Wat00018 衛星放送について

#0000 reader 8808161256


#ここは、ひとつ、いいだしっぺの「うるさがた」さんに、ちゃ
#んと基調発言を書いていただいて、そこで話を続けましょう。「うるさがた」
#さん、期待してますよ。

期待してますよ、といわれても困ってしまうのですが、どなたかがフォローし
てくださることを期待して書いたことなので、基調発言としてもう一度アップ
することにします。本当はシスオペの方が転載されてくださってもよろしいの
ですが。

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衛星放送(BS)について

お誘いに乗って、AVがらみの話題を一つします。
 衛星放送は、元来、通常の放送(地上波)が見えない地域の救済策として始
められたのに、今では独自の放送をし、さらに有料化しようとしているのはち
ょっとおかしいのではないですか。
 結局、難視聴地域の人が通常の放送内容を見ることは出来ず、本来の救済策
としての役目を果していないだけでなく、有料化することでなし崩しに実質的
値上げを計っているのは、ほとんど詐欺ではないかと思います。
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 以上が元々の発言ですが、もう少し付加えると、各家電メーカーの上の方の
人のなかにはNHKの技術研究所出身の人が結構いたりして、NHKでの新技
術の開発とメーカーの利害関係はかなり密接な関係があります。通常のテレビ
は行渡ってしまったし、これから儲けるとしたら衛星放送、ハイビジョンとい
う道しかないから、という点でNHKと、各メーカーの利害が一致したのでし
ょう。

 本当は、教育放送のステレオ化、都会でのゴースト対策等、やるべきことは
いっぱいあるけれど、儲からないことはやりたくない、ちょうどオリンピック
もあるし、ここは既成事実を作ってしまった方が勝ちだ、というあたりが本音
ではないでしょうか。

 衛星放送そのものが悪いと言っているのではないのです、念の為。ただ、そ
のやり方があまりに汚い、と言っているのです。

 また、衛星放送がきれいだ、きれいだと宣伝するのもフェアなやり方ではあ
りません。現状の衛星放送はちっともきれいではありません。もし、衛星放送
が普通の放送よりきれいに見えたら、今まで、余程アンテナ、チューナー等が
御粗末だっただけです。現在の放送で画面が汚いのは、放送局での元々の送り
出しの画像が汚い(編集と称して散々ダビングを重ねた結果を送り出している)
ことと、受信側のアンテナ系が御粗末なこと(ゴーストを含めて)が理由で、
決して電波を送る形式の問題ではないのです。

 それにしても難視聴地域の人達はどうなってしまうのでしょうか。

                           from うるさがた




#0001 dando 8808171615


うるさがたさん ご苦労様
                        from 団藤

 衛星放送問題について、とりあえず、朝日のデータベースから引き出した資
料を提供しましょう。

 次の関連発言には、85年1月からの記事のうちで、衛星放送とNHKが一
緒に出てくるものの全リストです。話題になっているというか、問題が多いこ
とがお分かりでしょう。実は、わたしも例の「ゆり2号a」の打ち上げに立ち
会った記者の一人です。

 そのあとには、このリストの37と70番から、解説記事を全文引用します。

 かなり長いので、1ページ25行のモードにしていない方は、一度、ボード
を抜けて、メインメニューのところで、「p」を入力してからのほうがいいで
すよ。現在は、ブレークが効かないので、ページモードの使用を勧めます。




#0002 dando 8808171628


◆001 NHK、60年度予算案提出
85.01.30 朝刊 2頁 2総 写図無 (全342字)

◆002 NHK開発の高品位テレビの名称、「ハイビジョン」に
85.02.21 朝刊 3頁 3総 写図無 (全267字)

◆003 NHK60周年に望む(社説)
85.03.21 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全857字)

◆004 ニューメディア時代の放送、郵政省が研究会 5月にも発足
85.03.26 朝刊 2頁 2総 写図無 (全975字)

◆005 放送衛星ゆり2号b、今夏打ち上げは困難 本放送利用遅れそう
85.05.09 夕刊 1頁 1総 写図無 (全655字)

◆006 ニューメディア懇談会が発足へ 放送の役割探る
85.05.11 朝刊 8頁 2経 写図無 (全201字)

◆007 故障多発した放送衛星 次期はメーカー変更 宇宙開発事業団
85.09.03 朝刊 1頁 1総 写図有 (全753字)

◆008 中国から放送衛星視察(ニュースライン)
85.10.29 夕刊 4頁 みんなの科学 写図無 (全158字)

◆009 放送衛星「BS2b」の心臓部に“欠陥” 2月発射に支障?
85.11.07 朝刊 3頁 3総 写図無 (全410字)

◆010 「ゆり2b」2月に打ち上げ
85.12.26 朝刊 3頁 3総 写図無 (全227字)

◆011 「ゆり2b」打ち上げ 衛星放送実用化へ再度の挑戦
86.02.13 朝刊 1頁 1総 写図有 (全475字)

◆012 ハイビジョン(天声人語)
86.05.21 朝刊 1頁 1総 写図無 (全771字)

◆013 放送衛星の故障原因は欠陥IC NHK、引き取りに難色
86.06.26 朝刊 3頁 3総 写図有 (全1124字)

◆014 NHK、ゆり2bを引き取る 2条件つけて
86.07.12 朝刊 1頁 1総 写図無 (全806字)

◆015 再検討迫られる放送衛生「ゆり」 負担重いNHK
86.07.16 朝刊 4頁 解説 写図有 (全1896字)

◆016 NHK、衛星第2試験波12月25日から開始
86.12.04 朝刊 22頁 2社 写図無 (全373字)

◆017 放送衛星 故障続きでいまだに試験放送(どうなった)
86.12.15 夕刊 5頁 みんなの科学 写図有 (全844字)

◆018 NHK、62年度予算を提出
87.01.29 朝刊 3頁 3総 写図無 (全274字)

◆019 FM多重放送加え、拡大一途のNHK 進出に脅威感じる民放
87.02.20 朝刊 4頁 解説 写図無 (全2764字)

◆020 九州地震でNHKが初の緊急警報放送
87.03.19 朝刊 23頁 1社 写図無 (全274字)

◆021 大きくなり過ぎたNHK 営業形態の営利化を民放は警戒
87.05.12 朝刊 4頁 解説 写図無 (全2068字)

◆022 日本初の24時間テレビ NHK衛星放送、6月末にも実現
87.05.29 朝刊 3頁 3総 写図無 (全660字)

◆023 NHK、61年度決算は58億円の黒字
87.05.30 朝刊 3頁 3総 写図無 (全209字)

◆024 衛星放送24時間TV、6月末実施を正式表明 NHK
87.06.04 朝刊 3頁 3総 写図無 (全400字)

◆025 NHK、7月から衛星24時間放送
87.06.13 朝刊 26頁 2社 写図無 (全759字)

◆026 NHK衛星独自放送の開始 新収入源への期待担う
87.06.25 朝刊 4頁 解説 写図無 (全2001字)

◆027 早見優の歌、世界を飛ぶ
87.06.27 朝刊 29頁 社会 写図有 (全147字)

◆028 NHK24時間衛星テレビ、開始は今日だが… 受信装置が品薄
87.07.04 朝刊 1頁 1総 写図有 (全1449字)

◆029 費用高すぎる衛星放送受信(声)
87.07.09 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全0字)☆

◆030 衛星放送が10万円台で見られます 日電が受信システム発売へ
87.07.10 朝刊 11頁 2経 写図有 (全861字)

◆031 雨に弱い衛星放送 大雨・小アンテナで映らぬ例も
87.07.14 朝刊 3頁 3総 写図有 (全1436字)

◆032 衛星放送受信設備、安く量産されます(声)
87.07.14 朝刊 5頁 総合面 写図無 (全0字)☆

◆033 衛星放送とCATV 森谷正規(テクノ潮流)
87.07.19 朝刊 14頁 経済特集 写図有 (全0字)☆

◆034 衛星放送で本部設置 NHKが機構改革
87.07.21 朝刊 2頁 2総 写図無 (全316字)

◆035 尾畑雅美さん NHK衛星放送局長に就任(人きのうきょう)
87.07.24 夕刊 2頁 2総 写図有 (全318字)

◆036 岸恵子さん 私の消夏法・自宅で頑張る(人きのうきょう)
87.08.04 夕刊 2頁 2総 写図有 (全329字)

◆037 衛星放送だれのため 路線拡大狙うNHK、民放は進出に消極的
87.08.21 朝刊 4頁 解説 写図有 (全2138字)

◆038 フジテレビが24時間放送体制をスタート
87.08.26 朝刊 26頁 2社 写図無 (全323字)

◆039 「地球食」や「月食」で衛星放送が一部短縮
87.08.27 朝刊 26頁 2社 写図無 (全309字)

◆040 松下電器産業が衛星放送機器発売(情報ファイル)
87.09.02 朝刊 10頁 経済 写図有 (全276字)

◆041 NHKが衛星放送受信料徴収の準備へ
87.10.03 朝刊 3頁 3総 写図無 (全252字)

◆042 自由化される文字放送 受信機の普及がまず課題
87.10.16 朝刊 4頁 解説 写図有 (全1736字)

◆043 NHK受信料、64年度値上げ 川原会長語る
87.12.03 朝刊 3頁 3総 写図無 (全313字)

◆044 郵政省、放送法改正案を次期国会に
87.12.05 朝刊 3頁 3総 写図無 (全180字)

◆045 民放の批判に答える 川原正人さん(わたしの言い分)
87.12.06 朝刊 4頁 オピニオン 写図有 (全2983字)

◆046 衛星放送受信用チューナー(カタログ)
87.12.13 朝刊 17頁 経済特集 写図有 (全1379字)

◆047 衛星放送テレビ・VTR(カタログ)
87.12.20 朝刊 17頁  写図有 (全1732字)

◆048 風が吹くとき 重要度強まる想像力(国際衛星)
87.12.24 夕刊 3頁 らうんじ 写図無 (全1464字)

◆049 ハイビジョン戦争 根回し不足たたった郵政省(88予算)
87.12.25 朝刊 9頁 1経 写図無 (全1000字)

◆050 正念場の日本衛星放送 巨額の製作費どう調達
88.01.06 朝刊 4頁 解説 写図無 (全1556字)

◆051 郷ひろみさんニュース語る 4月からNHK衛星放送に登場
88.01.13 朝刊 30頁 2社 写図有 (全218字)

◆052 NHK予算、五輪・衛星放送で国内放送費かさむ
88.01.28 朝刊 26頁 2社 写図無 (全275字)

◆053 ゆり2号bの電子機器、62年末に故障 部品に問題か
88.02.03 朝刊 26頁 2社 写図無 (全177字)

◆054 「NHK法」改正の重い意味 受信料伸び悩みで副業
88.02.13 朝刊 7頁 解説 写図無 (全1890字)

◆055 NHK総合TVでなぜ五輪中継せぬ(声)
88.02.22 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全508字)

◆056 衛星放送の受信、50万世帯超す 有料化が焦点に
88.02.23 朝刊 1頁 1総 写図無 (全1512字)

◆057 衛星放送<用語>
88.02.23 朝刊 1頁 1総 写図無 (全256字)

◆058 けいざい5分間(23日付)
88.02.23 朝刊 9頁 1経 写図有 (全986字)

◆059 五輪中継ナマ放送は室内競技を中心に(声)
88.02.24 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全360字)

◆060 NHKキャスターに“民放活力” 中部日本放送の福島敦子さん
88.02.24 夕刊 14頁 2社 写図有 (全566字)

◆061 地上波の公共性も大切に(社説)
88.02.26 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全1390字)

◆062 肝心の音楽番組がなぜモノラル放送(声)
88.02.27 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全338字)

◆063 放送衛星がまたトラブル
88.03.10 朝刊 3頁 3総 写図無 (全212字)

◆064 放送の生命は責任ある自由(社説)
88.04.06 朝刊 5頁 社説・声 写図無 (全1386字)

◆065 NHKの次期会長に池田芳蔵氏が内定
88.05.31 朝刊 1頁 1総 写図有 (全961字)

◆066 移動中のバス・列車でも衛生放送を受信 新日鉄などが装置開発
88.06.03 朝刊 8頁 2経 写図無 (全695字)

◆067 アナウンサーも東京集中(メディアインサイド)
88.06.08 夕刊 11頁 娯楽 写図有 (全1097字)

◆068 衛星放送 立花隆(しごとの周辺)
88.06.15 夕刊 7頁 文化 写図無 (全0字)

◆069 難問山積のNHK池田体制
88.06.16 朝刊 4頁 解説 写図無 (全1884字)

◆070 衛星放送本番までのシナリオは? 難視地域対策が重荷のNHK
88.06.17 朝刊 4頁 解説 写図無 (全1896字)

◆071 ことば(88テレコム・レディス・セミナー)
88.06.22 夕刊 13頁 特集 写図無 (全509字)

◆072 経営多角化に意欲 NHK新会長会見
88.07.05 朝刊 30頁 2社 写図無 (全384字)

◆073 五輪衛星放送の計画を先送り NHK・民放食い違い
88.07.09 夕刊 14頁 2社 写図無 (全382字)

◆074 徳田修造・日本衛星放送社長(ニュートップ)
88.07.14 朝刊 8頁 2経 写図有 (全1273字)

◆075 衛星放送の将来構想で研究会発足へ 郵政省
88.07.14 朝刊 8頁 2経 写図無 (全437字)

◆076 衛星放送は250時間 NHKのソウル五輪中継
88.07.14 朝刊 30頁 2社 写図無 (全342字)

◆077 放送現場重視のNHK新体制
88.07.16 朝刊 4頁 解説 写図無 (全1818字)

◆078 五輪衛星放送でNHKと民放対立(メディア・インサイド)
88.07.22 夕刊 17頁 娯楽 写図有 (全1233字)

◆079 郵政省、NHKや民放の公共性テーマに研究会
88.08.03 朝刊 3頁 3総 写図無 (全285字)

◆080 日枝久・フジテレビジョン社長(ニュートップ)
88.08.09 朝刊 10頁 2経 写図有 (全1275字)




#0003 dando 8808171630


◆037 衛星放送だれのため 路線拡大狙うNHK、民放は進出に消極的
87.08.21 朝刊 4頁 解説 写図有 (全2138字)

NHKが衛星放送の第1チャンネルで、これまでのテレビ番組とはまったく
異なる独自番組を24時間放送し始めて20日で1カ月半余り。65年夏に打
ち上げを予定している放送衛星(BS−3)を使った本格的な衛星放送への移
行をにらんだ鳴り物入りの試験放送とふれこんだだけに視聴者の関心は高かっ
た。が、これを見るための受信装置がまだまだ高価で、しかも品不足とあって
普及にはずみがつかないのが現状だ。それでもNHKは強気だ。そこには衛星
放送の目的を「難視聴解消」から「普及促進」へと方向転換せざるを得なかっ
た背景や、NHKの思惑もからんでいるからだ。
 (矢野一彦編集委員)

 放送衛星(BS−2b)を使ったNHKの24時間放送の反響は、予想して
いたよりはるかに大きかった。まずNHKが24時間放送を始める前後に、テ
レビを通じて集中的に行った衛星放送の“広告”に視聴者がとまどい、驚いた
ことだ。これほどの大々的で目立った番組宣伝が、NHKにはなかったからで
ある。

 それに世界の主な都市から生で送られてくるニュース、米大リーグの完全中
継、すぐれた劇映画など、いまのテレビとは全く色合いの違う番組に対する視
聴者の関心がことのほか強かった。だからこそ、すぐ見たいと思う人たちも多
く、NHKに問い合わせが殺到、放送を始めた7月4日だけでも3000件を
超す騒ぎとなった。

 折しも衛星放送を見るために必要なパラボラアンテナやチューナーが品不足
で、ほとんどの人が衛星放送を見ることができない。59年5月に初めて難視
聴解消のための衛星放送を始めた時、「5年で200万台は売れる」という期
待が業界にはあったが、番組の魅力が乏しかったがために空振りに終わる苦い
経験から今回も実需につながるかどうか、メーカーの見方は冷静だ。それでも
8月末には、日本電気など数社が新製品を相次いで出すあたり商売気もうかが
える。

 NHKがまだ試験放送の域を出ず、しかもごく限られた人たちにしか見られ
ないことを重々承知であえて“見切り発車”せざるを得なかったのは、BS―
3を使った本格的な衛星放送への先導役としてのNHKの使命観からなのか。
それとも組織の肥大化に直面するNHKは、ニューメディアを模索し、そこへ
余った人材を投入するなど新たな活路を早急に見いだす必要に迫られているた
めなのか――。

もともと衛星放送の狙いは難視聴世帯の解消にあった。約200万といわれた
難視聴世帯も受信機の性能向上などによって、いまでは10万そこそこに減っ
ている。この程度の難視聴世帯だけを対象に高価な放送衛星を使うのはいかに
ももったいない。

 NHKは衛星放送の目的をかねのかかる割にはなんとも地味な難視聴解消か
ら、聞こえのよい衛星放送の普及促進に免許方針を書き換えてもらうことで、
つじつまを合わせようとしたのだろう。地上とは異なる独自番組による24時
間衛星放送は、明らかにNHKの路線を拡大修正したものである。

 BS―2の打ち上げ費用(600億円)の6割をNHKが負担したのは、難
視聴解消という公共放送がしょわなければならない使命があったからこそ、当
初問題とされなかった。だが衛星放送の普及が目的となればやや事情が違って
くるはずだ。衛星放送の普及の担い手は、なにも受信料で成り立つNHKだけ
が負うものでもないからだ。

 かねがかかり、しかもめんどうな事業に消極的な民放業界の姿勢にも問題が
ありはしないか。民放業界は、すでに9つの媒体を持ったNHKの存在や、ニ
ューメディアへの新規参入で、民放の経営を圧迫し始めたことなどをあげて、
NHKへの批判色を強めている。一方で、かねのかかる衛星放送などについて
は「お先にどうぞ」といわんばかりの民放の姿勢は矛盾してはいまいか。民放
はBS―3の段階から、民間の主な企業190社が出資してつくった日本衛星
放送を通じて、応分の協力をしていくことにしているが、独自の衛星放送を積
極的にやろうと意欲を見せるところは見当たらない。そう遠くないBS−4時
代に向けて、まず来年春に打ち上げられる予定の通信衛星(CS)で利用技術
をためしてみる手もあるように思える。

 郵政省の放送免許制度のあり方も問題だ。同省はBS―3のチャンネルを3
つ(NHK2、民放1)にしぼった理由として、民放1チャンネルの経営を成
り立たせる程度しか市場規模がないことをあげているが、根底には電波を温存
しようとする閉鎖的な姿勢がちらつく。技術的な問題がなければ新規参入を認
める「オープン・スカイ・ポリシー」の米国とは対照的だ。郵政省は、民放の
力を引き出すためにも電波をもっと開放していく政策をとるべきではないか。
衛星放送はNHKだけのものではないはずである。

  ●衛星放送受信の新製品アンテナ   チューナー   月産  発売日
            (円)    (円)   (台)
  日本電気    65000  69800 10000 8/21
  八木アンテナ  63000 130000  5000  発売済
  東芝      89800  99800  5000 8/25
  富士通ゼネラル 70000  97000 10000 8/31



◆070 衛星放送本番までのシナリオは? 難視地域対策が重荷のNHK
88.06.17 朝刊 4頁 解説 写図無 (全1896字)

NHKの衛星による試験放送が始まって間もなく1年たつ。2年後には放送
衛星(BS−3a)を使って民放総連合の日本衛星放送(JSB)とともに、
本格的な衛星放送へ移行する。本番では、どんな番組が登場するのか、受信料
はどうなるのか、まだわからないことだらけだ。NHKとJSBも、すっきり
描けないシナリオを、ここであえてあぶり出してみる。(矢野一彦編集委員)

 NHKには少なくとも2つのシナリオが頭にある。1つは本放送も、いまの
試験放送と同様、NHKに割り当てられたチャンネル(NHK2、民放1)の
うち、第1チャンネルを「衛星独自放送」に使い、第2を難視聴解消用に使う
ことを前提にした番組編成だ。いまの試験放送が下敷きになる。

 もう1つは、難視聴解消についてはなんらかの別のやり方で対応し、2チャ
ンネルとも衛星独自番組をつくることである。第1をニュース・情報に絞った
「インフォメーション」、第2はスポーツ、映画、音楽などを集めた「エンタ
ーテインメント」のチャンネルに区別する構想だ。

 NHKが使いたいシナリオは後者である。難視地域を犠牲にしてまで衛星2
チャンネルを独自番組化しようというのは、衛星放送の普及こそ公共放送であ
るNHKの使命ではないか。それに784億円もの巨費をかけた放送衛星を、
いまや10万そこそこに減ってきた難視世帯のために使うのが妥当かどうか―
―こんな言い分が背景にあるからだ。

 が、現状ではとても正面から切り出せない。かつて、40万といわれた難視
世帯は、衛星放送を実施することによって解消できる、としてきた経緯がある。

 NHKの思惑通りことが運ぶとは、とても思えない。「公共放送の電波は広
くあまねく」を義務づけられている。NHKが衛星放送の普及を急ぐあまり、
難視解消をないがしろにするわけにはいかないからである。

 この1年間トップ交代など、多くの問題を抱えてごたごたしたJSBは、重
要な案件がことごとく先送りされていて、とても衛星放送のシナリオを書ける
段階に至っていない。ただ、放送の目玉を「スポーツ」「スクリーン」「ステ
ージ」の「3S」でいくということだけが固まった。ニュースは独自に取材、
制作する大がかりな組織は置かず、地上民放各社の協力を得て提供する形をと
ることになりそうだ。

 本番の衛星放送は、ただではない。現在はNHKの受信料を払えば、どのテ
レビ番組でも見ることができる。しかし、衛星放送となると、民放も広告(C
M)収入1本というわけにはいかず、有料(ペイ)方式が導入され、受信料を
払うことになる。衛星の製作と打ち上げなどに巨額な費用がかかるし、これを
運用するNHKとJSBの事業費は、現行の受信料、CM収入だけではとても
賄いきれないからである。

 NHKの場合、衛星受信者だけから一定の料金を徴収するのか、それとも新
たな負担増に見合う費用を生み出すため、現行受信料(月額カラー1040円、
白黒880円)の値上げをするか、どちらかである。

 テレビが白黒からカラーに移行し始めた43年度、それまでテレビとラジオ
の2本立て料金体系だったのを、カラー契約と白黒の普通契約に改めたのと同
方式で、衛星契約を新たに設けるという考え方が有力だ。衛星料金を払えば地
上テレビの受信料はいらない。NHKは、年末に64年度予算を組む際、衛星
放送の事業費をねん出するため、受信料値上げを明確に打ち出すことになるだ
ろう。

 有料となるJSBの場合は、あらかじめ受信者と契約を結ぶことが前提にな
る。具体的には、契約者のテレビ受像機に、番組を引き出せるシステムを組み
込んだデコーダーを取り付け、一定の料金を徴収することになる。視聴番組、
または視聴時間の量に応じた料金制「ペイ・パー・ビュー」方式を採用するか、
それともチャンネル単位での定額制「ペイ・パー・チャンネル」方式をとるか、
これからの検討課題だ。

 いずれにせよ、NHKの衛星放送のほかに、JSBの番組も見ようと思えば、
視聴者は双方の受信料を払うことになる。NHKの衛星料金がどの程度になる
かも関心事だが、JSBの放送を見るためのデコーダーの価格がいくらになる
かも焦点だ。

 ともあれ、衛星放送を軌道に乗せるには、まず受信機の普及が先決だ。5月
末現在の普及世帯数は1年前の4倍、68万に増えたものの全世帯数のわずか
1・7%にすぎない。白黒からカラーテレビが登場し、その普及率が50%を
超すのに5、6年かかった。衛星放送の受信機の普及ピッチは、もっと早いか
もしれない。が、衛星放送の持ち味をフルに発揮できるハイビジョン時代は、
21世紀の幕開けからだろう。




#0004 匿名 8808181707


 解説記事でかなり言い尽くしていますから、(というよりも
時間がないので)一言わたしの不満です。衛星放送よりも、教育
テレビをステレオ化してくれ!!! クラシック好きのわたしと
しては、テレビ番組表を見てはがっかりすること毎度です。
 恒常的な人件費などの上昇を何とかしようとするNHK流のや
りかたには、個人的には納得がいきません。これだけの費用をか
けて、衛星を打ち上げることはないと思います。




#0005 sci1050 8808190205

衛星放送で 通常のVHFなどと比べ殆ど画質は良くならないようなことは
NHK出版の雑誌とかでも取り上げられていますね.

ゴ−ストはおさまるでしょうが,画質はたいしてかわらないでしょう.
傷が入ってもCDは大変強い!!みたいな触れ込みはうんざりします.
離島や電波の届きにくい場所の救済策の筈だったのに.話が随分
変わってきているのは私も同感です.
来年の始めとか100万セット越えたら有料にするなどどうしてなのでしょうか

いまの受信料みたいに,白黒契約したり道から見えない場所にアンテナを建てる
人も出てくるでしょう.

関係が薄いですが,民放も衛星放送に参入するというのは本当でしょうか?
SCI1050




#0006 dando 8808191318


 民間総連合の日本衛星放送(JSB)が、次の放送衛星BS−3の
時代から参入します。関連発言3の解説記事にも出てきます。

 画質の改善は、水平解像度で現行の300本が330本になった程度
です。地上放送でのある種の制限が外れたために、1割増えたそうです。
しかし、この種の話は限界の性能で、日常的に送り出される画質には、
適用しにくい。レーザーディスクで、400本を出している絵がわずか
しかないのと同じことですね。

 衛星放送は会社で見ていますが、自分では買ってまでは・・・。
                      (団藤)




#0007 reader 8808201230


 衛星放送そのものには私も反対はしませんが、NHKは受信料を強制的にと
って行く以上、その予算の使い方については、きちんと説明する義務がありま
す。
 今回の衛星放送の問題は、数百億円単位のお金の目的外使用と言うことにな
るのだとしたら、科学部の枠を越えた大問題ではないのですか。朝日新聞に期
待しましょう。(高校野球のシーズンが終るまでは無理かな? :-) )
 そういえば、衛星は本番用と予備用の2基が飛んでいますが、その内の1基
はもう寿命でいつ壊れてもおかしくないと、NHK自身が発表していましたが、
しばらくは背水の陣でいくのかな?

 ところで、衛星放送が実用化するのは21世紀になってからと言うことです
が、その頃には各家庭に入っている電話線を光ケーブルにしようという話はな
かったでしたっけ。光ケーブルをうまく使うと電話を使いながらテレビを見る
ことも出来るという話あったような気がします。そうなると衛星は必要なくな
るのかな?

 衛星放送についてはよく分らないところが多いですね。

                               noid




#0008 sci1125 8808221805


 衛星放送については色々言いたい事、疑問が有りますが、とりあえず・・・

☆ BS−3はどういう放送をするのか?

 ・昭和65年(?)に打上が予定されている放送衛星BS−3では、TV3ch
  の容量があり、そのうち1chは民間会社が運用するそうです。
 ・では、残りの2chは誰が何を放送するのでしょうか?(あるいは予備?)

 アンテナ・メーカーのカタログには、
  1.高詳細度テレビジョン(ハイビジョン)
  2.多チャンネルPCM音声放送
  3.静止画放送
  4.ファクシミリ放送
 というような、新しいサービスが計画されている、とあります。

★疑問★ ・NHKは有料化するらしいが、何を対象として有料とするのか?
      (現状の11,15chだけ?)
     ・有料化するとしたら、BSが受信出来ない視聴者はどうするのか?
      (うちのマンションは、南西方向にアンテナが付かないし、屋上にも
       設置不可能だ!・・・冗談の様だが現実だ・・・マンションを選ぶ
       ときにBSを考慮すべきだった!)
     ・VCRやTVにBSチューナーを組み込んでも、将来対応はOK?
      (多チャンネルPCM音声放送やファクシミリ放送をする計画なんて
       普通の人は知らん!)

☆△☆△☆△☆△☆△☆△  from スターデルタ  △☆△☆△☆△☆△☆△




#0009 reader 8808282100


 BS−3の2chは、もちろんNHKが使います。
つまり、衛星放送は数年おきに衛星を打ち上げないと
続けられない宿命なのです。

 有料化は、BSの設備をもつ家庭を対象にします。
これは、民間連合も有料化するので、似たような
悩みが生じます。関連発言の解説記事を参照して下さい。

                    団藤




#0010 sci1678 8810231234


衛星放送について
NHKの衛星放送を目の敵にした発言が目立っているようですが
今年の9月に放送設備を持つことができ大変喜んでいるものの一
人です。
 本当は、CATVに加入したかったのですが地域的に無理とい
    うことであきらめたのです。

     ところで、衛星放送の役目が難視聴対策にあることやどういう
経緯で作られたのかも知りません。ただ、率直に言って、既存の
放送ではできないような内容のものができそうだという期待が持
    てます。番組の中では、ワールドニュースやBGVなど結構楽し
    めます。
 画質についても音質についても、確かに現状では良くなってい
るとは言えません。ただ、BGVについては、LDとまったく変
    わらない品質の絵と音が保証されているのも事実です。

 聴視料は、基本的には慈善事業ではないので受益者負担の考え 
方で良いのではないかと思う。変に難視聴対策などと最もらしく
理由をつけるから中途半端になってしまうのではないかと思う。
 基本的には放送にはスポンサーは不必要(乱暴な意見か)と考
    えるものの一人です。国からも企業からも離れて中立で客観的に
見つめることができるメディアであってほしい。

  いずれにしても、「地球大紀行」や「大黄河」等のような番組
を期待します。スポンサーを単純に喜ばせる やらせのドキュメ
    ンタリーやグルメそれにミーチャンハーチャン(時には必要)番
    組にはあきあきしています。

 小生は、別にNHKにはなんの関係もありません。

これからは、民放もどしどし衛星放送に限らず金をとってNHK
    に負けない番組作りに励むべきと考えます。

SCI1678  HISAO




#0011 sci1395 8810231303


BGVって何ですか? かの「オーディオグラフィック」なる番組の
ことですか? あれくらいの画質はVHSでも出せます。まぁデジタル
音声はクオリティが高いのは事実ですが、DATでも持っていない限り
その場限りのものです。
NHKにもっと質の高い番組が要求されているのは事実だと思います。
しかし、それは既存のメディア、つまり総合テレビ、教育テレビでやっ
ってもらいたい事です。大多数の人間は総合/教育の番組がもっと充実
すれば衛星放送なんか必要ないと判断するはずです。そうすれば、衛星
を導入するのは地上波の届かないいわゆる難視聴地域になり、当初の目
的にも合致します。ただでさえ、地上波に受信料を払わされている現状
があるのですから。
衛星放送を持ってない人間のひがみ? そりゃぁそうですよ。NHKは
地上波の視聴者全員を裏切っているわけですから。
MNEMO