Tec00008 企画記事シリーズ「野菜工場の光と影」

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 台風、長雨で随分注目された野菜工場を検証してみました。


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* 「野菜工場」  品薄期には強いが・・・その将来性は *
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        《91.11.25  大阪夕刊 3面 にゅうすらうんじ》

 台風の被害で1個500円にもはね上がったレタスが、神戸市内の生協
店頭では3分の1以下の値段で――天候に左右されない「野菜工場」でと
れたからだ。科学万博で水耕栽培ミニトマトが大量の実をつけ、スーパー
店内でのデモ栽培と、華々しい話題で注目を集めている野菜の工場生産。
とはいっても、脚光を浴びている割に管理の難しさ、採算性の面から普及
の足取りは重い。一方、従来のハウス農業を野菜工場化させかねないハイ
テク小道具が発明された。人工の自然でつくられる野菜の周辺を追ってみ
た。                    (科学部・団藤保晴)

 ◆人工管理の自然
 神戸市の東部海岸、工場群の一角にある日本大豆製油の倉庫が野菜工場
である。面積は360平方メートル。人工照明の下、温度・湿度・空気・
栄養液を制御するクリーンルームから出てきた坂東正憲さん(52)がこ
の工場を管理する。「真空容器に3日間閉じ込めても死なない幼虫がいた。
農薬を使わずに害虫無しの環境をつくるのが、これほど難しいとは…」と、
悪戦苦闘の1年間を振り返った。
 同社はキユーピーとブリヂストン両社が開発した設備を導入し、198
9年10月に完成させた。実用プラントとはいえ、害虫対策などのノウハ
ウはついていない。翌年6月に、ハエの幼虫とアブラムシが忍び込んでい
るのが見つかった。天敵がいない快適な環境の下で、サラダ菜などにみる
みる大繁殖して1カ月間の運転停止に追い込まれた。
 「無農薬栽培」を売り物にしている以上、農薬を使うわけにはいかない。
工場には熱湯消毒が使えない器具がある。そのため真空容器を応用したの
も工夫の1つだった。
 物品の出し入れにも細かい規則と、原子力発電所のような厳重な管理法
を編み出し、半年余りで「人工による自然」を安定させた。
 温室・ハウスなどは全国に4万5000ヘクタールある。作物を土と切
り離した水耕栽培は約400ヘクタール、さらに進めて高度にコンピュー
ター制御され、実際に稼働している野菜工場はわずかに数カ所で1ヘクタ
ールにも満たない。
 厳しい管理が要求されているほか国の補助対象にならない不利もあった。
92年度予算概算要求に補助制度が盛り込まれたが、農水省野菜振興課は
「予算がついたとしても何十カ所にも増えることはない」とみる。

 ◆採算のハードル
 川崎製鉄の子会社、川鉄ライフはいま、西宮市内で広さ1000平方メ
ートルの試験プラントを運転し、毎日900袋のレタスを生協に出荷して
いる。
 以前は消費者団体の見学が多かったが、最近は自治体関係者の見学が増
えている。金守純一・グリーン事業室次長(52)は「重労働の農作業か
ら解放され、きれいな作業環境だから後継者に嫌われない点が注目されて
いる」と、その理由を説明する。金守さんが商談先に薦めているのが20
00平方メートル規模の工場だ。価格は1億5000万円。採算に乗せる
ために、かなり大規模な投資をしないと難しいという。
 やはり1億円を超す実用プラントを売っているキユーピーの赤木静・試
験農場長(51)は「野菜原価の4割が設備の償却費」という。採算を維
持するために国の補助制度実現に期待をかけている。
 こうした現状からプラント事業から手を引いた企業もある。味の素と三
菱商事は千葉県内で4年前から取り組んできた野菜プラントの事業化を見
送った。「販売は難しいとの判断になった」(味の素)
 米国・カリフォルニアなどでは5000平方メートル規模の野菜工場が
成功している。草分け研究者の1人、高辻正基・東海大開発工学部教授(5
1)によると、日本の3分の1という夜間電力料金や、広くて安い土地を
利用できることが成功の原因という。
 では、日本では明るい見通しはないのか。「工場生産に向いた、早く育
つ小粒の品種を生み出す必要がある」と、高辻教授は組織融合などバイオ
技術による新しい野菜誕生に期待をかける。

 ◆ハウスが工場化?
 植物は根から養分をとる。現在主流の水耕栽培は根を支える土に代えて
水を使う発想から生まれた。水を葉から直接吸い取らせることはできない
のか。つくば市にある農水省農業工学研究所で近く超音波噴霧ポンプを使っ
た「葉耕」栽培実験が始まる。養分を微小な霧にして葉に吹き付けようと
いうものだ。
 ポンプが、養分のまじった水を吸い上げ、葉が吸収しやすい数十分の1
ミリの霧にして吹き付ける。圧縮空気を使った大掛かりな装置とは異なり、
小さな太陽電池で動く。
 天井を移動する水槽、制御用マイクロコンピューターなどを組み合わせ
て数万円。従来のハウス農業を野菜工場に近い存在に化けさせる可能性を
秘める。
 超音波噴霧ポンプを考えついたのは芦屋市で超音波専門機器会社を営む
鴫原学徳=しぎはら・たかのり=さん(59)だ。家電メーカーから「ク
ーラーの運転時に漏れ出る水を霧にして空中に戻す装置を考えてほしい」
と注文を受け、10年近くかけて考案した。
 「霧でミネラル分を与えれば吸収しやすく病気に強い作物が育つから、
水や肥料散布以外の手間も大幅に減るはず。高齢化時代の農業を支えられ
れば」と、鴫原さんは実験結果を心待ちにしている。

★写真1=工場で生産された野菜。袋の密閉性が完全で、家庭では洗わず
にそのまま食べられるのが売り物だ・・・神戸市東灘区の日本大豆製油で

★写真2=パネルに植え付けられたサラダ菜の生産ライン。奥から順次送
られるうちに生長、手前のパネルから外して収穫する・・・同上

★写真3=超音波噴霧ポンプは家庭の加湿器と違って、非常に細かい霧を
わずかな電力でつくり出す・・・芦屋市のエロイカコーポレーションで


#0002 sci4317  9112080449

最近よく料理に使われる高級西洋野菜を工場で作り、レストランに
収めれば採算が取れるかな?

普通の野菜なら、中国から輸入できるようなルートを作れば、
輸送費用をかけてもまだ安いかもしれませんね。


#0003 dando    9112091613

 正直なところ、工場生産では採算に乗らないと思い始めています
ね。自然はさんなに甘い存在ではないということのようです。

 しかし、農家の高齢化はひどく、ほっておくと重たい野菜は作って
もらえなくなるのではないか−−と、真剣に心配しなければならない
時期が迫っています。

 それから、記事にはかき切れませんでしたか、バイオで生んだ新品種が
そのままでは売りにくい問題もあります。これは種屋さんの問題ですが、
F1雑種で売らないといけないから、新品種そのものがぱっと生まれる
タイプの品種改良は使えないのです・・・・・・・・・・・・dando


#0004 sci5367  9201090055

自然の淘汰を経て得た天然の植物とちがった ポッと出の
バイオ野菜は「恐い」というのが乾燥です。

中国からの野菜輸入云々が関連にありますが
言論統制国のものは、どんな隠された
事項(たとえば農薬。日本では、今では
安全性に問題ある農薬を使うととたんに
マスコミ攻撃にあうから使えないだろうが)
があるか判らないという、うがった恐怖が
あるので安心できない。


#0005 sci5367  9201090057

(失礼 操作ミスで文章が中断しました)
続き
....といったら失礼にあたるだろうか。

    なお 上記(前関連で「乾燥」とあるのは
    「感想」の変換ミス)

              のは


#0006 dando    9201091504

 でも、のはさん、あなたが食べているたいていの野菜はほとんどが
最近の育種で作られた植物なんですよ。ほぼ全国制覇したかんのある
「桃太郎」トマトしかり、キュウリだってちょっと前に関東系が関西系を駆逐
したのです。自然の淘汰は効いていなくて、人間の勝手な都合、つまり、
キュウリは真っすぐがよい、とかで選別されたものです・・・・dando


#0007 sci5367  9201100029

 (**) ウッ

 知らないことの恐ろしさよ。
考えてみれば「米」とかも人為的な「かけあわせ」を
おこなって出来た産物でしたね。じゃがいもとかも。
ほんとの天然物は、食卓にあるものと全然味も形も
違うんでした...ような。

              のは


#0008 sci4317  9201120043

知らない振りして危険な農薬を使うとのことですが、
そんなのは言論の自由もなにも関係ない。

葉っぱ1枚検査すれば、「科学的な動かしがたい事実」として
すぐわかるとおもいますよ。


#0009 sci5367  9201122043

 なるほど

 「言論統制国」の言葉は余計だったかも
しれませんね。撤回しましょう。
中国通の友人の「お茶に多量の農薬を散布している」
との言葉のイメージがあったのですが、
日本でも同じようですしね。

     とりあえずチョイレス のは

 科学は強し.... ですね(^^)


#0010 dando    9201132024

 農薬は葉っぱ一枚調べたら分かるか・・・。これは難しいと
思います。実は、知り合いの環境研究者の仕事を、結局はボツ
にしてしまったのですが・・・後日、毎日新聞には出ました・・・
イチゴの土壌残留農薬がどれほどあるのか、という話で、彼と
話をしていると、予測できる農薬で、しかも、測定が容易な
ものでないと、なかなか検出できないというのです。彼の検出した
農薬は、結局のところ劇物でもない一般物質の殺菌剤で、検出
レベルも「叩く」に値しないものだったので、当面見送った次第
です。そう、昨年秋のことです・・・・・・・・・・・dando


#0011 sci4317  9202021316

>>予測できる農薬で、
農薬なんだから大体は予想できると思うけど。:-)
クイズで何が入っているか当てるわけじゃないんだから、わかると思うん
だけどな。農業用の大量に作られる(特殊ではない)薬品だから、
それが予測できないなんてのは、ちょっと問題だとおもうけどな。
トリカブトの毒を入れるわけじゃないんだから。

>>結局のところ劇物でもない一般物質の殺菌剤で

それで、別に許容値の範囲内に収まっていたんだから、それで別に
特には問題ではないわけですよね。

それとも、海外からの輸入ものは、農薬0でなければいけないと主張
する意図なのかな?この発言の意図がみえないなぁ。

日本国内と同じレベルで行なわれているかぎりは、我々は特に何も
禁止する理由がないわけです。もし、一切の農薬に関して規制をかける
ならば、日本国内の農業生産物に関しても同様の処置が必要なわけで、
輸入に関する問題の主旨ではなくなります。

農薬を検出する技術が低いなんてのは、僕らのしったこっちゃないわけで、
それは技術者の問題であって、技術をとっとと作れという以外しかないですね。
技術がないのは、今までそんな技術を作ったり改良することを怠って来た
からですよ。今の科学技術のレベルからいって農薬として使われたものを
推測できないってのは、そりゃ誹りを逃れられないレベルですよ。


#0012 dando    9202031530

  sci4317さん、農薬なんて膨大な種類があるんですよ。技術が悪いったって
どうなるものでもありません。われわれは、そんな世界、時代に住んで
いるという事実に目を向けて下さい。・・・・・・・・・・・・dando


#0013 sci4317  9202040938

 WAIT!WAIT!

いきなり中途半端な現実論を持ち出すわけですか?

技術的に達成不可能/単に今やってないだけ、の僕は後者を言っているわけで、
「作っていないものは、存在していない」てのは当たり前です。

それは「存在しないから出来ない」という単純なものではありません。

デパートに置いてなければ手に入らない、マークシート・テストのいずれか
には答えが必ずある、という世界ではありません。

農薬が膨大といっても、有害な化学物質が人間に害を及ぼす量か否かを
検出すればいいんで、これが50年前のテクノロジーで解決しろと
いったら難しいけど、今の技術ならそんなに難しくはないはずです。

ただし、農学者がきちんとその手のシステムチックな方法を確立はしていない
のかも知れません。それはやればいいだけの話です。

このモトネタだった野菜工場だって、なかったものを作った、じゃ、それの
評論をするって話ですよね。それと同じです。

なかったら、作る。だだそれだけの話だと私は思うんですけどね。

中途半端な現実論ではなしに。