてしまいました。 あの事故の日、私の弟の結婚式が大阪でありまして、新郎方の親戚は東京方 面から、新婦方の家族は岡山方面から集まることになっていました。結婚式が どうなったかは、皆さんの想像に任せるとして、そういう意味で事故の原因に ついては興味を持っていました。 ステンレスも錆びることがある、という噂は聞いていましたが、こんな風に 錆びるのですか。こういう粒界腐食というのは、点検ではチェックしにくいの でしょうか。ステンレスの板金を溶接したものなんてのも錆びるんだろうな。 単結晶なら粒界がないから腐食も起こらないだろうけど、加工しにくいかもね。 泊おじさんの記事の中では、チューブワームという生き物がよくわかりませ んでした。大きさは?消化管はないけど血液は循環しているのかな。体の中の 硫黄細菌に硫化水素、酸素、二酸化炭素を供給すれば、食べ物を作ってくれる なんて、霞を食って生きている仙人のような生き物ですね。 --Tokio #0003 yaman 8902021727 院生浪人様、Tokio様、いつもながら素早いレスポンスい たみいります。お尋ねの件についてお答えします。まず、ステン レスメーカーは、丸棒や板などステンレス材料を販売する時は、 粒界にクロム炭化物がないように処理してから出荷します。だから、 熱を加えない加工法だとまず大丈夫だ、ということです。このほか、 炭素の含有量を減らしたり、チタンなどクロムより炭素と結び 付きやすい金属を加えたりしたステンレスを使う(クロム炭化物 が出来にくくなる)のも対策となります。 粒界腐食は、応力なしで起きます。が、引っ張り応力が加わっ ていると、進行は早くなります。力で腐食の切れ目が進むという のでなく化学的な現象のようです。記事で「力なくても」と書い たのは、金属疲労との区別をはっきりさせるためです。今回の事 故も力の加わらない部品だったら同じ材質、加工法でもっとも長 持ちした可能性はあります。パイプの溶接の時に圧縮応力が残る ようにし腐食を防ぐこともされています。クロムの少ない場所が 出来るのが主犯、引っ張り応力は従犯というところでしょうか。 粒界腐食もひどくなると、たたいてみて音の変化で分かるそう です。が、現在では、粒界腐食が起き易い材料かどうか(粒界に 炭化クロムが出来ているか)を電気的な反応を利用してしらべる 非破壊的な検査方法も開発されています。 取材して驚いたのですが、ステンレスも条件次第では、良く腐 食するのです。そのために対策をまとめた専門書さえあります。 それに、ターンバックルなんて用途の限られた物にもJIS(日 本工業規格)があるんですね。 恐縮しているyaman #0004 sci1260 8902022257 受け売りですが、チューブワームは長さ50−60センチ、 太さは1センチ程度までで、殻というか筒の出口に近い部分 に「はおり」のような筋肉がついています。そのため、たし か和名はハオリムシ?だったかな。 はおりのあたりの胴体に心臓があり、血液循環しているよ うです。 ムカシトカゲ #0005 tomar 8902031332 遅くなってごめんなさい。 チューブワームは写真で見てもらうのが、一番わかりやすいと思います。 しかし、北フィジー海盆ではまだ未発見なので、残念ながら載せられません でした(最近では、東京本社発行の88年11月5日の夕刊に、相模湾のチ ューブワームのカラー写真が出ています)。 チューブワームにも色々種類があるようで、最初に東太平洋で見つかった のは、管の直径が約4センチ、管の長さは約3メートルもあります。ジャイ アント・チューブワーム(巨大管棲蠕虫)と呼ばれています。こんな管が十 数本から数十本もかたまって、海底の岩に下部を付着させて、海草のように 身をゆらゆらさせている姿を想像して下さい。。エラの働きをする舌状のも のを海水中に出して、硫化水素などを取り込み、血液を通して体の中にいる 硫黄細菌に配ります。血管系はよく発達しています。和名はムカシトカゲさ んのおっしゃるようにハオリムシです。 沖縄や相模湾で見つかったのはもう少し小さく、管の直径は約2センチ、 管の長さは最大で1メートル程度です。東太平洋のものとどこがどう違うか など、分類はほとんど進んでいません。バイオなどの研究者は多いのに、動 物分類学の研究者が少ないためだそうです。 「栄養源は毒」とあるので、硫黄細菌について誤解を与えたようです。硫 黄細菌は、硫化水素を硫黄などに酸化する際に生じるエネルギーを使って、 水や二酸化炭素などを原料に有機物を合成しているのです。地上の緑色植物 に例えれば、硫化水素は太陽エネルギーの代わりをしているわけで、硫化水 素が細菌の原料になっているわけではありません。燃料とでもいえばいいの でしょうか。 127に「深海は生きている」のこぼれ話コーナーを設けました。疑問や 質問がありましたら、こちらにもどうぞ。 余り突っ込んだことを聞かれたらどうしよう、の大阪のおじさん #0006 sci1004 8902031715 yamanさま,書き込み当日のぶしつけな質問に素早いお答え,大変恐縮して おります.ありがとうございました. 考えてみれば,メーカーが出荷する製品に腐食のモトがあれば,そっちの方が問題 ですよね.もうちょっと考えてから質問すればよかったと反省してます. とすると, メーカーが施すような処理を,ターンバックル製造時に施すことは不可能なのでしょ うね. それと,主犯従犯とのこと,よくわかりました. しかし,記事はわかりやすく読ませて貰いましたが,書いてあることの情報量は, かなり大きいものなのですね.これを,限られたスペースで展開するのは,やはり 訓練の賜物なんでしょうねえ. 記者さん方には,情けない文章を読ませてしまって 申し訳ないなあとは,いつも思っているんですけど.(これも新聞社ネットの特徴か) お忙しいところすいませんでした. ステンレスキッチンに錆が浮いてないかいろいろ調べていたら,親から怪訝な視線を 浴びてしまった院生浪人でした. あっ おじさんだ. #0007 sci1213 8902040034 ☆「平成」にギブアップについて よほどのことが、ないかぎり、次の年号を考慮に入れてシステム作り を、する人(または、ソフト会社)は、いないと思います。(私の知る限り) 改元が、おきてしまえば、ソフト会社の責任となり、ほとんど無償で 直させられるでしょうけど たたでさえ、めんどくさくて、ややこしかったり、納期まであまり時間 がなかったりするのに、そんなとこまで(ぐちになってしまったナァ) 西暦でやっているものは、2000年になったとき、なにかがおこる システムもあるかもしれない(画面じょうに1900とでたりとか) 最近、西暦を使用したシステムの仕事がおおいのですが、便宜上次の様に しています(ハードの時計で西暦下二桁しかもっていない場合) if(西暦下二桁 < 88) { 表示西暦 = 西暦下二桁+2000; } else { 表示西暦 = 西暦下二桁+1900; } 要するに、すぎた、としは、もうこないので、それを2000以降にあてて しまうのです。 昔聞いた某SE談 「ユーザのコンピュータなんか3.4年もすればまた、新しいコンピュータ に買いかえるんだし、それにのるソフトもいれかわる、だから かなり先のことまで、気にして、ソフトなんか、つくらないょ」 書き散らかしてしまった。この書き込みに対して、御不満を もちましたら。ゆるしてください。 yougan. 分かりにくい文章になってしまった..... #0008 sci2194 8902040103 ステンレスの腐食の話、非常に懐かしく読みました。 じつを言うと、およそ二昔前、金属材料工学を学んでいました。今は全く畑違い の仕事をしてますが、金属顕微鏡の写真など見ると、ほとんど学生時代に戻った気 がします。 (そういえば、うちの暗室の現像タンクの錆も、粒界腐食なのだろ うか、いや、スポット溶接のところだから、違うか? ・・・・・・・・・・・・・・ あ−−−−もうみんな忘れた。) と、たわいのない感想を、告白する mumeijin でした PS.思い出したことが一つある。 * ステンレス錆びない(錆びにくい)。 * 原子炉の材料に使う。 * だから、原子力発電所、(大抵)大丈夫。 と言う " 雰囲気" の、授業があった。 #0009 yaman 8902041433 たくさんの書き込み有り難う。ステンレスについては、皆さん の書き込みをみて、自分でも気になることがあります。後日、再 度書き込みますので、質問、ご意見をお願いします。分かる範囲 で調べてみます。 yaman #0010 komor 8902041609 「平成」記事に対するコメントありがとうございます。 個人的には、改元ダウンはもっと起こるかな、と思ってい ました。表に出ないケースもあるのでしょうが、やはり、 SEやプログラマの皆さんの並々ならぬ努力の結果だと思 います。この調子で、もっと手ごわい消費税ダウンもくぐ り抜けてください。 何か情報があればメールお願いしますネ。 大阪科学部 またハンドル名を変えた −−− 有間の皇子 #0011 sci1082 8902071407 ムカシトカゲ様、泊 様> チューブワームの補足をありがとうございました。ジャイアント・チューブワーム なんてのにからまれて、硫黄を吹き付けられたりしたら、と考えただけでゾッ。あれ? 硫黄は細菌がとりこんじゃうのかな?その前に水圧で死んでますね。 山之内様(あれ?土佐藩縁の方ではないでしょうか?)> フォローアップをありがとうございました。あの記事に関する、私の妻の反応は、 「ターンバックル?それなに?」でした。棒の両端にネジ込みがあって、そのネジが 片方逆ネジになっていて、棒をぐりぐり回すと、長さが調節できる物なんだよ。で、 わかるかな? 「はずだった」というのがくせ者ですね、無名人さん。 youganさん> 用途にもよるのでしょうが、100歳以上生きる人もいますから、たいへんですね。 旧暦で生年月日を書かれたら、どうしようとか、グレゴリオ暦でなくて、シーザー暦 だったらとか。 記事ウォッチで盛り上がろうとする--Tokio p.s. あっ、ワザトラさんだ。 #0012 sci1213 8902072340 >Tokioさん 年月日の処理が、プログラムのなかでは、 けっこうむずかしい(本当は、めんどくさいだけ) んです。とくに数日前または、後のひづけをもとめるのが yougan. #0013 yaman 8902192130 院生浪人様、 遅くなってすんません。まず、ステンレスメ ーカーでは、パイプや丸棒などを、炭化クロムが粒界に出来ない ように、加熱して急冷する処理をしてから出荷します。これで、 ひとまず粒界腐食の心配がなくなります。 やっかいなのは、この後また五百度から八百度程度の温度にな るような加工をすると、また炭化クロムができることです。つま り、加熱急冷の処理がしてある材料でも、特定の温度が加わると 処理をやり直さなければならないのです。 無名人様、スポット溶接の所のさびですが、溶接の所のす きまに塩素イオンが濃縮されて起きる「すきま腐食」では、ない かということです。もちろん、溶接時の熱で炭化クロムが出来て いて腐食をひどくしている可能性は十分ある、そうです。釈迦に 説法になりそうですが、一言。 皆様へ、ステンレスの腐食は、材料(炭化クロム結晶がで きやすい高炭素など)、力(力が直接の原因でなくても腐食を加 速する)、環境(塩分など)が絡みあっておきます。原子炉のス テンレスパイプが、溶接部分で粒界応力腐食を起こしたことがあ りました。そのときは、水の中の酸素が悪影響を及ぼしているこ とが分かり、その後、水中の酸素をppb(十億分の一)単位で 管理する(酸素量を減らすのですが、具体的な数値は知りません) などして防いでいます。この時も、腐食が起きるまでは、専門 家も予想できなかったようです。 薩摩生まれのyaman #0014 sci2194 8902192330 yamanさま 私めのような者の、書散らしにまで、レスをいただき恐縮致しております。 釈迦に説法などと畏多いお言葉、20年前近く前の学部の授業など、 全然違う分野の職業についてしまえば、とんと、別世界の出来事の感なのです。 というわけで、わざわざのお言葉、ありがとうございました。 無名人 #0015 sci1004 8902201642 いえいえ,わざわざこちらこそ恐れ入ります.もう一度新聞記事をよみつつお答えを 拝読させて頂きました. つまり,出荷段階での粒界腐食の予防は,ステンレス材料としてのみ有効なもので, 加工後の予防を保証するものではないのですね.これで,疑問が氷解しました. でも500から800度っていう温度は,ずいぶん低い温度ですね.これでは,記事 にあるように,切削加工くらいしかできませんね.なるほど. あれま,薩摩生まれとはできすぎですね,と変なところで感心する(こら!) 院生浪人でした.お忙しいところすみませんでした.さて,あっちにも御礼を かかないと.