Wat00029 マニュアル思いのたけ。その一 #0000 sci1164 8809021121 マニュアルについて。 えへへー、私自身の宣伝ではないですが、「BOX」という雑誌に、 マニュアルをわかりやすくするための「構造化手法」というのを考えて いる人の話を書いたので、読んでいただけるとうれしいです。 さて、それはそれとして。 マニュアルの中身にも結構言いたいことはあるのですが、今度主張して みたいのは、マニュアルは印刷物としてもけっして美しいものではないの ではないかということです。私の考えでは、それはマニュアル制作段階で の下請け体制に、いろいろな問題があるのではないかと思います。 * * * 私はこの夏、マニュアル制作の仕事を初めて手伝ってみました。それで 感じたことなのですが、どうも、マニュアル制作を請け負う会社の中には、 今までごくふつうの翻訳代行や広告制作しかしていなかったところが結構 あるようなのです。マニュアルはページ数も多く大きな仕事になるので、 そのおそろしさを知らずに請け負って青くなっている制作会社もあるよう です。(私が手伝っているところもそんな会社のひとつです) 彼らがまず最初にびっくりするのは、ページの多さにくらべて、納期が あまりにも短いことです。今月中に4000ページ、などという依頼が、 平気でくるらしいのです。中身の事に関しては、はじめのうちは、彼らも 信頼のおける分かりやすいマニュアルを、と考えているのですが、そのう ちに量に圧倒されて、「とにかく納期内にできればいい」と思うようにな るようです。 次に、マニュアルの制作では、普通の印刷物の進行では考えられない事態 が起こります。製品の設計が最後まで流動的だからでしょうか。青焼きと いって、ごく普通の出版物ならば最終のチェックであり、気まぐれな直し など決していれないはずの段階になって、いきなりメーカーから、何ページ にもわたる差替えが入ったりするのです。 こうなると、印刷所と制作会社の間でパニックが起きてしまいます。 私は印刷の現場には詳しくないのですが、たぶん何日も徹夜になるのでは ないでしょうか。 ところが、メーカーのほうでは、製品の出荷にあわせてマニュアルが納品 されるのは当然の事だと考えています。納期遅れには、かなり大きな賠償金 がかけられ、メーカー側の発注担当者は左遷されるという噂も聞きました。 * * * こんな状態で仕事が進むのですから、校正などは完全なはずがありません。 私は以前から、マニュアルにはどうも誤植とか図版の入れ違いのような 単純なミスが多いと思っていたのですが、3日くらいで何千ページ も見るのですから、まあ、当然の結果でしょう。 すくなくとも、こんなとんでもない進行は、印刷物では無理なのだという ことを、制作会社になりかわって、私は主張したいです。 88.09.02 Y.KURABAYASHI #0001 sci1089 8809231133 むちゃくちゃだ。 メーカーの無責任ぶりがこれほど明確に現れているレポートを、ありがたく 拝見させていただきました。 それだけ無茶を言って、賠償金まで取って、安く上げて、 ミスがあったらまた文句をいい、賠償金を取って、 それでいて、マニュアルには、クレジットすらでない。 こんな横暴をマニュアル制作社が耐えざるを得ないのは、 やはり下請けの構図なのでしょうか? クレジットがでてないのですから、全責任はメーカーにあります。 制作を実際に担当している下請けのせいではないと思います。 コンピューターなんて、マニュアルがなければただの箱だし、 ソフトだって、ただのフロッピー・ディスクではないか。 この点、シュミレーション・ゲームやロールプレイングゲーム(ただし、 ボードゲームの方)の、マップやコマとルールブックとの関係に似ていますね。 最後は我田引水のMartha