Wat00027 太陽活動が極大期をむかえます

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太陽活動が極大期を迎えます

 AMS Newsletter (American Meteorological Society発行)8月号によると,
今度の太陽活動極大期(今後数年間続く)は記録破りになる可能性が高いというこ
とです.すでに1986年9月から始まっている今回のソーラーサイクルではかつ
てない黒点とソーラーフラックス値の増加を記録しており,これは太陽活動の激し
さを示しているとのことです.

 さらに,NOAAの人の談によれば,
●宇宙飛行士や高高度を飛ぶ飛行機の乗客への放射被害
●宇宙空間にある200以上の衛星の軌道の変化,地球大気への予定されていない
 再突入.
●衛星の電子システムへの被害.
●電力設備,パイプライン,長距離電話ネットワークへの障害.
●電波コミュニケーションや放送への障害.
があるかもしれないとのことです.

 太陽活動は11年周期で強くなったり弱くなったりしていますが,過去(1840年
以来)には,1958年(サイクル19)に最も強い活動が現われました.ちなみ
に,この年をねらって地球観測年があり,日本の南極観測が始まりました.今回は,
これよりも強くなりそうです.

 これから2,3年の間はあまり飛行機に乗らない方がいいのかな?北海道あたり
では,オーロラが見えるかも知れませんね.高知では無理だろうけど.

                                        菊地時夫




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 電波現象に興味のある私にとっては太陽の活動は関心のあるところ。
1957年のときもすごかったと聞いています。

 しかしながら、興味だけにとどまらず実生活にかなりの影響があると
聞くと、何やら心配になってきました。

                          こっぺい




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太陽活動のフォローを少し.
 太陽活動の活発化(磁気嵐)によって大気の電気伝導領域(電離層)に電流を起こ
し,従って熱が発生し,大気を膨張させます.すると地球に近い軌道を飛んでいる衛
星は,抵抗が大きくなって,コースをはずれるのだそうです.
 太陽の紫外線も増えます.これは,成層圏のオゾンを増やす働きをします.最近騒
がれているオゾンの減少については,考え方を修正しなければならないかも知れませ
ん.紫外線の増加も大気圏の膨張に一役買います.ブースターなどの不用の衛星が再
突入すれば,宇宙は少しきれいになるかも知れません.
 今回の予報は,現在までのサイクル22の黒点数の観測から,傾向として出されて
いるものですが,理論的にも,今回のサイクルが大きいものであるという予報が出さ
れていました(1987年6月).それによると,1958年よりも大きくはないが,
その次位だろうということで,どちらが正しいにしても相当なものだと思います.
 太陽活動の極大は1990年頃です.
 取材するなら,宇宙科学研究所,極地研究所あたりが適当でしょう.ニュースソー
スに直接当たりたいなら,Gary Heckman (NOAA-Air Force Space Environment Service 
Center in Boulder, Colo.) or Kenneth Schatten (NASA/Goddard Space Flight Center
 in Greenbelt, Md.) へ.
以上Eos(July 5, 1988)より.
                      菊地時夫




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その後の太陽活動予報.
  NASA Marshall Space Flight Center の Robert M. Wilson (Nature 335, p773)  
によると,これから最大期を迎えるサイクル22の最大黒点数の予報は当初の175
±35から144.6±7.8に下がって来ました.これは,予報の手段に使われた
最小自乗法による予測式を1変数から2変数にしたことにより,精度を上げた結果だ
そうです.過去の最大はサイクル19の201.3ですが,これよりもはるかに小さ
い値になりそうです.サイクル21(164.5),サイクル18(151.8)な
どよりも小さくなって,過去4番目か5番目位だろうという予測です.
ちょっぴりがっかり,ちょっぴり安心の--Tokio