Tec00019 企画記事シリーズ「働き過ぎ日本人は解消へ」

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 「働き過ぎ」「働き蜂」日本人の21世紀像を見通せるデータが
社会心理学者による国際調査で得られました。日本人ばかりでなく
世界全体の21世紀像が見えませんか・・・・・・・・・dando


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* 日本人の働きすぎは自然解消へ  仕事中心性を国際調査 *
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           1992.4.23  大阪本社 夕刊一面

 国際摩擦の一因とされてきた「日本人の働きすぎ」が自然に解消する方
向にあることが、社会心理学者による「働くことの意味」国際調査で分か
った。日米で七−九年の間隔を置き、労働者の「仕事中心意識」を調べた
結果だ。日本での調査に当たった集団力学研究所(福岡)の三隅二不二(
じふじ)所長(大阪大名誉教授)は「解消を通り越して、二、三十年すれ
ば労働意欲が下がり過ぎる事態にまで進み得る」と分析する。

 調査は、無作為に選んだ家庭にアンケート用紙を配り、週に十六時間以
上働く人に、レジャー、地域社会、仕事、宗教、家庭の五部門が、個人生
活の中でどれくらい重要か、合計が百点になるよう配分してもらい、仕事
に振り向けられた点数を、その人の「仕事中心性」とした。首都圏と阪神
圏、福岡県で、一九八二年と九一年に、それぞれ約三千二百人から回答を
得た。

 八二年の調査結果は五十代の四〇点を最高に、年齢が上がるにつれて仕
事中心性が高まっていた。年齢が上がるにつれて上昇する傾向が海外と比
べて際立ったために、日本人の勤労意識は特別で、二九点しかない十代や
三三点の二十代も、年をとると仕事中心型人間に変わる、と想定された。

 ところが、ほぼ十年を経た九一年調査では、二十代が二九点で前回の十
代と同じだったのを始め、どの世代も予期した年齢増の影響が現れなかっ
た。先輩世代に追い付くことはなく、”新人類”世代は”新人類”のまま
年を取るようだ。全体の平均も、三六点から三三点に落ち、高点数の戦前
・戦中世代が現役を退くにつれ、今後も低落傾向が続くと見られる。

 米国での調査はオクラホマ大のジョージ・イングランド教授らが担当、
八二年と八九年にそれぞれ千二人から聞き取り調査した。仕事中心性の平
均点は八二年の二五点から、八九年は二二点に下がった。八二年の調査に
は七カ国が参加しており、その中で最低になった英国の水準に近く、世代
間の差も少なかった。

 日本の平均点は下がっても、国際比較すればなお高いが、それを支える
要因に、新入社員教育があげられる。技術系高卒者を入社後、九カ月間教
育している九州電力を対象にした調査では、教育後に「仕事中心性」が四
−五点上がることが確認された。 


          ((世代別の仕事中心性/100点満点)) 
    点|
    40|−                     ○    ●
      |          82年日本
      |
      |                 ○    ●    ○
      |            ○
    35|−
      |                 ●
      |       ○
      |
      |            ●    91年日本
    30|−
      |  ○    ●
      |
      |                      ☆    ☆
      |           82年米国 ☆
    25|−
      |  ★    ☆    ☆
      |                      ★
      |            ★    ★
      |  ☆    ★
    20|− ●             89年米国      ★
     ===
     0|------------------------------------------------------------
     10代  20代  30代  40代  50代 60歳以上

(ほぼ十年を経ているから、前の20代と新30代が・・・と対応する。
 その間を矢印で結び、ベクトルとして見ると日米間でよく似ている。日
 本の高齢世代で落ちていない特異ぶりも目立つが・・・)


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ーーー私が、信じるのは『統計のウソ』という定義です。

統計を用いる場合の基本(イロハ)は、その統計を’恣意的’に用いるのを
できるだけ避けるということです。ここでは、スナワチ、統計を扱うあるいは
示すのに、できるだけ広範囲な見方(主観・客観)を取り入れる、という事です。

上記「世代別仕事中心性統計」で、まず基本的に’欠落’しているのは、
1)個人の『仕事中心』であるかどうかの問は、社会的背景・・・例えば、日本の
  高度成長時代のものか、金余りの時代のものかで、大衆の意志も変化する、と
  いう「時代性の欠落」が’絶対的’に、基本としてある。

2)日米の’絶対的’な%テージの違いを、基本として捉えた説明が欠落している。
  これでは、仕事中心への比較文化を論ぜず、イキナリ、全く隔絶した国同士の
  ’同様’の統計の(相互に全く隔絶した)世代間の統計を比較類推している。
  ーーーこれでは、同じ要素を上げるとすれば、ただ単に’違う世代間’の同じ
  問に関する意識調査をしました、ということだけであって、これを較べて、即
  日本人の20、30年経った時の「働き過ぎ」が解消する、と結論するのは、
  はなはだしい誤解もしくは、誤認識です。

ひとつだけ言いたいのは、これはあくまでも「意識調査」であり、「実体もしくは
実例を基礎とした綿密な  統計学データによる推論」いずれでもないことです。X