Wat00093 ナチス奇想科学の真相

#0000 ultra7   8901091154

 朝日新聞を応援してくださる良い子の皆様はもうとっくにお読みのことと
は思いますが、科学朝日2月号(最新号)に、当ネットでおなじみの木元兄
が、「ナチス科学の遠近」という記事を書いております。

 アインシュタインに代表される従来の「ユダヤ科学」ではなく、純粋なア
ーリア民族のみが作り上げられるという血と土の科学「ナチス科学」とは、
いかなる科学だったのか。その概念を探った記事で有ります。

 不肖私、ウルトラ7久保田も、この記事に触発されまして、ここに番外編
「ナチスの奇想科学」をお届けいたしたいと思います。すでに幕を閉じた「
昭和」の時代に、国家レベルで信じられた「奇想科学」とは、なんだったの
か・・・。ナチスの行ったという「奇想科学」は、面白おかしく語られるこ
とは多いのですが、これに関した書類が終戦時に破棄されたことなどにため、
未だに何が本当なのかよく分からないのが真相のようです。

 面白ければ本当でも嘘でも良い、と言った感じの一部「科学雑誌」ならい
ざ知らず、内容が内容だけに、科学朝日では、ちょっとアブナクてこの「ナ
チス奇想科学」は書けない話しと思います。(ましてや、朝日本紙の科学欄
では絶対むりだろうなあ)

 その点このサイエンスネットは、どちらかというと「おもしろけりゃ・・」
にやや近い性格なので、私の分かった範囲での具体的な「ナチス奇想科学」
をここにサイエンス・ネットの良い子の読者の皆様だけに、そっとご紹介
したいと思います。

 それから、この書き込みは、私の「夢想」に過ぎず、あの木元兄の「まと
も」な記事とは何の関係もないことをお断りしておきます。
(続く)

#0001 ultra7   8901091155

 普通の歴史家は、ナチスのオカルティズムに触るのをいやがります。また、
オカルテイズム大好き人間は、「ヒットラーはオカルテイストであった」
として、なんでもオカルトにしてしまいます。だから、つい最近、40数年
前のことなのに、真相ははっきりしません。

 ナチスについて語られている「ほんまかいな」という話しはいくらでもあ
ります。例えば、1945年4月25日、ソ連兵がベルリンに入ったとき、
数千人のチベット人が円をなして死んでいるのが見付かったが、これはヒッ
トラーが地底帝国アガルタの存在を信じていて、チベット僧侶からアトラン
ティス文明の謎を聞こうとして呼んでいたのだ(「謎の地底王国アガルタ」)
とか、

 第三帝国の最後の切り札は実はUFOで有った。そして、それは1941
年にはすでに完成していた(「20世紀最後の真実」落合信彦)、第三帝国
崩壊の際に25万人のドイツ市民が消えた。この人々はやがて第四帝国を作
るためヒトッラーの最後の兵士「ラストバタリオン」(この名前、風の谷の
ナウシカにも引用されてましたね)となって帰ってくるなどなど、です。

 でもこれらの話しはちょっとおもしろすぎる気がしますねえ。
(続く)

#0002 ultra7   8901091156

 私の見るところでは、ヒットラーは神秘的傾向の思考回路の持ち主ではあ
ったようですが、いわゆるところの「オカルティスト」では、なかったので
は思っています。

 ヒットラーがオカルティストであったという例証に必ずと言っていいほど
だされるのが、ダンツイヒ市の市参事会議長で後にアメリカに亡命したヘル
マン・ラウシュニングがヒットラーとの対話をまとめた書「永遠なるヒット
ラー」ですが、今日では、この本の内容は、多くが作り事であることが明ら
かになっている、といいます(「倒錯の都市・ベルリン」パピエ・コレ)。
それに、この本の内容が例え全部本当であったとしても、「ヒットラーはオ
カルティストであった」という具体的な例証はこの本には示されてはいませ
ん。

 ヒットラーは確かに若い時分に、この関係の書物を読み漁ったという形跡
はありますが、彼自身がこの手の話を本気で信じていたのかどうかは、疑問
が多分にあります。

 というのは、実際は彼が政権獲得をするとすぐにオカルトを新興させるど
ころか、パージを実施しているからです。例えば、1933年には、新聞に
占星学関係の広告を掲載させることを禁止し、翌34年には、占いの全面禁
止、フリーメーソンの摘発、そして、彼のナチスを生み出した母体で一部で
は「オカルト結社」とも呼ばれている「トゥーレ協会」すら解散させていま
す。一種の近親憎悪とも言われてはいますが、こんな面から見ても、単純に
彼がオカルテイストであった、というだけで語れるほど、「ナチス」の謎は
簡単ではないようです。

#0003 ultra7   8901091158

 ナチスの中で、確実にオカルティストであったと言えるのは、新衛隊国家
長官だっハインリヒ・ヒムラーの方だ。彼は、自分が同名であるハインリッ
ヒ1世の生まれ変わりであると信じていたし(王の命日には必ず墓参りをし
ていた)、それに新衛隊のマークであるあの雷みたいなジグザグ模様には、
古代ゲルマンの神話で、最高神ボォータンが天地創造とともに作ったとされ
れる神聖ルーン文字を採用している。

 そして、その彼が「ナチス奇想科学」新興のために組織した(正確にいえ
は、フレデリック・ハイエルシャーが作ったこの組織を、ナチスSS新衛隊
の一部門に組み込んだ)のが、ナチス奇想科学のメッカとして有名な「祖国
遺産協会」(ドイチェス・アーネンエルベ)だ。

 アーネンエルベの内部では、アメリカが原爆開発にかけた以上の金をかけ
て、「オックスフォードの聖堂にある鐘が、ドイツの爆撃から市保護してい
る。その守護力の正体とはなんなのだろうか」といったことが、大真面目に
研究されていた。

 さて、ナチスの奇想科学のなかには特に有名な説が2つある。天文学者ハ
ンス・ヘルビガーの唱えた「宇宙氷説」と、ペーター・ベンダーの唱えた「
地球空洞説」だ。

 「宇宙氷説」は、数億年前、宇宙には高温の星と、巨大な氷の固まりがあ
り、これらがぶつかり激しく爆発することで、星雲が生まれたと唱える、火
と氷による天地創造説とも言える説だ。

 この説によると、地球はもともと3つの月を持っていたが、次々に地上に
落下してしまい、月が落下するごとに大天災が発生、巨大爬虫類や創世紀に
出てくる巨人、レムリア、アトランチスを滅ぼした。そして今の月は1万3
千年前に、火星軌道からひっぱられてきた4番目の月であると、言う。宇宙
を火と氷の永久の戦いとみるこの宇宙氷学説は、ヒットラーにも「ゲルマン
民族の科学」として強く支持され、ナチスの御用科学の地位を手にした。

 「宇宙氷説」ほどではないが、幾らかナチスに受けたといえる奇想科学に
「地球空洞説」がある。しかし、地球の中身はカラッポと説くこの奇説は、
ナチスのオリジナルの奇説ではない。この奇怪な学説の歴史は意外に古い。

 最初にこの奇説を唱えたのは、ハヤカワSF文庫の「地底王国ペルシダー」
なんてハンパ者じゃなく、なんとあのハレー彗星で有名なエドマンド・ハ
レーであった。彼は1692年、磁極の揺れを説明するために、英国学士院
会報「哲学紀要」に、地球の内部は、中がギッシリ詰まっているのではなく、
玉ねぎ状に3層に分かれている中空の物体で出来ており、各々の層が違う
速度で自転してるとする説を発表した。

 この説は、コットン・マサー、ジョン・レスリー、ザカリア・シムス、マ
ーシャル・ガードナート、サイルス・リード・ティードといった人に支持さ
れて伝えられ続け、ペーター・ベンダーへと受け継がれる。

 ベンダーは、第一次大戦の時ドイツ空軍に参加、墜落してフランスの捕虜
となった。失意の彼は、収容所内で古雑誌「炎の剣」を見付ける。そして、
そこに出ていたティードの錬金術的宇宙論に夢中になり、彼独自の「地球空
洞説」を完成させたのだった。

 ベンダーの説の異様さは、普通の地球空洞説の比ではない。普通の説は、
ただ地球はからっぽというだけだが、彼の説は、そのからっぽの内側、言わ
ば、薄皮饅頭でいえば、皮の裏に当たる部分に足を付けながら、我々は頭を
地球の中心に向けて、地球の内側に逆さまに張り付いて暮らしている、と主
張するのだ。

 地球の空洞の中心には太陽が輝き、その近くに月があり、星がちらばって
いる。この「世界」は無限に続く大地で埋め尽くされており、そこに地球の
直径分だけ空いている穴が、ふだん我々の見ている宇宙にあたる。つまり宇
宙「空間」はちょうど地球の直径の大きさしかないのだ。

 しかし、これは奇説過ぎたのか、おかしな説が好きなナチス内でも、ベン
ダーの旧友ゲーリングくらいの支持しかえらなかったようだ。

 そして、42年4月には、バルト海のリューゲン島でこの説を実証する実
験が行われたが当然完全に失敗し、無駄金をナチスにつかわしたベンダーは、
強制収容所に送られ、非業の死を遂げたといわれている。

 それに、まず常識で考えて、宇宙の有りようを説明する、この「宇宙氷説」
と「地球空洞説」は、両立しえないとしか思えない。確かに、ナチス内部
で両方の説は強い対立を起こしたが、ヒットラーは結局「両説とも正しい」
という、良く分からん大岡裁きをしたと言われている。

 これら奇想科学は、単なる奇想天外な思い付きに終わらず、ナチスの運命
をも大きく左右した。というのは、ひとつには、あのV2号を飛ばす際に、
この兵器が宇宙の氷に悪影響を及ぼすのではと、ヒットラーかなりの躊躇し
て打ち上げが遅れたといわれている。また、ロシア遠征の際には、ホルビガ
ー派の学者が「宇宙氷説」にもとずいて、この年は比較的温暖になるだろう
と予言、ナチス軍は、マフラーと手袋だけの軽装の装備で遠征し、あの冬将
軍に木っ端みじんにされたのだった。

 しかし、今だこれら奇説は、滅んでしまったとは断定できないらしい。戦
後になっても、48年にドイツでベンダー説のパンフレットが出版されたと
も聞く。

 いったい、人間は歴史から何を学んでいるのだろうか。
                         ウルトラ7久保田。

#0004 sci1004  8901091741

ぎょぎょ! はじめて周期彗星の軌道を確定したハレーが,そんな事の言いだしっぺ
なんて知らなかったなあ.

それに,V2ロケットやジェット機を完成させ,原爆まで完成間近だったナチス科学
陣に,そんな超奇説がしかもナチス中心部に信じられていたなんて.

さすが,奇説コレクターの久保田さんですねえ.天文関係書でハレーの事を調べても
そんなこと微塵もありませんでしたものねえ.すいません,天文関係で(なくともい
いですが)そのような奇説が満載されている本などがありましたら,ご紹介願えませ
んでしょうか.日本語なら特によろしいのですが.(いかん,記者にソースを聞いて
しまった!)

 久保田さんの分析によりますると,ナチスの奇説コスモロジーはどのようなものに
なるのでしょう?これは興味があります.

とりあえず茶々でした.院生浪人

#0005 sci2100  8901092357

 いゃぁウルトラ久保田さん。。
 私は、「*ー」かなんかの宣伝かと思いました。
 だけど、非常に面白い話ですね。

 落合信彦さんの20世紀最後の真実に、UFOのこと書いてありました
けれども、あれだけの機動性をもっている飛行飛行体があったら、とっくにド
イツは勝ってたろ!! とか思うわけで、私としてはどーも信じられない
ですね。
 実際にあったら面白いけれども。

 戦争で、25万人ぐらいの支試死者の誤差は、珍しくないと思っているぼのぼの
                           であった。

#0006 ultra7   8901101154

 あのハレーが、こんな「あほな」学説を立てていたなんて、やっぱり、ギ
ョエーだと思います。それでは悪乗りして、ある有名天文学者についての(
このネットには、天文ファンの人が多いようなのでサービス!)もう一つお
まけの「ギョエー」学説を紹介しときましょう。

 それは、近代天文学の父と呼ばれ、ハーシェル式反射望遠鏡で天王星を発
見したフレデリック・ウイリアム・ハーシェル(1738ー1822)の唱
えた「太陽冷黒体説」です。

 大空に輝くお天とうさまは、熱ーい火の玉である、などいうのは、昔も今
も子供でも知ってる常識だが、ハーシェルは、太陽は実は全然熱くはなくて、
輝いてるどころか実態は真っ黒の玉で、その上には人間が住んでいるので
はないか、という学説を(正式論文名は「太陽と恒星の本質と構造について」)
1794年に発表しているのです。

 これは明らかに「ギョエー」学説だ!!!。

 彼は、ちゃんとした観察結果からこの奇想天外学説を考え付いた。彼は、
太陽黒点を長年に渡って観測、黒点は太陽面のへこみではないかと考えた。
通常の太陽が眩しいのは、太陽が光っているのではなく、太陽を取り巻く発
光性の雲が光っているので、この雲の切れ間から覗いた地面が黒い黒点とし
て見えているというのだ。
 
 そして彼は言う「他の惑星と同じように、恐らく巨大な天体にも、その独
自な環境適応した生物がいるだろう」

 この説は19世紀まで、結構支持者がいたということです。又、ハーシェ
ル以外にも、あの「ムー大陸説」で有名なチャーチワードも、ムーの「聖な
る霊感書」に、「太陽黒点は、光の雲の隙間から、黒い光が覗いたもの」と
書いてある、などといっているようですし、「チャタレイ婦人の恋人」で有
名なD・H・ロレンスも作品「男と人形」で、本当の太陽は黒く、黄色い光
りはその反射物に過ぎない、などと言うとるようですから、この「黒い太陽
」というイルージョンは、結構人気があったのかも知れません。

 やはり、天空に常に鎮座まします太陽は気になるのか、昔からオカルト好
みの対象でした。つい一昨年も太陽の活動によって、気象はおろか、コレラ
の流行や交通事故、そして市場経済のジュグラー、コンドラチェフサイクル
まで決められてしまうという真面目な「ギョエー本」、「太陽活動と景気」
(嶋中雄二著、1200円)が出版されている。(何故、「真面目」という
かというと、出版元が何と、あの日本経済新聞社なのだ!)

 いやあ、世の中わからんものです。

 私が思うに、これら異端学説をただ「異端」とばかにするのは、簡単です。
では、現在の正当な学説とこれらの異端学説のどこが違うのか、そして、
自分がいわゆる「正当学説」を信じているのは、それが、本当に正しいから
なのか、それとも、みんなが(特に学者が)「正しい」といっているので、
本当は良く分からないけど、その尻馬に乗って「正しい」と一緒になって言
っているだけなのか、皆さん、自分は前者だと自信を持って、答えられます
か?。

 もし、後者だとしたら、皆さんが戦時中ドイツに生まれていたら、「宇宙
氷学説」を信じていたのでは、ないでしょうか。そうだとしたら、現在は、
「異端」と烙印がおされているからといって、これら学説を笑うことは、で
きるのでしょうか。

 本当に科学的真理は常に我らが前にあり、といつもいばっていていいもの
か・・・異端学説は、我々の真の姿を映し出す、一つの鏡だと私は思ってま
す。

 PS.ところで、このネット方の中に、あくまで真面目に、そしてサイエ
ンティフィックな立場から、これら「ギョエー・異端サイエンス学説」を、
私と一緒に研究してみようという方は、いませんかねえ。
                          ウルトラ7久保田

#0007 sci1004  8901111652

 ほほー,ギョエー学説は照魔鏡との仰せ,なーるほどねぇ.それは気がつきません
でした.確かに,”正しいこと”という規範があるからギョエーなのであって,正し
いことがひっくり返ってしまったら・・・これは,多分に哲学的ですねえ.

 ぎょぎょ!,こんどはハーシェルのギョエーですね.しかしギョエーとか言いながら
その発想の転換は,正否を別にするとコペルニクスにも匹敵するではないですか.しか
も観察から得た結論だって言うんだから,これはギョエーも簡単には馬鹿にできないな
あ...それで思いだしましたが,子供電話相談室で「しまうまの模様は,白地に黒で
すか,黒地に白ですか?」っていう名質問がありましたねえ.なんか,似てません?

 ジュグラーカーブやゴンドラチェフカーブは,統計の結果論としての景気波動でして
いかにしてそういうカーブを描くかということは,いまだに有力な説明がなされてませ
んし,説明できれば大変なことですから,勢いギョエーな説明が出てきても不思議では
ないような気もします(耶馬台国ハワイ説よりはギョエーでない気もする).日経から
出版される辺り,日本経済の特質みたいな気がするのですがねえ.(マンガ日本経済・
・・にもでてましたね)

 ギョエー研究会,聴講生に応募します.院生浪人.

#0008 ultra7   8901121241

 ふえー、読者が2名のこのとても科学部員が書いていると思えない「イカ
レタ」連載は、何故かまだ続いております。

 では、ハレーが唱えた「地球空洞説」を、もう少し詳しく説明しときまし
ょうか。

 彼がいうには、地球は厚さ500マイルの殻を持っていて、その中に火星
と金星くらいの大きさの内殻が2つある。一番内側には、水星くらいの大き
さの中の詰まった内球があって、各球の上には生物が住めるに違いない、と
大胆な推定をしています。

 そして、殻の間にある大気は何故か光を発している、そうです。1716
年には、オーロラが大規模にでたようですが、彼は、これを見て、地下の殻
にある発光大気ガスが外に漏れたためである、といったそうな。(と、偉そ
うなことを色々書いてますが、実は私は原論文をまだ読んでないのです。誰
か、大学の書庫かなにかで見付けたら教えてください)

 まあ、地球空洞説にも色々流派が有るようで、あのサイエンティフィック・
アメリカンの名コラムで有名なマーチンガードナーは「20世紀に入って、
3つのへんてこな地球の理論が驚くほどの信者を獲得した。それは、ひら
べったい地球説と、中がカラッポで両極に穴が空いてるという説、そして最
も信じがたいのが地球の中空の内側に我々が住んでいるとう説だ」と申して
おります。

 ちなみに、このガードナーさん、日本じゃ、パズル作家としか知られてい
ませんが、あちらでは、これら「異端科学」をやっつける、「異端ハンター」
としても有名なようです。あちらには「THE SKEPTICAL I
NQUIRER;SCIENCE AND PSEUDOSCIENCE」
なんて、異端科学狩りの専門紙まであって(私、2冊だけ、手に入れました
季刊誌です)、彼はしっかりFELLOWS OF COMMITTEEな
ってました。あれ、チーフ・エデイターだったかな。

 まあ、あちらの方のこういう問題に対する意気込みは本当に凄い、異端は
やっつけないときがすまない!。魔女狩りの伝統かなあ、なんて言うと絶対
に顰蹙をかうなあ。きっと。

 日本の学者は、異端学説には、触らぬ神に祟り無しを決め込むところだけ
ど(前もちょっとこのこと書いて、tokioさんに反論されてしまったが、
この日本の学者のシンプルさも、あちらと逆の意味で私は、面白くない)、
この雑誌には、ほかにはアイザック・アシモフの名も見えるし、SCIE
NTIFIC CONSULTANTSには、ワシントン大、マサチューセ
ッツ大、ハンブルク大、カリフォルニア大などのそうそうたる教授陣が、3
6人も名を連ねているのです!

 ここらは、やはり国民性の違いでしょうねえ。閉鎖した学会の中だけでな
く、在野の人間、素人あいてだって、科学に変なこと言う奴は、コテンコテ
ンだ(もちろん、学説論争でという意味で!)というのは、ある意味での本
当の民主主義ではないでしょうか。

 それに、同じような考え違いをしてる素人は、結構多いもので、何が違っ
ているのか、「科学者」というプロフェッショナルの威信を賭けてはっきり
させるのは、誤解の多い科学について非常に教育的でもあると思うのです。
それにそういう論争って、よくある啓蒙的なつまんない一般講演より絶対ス
リリングで、人々の関心も強く引きますから。

 内村兄もゆうてましたが、超一流の科学者でありながら、単身NASAに
切り込んで、スペースシャトル爆発の謎を解いた、今は亡きファインマンみ
たいな科学者が日本にもいると、日本の科学シーンも100倍くらい面白く
なるでしょう。
                          ウルトラ7久保田

#0009 sci1004  8901131701

 ハレーさんは,どうも不思議な方のようですね.
 その地球空洞説では,一体どんな計算をして,ハレー彗星の軌道を確定したの
かしら.もしかして,今では考えられないような複雑な計算だったりして.
(単なる周期性の発見だった,ということもありますね.)

 読者2名なんてこと言わずに,期待してますから.Drモ ヨンデルソウダシ
 さあ,読んでる人はレス入れよう! 院生浪人

#0010 sci1902  8901140217

どうもどうも。
ナチスだあ?ハレ−だあ?
おもしろい。

私、この手の話しは、どなたかも言われておりましたが、某がっけ★のM☆でよく
読んでおりました。で、たいへん興味があるのです。(前の、日本超古代史も面白
かった。良く、あちこち旅行した時日本のピラミッドを捜したもんです。)

どうか久保田さん、読者は二人なんぞと言わないで。
ROMしてても、読者ですぞ。
                        つちねこ

#0011 ultra7   8901141815

 おお、ご声援ありがとう!!。このコーナーも読者が4人は、い
たことがこれで判明したぞ、頑張ろう。(割りと、人気にこだわる
性格だったりして)
 
 おお、ピラミッドですか、懐かしい!。あのサンデー毎日のピラ
ミッドキャンペーンを仕掛けたのは、(前も書いた気がするが)私
やtotoさんの関係するある組織で、そこが「信州の皆神山はピ
ラミッドだ」と、たわけたことを騒ぎだし、サンデー毎日が乗って
しまったというのが真相でした。

 当時長野にいた私も、書きました。地方版とはいえ、紙面の半分
を使って「皆神山ピラミッド説」を宣伝してしまったり、10回近
く日本のピラミッドの話しを、やりました。(よくデスクも原稿を
通したものだナア。朝日ってこういうの結構ルーズです。毎日新聞
長野支局は、一回サービスで「ピラミッドかどうか、地質調査始ま
る」と書いただけで、新聞の「良識」から、沈黙した。まあ、トー
ゼン、かなあ)

 余りの荒唐無稽さに、このキャンペーンは成功したとはいえませ
んでしたが、地元にピラミッド開発委員会が作られ、長野市が予算
をつけ、市長が「名誉会長」に就任した、ということを、「スクー
プ」(他紙は、余りのばかばかしさに書かなかった恐れもあるが・
・)したものです。 

 さてさて、ナチス奇想科学ですが、今や気分は「ナチス」なので
しょうか(おーーこわ)、なんと、これの特集雑誌がでることが判
明しました。

 歴史読本臨時増刊 3月号「世界 謎のナチス」(なんちゅう、
名の増刊じゃ!!)

 内容は、
[荒俣宏インタビュー]ナチス超人は、現代に甦るか
[特集評論]ナチスと秘密結社フリーメーソン/トゥーレ協会/新
 聖堂騎士団/アルマネン秘法伝授団。
 ヒトラー黒魔術対シュタイナー人智学
 ノストラダムスの大予言とヒトラー
 ヒトラーのセックス革命・生命の泉計画
 ナチスのオカルト・サイエンティストたち
 廃墟の都市ベルリンの宗教熱・オカルトブーム
[特別企画]ナチス・オカルト辞典

だってサーー、何故か完全にこのコーナーと内容が一緒だナア。

 新人物往来社から2月6日発売、950円

 これは期待出来そうだ!!。多分関連資料の紹介もあるだろうか
ら、私の書き込みの乏しいネタがばれることも、必至であります。

 私は、新人物往来社から金は貰ってないと身の潔白を主張するウ
ルトラ7久保田であった。

#0012 sci1575  8901142022

ウルトラ7さん、僕も、楽しくROMってますんで、読者はなんと、少なくとも5人、
ですよ。こういう話、大好きです。・・・僕の頭では、実のあるレスが書けないので黙
ってましたが、確実に読んでますんで、がんばって連載してくださいね〜〜〜

                         ではでは。 つっくんもぐら
追伸:読者はもっと大勢いるはずですよ。

#0013 sci1362  8901150327

少なくとも、5人目の愛読者です。
いろんな資料がすぐ手許で利用できて話に乗れる人が少ないだけで
読んで楽しんでいる人はもっと沢山いると思いますよ。

−茶々丸

#0014 sci1362  8901150457

関連発言の13番の訂正です.

つっくんもぐらさんが先に書いていらっしゃいましたから,
ぬぁんと,
既に6人もの愛読者が姿を現しているわけですゾ.

−茶々丸

P.S.        フレーフレー  も ぐ ら っ
                フレーフレー  か お り っ

ultra様,このお二人の為に試験突破の為の呪術についても
ウンチクを傾けて下さるとさらに幸いです :-)

#0015 匿名     8901172343

 はじめまして、ぱおぱお といいます。
 わたしもROMしてます。楽しみにしていますので、
ウルトラ7さん、頑張ってください!!

#0016 sci1863  8901180214

 ガキの頃、戦争ごっこでいつもドイツ軍を担当していた私からすれば、何とかナチ
ス科学の名誉を回復しなければ。

 要するにこんなアホな研究もしっかりと体制が認めていたということは、それはそ
れで自由な発想が成されていたと、大目に見ることはできないかしら。

 原爆もロケットも、みーんな発想はナチス科学が源流ですよね。航空機なんかも後
退翼とか前進翼とか、ナチスのマッドサイエンティスト達が発案し、今になって初め
て実用性が確認されたものもあるわけで。

 戦後の武器なるもの、殆ど全てナチスの恩恵にあずかっておりますね(Y or N)。
科学朝日2月号、やっと本屋で見つけて読んだけど、本当に「体制内科学」という観
点だけで、これだけのパワーを説明できるんでしょうか。他に何か・・・

         アーリアン、エーリアン  ・・・・  Adjama でした

#0017 ultra7   8901200016

 院生浪人さんの参考書を教えて欲しいというご希望に沿うため、昨日、ナ
チスオカルティズムに関係した本がどのくらいあるか、自宅の本棚をひっく
り返して数えてみました。

 どうせ数冊だろうと思ったら約二十冊くらいでてきまして、私の読書傾向
のひね曲がりをいたく、今更ながらいたく実感した次第でございました。し
かし、オカルティズムではなく、ナチス奇想科学となると、やっぱり本当に
役に立つのは数冊だけでした。近く刊行される歴史読本の別冊とかなりだぶ
るとは思いますが、必要でしたら(こんな変な本必要なわけないだろうが)、
「脳死」状態となっております、奇書ブックレビューのコーナーにでも、
若干の解説を付けてアップいたします。

 すでに、ナチスと正統科学者の「ギョエー天文学」をやりましたので、次
回は(ハッハッハ、残念ながらこのコーナーは、まだ続くのだよ、明智くん)、
社会主義思想史に見られる「ギョエー天文学」(ナンのこっちゃねえ)
を、やりたいと思ってます(段々、ナチスと関係なくなってきたなあ)、と
いいつつ時間稼ぎをする、ultra7久保田であった。

#0018 sci1004  8901210444

 わざわざ,申し訳ございません.なにやら¥4500の本を買わされて泣
いているお気の毒な方がおられましたが,さぞかし金玉(こんぎょく!)の
御蔵書達だろうと,ひと事ながら羨ましく思います.

 おーなんと,ナチスオカルティズムで「役に立つ」本がありますか!これは
心強い.これで学位認定も恐くない!とか.冗談はさておき,ウルトラ7先生
のご推薦でしたら,わたくしすぐさま,こっぺいさんのシマを(神保町)荒し
に行きますので,是非ともアップの件お願い致します.

 な,なんと,社会主義思想史に見られる「ギョエー天文学」ですか.唯物的
に作り出されたギョエー科学理論の噂は聞いているのですが,なかなか実体が
つかめずにおりましたらば,これは僕にもチャチャが入れられそうで楽しみです.
(シホンロン ナラ イニシエノムカシニ ヨンダキオクガアル.)いやーいつもながら,守備範囲が広
いですね.

 そうそう,オフラインですが記事になってしまいましたので,そろそろ動き
出そうかと,つちねこさんとも話し合ってますから...

 院生浪人

#0019 ultra7   8902091426

 誰もが忘れていた「ギョエー天文学」の一応の続きであります。終わりそ
うで、終わらないのだ。予告どうり、社会主義思想史に見られる「ギョエー
天文学」であります。

 登場いたしますのは、シャルル・フーリエ、そうあの空想的社会主義者と
か、よばれちゃってる御仁であります。私は、物の本で、「空想的社会主義」
がまず世に現れ、次に真打ちとして「科学的社会主義」が現れたとかなん
と書いてあるのを読んで、「自分のやつを科学的、人のものを空想的なんて、
勝手にカテゴライズするのは、インチキでねえのかい」と思ったものです。
世界史か倫理社会の時間だかにもそんなふうに習った気がする。

 ところが、ギッチョンチョン、これがすごい。フーリエの代表作で、世界
の名著の一冊にもよく上げられている「四運動の理論」!これが、実にメチ
ャクチャな本で読んで、ぶったまげました。

 「空想」と言うのは褒め過ぎで、実態は「妄想」。ほとんど「オカルト年
代記」と言ったほうが適切なくらいの代物。これに太刀打ちできるのは、ル
ドルフ・シュタイナーの「アーカシャ年代記」くらいでは、ないだろうか。
こんな本を、名著とかいって歴史の時間に平気で教えてしまう、といのは、
やっぱり先生が実物を読んでいないからできるワザではないか、と私には思
えてしまうくらいの代物です。

 では、その恐るべき具体的内容にはいりましょうか・・・・・。(続く)

#0020 ultra7   8902091428

 まず、この四運動という無気味な名前の由来ですが、これは、社会的、動
物的、有機的、物質的という、ものの4つの段階の運動法則を現し、フーリ
エは、ニュートンすら最下位の物質の運動法則しか解明できなかったのを、
自分は、4つ、つまり総ての運動法則の謎を解いた、という意味で付けられ
た書名です。

 彼はこの書の中で、8万年先の世まで予言してます。(この書に見られる
一般的傾向だが、なぜ8万年なのか、自分がなぜこう考えるに至ったか、と
いう理由付けが一切出てこない。ただ、理由の分からない「妄想」の羅列が
続く!のだ)

 彼によると人間の世は、8万年続くのだが、それは、まづ4区分され、さ
らに32の期間に分かれる。

 第一段階が、幼年または上昇不統一期で5000年、次が成長または上昇
結合下降振動期で35000年、第3段階が衰退または下降結合期出350
00年、最後の第4段階が老年または下降不統一期で5000年の計八万年。
例によって、根拠は、まったく分からない!

 彼によると地球は生き物の一種であって、すべての創造は男性である北極
液と女性である南極液の「交接」で生まれる。普段見られる北極光は、創造
意欲に掻き立てられた、地球の「発情」の印であるが、精液の無駄な射出(
カラ打ち!)と解釈される。

 そこで、人類が北緯60度まで開墾しおわるくらいの時代になると、地球
はいざいざ本格的に「発情」して、北極冠から精液を発射(ウワッオウ!女
性読者の皆さんごめんなさい。でも、私が悪いのではありません、フーリエ
さんが悪いのです)、新たな創造を始めるのであります。

 北極からは北極クエン酸(なんだこれ?)が放出され、海水は酸っぱいレ
モネードへとあいなります。ですから、「船員は、飲用水の準備が必要なく
なる」とフリーエさんは、予言されてます。

 そして、木星ほどの惑星が太陽系に乱入、地球は吸い寄せられて一つの月
となってしまします。やがて、新惑星は副太陽と化して、我々に恵みの光を
与え、そして、こんな彗星が400個ばかり大群として現れ、太陽の回りに
渦を作ります。

 渦に入った惑星が、自らの月とするのは、次亜長調鍵盤をなす5つの星、
つまり、水星、ジュノン、セレス、パラス、ヴェスタであり、これら5つは、
土星の7つの月とともに、長オクターブの定員をなす。5つの月は、調和
に入って4年目から我々に近付き、地球の回りに定置され、一時的に香気点
の役をはたすフェベは、植物と空気を奪われ、やがて銀河に散っていく・・・・・。

 なっ、何いってんの、これは!うっ、うっ、わからなーーーーーい!
 こんなのが「世界の名著」であっていいのであろうか!!!

 創造意欲に興奮した地球は、北極から精液を吐き出し、我々の上に北極ク
エン酸が雨あられと降り注ぐ、そして、海は見る見るレモネードへと化して
行く・・・・恐るべき「幻視ビジョン」ではある。しかし、なあ・・。まあ、
頭が痛くなりたい方は、ご自分で、この「怪著」を読まれることを薦めま
す。
                                 ultra7

#0021 sci1004  8902091532

臨時増刊 「歴史読本」買いました.
いま,ポツポツと読んでます.

甦える「邪教の血」がえらくおもしろい.平田篤胤が日本のオカルティズム
の先駆者で・・・・あとはこんなこと書いていいのかなあ,という内容.
でも,期待のギョエー科学はあんまし載ってなかった.地球空洞説の本の
紹介はあったけど.

でも,うひゃひゃといいながら読んでます.

もちろん,ultra7先生の上のあーちくるはこれから読むのです.

#0022 ultra7   8902091654

そうですか、あれ買われましたか。あれは、期待どうりの「買い」です。
内容や筆者紹介でもやろうと思ってますが、未だ時間が取れずにいます。

 しかし、ナチス奇想科学の道を目指す諸君は(そんなのいるわけないが)
無条件に必読文献であります。

 時間が取れ次第、ブックレビューでも、やりませう。

#0023 ultra7   8902151323

 ヒトラーと占星術は、因縁浅からぬものがあります。例えば有名な話しに、
英国とドイツで行われたというヒトラーのホロスコープの読み合い合戦と
いうのがありますが、まあ、これは次回に致しましょう。

 今回は、ノストラダムスとヒトラーというお話し。宣伝の天才・宣伝相の
ゲッペルスが、ノストラダムスの予言を敵対宣伝に使い、ナチスに有利に情
報操作を行おうとしたという話しも有名ですが、別にゲッペルスでなくても、
ノストラダムスの予言の中には、ヒットラーの出現を予言した言われる詩
がかなりあると言われ、そう信じ込んでいる人もかなり多いと思います。

 果たしてそれは、本当にヒットラーの出現を予言していたのでしょうか。

 私は元々フランス語は、よくフランス人に間違われるくらい得意なのです
が、ああ古いフランス語になるとちょっと弱くて(完全なごまかし発言、ウ
ソ八百!)、誤訳するといけませんので、ここは主に、すでにある邦訳をベ
ースに見て行こうと思います。

 ノストラダムスは、予言の天才、的中率100%といった類いの話を書く
人は多いのですが、本当に彼は予言していたのかいな、といったことを書く
人はほとんどいません。これをやったのは、私の知っている限りでは、「ノ
ストラダムス大予言の秘密」(角川文庫260円)を書いた高木彬光と、「
大予言トリックの謎」(自由国民社1200円)を書いた加古川市の内藤正
俊神父くらいではないでしょうか。

 高木彬光氏の方が先に著作を発表してますが、氏はフランス語が余りでき
ない上に、キリスト教にも内藤神父ほど通じてはいないようです。ここはひ
とつ、主に内藤神父の指摘に従ってノストラダムスのナチス予言の正当性を
見ていきましょう。(続く)

#0024 ultra7   8902151325

 オカルト雑誌「ムー」が今月号でちょうど創刊100号記念として、ノス
トラダムス特集をしてますので(どうも、よくムーが引き合いにでてくるな
あ。別に恨みがあるわけでは、決してありません・・。ちなみに100号
記念の「ムー民度チェック」で80点取ってしまった、私は実に情けないの
であります・・・)、とりあえず、そこに出てくるヒットラーの出現を予言
したとされる詩の訳をまずみてみましょう。

 「飢えに狂った 野の野獣が川を渡る 戦場の大半がヒスターに 敵対す
るだろう 鉄の檻に指導者を引き込み ゲルマンの子供たちは 法を守らな
くなるだろう」(2章24番)

 当然ヒスターは、ヒットラーのアナグラム(言い換え)です。いかにもヒ
ットラーを予言したとしか思えない詩ですねえ。では、試しにまったく同じ
詩のヘンリー・C・ロバーツ(ノストラダムスの完全予言)の訳も見てみま
しょう。

 「野獣は空腹のために河を泳ぎ越える その戦場はほとんどイスター川の
そばにある 鉄の篭で彼は偉大なものに引き付けさせる その時ドイツの子
は何も見ない」

 あっれえ、ヒットラーのはずがイスターとかいう川になってしまいました。
変ですねえ。じゃあ、もう一個の詩を見てみましょう。次ぎは、ノストラ
ダムスといえばこの方という、有名な五島先生の訳から・・・。

 「強大なマモンの司祭の一党によって ドナウ川の両岸はすべて征服され
る 彼らはカギ形に曲がった鉄の十字架を引きずり 無数の廃墟のかけらの
なかから、奴隷と黄金と宝石を求めるだろう」(六巻四九章)

 カギ形に曲がった鉄の十字架!!!。ウン!今度は、ナチス以外にないで
すよねえ。奴隷と黄金、宝石!これは、絶対ナチスの略奪の予言ですよねえ。
じゃ、試しに同じ詩をフォンブリュヌの「新釈ノストラダムス」の訳でひ
とつ読んでみましょうか。

 「ネマン地方出身の偉大な教皇が ダニューブの近隣を屈服させるだろう
 十字架を追い回し 武力でかっさらい 略奪する人々を 教皇は財産を取
り戻し 10万人を越す赤軍を捕虜にする」

 あらあ、カギ十字の「カギ」が消えて、単なる十字架になってしまった。
これじゃ、普通のキリスト教の十字架ですね。それになんかナチスじゃなく
て、教皇に関する予言になってしまった。最後の10万云々も全然訳に重な
りがない!。これでは現教皇がポーランド出身ということに関した予言であ
って、ナチスの予言じゃ全くないですね。

 実は、かようにどうでも解釈できるのようなものです、ノストラダムスの
予言というのは・・。上の予言解釈の文字とおり「カギ」である、カギ十字
という言葉ですが、カギ十字と言われると私なんか、ナチス以外解釈の余地
はない、やはりノストラダムスは偉大だ、などとつい思ってしまいます。し
かし、内藤神父によれば、フランス語の原文には「カギ形なんて言葉はどこ
にもない」そうです。

 ギョエー!そんなインチキありなのでしょうか。

 また、上の方の詩のイスター川とヒットラーの関係ですが、原文では「I
ster」となってます。これは、ラテン語辞典によると、ドナウ川のこと
だそうです。

 ギョエー!、ドナウ川をヒットラーにする、なんて訳はありなのでしょうか。

 結局は、行き着くところは、またも「ギョエー・ノストラダムス」になっ
てしまったウルトラ7であった。

#0032 sci4123  8910210704

   どうも、初めまして。
   何時もこっそり覗かせていただいております。

    このコーナーを、妻に見せましたところ、いたく喜んで
   NETWORKERとしての、家庭内での失地を若干回復
   することができましたので、この度正式に聴講生とさせて
   いただこうかと思い、IDいただきました。

力にはなれませんが、
ガムバッて下さい。
  迷える 和蘭人

楽しみにしています。。。

#0033 ultra7   8910211833

 うう、うう、読者がまだいた。
 まだ、ネタあるんだけど続けていいって聞いてもいいーーい??
 ultraのコンジン

#0034 sci2194  8910211929

いい!!

#0035 sci1004  8910212053

同上 と古典的なシャレをとばす

#0036 sci3136  8910221400

 おねがいしまーす。  <i>

#0037 sci1902  8910222324

控訴を  受理いたします
          やっほーー

#0038 sci3852  8910261445

 こういうおもしろい話は大好きです。
 ぜひぜひ続けて下さいませ。

                       ROKO

#0039 ultra7   8910261658

 鋭意制作中 待て次号!!!
 ultraのコンジン

#0040 ultra7   8911061233

 次の書き込みは120行以上あります。ご注意の上、よく読んで
 くれたりすると、僕、うれしいんだけど。

 ナチスと連合軍の間に繰り広げられた「占星術ウオーズ」の真相
 です。

#0041 ultra7   8911061236

 前レーガン大統領のナンシー夫人が、占星術師の占い結果によって、大統
領の行動を決めていたというのは有名な話だが、事の真偽はどうあれ、ヒッ
トラーもその政策を、占星術によって決めているという噂話は、第2次大戦
中、連合軍側に広く信じられていることだった。

 もし、本当にそうならば、ヒットラーの戦略を見抜くのは実にやさしい事
だ。そう、彼が占星術でどんな占いを出すのか、こっちが一足先に占ってそ
の裏をかけば好いのだ。

 第2次大戦末期の舞台裏で、ナチスドイツと連合軍の間で火を吹いていた
といわれる「占星術合戦」の真相は、はたして、どうだったのか、ここに簡
単に紹介したい。

 1939年11月2日、ナチス高官のハインリッヒ・フセル博士の元に一
通の電報が届いた。

 「11月7日から10日の間に、ヒットラー総統のホロスコープに爆死の
掛があり。用心されたし」

 当時のドイツでは、総統に対する占いは最大のタブーであり、フセルは、
すぐこの恐ろしい電報をしまいこんだ。しかし、その時、ヒットラーのホロ
スコープは、運行中の「月」が天秤座に入り、「突発的な事故」「火難」を
示す、火星と天王星を強く刺激し始めていたのだ。

 それから6日後、マインツのビアホールで開かれた、ヒットラーの「ミュ
ンヘン一揆」の記念演説会会場で、突然時限爆弾が炸裂、会場は一瞬の内に
瓦礫と化した。しかし、ヒットラーは何故か直前に演説時間を変更、かすり
傷も負わずに会場を去り、反ナチスのこの爆破計画は完全な失敗に終わった。

 当然、犯人捜しが始まり、この謎の電報を打った主、カール・エルンスト
・クラフトもナチスに捕まった。

 クラフトは、1900年5月10日、スイスのバーゼル生まれ。数学に天
才的な能力があったといわれ、ジェノア大学で統計学を学ぶ傍ら、占星術の
統計学的裏付けに執念を燃やし、「コスモ・バイオロジー(宇宙生物学)」
を創設していた。

 秘密警察に捕まったクラフトは、爆死の予言は、純粋に占星術の結果であ
ることを実証するため、ゲシュタポの前で、数多くの占いをしてみせた。ゲ
シュタポの面々も、そのあまりの的中率に度肝を抜かれたが、クラフトの利
用価値を一目で見抜いた男もナチスにはいた。

 それは、あらゆる演出を通して「ナチスなるもの」の幻影を作り上げた最
大の「功労者」宣伝相のゲッペルスであった。彼は、クラフトを宣伝局員に
抜擢すると、「ノストラダムスの大予言」の内容をねじまげ、ナチスに有利
に解釈させたパンフレットを大量に作らせ、欧州中に巻いたのだった。

 しかし、ほどなくクラフトの身の上に非劇を降らす事件がふたつ起きた。
ひとつは、1941年5月10日午後5時45分、ナチスの副総統ルドルフ
・ヘスが、突然メッサーシュミットで、英国に亡命(?)してしまったこと。
もうひとつは、クラフトの友人の一人ルーマニア大使チレアに当てた政局を
占った手紙が、ナチスに知れてしまったことだった。

 ヘスの事件を「占星術師のそそのかしによるもの」とみたヒットラーは、
占星術の大弾圧を開始、チレアの手紙のこともあって、クラフトは実際には
ほとんど何もプロパガンダを行わないうちにスパイとして投獄されてしまっ
たのだ。

 このヘスの突然の逃亡は、未だに理由が謎とされている。一昨年、新聞な
どにも大きく載ったのでご記憶の人も多いだろうが、彼は、87年8月17
日死亡してしまい、真相は深い謎のまま残った。

 しかし、ヘスの亡命の理由として、広く信じられている「伝説」はある。
彼の師の地政学者・ハウスフォーファーが有る晩夢を見て、その夢の中で「
ヘスが英国の王宮の中を闊歩し、2つの偉大な北の王国に平和をもたらして
いた」というのだ。それを成就するために、真面目なヘスは急遽英国に向か
った、と言われているのだ。

 この地政学の父と言われる、ハウスホーファーという人物も、不思議な人
物で、日本に留学し秘密結社「緑竜会」に入団、仏教の奥義を取得したとも
謂れている。また、「大日本」「日本帝国」「日本の国情」「日本帝国の地
理的発展」といった、数多い日本に関する本も遺している。一時は、ナチス
の理論的基盤でもあったホファーは、この「占星術弾圧」で一緒に検挙され
てしまった。そして、日本贔屓の果てか、「切腹」によって自害している。

 この「ホーファー伝説」は、実は本当かどうか分からない。というのは、
ヘスにインタビューしたユージン・バードが、その著「シュパンダウ牢獄の
ルドルフ・ヘス」の中で、ヘスの証言として「ハウスホーファーから、そん
な夢の話しは、聞いたことはない」と言わせているからだ。この事件に関す
る最後の真相解明の鍵は、ワシントンにあるはずの「ヘス=ホーファー往復
書簡集」を調査するしかないだろう。また、このヘス事件については、当時
情報将校をしていた、若きの日のイアン・フレミング、あの007の生みの
親が、ヘスの尋問役として、後世、獣のオカルテイストとして有名になるア
レスタークローリーの起用を進めるなど、興味深い場面もあった。

 話を、クラフトとチレアに戻そう。ルーマニア大使のチレアは、クラフト
の占いの能力を調べるために、政局を占うテストを何度かクラフトに頼んで
いたのだが、彼の投獄後、クラフトの手紙にナチスの検閲の陰を見たチアレ
は、知り合いの占星術師ウオールに手紙の内容の鑑定を頼んだ。

 手紙の分析の最中に、ウオールは、ナチスが総攻撃を起こした日、例えば、
1940年5月10日西欧諸国への攻撃開始、同7月31日の対ソ作戦準
備命令、41年4月6日ユーゴ、ギリシャ進撃などは、いづれも、ヒットラ
ーの吉日に合わせていることを見付け出した。

 ナチスは、クラフトの予言で動いているに違いないと直感した、ウオール
は英国政府に掛け合い「俺が、予言の裏をかくと」宣言、ロンドンの最高級
ホテル、グロブナーハウスのスイートを借り切らせ、「心理戦争調査本部」
を開局、こっちもニセのノストラダムスの大予言をデッチ上げるなど、大々
的反撃に出た。

 1941年には、ウオールは、米国の占星術大会に出席、ドイツはクラフ
トという予言者によって動いている、と暴露した。この時、ウオールは、ヒ
トラーのホロスコープから、エバ・ブラウンの存在まで読み取り、彼女は非
業の死を遂げるであろうとも、予言したという。

 やがて、裏読みをされていることに気付いたクラフトは、ナチスの監視の
元、占星術だけでは勝負がつかないと見て、タローカードに基づく占いも
組み合わせ、裏の裏読みをし、連合軍上陸の地、ノルマンデイーも事前に予
知していたと言われている。

 しかし、すでにナチスの信用を失墜していたクラフトは、1945年1月
8日、ブッヘンヴァルトの収容所に向かう途中、栄養失調で一生を終わるこ
とになる。

 そして、その3箇月後、彼の後を追うように4月30日ヒットラーが自決、
オカルト・エンパイアと呼ばれたナチスの第3帝国も、その終わりを迎える
こととなるのだった。

 ULTRAのコンジン
(120行)

#0042 sci1902  8911062244

うん、こりゃおもろい。
いやあ、楽しい読み物でした。やはり、本職の記者さんが書く文は
ひきこまれるようであります。
・ ・ ・ と とりあえず感想などを
             よいしょ      つちねこ

#0043 ultra7   8911062311

 もっと、読後の感想なんか書いてくれると、僕、うれしいんだけど・・・
 匿名希望の筆者

#0044 sci1902  8911070727

あにゃあ  もうしわけござりませぶん
なにしろ公私にわたり多忙につき(この ふれーーずはべんりだな)
なかなか難しいのですが  善処できるよう 鋭意努力します
             つちねこ

#0045 sci2383  8911072234

 うーむ、そんなに当たるのが本当に本当(!)だったら、すごいなぁ。
 自分の世界観を変えにゃーならんことになってしまいます。
 しかしノストラダムスの予言は全然信じてません。あれだけプロパガンダ
 に利用されたのでもわかるとうり、一種のだまし絵ではないかと思います。
                                                         Funtom.

#0046 ultra7   8911081303

 Funtom様

 このコーナーの#23と24読まれましたか。???
 なぜ、ノストラダムスの予言が信じられないのか、具体的
 事例を挙げて説明してますので、よろしく。

 ultraのコンジン

#0047 sci1004  8911091359

えと,以下は随分前にアップしようと思って忘れていたものです.
−−−−
 その「臨時増刊 歴史読本」に荒俣氏の筆による,ナチスの狂気を支えてい
たのは,以外にもメンデルの遺伝学と言う”科学”であった・・・というのが
あるんですねえ.
 つまり,アーリア民族,特にドイツの森林の狩人を祖にもつ”純粋アーリア
人”は多民族より優れている,という前提のもと,多民族との混血を否定する
その根拠が,メンデルの科学的成果に負っている・・という主旨なんですよね.

 ギョエーの宝庫であるナチスの,意外な正統科学との接点を見る思いなんだ
けど,ここで話しがブッ飛びます.

 科学朝日9月号に取り上げられている,「二つの起源」問題,つまり日本人
の起源についてなんですが,これをナチスとオーバーラップして見てしまった
のは,私だけかしら.別に,そういう研究が悪いということではなくて,「血」
を探るという探求が,なんかナチスを匂わせるなあ,探し出さなくてもいいよ
うな何かが出てこないといいなあ,とまあそんな事を感じましたね.
−−−−場違いだとは思ったんだけど・・ご勘弁.せっかく書いたんだもん.

 ふんで,コンジンさまの大作についてですが,
 なんでも,ヒトラーに関わった占星術師ってのは,名前が上がっているだけ
でも,マダム・エバティン,ウイルヘルム・ヴルフなどが,上の「歴史読本」
にも出てきますが,それにクラフトまた連合国側のウオールなども加えて,そ
の全てが同じ様な「卦」を出してくるのが,非常に不思議に感じられるのです
ね.それとも,そのころの占星術ってのは流派が決まっていて,その筋の熟達
者なら,共通の卦を出せる,そうした体系を持っていたのかしら.
 だとしたら,その体系ってのは,一般側が含まれていることになるんではな
いかしら,現代の占いと違って.

 ノストラダムスって,フランスのどこかの小国のお抱え「魔術師」だったの
ですよねえ.一説によると(テレビで初代引田天攻が言ってた気もする),当
時の王家に召し抱えられたそうした「魔術師」は,芸として占いをすることも
要求されていて,いわば魔術と予言は車の両輪のような関係であって,魔術つ
まりトリックなくして予言の価値はありえない,だからノストラダムスの予言
に価値はない.と喝破する向きがあるんだそうですね.
 なんでも,将来を悲観した王様に,鏡のトリックをつかって「王の未来像」
なるものを披露して,王様の御機嫌を取ったとかとらないとかっていう話しも
聞いたことがあるなあ.

 うーん,こんな事かいてると,どーもノリックが頭をチラチラするんだけど
なあ.

 学校ずるけてる社務猫

#0048 sci2383  8911111619

 教祖さま
 なるほどー、やはりそうでしたか。ふむふむ。。
 これってマジックのメンタリストがよく使う手なんですよ、実は。
 ほんでもって自分もやってたりして。だははははー
                           Funtom.

#0049 sci1509  9102090214

 「微笑」に「大予言に見る湾岸戦争の行方」というような類の記事があった
そうなのですが、どなたか内容をご存じないですかねえ.なんとなく買うのも
立ち読みするのもはばかられて・・・

TAKA


#0050 ultra7   9102111500

 ほう、なつかしい書き込みにレスが・・・・
 新しい資料も、米国から届いたから、もう少し続けようかな。

 艮神


#0051 sci4993  9102191140

>TAKAさん
 例の五島勉氏の「ノストラダムスの大予言 中東編」の引用ばっかりです。

 女性なんとかといった雑誌が飽きずに書いてるし・・・。

                          sci4993  綾綺和海
                               アヤキ・カズミ