Wat00028 技術と感性〜コード、部品、精度、磁石etc.

#0000 dando    8809011807


技術と感性〜コード、部品、精度、磁石etc.
                        by 団藤
 わたしたちは、実にいろいろな技術のなかで、つまり人工の環境
の中で生きています。オーディオ・ビジュアルの世界は、そうした
中でも特に人間の鋭敏な感受性が現れる世界です。

 ここでは、AVコードで体験する不思議さを導入にして、AV技
術とわたしたちの感性のかかわりかたを、おしゃべりしてみたい、
と思います。かなり趣味的な話をいっぱいやってみたら、思わぬ世
界が見えて来たというふうになればいいのですが・・・。

 話題は出来るだけ幅広く、例えば、右脳と左脳の話なんてのも結
構でしょう。簡単に言うと、先に始めたが、テレビを中心
にした「V」の世界ならば、こちらは「A]の世界が中心になりそ
うですね。




#0001 dando    8809011809


AVコードについての四苦八苦
                        by 団藤
 オーディオのコードについて関心をもち始めたのは、随分昔です。
最初は、低音のダンピングファクターに、スピーカコードの直流抵
抗分がきく−−中学の始めころかな。今から考えると、かいがない
ことに凝りました。

 OFC(含有酸素分が少ない銅線)が出はじめたのは数年も前で
したね。それが、更に進んでLC−OFC、つまり、細長い線状結
晶をしたOFCが出てきました。世評には聞いていたのですが、な
にせこの稼業、なかなか忙しくて、手が出せなかった。それが、2
年前に遅ればせながらCDプレーヤを手に入れてから、その固い音
に悩まされるに及んで、病気が再発してしまいました。とりあえず、
スピーカコードだけでもと、LC−OFCを導入しました。エリー
・アメリンクの声がずっと滑らかに流れ始めたのに、単純に喜んだ
ものです。

 ところが、やっぱり、昔からのレコード、ADとは差がありすぎ
るんですね。どうも、低音も薄い−−と感じていたので、米国製ベ
ルデンのピンコードを試してもみました。これは、本当にドスの効
いた低音で、オーケストラではコントラバスの数が倍増してしまう
−−もちろん、わたしの趣味ではない。

 結局、昨年春、PCOCC(線状結晶をさらに押し進めて、銅の
結晶がずっとつながってしまった状態−−結晶粒界がない訳です)
のコードを試すことになりました。最初は、CDとアンプの回りだ
けのつもりだったけど、あまり気に入ってしまった−−わたしより
も、妻の方がもっとびっくりしてしまった−−ビデオ用のコードに
も試してみると、色の濁りが抜けた−−画面の青空が、梅雨時の青
空から、秋の青空になってしまった。カセットデッキとチューナー
はほとんど無用という扱いで、安物のカシーバーで済ませているの
ですが、レンジの広さなどは変わらないけど、音楽ののびやかさと
いった本質的なものが変わった印象でした。

 それで、No.2の関連発言17のような次第で、2台
目ビデオ導入でも、ほとんどのコードをPCOCC化するはめにな
り、コードだけで、かなりの高級アンプが買えそうな投資に・・・。

 銅の結晶粒界を電流が通過しないだけで、どうしてこうも変わる
のか。興味のある方と、討論してみたいと思います。




#0002 sci1420  8809022336


AVコードの不思議

 10年ぐらい前、カートリッジコードに銀線を使い音が、ヴェー
ルを剥いだ様に透明になりそれ以来、コードなど素材に少なからず
興味を持つ様になりました。その後、7年程のブランクにめげずA
を再開して見ると、世の中、すっかりPCOCCで、昔の低容量コー
ドをすっかり交換するはめに陥ってしまいました。

 ところで、エレキのことはよく分かりませんが、金属材料はミク
ロ的に見ると欠陥ばかりです。結晶内にも空孔やら転位やらでまと
もに充填はされていないのが普通です。それが、粒界面ともなれば、
不純物の巣窟ですし、不純物が例え無くとも、多分、”すきま”も
あいている(非整合)でしょう。また、これらの部分は、エネルギー
の安定も、結晶内より悪く(たぶんそうだったと思います)、この
ため、音の信号のための電子の移動を妨げているのかもしれません。

 しかし、電流は一般的に表皮を流れると聞いています。そう考え
ると、粒界を”通る”ことに問題が有るのではなく、粒界が”有る”
ことが、問題なのかもしれません。オーデオ信号は20k以上まで
の振動であり、それが粒界が多いと”減衰”したり”共振”したり、
といった変化をするのではないでしょうか? CRLLCRRLC???

                        キティ手島




#0003 sci1515  8809032059


FRONT PROCESSOR GA NAI NODE RO-MAJI DE SHITUREI SHIMASU.
MUKASI KO-DO WO KAETE MINASAI TO IWARETE
LC-OFC NI SHITE MIMASITA.
MIMI GA WARUINOKA CHIGAI HA WAKARANKATTA.
DEMO PIN KO-DO YA SPEAKER TANSI WO
HANDA ZUKE SURUTO KONO KOUKA NO SUGOI KOTO!
KIRIGA HARETE IKUYOUNA MIGOTOSADESHITA.
DEMO OSOUJI NI KOMARUSHI AMARI NI JADOU?
(TORIO KAICHOU NARA KITTO "OUJA NO SHUMI DEHA NAI!"
TO IISOUDA)
NANODE IMADEHA SAEC GA YUNYUU SHITEIRU TWEEK NARU
SETTEN KUTTSUKE ZAI(?) (2cc DE \5000!!) WO
TSUKATTE IMASU. HANDAZUKE NO 70% GURAI NO KOUKA
HA ARIMASU. ICHIDO OTAMESHIWO.
AUDIO TTE HAKKIRI ITTE WAKE WAKARIMASEN.
KOTO NO TSUIDE NI DONATAKA CD YOU NO 
"COMMON MODE NOIZE ERASER" NO KOUKA WO
SHITTE ITARA OSHIETE KUDASAI.
CD WO KIITE IRUTO ATAMA ITAKU NARIMASU.
TORITOME NAKUNATTE SHIMATTA.
MATA KAKIKOMI MASU.
FROM JUN(SANZUI+MONGAMAE+OUSAMA) YOSHIZAKI




#0004 sci1274  8809062132


オーディオにはてんで縁がないので、どうしようかと思いましたが
電線には縁があるのでちょっとかき込みます。そういっても私のオー
ディオの評価はAM FM HiFi! の三段階しかないので
むろん、音質には触れないでケーブルの話です。
電線(ケーブルでした)で音が変わったとすると、原因は(1)寸法の(長さ太さ
2線間の間隔)が変わった。 (2)抵抗値が減った。 (3)接続を間違えた 
があります 
3は論外(よくやりますが)として、 1も素材の評価で他の条件(アンプから
見ればケーブルもスピーカの一部です)が変わってはできませんので除きます。
残りは 2でしょうか。
導体の中を通る電子は活発にブラウン運動をしていますから、これでキティ手島サン
がかかれた通り、導体内の不純物や結晶欠陥のすくない方が電子が頭をぶつける頻度
が少ないんじゃないかしらん。この動く電子は、肝心の銅分子にぶつかり、熱雑音の
発生源にもなりますが、熱雑音は常に発生しているので違うと思います。また、要領
のいい電子は余りぶつからずに通り、またどこにでもいますがやたらぶつかるやつが
出てきたりして、これが原因で電子群の移動経路に長短ができ時間的遅れが発生する。
ということもあるようです。(でも移動速度を光速として10mの経路で2倍遅れて
も30ナノ秒ですぜ。)この拡散?で発生した波形歪みでねー ウーン ウーン
仮に時間遅れが発生していると考え、ケーブルを半分にちょんぎって短くする。液体
窒素を振りかけてみる、これらを銀の単結晶ケーブルを特注してやってみる!!!
いっそ超伝導テープを買ってきて。。。。
知識が大学を卒業した10年前で止まってますので、間違ってたら、ひらにひらに
ご容赦を。                                      ROM




#0005 dando    8809081903


わたしは、位相歪が怪しいのではと思ってます
                        by 団藤
 本当のことは分からない。だから何でも言えてしまいます。位相が
と思う理由は、デジタルオーディオばかりでなく、安物のテープデッキ
の音まで、さわやかになってしまう−−からです。CDには、従来にな
いほど高音域の成分が含まれます。CDの音だけで著しい変化があると
すれば、この高音域の3次高調波歪のような、耳につく歪が増えたとの
解釈も可能です。CDのいらいらするような感じが、コードの取り替え
で消えるのは事実ですが、中、低域もかなり変化します。
 ちょっと昔、シングルコーンのスピーカに凝っていたこともあります。
マルチスピーカの音と比べて、なんともさわやかなのですが、わたしは
あの変化を、コードを変えたときに連想しました。しかし、どうして、
位相とコードが関係あるのだ−−と言われれば困ります。結晶粒界はば
らばらに存在していますから、そこを通るときに各所で位相のズレを、
起こす、しかし、粒界が無ければ位相の不揃いは起きない−−というので
は・・・。
 粒界のほかに、金属の中には、引き延ばし加工中にあちこちで欠陥が
生まれます。PCOCCの中には、引き延ばし加工をしないで、鋳出し
たままの線もありますが、あまりに高価なので、試していません。




#0006 sci1274  8809101827


前回の書き込みはちょっとはめを外しました。
気に障ったら御免なさい。
さて、効果は団藤さんが確認されてますが、肝心かなめの製造販売側は
何を持ってこのケーブルの効果の原因を説明しているのでしょうか。
かなりの高額商品らしいので、理由付けがあると思いますが。。。




#0007 dando    8809121650


簡単に測定できないから「AV」は面白いのかも
                        by 団藤
 
 それが問題なのですよ。だから、位相歪などと言っている訳です。
例えば、普通の歪、2次、3次高調波などが発生するならば、簡単に
測定ができます。ところが、こういう測定に引っかからない種類の差
が、AVの世界には続出します。でも、人間の目や耳には差が感じら
れるんです。
 
 まだ、試していませんが、最近、磁石と木をドーナツ状にした輪に
コードをくぐらせるだけで、音や画像を改善するという商品が出まし
た。やっぱり、測定データは出ていないようです。
 
 微妙な位相のズレが重畳しているようなら、おそらく現在の測定技
術にはかからないと思います。あるいは、普通の測定限界より低い歪
でも、われわれは敏感に感じてしまうのか・・・。




#0008 dando    8809261727


は、もうひとつでしたので、最後に最強永久磁石の話
                   by 大阪科学部・団藤

 最強の永久磁石とは何か、ご存じですか? はもうひと
つ盛り上がらなかったし、科学記事ウオッチになっていなかったの
で、最後に日本で生まれたネオジム・鉄・ボロン磁石の話でしめて
しまいましょう。
 オーディオマニアには、サマリウムコバルト磁石はなじみが深い
でしょう。磁石としては、これまで最強で、MM型ピックアップや
ヘッドホンなど軽量が求められる用途には、独占的に使われて来ま
した。永久磁石の開発は言わば日本のお家芸でしたが、このサマリ
ウムコバルト磁石は海外産。そこへ、住友特殊金属が1983年に
ネオジム・鉄・ボロン磁石を開発、今年になって特許がおりました。
ネオジム磁石はサマリウム磁石よりも5割以上強力で、普通のスピ
ーカに使っているフェライト磁石の10倍もの強さです。
 製品化は最近急で、わたしも、ネオジム磁石を使った製品を一つ
だけもっています。テクニクスのピックアップで、205CTyp
e4です。このピックアップの前モデルはサマリウム磁石を使った
MMで、極めてフラットな特性を誇っていましたが、シュアーのV
15系を長く使って来たわたしには、何か音楽的に物足りない感じ
でした。Type4になって気にいったのは、「静」から「動」へ
印象が変わったことです。相変わらずフラットな、癖が無い音ですが、
それでも「動」、つまり、ビビッドな感じが加わりました。いつ
か折りがあれば、開発関係者にどんな設計変更をしたのか聞いてみ
たいと思いつつ、果していません。強力な磁石で振動系を軽くする
だけでこんなに変わるのか、かなり手直しがあったのか。
 普通は超伝導磁石を使っているNMRも、この磁石ならそのまま
実現できるのです。すでに製品になっています。サマリウムに比べ
て、ネオジムの資源は豊富なのも、大きなメリットです。
 この磁石の開発は、佐川さんという技術者が引っ張りました。彼は、
理論的に最強になる元素の組み合わせを考え、実現してしまったの
です。だから、これが多分、今後とも凌駕されることの無い最強永
久磁石だろう、といいます。彼は、神戸大学から東北大の大学院に
進み、富士通から住友特殊金属、そして、45才の今年、退社して
フリーになりました。技術開発とコンサルタントの小さな会社を起
こして、海外にも出て行くようです。アメリカには技術開発型のベ
ンチャー企業が盛んですが、日本でもそうなるのか。最近、そんな
雰囲気も感じています。