Wat00121 日本における基礎科学の振興について

#0000 sci2596  8901302333

  日本における基礎科学の振興について.
  1.研究費の国際比較
  2.研究者数の国際比較
 3.日本の取るべき道
                                       Kennywell

#0001 sci2596  8901302334

<動機>
 日米比較.人口比率では,米国 2 億 4377 万(87 年)に対し,日本 1 億 2187
 万(88年 3 月,自治省)と,約 1/2 ですが,同一分野の研究者の数の比率は 1/
10 あるいはそれ以下という場合がかなりあるのではないか? どうしてそうなって
しまっているのか疑問を感じます.また全体の研究者数ではどうなのだろうか,と
いう疑問.例えば予想されることとしては,研究技術者比率は,日本が米国を凌駕
している分野が,工業関係ではあるに違いない,ということです.

<資料>
 東大・物理の有馬氏が,日米欧の研究費の比較分析をやられた結果を,確か科学
朝日に載せられていた気がします(違ったかな?).図書館で探したが見つからず.
86 年分が検収中であったが.

 以下,資料の収集とともに課題とします.
                                       Kennywell

#0002 sci2596  8902012241

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訂正
 基調にメモした資料で,東大・物理の有馬朗人氏の記事は「科学朝日」'87 8 月
号 p.52-56 で,内容は物理学分野における研究者の論文数と論文の質の国際比較で
した.
                                                                 Kennywell
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#0003 kimot    8902032339

 Kennywel 様 どうもありがとうございます。本日、該当記事を調べてお
返事申し上げようとしたところ、お先にご回答いただいておりました。出遅
れてしまい、恐縮しております。

 ちなみに宣伝させていただきますと、当該論文は東大大型計算機センター
の先生と共著で、『科学朝日』87年8月号の特集「日本人の独創性を問う」
の中に掲載されたものす。結論として、日本の物理学の実力を、総力で3位
だが人口あたりでは9位だとしめくくっておられます。

 なお、毎年12月号の巻末にその年の記事のインデックスをつけておりま
すので、皆様図書館で検索をされるときなどにご利用下さい。

                     科学朝日 木元・拝

#0004 sci2596  8903220149

 ■ 研究者数の比較
 乾(1981)にやや満足すべき資料がありました(引用資料は(\ \)ではさみました).
(\
 研究者数の国際比較

                   千人  人口千人当り
  日本   1987  487.8    3.3人
  アメリカ 1986*   787.4        3.1
 イギリス 1983   94.0**      1.7
 フランス 1985    102.3        1.9
 西ドイツ 1983    133.1**      2.2('83)**
 ソ連   1985   1,491.3       5.4
---------------------------------------------
 * 推定値  ** OECD統計値
 西ドイツは自然科学のみ.アメリカ,イギリスの研究者数には,それぞれ,州,
地方政府,大学等および民営研究機関の研究者数は含まれていない.
\)

  <コメント> 一見,日本対アメリカは 1:2 でヨーロッパ諸国よりも多い.しか
し注を見るとアメリカ・イギリスの統計値は,他との比較上問題です.研究主体(
会社,研究機関,大学)を同じように取った場合,どうなるかが興味あるところで
す.また日本については次のような資料もありましたが,

(\
 研究関係従事者数:
             千人 研究主体別:会社等  研究機関  大学等
  1987   815           465         94        256
                               (57%)      (12%)      (31%)
                   職種別:研究者 研究補助員 技能者 事務他
               524       103       103     85
                           (64%)     (13%)     (13%)   (10%)
 研究本務者数:
       千人 人文・社会科学 自然科学
 1987     487.8          72.5        415.3
                          (15%)       (85%)
\)

 この研究関係従事者数というのも,研究者数と同じくあるいはそれ以上に重要で
はないかと思います.

 研究者数に関しては,各分野における主だった学会の,国内会員数を見るという
のも一つの手です.1978年の資料でしたが,パラパラと2,3の学会の会員数を見
たところでは,日本とアメリカとでは,ほぼ 1:2 になっていました(予想に反して).
日本の学会はアメリカに比べて外国会員の割合は少ないでしょうからその点からも
予想に反します.

 ■ 引用文献
  乾 侑(編著)(1981)科学研究者執務ハンドブック,学術行政研究会監修,第
一法規出版('88追録済み)
                                                                 Kennywell