Tec00005 臨時会議「美浜原発2号機で大破損事故」

#0000 dando    9102101951


美浜原発2号機の細管大破損事故について、臨機応変、同時進行で!


#0001 dando    9102102009


美浜の事故には意表を衝かれました。という訳で昨夕以来、久しぶりに
原発浸けになってしまいました。せっかくわたし主宰しているボード
なので、同時進行の醍醐味を味わうのもと考えて臨時の部屋を持ちました。
とりあえず、次に、外国での同種事故例について書いたものをアップします。
注意していただきたいのは、米国ではあまり検査もしないでおき、細管に
異常があれば栓をしてしまえばよいと、かなり乱暴な考え方で運用されて
いるのに対して、日本では細心の検査で未然に手が打てると考えて来ました。
だから、同じような事故があってもショックの度合いは違うのです。また
社会的な影響度も違うと思います。

そう、せっかくだから、今日の朝刊に出したわたしの解説もいっしょに
すれば見やすいかな。・・・・・・・・・・・・・・・・・・dando


#0002 dando    9102102036


《以下は10日朝刊の解説と用意原稿に手をいれたもの・・・dando》

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* 蒸気発生器の不安が現実に *
****************************

 《解説》福井県の美浜2号機で起きた事故は実際の事態としては
初めて緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動する事態にまで至り、
加圧水型原発のアキレス腱とされる蒸気発生器への不安が現実のも
になった。蒸気発生器の細管の破損と、それに伴う施栓はかなりの
頻度に上り、関西電力は最近、同県内にある大飯1号機(百十七万
五千キロワット)と高浜2号機(八十二万六千キロワット)の二基
の蒸気発生器を、全部新品と交換する方針を打ち出したほど。住民
側からは施栓の多さと発生器交換に不安の声が上がっていた。

 初期に米国から供給を受けた蒸気発生器は、米国側の生産管理が
不十分だったために破損の進行がひどい。今回の美浜2号機は初期
とはいえ国産であり、施栓率は六・三%しかなく、まずまずの運転
成績を残していただけに、関係者のショックも大きい。

 通産省資源エネルギー庁原子力発電運転管理室は今回の事故につ
いて「全体として見ると、設計や安全審査で想定した枠内に収まっ
ている」と話している。しかし、一九八二年に米国ギネー原発で起
きた蒸気発生器の細管破裂事故では、高圧の一次冷却水が二次系に
噴出、原子炉を安定状態に持ち込むのに手間取り、周辺の環境にか
なりの放射能が漏れた。

 国内の蒸気発生器細管の事故はこれまでに十三件程度とされるが、
ECCSが作動する事態になると、ひとつ間違うとさらに事故が拡
大することになる。さらに、今回の事故がこれまでに起きた蒸気発
生器の細管事故とは格段に違う重大なものと考える専門家がいる。
久米三四郎・元阪大講師は「細管に穴があいた程度のものではなく、
そっくり破断したのではないか」とみる。そうであれば、国内では
細心の点検で事故を防げると考えられて来ただけに深刻だ。

 蒸気発生器細管の施栓率は、通産省が上限を決めていたが、損傷
が相次いで何回も上限を上げざるを得なかった。今回の事故で、こ
のような場当たり的な対策をとってきた他の原発でさらに大きな事
故が起きるのではないかという不安がますます高まろう。


******************************
* 海外事故原因は対策済みだが *
******************************

 蒸気発生器にある細管が大きく破損する事故は、海外の原発では
既にいくつか起きている。定期点検などで作業員が落とした異物が
冷却水に混じって細管を傷つけたり、異常がある細管をふさいでい
た栓の一部が腐食で割れて飛び出したりなどだ。こうした事故情報
に基づいて各国の原子力関係者は装置や機器を改善しており、関西
電力も対策済みだった。しかし、あり得ないと思われた大破損が現
実になると、その対策で危険の芽を百パーセントは摘み取れなかっ
たのかもしれない。

 一九八二年一月、米ニューヨーク州にあるギネー原発(四十九万
キロワット)で、フル出力運転中に一次系冷却水の圧力が急に下が
る異変が起きた。緊急炉心冷却装置(ECCS)が働き、九十キュ
リーの放射能を外部に放出する事故に発展した。蒸気発生器細管の
破損が推定され、原子炉を止めて調べると、細管の一本に長さ十セ
ンチ、最大幅一・八センチ、魚の口の形をした亀裂があった。破損
部は膨らみ、裂け目の部分は元の厚さの二十分の一しかなくなって
いた。

 異物が細管の間にはさまって水の流れで振動を繰り返しているう
ちに傷つけたとみられる。問題の異物そのものは見つかっていない
が、蒸気発生器内にほかにも異物の発見が報告されているという。
ギネー原発には異物の振動を検知する装置がなかった。関電の原発
は細管に異物がぶつかることがあれば、その音を検出できる装置を
蒸気発生器の下部に設けている。しかし、蒸気発生器は高さが十九
メートルあり、上部で起きた現象は検出しないことも考えられると
いう。

 また、米バージニア州のノースアナ原発1号機では八九年二月に、
栓をしていた高ニッケル合金製、直径一・九センチの中空円筒が割
れた。先端は冷却水の高圧を受けて細管の中を弾丸のように飛び、
長さ五・七センチ、幅一・九センチの穴を開けてしまった。円筒は
二重構造で、内側の円筒をネジで引き出すと外側が拡張して細管に
食い込んで止まる。このため円筒内部が力を受ける状態が続き、水
中で腐食しやすい状態にあったと判明した。

 事故後、円筒の材質をもっと腐食しにくい別の高ニッケル合金に
替えるよう勧告されて、美浜2号機でも交換は終わっていた。同機
の場合、栓をした細管は四百十一本あり、こうした円筒栓は九十五
本、残り三百本余りは初期に行われた溶接による栓だった。溶接し
た栓が壊れる可能性は極めて薄いという。


#0003 dando    9102110007


この会議では、皆さんとわたしとでやりとりする「スペシャル」
な情報はこんなものだと思います。わたしからは取材の一線での
情報−−これには紙面では得られないものも−−に、解説的なもの
ですし、皆さんからは新聞やテレビなどで得た情報でどんな把握
をし、どんな印象を持っているのか、をです。わたしとしては、
送り出す情報がどうなるのかフィードバックを受けたいと思います。
で、まず、スペシャル情報ですが、美浜2号での原因調査の日程
を以下にお知らせします。・・・・・・・・・・・・・dando

 現在は、問題の蒸気発生器に入るために、一次系冷却水の水位
を下げ続けています。明日11日朝には完了して、蒸気発生器の
入り口「マンホール」を開けます。これは道路のマンホールと違って
発生器下部についていて、人間はそこによじ登るようにして上がります。
11日夕方からいよいよどこの細管から漏れたのか確認する作業になり
12日正午までには判明する予定です。ただし、破損の詳細が分かる
かどうかは疑問です。発生器は高さ19メートルもあるので、先の方だと
17日から始まる抜管しての検査を待たねば詳細は分からないでしょう。
20日以降になると、3千本ある細管全部を渦電流探査などで検査
して行きます。


#0004 sci5839  9102110737

原子力発電についてよく知らないのですが、施栓率ってなんですか?
わざわざ、細管にふたをする理由がよく判らないのですが

          kow


#0005 sci5354  9102111328


細管に異常が見つかった場合、事故を防止するため蓋をして
冷却水がその管に流れないようにするんだと思いましたが。

今回の事故はある意味では最悪の物であったと思いますが、
安全装置により大事にいたらず止められたという点で
原発の安全性を示しているものと私は判断しておりますが。

                     中島 (nak)
ps:ここでは本名でいかせて頂きます。


#0006 sci5839  9102111525


 ECCSで止められたことは良いと思いますが、ECCSというのは
最後の最後に使う安全装置だと聞いており、細管が腐食した?程度の
ことで、いちいちECCSが働くのは問題ありませんか?
原子力発電所は、二重、三重の安全装置があると聞いていましたが、
それらは、無かったのでしょうか?または、あったら、なぜ働かなかった
のでしょうか?

 また、細管だって、予告もなく壊れるとも思えず、なんらかの予兆が
あったのではありませんか?
 もし、あったとすれば、それを事前に見つけることが出来なかったこと
にも問題があると思いますが、どうでしょうか?

               Kow


#0007 sci2993  9102111730


細管に穴のあいたメカニズムがわからないとなんともいいがたいような..

起こり得ない事故と言うものは無いのだ と言う事が確認されたと思います。
さて、それでECCSが働いた事をどう評価するかですが..

MAT


#0008 sci1044  9102112053


 新聞を見ての感想をちょこっと書いてみます。

 まず、今日の1面の「主蒸気逃がし弁からの水蒸気噴出」写真は非常に迫力が
ありました。何か「ブォーーーーー」という排気音まで聞こえてきそうです。更に
団体職員の方のインタビューが有れば、もっと事故の感覚が掴めたと思います。
又、時時刻刻のドキュメントは「その日」の多地点間の状況が再現できていて、
テレビの再現ビデオを見ているようで良く分かりました。読んでいて感じたのですが、
記事が縦書きなので、時間と本文が交錯して若干分かりにくい部分もあるので、出来
れば横書きの方が良かったのではと思いました。(これは個人の好みもあるでしょう
けど)

 放出された放射性物質の量の記載方法ですが、「ベクレル」と言う単位がどうも
わかりにくいです。合計が50億ベクレルと言っても、ものすごい大きな量なのか
それともベクレル自体が370億分の1キュリーだから大した事ない量なのか、
又食品の暫定基準が370ベクレルだったと思いますが、それと比べるともの凄い
値ですが、その辺はどうなのか?とにかく値に馴染みがないので、相対的に何かと
比べて戴くと分かりやすいと思います。例えば、人の年間被曝量が100ミリレム
だから、〇〇ベクレルだと△△ミリレムに相当します。の様な記載が出来るでしょ
うか?!

 最後に、今回の事故で関西電力は50万キロワットの供給力を失った訳ですが、
関電の供給能力はどうなったのか?最近のロードカーブは夏と冬にピークが出る
2極構造となっていまして、この時期に50万キロワットの−は相当きついと
思います。供給力確保のため急いで調査して、本当の原因が見逃されないとも
限りませんからね。

                          「誤り人」


#0009 sci1976  9102112323

新聞とテレビ報道で事故の事を知り、3年ぶりにアクセスしました。
何年か前に見たチャイナ・シンドロームを思い出しました。
「ニュースステーション」では立松和平氏が**ラリーについて具
にもつかないことを言っていましたが、美浜の人達は生きた心地も
しなかったでしょう。
現地では集塵器で放射能の測定をしているひともいるそうですが、
地元で「原発反対運動」をやっている人々を微力ながらも支援したい
と思いますので、連絡先等ご存じの方は是非教えて下さい。

TEL 0423-27-9368  ”酔っ払い”亀田


#0010 sci2993  9102120909


さて、細管損傷は報道をみるかぎり、加圧水型原子炉の構造的弱点みたい
ですが。
そーなると事故原因調査の公表は色々思惑が絡みそうな気がします。

MAT


#0011 kepel    9102121233


蒸気発生機に
ついて以前書いた記事をアップします。

原発の蒸気発生器、大丈夫か!? 細管のトラブル相次ぐ
          88.07.06  夕刊 5頁 みんなの科学 写図有 (全2456字)

  粒界腐食割れ、解明まだ 大事故の恐れ、論議は平行線
 日本の原子力発電所の約半数を占める加圧水型軽水炉の泣き所といわれるのが、原
子炉で発生した熱をタービン回転用の蒸気に変える蒸気発生器だ。1972年に関西
電力美浜1号機で蒸気発生器の細い管に穴があき、放射性ガスが大気中に放出される
事故が起きたのを最初に、腐食によって細管の肉厚が薄くなったり、ひび割れなどの
トラブルが相次いでいる。今年に入っても九州電力玄海1号機で447本、関西電力
大飯1号機で936本、同高浜1号機で13本の細管の異常が定期検査で見つかった。
蒸気発生器は大丈夫なのだろうか。
 蒸気発生器は原子炉の炉心で310度前後に熱せられた1次冷却水を直径2.2セ
ンチの細管(伝熱管)に導き、管の外側の2次冷却水を加熱して蒸気を作る役目を持
つ。
 ところが、1台の蒸気発生器に数千本ある細管の現状は表の通り。穴があいたり、
ひびが入ったりしたため、栓で閉じて使えなくした(施栓)管が、16基の加圧水型
軽水炉のうち10基に発生している。1割以上に栓をした原発が4基もある。
 72年に関西電力美浜原発で初めて見つかったのが減肉現象だ。ニッケルとクロム、
鉄の合金、インコネル600で作られた細管の表面が、そぎ取られるように薄くなり、
最後には穴があく。
 原因は、2次系のパイプの腐食防止用に入れられたリン酸ナトリウム。細管は7カ
所で支持板という板で支えられているが、その部分は流れが当たりにくいために、リ
ン酸ナトリウムが濃縮し、ニッケルやクロムが溶け出したのだった。減肉現象はリン
酸ナトリウムを揮発性のヒドラジンに変えたため、75年以降は起こらなくなった。
 ところが77年になって、細管が縦方向に数センチの長い割れを起こす、応力腐食
割れという現象が見つかった。場所は、蒸気発生器の底部で細管が管板に取り付けら
れている所と、上部のU字形に曲げられた所。これらはどちらも、管の表面で引っ張
られるような力が残る工法が使われていたため、すき間に入り込んだ残留リン酸ナト
リウムや運転中の圧力差、高温などが引き金になって、割れが起こることが分かって
きた。これにはすき間をつぶしたり、残留薬品を洗い流したりしているが、まだ防止
しきれないのが実情だ。
 さらに82年になって、細管とそれを支える支持板が接触する部分に、深さ10分
の数ミリの細かいひび割れが数十もできているのが見つかった。金属材料の小さな粒
に沿って割れているため、粒界腐食割れと名付けられた。
 これは、微量な水酸化ナトリウムと酸化剤で起こるらしいが、これらがどこからく
るのか。水に含まれる微量な不純物であるとか、空気中のごみからくるとか、溶接の
後処理のせいだとか、いろいろ推測されているが、まだ結論は出ていない。
 最近建設された原発では、減肉、ひび割れ防止のため、さまざまな工夫がこらされ
ている。しかし、ひびが入るなどした管は取り替えられない。栓をしたり、内側にス
リーブという内張りの短い管をろう付けするなど、修理して使っているのが現状だ。
放射線が強い所での作業になるため、労働者の浴びる放射線の量もばかにならない。
 こんな蒸気発生器の細管のひび割れは、重大事故に結びつく可能性はないのだろう
か。「毎年の定期検査で全管検査しているから大きな事故に結びつくことはない」と
関西電力原子力管理部の松村洋次長は言い切る。
 しかし原発の事故解析をした米国のラスムッセン報告では、大きな管が破れるより、
細管の破断のような小規模のものの方が分かりにくく、かえって大きな事故に結びつ
く恐れがあると、指摘している。
 また細管に栓をすると原子炉からの熱を外へ逃がしにくくなり、炉心の過熱の可能
性が出てくる。「修理工事をする前の安全解析で、これなら大丈夫という安全解析施
栓率というのを設定して計算、大丈夫だということを確かめてあります。2次冷却水
の流量を増やしてやれば、50―30%ぐらい栓をしても、熱を逃がす余裕は十分あ
るのです」と松村次長は説明する。
 これに対し、京大原子炉実験所の川野真治助手は「細管のひび割れがどのように進
行するのか、よく分かっていないのだから、細管の破断が起こらない保証はない」と
いう。さらに「熱の余裕があっても、栓をしたための部分的な流れの変化によって異
常な振動が起こり、それで管が破れる可能性もある」と指摘している。
 ●蒸気発生器の原状
      蒸 気
      発生器 細管本数  施栓本数(施栓率) 安全解析施栓率
      台 数
 <関西電力>
 美浜1号機 2  8852 2180(24.6%) 28.0%
 美浜2号機 2  6520  392 (6.0%) 20.0%
 美浜3号機 3 10164  144 (1.4%) 15.0%
 大飯1号機 4 13552 1915(14.1%) 18.0%
 大飯2号機 4 13552  103 (0.8%) 18.0%
 高浜1号機 3 10164  540 (5.3%) 18.0%
 高浜2号機 3 10164 1475(14.5%) 18.0%
 高浜3号機 3 10146    1 (0.0%)   −
 高浜4号機 3 10146    0 (0.0%)   −
         *          *
 <四国電力>
 伊方1号機 2  6776  191 (2.8%) 10.0%
 伊方2号機 2  6764    0 (0.0%)   −
         *          *
 <九州電力>
 玄海1号機 2  6776  763(11.3%) 15.0%
 玄海2号機 2  6776    0 (0.0%)   −
 川内1号機 3 10146    0 (0.0%)   −
 川内2号機 3 10146    0 (0.0%)   −
         *          *
 <日本原電>
 敦賀2号機 4 13528    0(0.0%)    −

以上です。
      kepel(東京科学部 内村直之)


#0012 sci1004  9102121431

以前山之内記者が書かれた,安全施栓率の記事があったはず
なのですが,その率という数字にからくりがある,という内容
だったように覚えているのですが・・ちょと確認してみます.

てむぽ


#0013 dando    9102121918


動きに追われて、ここのケアが遅れてますが・・・・・・dando

 原発について、参加の皆さんの知識・情報量がばらばらなのが
分かりましたので、まず、少しだけ、ポイントを補足します。

 原子炉では熱とともに大量の放射性物質が生まれます。本当は
熱だけ取り出して発電したい訳です。汚い放射性物質(放射能)
はなるべく、人間の世界から遠ざけたい−−そこで、汚い冷却水
の世界と、熱だけ持ち出す冷却水の世界を分ける発想が生まれま
した。汚い方を一次側、きれいな方を二次側と呼びます。一次側
をなるべく小さな範囲に閉じ込め、ある点だけで二次側と接触して
熱を受け渡せばよいのです。そこが問題の蒸気発生器です。

 発生器は直径2センチほどの細い管を3千数百本束ねて、U字
に曲げ、上下反対にして高さ20メートルほどの容器に収めてい
ます。この管の中を300数十度、150気圧の熱水が毎秒で数
メートルの走っています。管の外には二次側の水があって沸騰
して蒸気になり発電機のタービンに送られます。こう説明すると
たかが水とは言え、ずいぶん苛酷な環境であると理解していただ
るでしょう。今度の事故では、このU字の頂点近くに破損がある
ことが今朝分かりました。今夜から明日にかけて、どの管がどん
な風に壊れたのか判明する見込みです。

 一次系の水が失われる事故を冷却材喪失事故と呼びます。略語
ではLOCAです。今度の事故で失われた水量は一次側の総量が
113トンですから、2割を超えたと思われます。大LOCAと
呼ばないまでも、中LOCAとしてよい規模です。もしも原子炉
が空になってしまえば、炉心熔融という恐ろしい事態になります
驍ゥら緊急炉心冷却装置(ECCS)が動いて当然でした。そして
ECCSを国内で初めて動かしてみて、こういう異常事態での
運転の難しさみたいなものが現れて来ました。今日の夕刊に出る
加圧器逃し弁が開かなかった異常のような問題もあります。異常時に
別の異常がかさなるという経験されざる事態です。今回はうまく収束
したのですが、いつもうまくいくのか−−という疑念をもたれた
方もあると思います。

 原因ですが、先に提供した特別記事の情報から少し変わって来て
細管の栓の中に腐食を受けやすい材質のものも残っていることが
゚判明して来ています。なぜ、栓をするのか−−という話は、苛酷な
環境で管が腐食するケースが多々あり、だめになった管は出入り口を
栓をしてふさいでしまうのです。当初は溶接していたのですが、手間が
大変なので機械的な栓に移行してきています。

 世界的に例がないほど周到な定期点検をして来た関西電力で予想外
の事故が起きた意味は深刻で、今日午後、反対グループ百人ほどが
関西電力本社で説明会を開催させ「事故は事前に見つけられると言い
続けて来た責任をどうするのか」と厳しく詰め寄っていました。

 ベクレルなどの単位の点は、わたしも気になります。少なくとも
以前のキュリー、レム単位系の方がピンと来ますね。以前、うちの
表記を変えようとする際に、以前の単位を優先せよと主張した
のですが、役所が変えるからという議論で押し切られた経緯があり
ます。

 もうじき、蒸気発生器の底部にある「水室」の入り口のマンホール
が開きます。関西電力としては出来るだけ速く原因を究明して
出来れば他の原発への波及を避けたいところでしょう。いまのところは
これくらいにします。


#0014 sci1044  9102122216


 疑問なんですが、ECCSの注入した量と2次系に漏出した量とには大きな
差がありますが、この差の90トン〜100トンの冷却水はどこへ行ってしま
ったんでしょう?

 又、今日明らかになった何とか弁の効能はどういうものなのでしょうか?

                           「誤り人」


#0015 sci5303  9102130020

いろいろ論議されていますが・・
ECCSが正常に働いたっていうことが、
なんで、評価されないんでしょうか。マスコミでは・・朝日さんも・・
やっぱり、興味本位で動くんでしょうかね?
心配していたことが起こってしまったとは思ってますけれど、
ちゃんと止まったじゃありませんか。
日本の発電所は、なんだかんだとは言われてはいますけれど、
働いている方々が、しっかり守っているんです。
なんで、マスコミは、がんばっている人達がたくさんいるのにもかかわらず
騒ぎたがるんでしょうか。
もっと冷静に、他の局を気にしないで正確な情報を流すよう
がんばっていただきたいとおもいます。

ここは、当然止まったと言いたい気持ちのコオニヤンマでした。


#0016 dando    9102131539


美浜原発での作業が大幅に遅れています・・・・・・・・dando

 このまま行くと、どの細管からもれたのか特定出来るのは、午後
5、6時くらいでしょうか。施栓が外れたのか、これまで健全と
みられていた管が突然壊れたのか、注目です。少なくとも後者ならば
深刻な問題になるでしょう。

 「ECCSが働いた」ことは確かにそうです。でも、これは働かない
と大ニュースになりますが、作動したこと自体は記事の中できちんと
評価してあるはずで、それ以上にはならないと思います。というのも、
300度もある原子炉に30度の水を注ぐECCSは容器壁に熱的な
ショックを与えている可能性もあり、単純ではありません。むしろ、
事故がもっと別の展開をたどる心配もあり、その場合まで今回で保証
されたとは言えないと考えられます。

 今日の作業では破損管の特定だけで、ファイバースコープによる
観察は明日に回されるという話です。少し慎重になって来ました。


#0017 kepel    9102132050


レクチャーがあったようです.
その話によれば,細管の低温側の健全管が破れた,という話です.
これまで,大事故の起こらない根拠として
「突然のことが起こる前に微小なことが起こる」というのが
電力側の意見でした.
この前提が崩れたわけで,dandoさんのいうとおり,ややこしい話に
なると私も思います.

コオニヤンマさん

ご意見承りました.担当のものに渡しておきます.

     ケペルこと東京科学部 内村直之


#0018 dando    9102140025


一番ややこしい話に進展して行きますね・・・・dando

 健全管がいともたやすく破断ですから。金属系の学者
の皆さんに電話してみましたが、とても現段階ではコメント
したくない、という感じで、逃げられました。

 実は、わたしが大学でやった卒論は故障診断だったので
こういう話は興味がありました。最近は故障といっても
システムや人間の故障の方に関心が移っていたので、こんな
材料ものは久しぶり。かつて金属バット問題をやったころ以来かな。

 破損の状況を見るファイバースコープ検査は、明日の予定が
明後日に日延べされそうな情報です。.


#0019 sci1044  9102140625


 今回の事故って、車で言えば「エアーバッグが動作したから人は死ななかった
交通事故」みたいです。運転手の運転方法や車自体の安全性に付いて
検討しないと、再度事故の恐れがあります。同じようにECCSが動作したと言っても、
何故事故が起きたのか、未然に防げなかったのかを念入りに調べる必要があります。
ECCSが動作したから、大丈夫と原子力安全委員会の総元締めも話していた
らしいですが、国民の感情からだいぶずれていると思いました。

                         「誤り人」


#0020 sci3095  9102140907

大事故といえば、スリーマイルやチェルノブイリが有名だが。
今回は小破損事故ではないだろうか。
そもそも原発の小事故なんてないね。


#0021 dando    9102141913


原因究明は長期化しそう・・・・・・・・・・・・・・・dando

 ファィバースコープでの検査は明日15日朝から始まります。
何らかの結果が午後には出そうです。しかし、原因を確定する
のは不可能でしょう。やはり、引き抜いて実物の破断面を見る
必要がありそうです。この場合、問題の管が3000本ある束の
真ん中にあるのが困り者になってきました。

 管の内側から特殊なカッターで切り外す方法があるけれど、
問題の部位がU字の曲げ部分に入っていると無理です。その可能性
は高いと思います。それならば蒸気発生器の上から降りて行って
人が切り出すのですが、束の真ん中ですから、三十本くらいまとめて
切って中から取り出すことになります。おまけに、発生器内部は
一次冷却水が漏れたので重汚染状態で、人は長くいらいれない
と思います。

 技術から開発するお金と、大量の放射線被ばくを覚悟しても
簡単には切り出せないと、わたしはみます。下手をすると発生器
全体を交換、取り出さないといけないなんて事態もあるかも。

 原因が長期間わからない状況が続くとして、皆さん、現在の
原発の運転をどうすべきだとお考えですか?

 少なくとも対策をとっていない以上、同程度の事故は明日にも
起き得るということになります。ECCSが働いたからよい、との
議論には、一つの問題点を提起しておきます。原発はこれまでの
安全解析では、ひとつだけの故障や異常が発生したとの前提で
うまく収束できますよ−−という結果を出して来ました。その収拾
過程で別の異常・故障の発生は考えないのです。今回は、加圧器
逃し弁という、原子炉の圧力を下げるのに重要な装置が故障して
動きませんでした。代わりに水スプレーをぶっかけて蒸気を
冷やし、圧力を下げましたが、実は危うかったといえるのです。
事故時に次々と異常が重なる怖さを眼前にしました。


#0022 sci3177  9102142030


:dandoさんに意見を求められたのでレスです。

 原発の運転に関しては以下の条件のもとで、許容します。

1.責任の所在が明確であること

 すなわち、今回のように事故が発生したときに、一体その責任は
どこ(個人および企業)にあるのかということです。それを事故が
発生する前に定めて置くことが必要です。

2.事故が起こった場合の責任を明文化して置くこと

 すなわち、○○という事故が発生したら、××電力の社長が辞任
するといったことです。勿論、放射能が漏れた場合の補償金なども
きちんと定めて置くべきです。
 また、「原発は絶対に事故らない」というのは単なるデマなので、
そう大見栄が切れるはずがありません。それは責任が無いから言え
るのです。従って、そういうふうに無責任に発言した人間あるいは
企業は、事故が発生した場合その責任を取らせるために「極刑」に
処すべきです。ひとたび事故が発生すると大変多くの人々の命や健
康が失われるのです。だから、「絶対安全」などと安易に言って欲
しくないのです。

 この辺に、なにかが発生してから対処するという大変悪い意味で
日本的な慣習がありますが、チェルノブイリクラスの事故が発生す
ると日本には住めないわけですから、そういった最悪な状況を考え
てきっちりと定めて置くべきです。

3.潔く責任をとること

 事故が発生した場合、潔く責任を取っていただきたい。それだけ
です。絶対安全と言って運転をしているならば、事故が発生したら
嘘をついていたことになります。保証をするということは、事故が
発生したら責任を取るということです。「これからの重大な課題で
あり、鋭意善処したい。」などというのは言語同断です。潔く責任
を取っていただきものです。

------------------------------------------------------------

 以上が私の意見です。要するに、「責任の無いところに、権限は
ない」「権限のあるところに、責任はある」ということです。
 責任が無くて権限だけあると、往々にしてとんでもないことにな
ります。reader の書き込み停止を見ても明かです。
                            T


#0023 sci2993  9102142138


事故の危険性にかんがみれば、停止が望ましいのですが、
総発電量に占める加圧水型軽水炉の割合が問題だろうと
思います。
大きければ、順ぐりに停止して安全点検の再確認から
いわゆる「だましだまし使う」になろうと思います。

広域な放射能汚染事故との天秤なのですが、個人的には
「だましだまし使う」に傾いています。(たぶん、こう
いう表現を電力各社は絶対もちいないと思いますけど)

ところで、圧力逃がし弁の故障の方の究明は行われている
でありましょうか?

MAT


#0024 dando    9102142226


加圧器逃し弁にはまだ手付かずですが、究明すること間違いない
と思います。

それから、電力需給のことですが、今の構造は夏と冬にピーク
があるもので、冬場もかなりきついのです。PWRを停止して
助けられる余力のあるBWRは少ないとされています。東京電力
などは余力なしだと聞きます。

さて、責任を取って辞任するというのは、どうでしょうか。もし
「チャイナシンドローム」だったりしたら、「責任」ではすまないし
・・・と思いますが。

「だましだまし」。そういうことですか。でも、根本的に防災体制を
立て直さないと、住民は納得しないでしょう。・・・・・dando


#0025 sci1509  9102142310


これほど「紙一重」の事故が起きたということは日本人にとっては幸運なこと
かもしれませんね.今なら原子力から撤退することができるんじゃないか、と
いう意味で.
スリーマイルやチェルノブイリにならない程度の、しかもかなり危険度の高い、
おあつらえ向きの警告だったように思えてなりません.

TAKA


#0026 sci1004  9102142339

それにしても今日の各紙の朝刊の違いは凄かった.
毎日の朝刊には,原発事故のげの字もない.朝日の
記事には,関係紙面が4面もあるってのに.

この違い,ポリシーの違いだけで説明できるのか
しらん.

てむぽ


#0027 sci2993  9102142353


防災体制の見直しは必要なのですが、私はおそらくやらないだろうと
思います。

というのは、電力需給の逼迫という状況がある以上「原子炉をいかに
安全に動かすか」以外のチョイスをとりようがありません。
dandoさんの言われる防災体制が、どのよなものか把握が充分ではない
のですが、「放射能汚染事故を前提とした」体制は組まないでしょう。
なぜならば、それは電力会社が「当該原子炉は危険」と認めてしまう
事になるからです。

既設のプラントを放棄することにつながる判断を、技術的検討も不十
分なまま電力各社が行なうとはちょっと考えられません。
また、消費電力が下がらない段階で、そのような事を行なう電力会社
はまた別の意味で問題をふくんでいると考えます。

逼迫の程度の把握もできていませんので、以下の考察もはなはだ曖昧
なのですが、全国の加圧水型軽水炉を停止したとして、電力の供給
不足から、地域的な送電カットなどをおこなったとしましょう。
それに起因する損害などの賠償はどうなるでしょうか?電力会社の
全面負担になりそうであれば、より深刻な事故でも電力会社は頬かむり
すると思います。

つまり10%の100万円と確実な1万円の例えと同じですが、確実な
電力需給逼迫と?%の事故の天秤になるわけです。
私自身がその立場であれば、天秤の傾きは確実な1万円になってしまい
ます。

Mat


#0028 sci2449  9102150020

  原発を「だましだまし」動かすことなんてできるのかしら。電力
需要のことさえ気にならなければ、止めた方がいいと思います。大
事故が起きたら、一人の人間が責任を取ったくらいでは済まないん
だから。
   大事故の際には様々な故障が重なる、という話は高木仁三郎さ
んが一昨年出した「巨大事故の時代」という本で説いておりました
。この本では原発事故のほか、ボパール(だったかな)の化学工場
の事故や航空機事故の話を分析していたと思います。
   今までの事故解析は、色々な部品が故障する確率をかけ算して
、「だから大事故が起こる確率は非常に少ない」などと主張するも
のだったようですが、実際の大事故では、前のトラブルが引きがね
となって、次々にトラブルが出てくるケースが多い、という話をこ
の本ではしていたように思います。     よいこ


#0029 sci3052  9102150940


 じっくり考えている余力がないので、失礼ながらオンラインで簡単な意見を
述べさせていただきます。

 Tさんの「責任」論には反対です。原発事故の「責任をとる」とは、どうい
うことでしょうか。1個の人間(別に複数でもかまいませんが)が責任をとる
ような性質の問題ではないと思います。
 TAKAさんの「おあつらえむき」との感想に同感です。

 電力会社のとるべき措置として私が考えるのは、ともかく同種のPWRはす
べて止めて、徹底的に安全性をチェックすること(その結果充分安全に運転す
るのは不可能、という結論が出るはずだと思いますが...)、そしてそのこ
とによる電力供給の不足分は停電で対応することです。安全や将来の世代のこ
とを考えれば現在の電気消費量は多すぎるのですから、市場経済の原則からい
っても、停電が最も適当な方針だと思います。


#0030 dando    9102151042


もっと多くの皆さんから、とりあえず原発をどうするか、意見を
伺いたいと思います。よろしくお願いします。

それから、この会議での発言を紙面に転載する可能性が出てきて
いますので、ご協力願いたいことがあります。それは、紙面上で
発言者に「会社員(35)=東京都」とか「北陸地区の商店主(45)」
とかのデータが必要になります。CUGテクノ塾参加の皆さんには
すでにデータをいただいているのですが、公開テクノ塾だけに加わって
いる方たちに、わたし宛メールで表記してよいデータを知らせて
欲しいのです。職業をもしも「電力会社員」と詳しくする場合は
年齢を表記すると本人が特定されやすいので、「関東地区に住む
四〇代の電力会社員」とかいう表現も考えられます。

このお願いは「至急」です。重ねてよろしくお願いします。


#0031 sci3177  9102152341


 責任論に反対や疑問の声が上がっていますが、広域的な放射能汚染事故が
発生したときの責任とはなにかということを考えれば明かですが、責任の取
りようが、実はありません。

 つまり、責任を明文化することは不可能でしょう。では、それでもなぜ言
うのか?それは、不可能なことでも明文化しておかないと、ないないになっ
てしまうことが明白だからです。また、みんなが納得がいかないような責任
では、信任が得られようはずがありません。

 つまり、「責任を明確化できないなら、原発を止めてしまえ」というのが
私の本音なのです。

 一体、最終的に誰が原発を作り営業しようと決断したのか?それさえも分
からないのは、異常としか言いようがありません。

                                                        T


#0032 dando    9102152351


ファイバースコープ検査でギロチン破断が判明・・・・・dando

 細管は第6支持板付近で二つにぽきりと折れていることが分かりました。
部品などの異物が不注意で紛れ込んで、管を摩耗させたというケースが
今日の場合、唯一、他の原発にあまり響かない「原因」になるのでしたが、
この原因なら他でも起きうるので、電力業界にとって最悪の展開です。

 詳しくは抜き取って検査しなくてはなりませんが、金属疲労によるぽきり
ですね。

 これで、他の原発をどうするのかという議論がますます現実味を帯びる
ことになりました。


#0033 sci1011  9102160023

久しぶりに原発に関して発言します。

だいぶ前に、原子力発電の原価についての疑問を述べました。
要旨は、今言われている各種発電の原価のうち、原子力発電の原価に
取り壊し費用、放射性の廃棄物の処理費用、事故などのトラブル処理費用が
含まれているのか、と言うことでした。
今、原子力発電を推進する理由として、また、各種の自然エネルギー発電を
余り利用しない理由として原子力発電の方が「安い」と言う大義名分がある
ように聞いています。
しかし、今回の様な事故がこれからも発生するならば、随分高いものに
なっているのではないでしょうか。100年に1回でも、大事故が
発生すれば、どんなに高いものになってしまうのでしょうか
人間に対する被害をべつにしてもです...
こう考えると、今経済的にあわないと言われている他の発電方式も
充分実用になるのではないでしょうか。

以上の発言は、何のデータにも基づかない、素朴な疑問です。
間違いがあれば、指摘して下さい

それとも、トラブル、事故費用(人身に対しても)を払っても、まだ
原発のほうが安いため、原子力発電を推進しているのかな?
そんなことは考えたくはありませんが....

                素朴な小市民  Shinsan


#0034 dando    9102170234


誰が原発を始めたのか、本当に「安上がり」なのか・・・・・
「わたしたちは原発を使うことを委嘱したつもりはない」という
意識の方はかなり多いと思えます。

しかし、考えてみると、この国の意志決定というのは、原発に限らず
「湾岸」でも、消費税でも似たようなものではありませんか?

そういう構造の中で、この事故は善くも悪くも、原発を自分の手のうちに
してみる好機をもたらしたと思います。具体的に言うと、事故は起こると
し、それでも使うべきだから有名無実と化している避難訓練など防災体制を
本格的なものにするとか、省エネを柱に社会のありようを変えてしまうとか
論議してみる必要ありと考えています。・・・・・・・・・・dando


#0035 sci4143  9102171037


それにしても『ギロチン破断』とは。派手な名前の附いた事故ですねぇ。

                         from たこべえ


#0036 sci1044  9102171429


 ギロチンとは、ギヨタン博士が今までの手斧による処刑より
人道的と判断し、発明した断頭台です。それまでの手斧では
失敗による苦痛が大変だったらしいです。
                    「誤り人」

タトですね


#0037 sci6293  9102171500

このノートを、じっくり読んで、今回の事故についてようやくわかってきました。
湾岸戦争の陰に隠れた感が、ありますが、かなりの事故のようですね。
ソビエトやアメリカの原発とは違うから、日本のは安全という議論のおかしさも
わかってきました。
政府や電力会社は”安全”性を、さかんに訴えていますが、日本に原発ができて
20年以上たつのに、まだ、宣伝が必要なこと自体、いかに、今の原発が未完成
のものであるかもの語っているように思えます。
今回の事故についても地元自治体への通報がおくれるなど、はたして、本当のこ
とが語られているのか不信になってきます。飛行機事故の日本航空機墜落事故の
時のように会社に都合の悪いことは隠すようなことはないでしょうね。
原子力発電自体、まだ、未完成の技術であり、絶対安全とは言い切れないが、
おおきな事故が起こらないように現在の技術で可能な限り安全に運行している
と、なぜ、会社はいえないのでしょうか。
原子力発電所の内部で働く人の問題
末端の下請け労働者が清掃や修理にあたるわけですが、被爆の危険性はないので
しょうか、安全基準はあるものの、実際には、守られてなく、あちこちの原発を
まわるジプシー労働者の健康破壊の問題を読んだ覚えがあります。


#0038 sci1190  9102171637


          《 関 電 内 部 資 料 》

事故後、関電が加圧水型を運転している四国・九州・北海道電力などに送った、
12日(?)現在までに判明した事故経過の説明です。(原文のまま)

-----------------------------------------------------------------------
       (関西電力美浜2号機SG細管漏洩事故事象経過)
-----------------------------------------------------------------------
H3.2.9(土) 500MWe(100%出力)通常運転中
 12:40        SGブローダウン水モニタ(R−19)指示値上昇検知
  13:40        復水器空気抽出器ガスモニタ(R−15)注意警報発信
                    (800cpm↑2000cpm)
          復水器空気抽出ポンプ排気自動切替(大気→チャコール
          フィルタ側)
  13:45    R−19注意警報発信(35cpm↑400cpm)
  13:48    出力降下開始
 13:50    R−15高警報発信(↑1.0×10の6乗cpm)
                    復水器空気抽出ポンプ排気自動切替(チャコール側→C
          /V側)
                    原子炉自動停止(加圧器圧力低 157k↓134k)
                    安全注入(ECCS)動作(加圧器圧力低↓128kと
          加圧器水位低53%↓5%)の一致)
 13:55    A−SG細管の漏洩判明・B−SG及び主蒸気逃し弁に
          よる1次系降温操作開始
 13:56    A−SG隔離
 14:09    所内電源復旧・充てんポンプ起動
 14:28    1次冷却系降圧開始(加圧器補助スプレイ使用)
 14:35    1次系→2次系 流出停止(流出量 約20t)
 14:38    ECCS手動停止
 15:13    B−SG及びタービンバイパス弁による原子炉冷却開始
 22:10    余熱除去系統による冷却開始
H3.2.10(日)
 02:30    原子炉冷態停止(93゜C)
-----------------------------------------------------------------------
(用語説明)
SG : 蒸気発生器(Steam Generator)
     美浜2号機には、A−SG・B−SGの2基ある。
cpm:  1分あたりのカウント(Count/Minute)
C/V: 格納容器と圧力容器(Container&Vessel)
また、チャコールフィルタというのは、正常運転中は2次側の放射能レベルは
低いので、そのまま大気に排出しているが、モニタのカウントが上昇した場合に系統
を切り替えて漉過するためのものである。

                         t.


#0039 sci1190  9102171941


関電発表の事故経過についての感想です。

◎気になるのは、「14:09 所内電源復旧・充てんポンプ起動」
です。「電源復旧」ということは、電源にトラブルが起きていたはず
です。これだけでは、どこの電源系統か判断できませんが、合わせて
書いてある「充てんポンプ起動」と関係した系統とすれば、たいへん
なことです。この「充てんポンプ」というのは、おもにECCSと同
じく緊急時の制御系で、1次冷却水にボロン(ホウ酸)を混入して核
反応を抑え、出力を下げるためのものです。もし、この緊急制御系で
電源喪失が起きて(起きてはいけないことになっている)、いざとい
うとき動かなければ、核暴走につながる可能性もあるのではないでし
ょうか。

◎「ECCSが働いたから大丈夫」ということには、賛成できません。
そもそもECCSが作動するということ自体、あってはならないこと
です。心配なのは、炉心や圧力容器に与えた熱衝撃の問題です。美浜
2号機の圧力容器の脆性遷移温度は、20年前の運転開始時では−3゜
だったものが、約10年前には+58゜まで上がり、現在では60゜
を超えていると見られます。20〜30゜の冷水が、圧力の下がった
炉内に高圧で注入されれば、当然60゜を横切ったはずです。今回、
圧力容器の脆性破壊が起きなかったのは、まだ炉内の圧力が高くて
注入量が少なかったため冷却が比較的緩やかだったか、運がよかった
んだと思います。
少なくとも、今回のECCS作動で圧力容器の脆化、燃料の損傷は少
なからず起きていると思われます。

◎それにしても、朝日新聞はよく「コンピュータデータ」を手に入れ
られましたね。東電なんかとにかくデータは一切出さない方針ですか
ら、たとえ報道機関であってもコンピュータの生データは出てこなか
ったでしょう。ぜひとも見せて欲しいのですが、無理でしょうね。

◎とにかく今回の事故で、加圧水型の蒸気発生器細管破断の可能性が
証明されたのですから、すべての加圧水型原発はすぐに停止して、蒸
気発生器の分解点検を行なうべきです。もっとも、検査方法もあまり
信頼できないものでは意味ないですけど。もうひとつ心配は、破断し
た細管が隣接管に与えた影響です。破断直後の1、2次系の圧力差は
相当なものですから、破断した細管が暴れ回って隣接する細管に損傷
を与えた可能性は高いと思います。まさか破断細管1本交換して終り
ということはないでしょうね。

◎長くなりましたが、最後に四国電力伊方原発裁判での被告=国側の
主張を読んでみてください。

6(1)蒸気発生器細管破断の非現実性
 本件原子炉において使用されている蒸気発生器については、前述し
たように、原子炉の過渡状態も含め、運転中に予想される機械的応力
や腐食に対しその健全性が損なわれることのないように十分余裕のあ
る設計がなされているだけでなく、従来発生した事象に対してもこれ
を防止するための適切な配慮がなされている上、定期的に実施される
精密な検査によってその健全性が確認されるとともに、仮に細管に漏
洩が生じたとしても直ちに検知され、所用の措置が講じられるので、
細管の破断は起こり得ない。
 特に、蒸気発生器には、強度上十分な余裕を持ち、その材料(イン
コネル)が延性に富んでいるため、瞬時に多量の漏洩が生ずるような
形態の損傷(破断)が過去において起こったことのないのはもちろん
、将来においても右材料の性質に加え損傷防止のための諸々の対策が
講じられているため数本はおろか1本の破断も起こることはない。
                          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                              t.(東京/会社員/40)


#0040 sci3052  9102181009


  sci6293 さんのお考えに賛成。日本人は、事実の上に立脚した現実的な対応
よりも、仮想的な事実を想定した上で厳密な対応をしようとする傾向が強すぎ
るように思います。(特に私は役所絡みの仕事をしているのでそれを強く感じ
るのかもしれませんが)
 t.さんの指摘されたような(伊方裁判記録)根拠のない断言は、機会のあ
るごとにきびしく追及すべきでしょう。とにかく現実から目をそらさないこと
だと思います。危険があってもやむを得ないというのは判断としては成り立つ
ものですが、事実を曲げてしまってはどうにもなりません。
 その意味で今回の事故は(被害が少なかったという前提のもとで)ちょうど
よいきっかけであった..というよりこれをきっかけにして、原発に関する問題
をはっきりさせてゆかなければならないでしょう。
 繰返しになりますが、私は原発の危険より停電の方を選びたいと思います。
なお、電力の独占と供給義務の関係の議論も必要になりますね。

                       DAI


#0041 sci6293  9102181715

 原発をだましだまし使っていく論 について
科学技術の進歩に事故は、つきものである。
自動車、鉄道、そして、飛行機すべて事故を通して、技術が進歩安定
してきた。原発も同じ。ようは、大きな事故さえなければよいのであって、
小さい事故が起こるのは仕方がない。その都度、原因を究明し、大きな事故
が起こらないようにすればよい。
検査を定期的にする事によって、大きなじこは防げる。
このように、考えればよいのでしょうか、
 しかし、原発の恐さは、大きな事故の影響が計り知れないほど大きいこと
でしょう。
 パソコンゲーム”simucity”では、経済効率はよいがメトルダウン
の恐れのある原発か、経済効率が悪く環境汚染もある火力発電所かいずれかが
選べます。
 既成事実と地元への金のばらまき、内部資料の未公開の積み重ねで世論を
納得させることなく拡大してきた原発、見直さねばなりません。
 少なくても今後新たな原発はつくらない、建設工事はすぐに中止する
ように要望します。
                        ふうたん


#0042 dando    9102182054


通産省は20日、PWRの運転では、二次系冷却水の放射能
レベルが2割アップしただけで炉を停止するよう命じました。
破壊の兆候がつかめなかったので、こんな緊急措置になったのですが
本当に有効に働くかどうかは分かりません。・・・・・dando


#0043 sci5354  9102182344


ふうたんさんの少なくとも新たな原発は作らないという
意見には賛成です。

事故の問題以前に廃棄物の処理技術がまだ確立されていない
というのは大きな問題点です。
どこかに貯蔵するしかないというのはちょっと.....

                      中島


#0044 dando    9102191701


二次系の放射能カウンター「2割アップで運転停止」という話、
実際の運用の仕方が判然としませんが、カウンターの数値だけでは
誤差範囲すれすれではないかと思いますので、あちこちの炉がたびたび
停止することにもなりかねませんよ。・・・・・・・・・dando


#0045 sci2993  9102191744


理想的に言えば、避難訓練を含めた「放射能漏出事故」対策を充実させて、
なおかつ原子力発電所を運転する。と言う選択を私ならします。

ですが、この対策は「十分」ということがありません。非現実的になるの
も構わないのなら、かく家庭にシェルターを設置することですが、その経
済的負担をやってまで「原子力発電をやる」意味はまたないでしょう。

どうしても「放射能の漏出事故の規模と可能性と経費」を考慮にいれ、対
策をたてることになります。リスクはつきまといます。

そのリスクをおっても原子力発電をやる「価値」があるかどうか?が問題
ではないかと思います。
私は価値はあると思っております。発電コストに対する疑問を各種要因か
ら出されておりますが、「技術革新」を見込んで考えた場合、原子力の効
率は高いと言えると考えておりますので。

その一つ、原発の問題点として放射性廃棄物の問題があげられますが、放
射性同位体は最終的には安定同位体にかわります。単に放置しているだけ
では、半減期はあまりにも超長期ですが、これを人為的に速める技術の可
能性はあると思います。もちろん、「未来の技術」なのですが。

原子力技術は未完成の技術です。「完成するまで商業的応用はしない」と
言うのも一つの見識と思います。またチェルノブイリという事故が現実の
ものとなった今日、危険性がある原子力発電に頼る事無く、省エネまたは
代替えエネルギーをもってあたるとするのも選択としてあると思います。

ですが、世界のなかでリスクをおって原子力技術を完成させた国があると
すれば、エネルギーコストの点で日本は不利になるでしょう。(不利にな
ることはエネルギーコストだけにとどまらないかもしれません。)私はリ
スクをおうことを選びたいと思うのです。

MAT


#0046 sci2993  9102191754


RE #44

一番安全なのは「とめること」ですから、あちこちとまっても
しかたない。と考えているのではないでしょうか?

ところで放射能カウンターって20%誤差範囲があるんですか?
それとも運転時にはそれくらい振れるのでありましょうか?

MAT


#0047 sci6008  9102191824

     久しぶりのサイエンスネットへのアクセスで,はじめてこのボードを読みまし
    た.
     事故を知り,2/12夜にATOM NET にアクセスしたところ,状況報告の報道発
    表がアップされていました.
     内容は,関連38のものとほとんど同じなのですが,2/9 12:40のブローダウ
    ン水モニタの指示値上昇と,14:09の電源復旧についてのアナウンスが全くありま
    せんでした.この当りを重視していないのか,あえて隠しておくつもりだったの
    か真意は不明ですが,「二次冷却水水質等のパラメータ(放射能濃度)に有意な
    変化が認められた場合には,原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずること.」
    という今回の通産省からの指示に対して(前後関係は逆ですが)かなり問題のあ
    るところです.実際,ATOM NETの経過報告では13:40の復水器空気抽出ガスモニタ
    注意警報発生と復水器空気抽出ポンプ排気自動切替とから始まり,スクラムまで
    僅か10分という印象を与えるものでした.(実際にはその1時間前から兆候は
    あったわけです)
     とにかく,今回はECCSが動作したことにより事なきを得たようですが,数年前
    に専門家の発言で「日本の原発は優秀だから今後建設する原発にはECCSはいらな
    い」というのがありました.(今回の事故について彼らは何かコメントをしてい
    るのだろうか)先週の週刊新潮の記事も何がいいたいのか良くわからなかったし
    (上野女史時代に原発擁護をやっていた朝日新聞が,今回は危険性をアピールす
    るようになったので裏切られた気分なのでしょう).
     「なぜ原発を運転するのか」やっぱり「おいしい」からでしょう.国からの援
    助があるという事もありますが,それよりも本質的に,エネルギー源が石油なり
    ウランなりという物質の形をとっている限り,エネルギー業界は独占が可能とい
    う点にあるのでしょう.太陽エネルギーや風力発電に今一つ力が入っていないの
    も日光や風を独占することができないからだという話をきいたことがあります.

            ATOM NET(原子力情報サ−ビスネットワ−ク)は
            03-5470-5511(1200/2400)です.
            XMODEMで,「花子」データも有り.

            渡渉(わたりわたる):33才,会社員(埼玉県)


#0048 sci1044  9102192155


 加圧水炉が全部点検にはいると東京では電力需給がタイトに
なる恐れがあります。関西電力の事故だからと対岸の火事として
安心できないんです。とにかくもの凄く需給が逼迫しているようです。

                           「誤り人」


#0049 sci1190  9102192302


それは心配な問題です。去年の夏、東電は関電に融通電力で
だいぶお世話になったはずです。
おかえしに沸騰水型の原発、定検を延期しても融通してあげそうです。

今日は関電東京支社の「説明会」に行ってきましたが、ほんとのところ、
関電もほとんど解析が進んでなく、どうやったら破断した細管を抜くことができるか
考えているそうです。

20%上昇というのも、誤差もあって判断がむずかしいようです。

                         t.


#0050 sci5111  9102192333


すごく素人っぽくてはずかしいけど、素朴な一市民として。

むかし、東京電力に行った先輩が、
「夏の甲子園の中継を見ながら冷房を入れるのをやめれば、
原発はつくらなくてすむのになあ。」といっていました。

新しく原発をつくらないとすると、電力がたりなくなるかもしれませんよね。
そのとき、甲子園か冷房かどちらかにしろ、と、世の中の人に
だれがどうやって、説得するのだろう?

仮に、自分のうちでそれを実現しても、ラーメン屋や喫茶店で、
それを禁止させられるだろうか。

電力の節約を本当にできるような方法を考えない限り、
原発を止めるのは現時点ではむつかしそう。

とりあえず、私は、安全性が向上しない限り新規の原発は
作らない方がいいと思うし、うちには冷房もいれてないし、
甲子園の中継もみませんが、ゴマメの歯ぎしり、ですよね。

                     ゴマフアザラシ


#0051 sci6008  9102192351

     失礼しました,前回(#47),「上野女史」と書いたのは,「大熊女史」の誤り
    でした.お詫びいたします.

     風邪をひいて会社を休んで書き込んでいたので頭がぼけていたのかも知れない.
                大ボケの渡渉(わたりわたる)


#0052 dando    9102201953


昨年夏、関西電力は中部地区にもつ水力(50サイクル運転可能)は
最初から50サイクルで電気を起こして東京電力に送り、自前で足りない
分はもう何年も動かしたことがない火力を立ち上げてつじつまを合わせ
ました。そこまで夏場の電力需給は逼迫していたのです。「もしも来年が
猛暑ならば」と心配する声を関西電力で聞きました。・・・・dando

 電力消費の伸びが甲子園によるというのは、短絡ですよ。家電製品の
大型化という民間消費、それよりも、東京電力管内では工場立地が
好調なことが増加のベースを形作っているようです。

 美浜1号は定期検査を終わったのに、営業運転を見合わせています。
飯田副社長は「1カ月くらいで運転できるようにしてもらわないと
困る」と言ったそうです。沸騰水型にも余裕はないと思います。定期検査
を延ばすという噂はありますが、それは「逆効果」になるかもしれません。

 運転が出来なくて問題になるのは、電力会社には電気の供給責任が
負わされていることです。足りないことは許されないので、原発の停止
に備えていつも火力をスタンバイしている状況です。加圧水型一斉停止
ならば、責任を負えなくなり、通産大臣に外してもらうことになるでしょう。
つまり、地域的な停電とかが現実になります。

 そう確か、職場のOA化も電力需要増加に関係していたのでしたね。
ビルの電気容量がいっぱいになり、容量を大きくする契約は高価につくので、
電気・熱併給型のガス発電機などを設置して、電気の品質が落ちてもよい照明
などには自家発電分を回す動きも現れていました。

 放射能メーターはかなり揺れているもののようです。だから、これまでは
水を採取して分析していたのです。警報は10倍にならないと出ません。
2割で不必要な停止を避けるためか、電力各社は過去一定時間の平均値が
すぐに読み取れるようにするとか、工夫するとのこと。しかし、停止しても
細管破断がくい止められるかと言えば「?」です。停止の速度にもよりますが
直前まで亀裂が進んでいると、破断してECCSが働くところまでは
行ってしまう恐れ大でしょう。原子炉は核分裂反応が止まっても安全ではなく
それから後に出来た核物質が出す崩壊熱が膨大なのです。それを安全に
逃がしてやって初めて「止まった」と言えるのです。そのためには蒸気
発生器は動かし続けなければなりません。


#0053 sci6008  9102202155

     ちょっと前の家庭にも200Vラインをというキャンペーンは一体なんだったのだ
    ろう.電力および白物電気製品の需要を喚起していたのに...

                    CO-GENERATIONで効率を2倍にするしかないよね.

                    根に持つたちの 渡渉(わたりわたる)


#0054 sci4634  9102220947


なつになったら「しょっちゅう落ちまくる」ようになれば、
少しは電力消費も減るかも知れない。
でもそうすると「原発擁護派」が増える?

かたちあるものは必ずいつかは壊れる(例外はない)し。

かといって化石燃料に頼るのもねえ。
髪の毛をぬかれて急激に殺されるか、
じわじわと全地球的に首をしめられるか、の選択ですねえ。

                     すみませんゴミです−>収集所へ ままのた


#0055 dando    9102221649


ゴミと言わずに、皆さん、自分ならどう対応するか、考えて
いただけませんか。

なお、この基調の#40までの分から抜粋、編集して土曜の
科学面に載せるつもりです。今月から、この面は北陸、中国
地方の日曜朝刊にも載るようになったのです。・・・dando


#0056 sci3052  9102221956


dando 様
 関連52で気になったことがあります。

 「地域的な停電」そのものは今でも「現実」に存在しています。供給義務が
どの程度の義務なのかについてきちんと勉強した上での議論が必要と思います。
更に、供給義務と地域独占の関係についても議論しなければならない..とい
う点は、以前書きました。
 これから勉強しようとしているテーマなので問題点を指摘することしかでき
ませんが、遠からずきちんとした知識にもとづいて議論しましょう。


#0057 sci3052  9102221957


 関連56でハンドルを付け忘れました。     DAI


#0058 sci1004  9102222016


 原発とは緩やかな「原爆」だと言われた方がいます.
 今回の事故は,熱交換をするという,発電のもっとも基本的部分が,
 実は「原爆でない」事を担保してくれたりくれなかったする事の
 首の皮一枚の分岐点であって,非常に脆弱であると感じました.

 数千本?もある細管のそのうち一本の欠陥で,トン単位の汚染水が
 流れ出すというのは,これは構造的に間違っているという気がしま
 す.さらに細管一本の故障に対する安全装置が,メルトダウン寸前
 のECCSだったというのは,これも原爆と紙一重に思えてなりま
 せん.原発って,こんなにも紙一重なのかと,今回の事故で思わさ
 れました.

 とにかく破断することの解明と,破断しても安全な機構というのを
 早急に実現し,さらに「首の皮一枚」の危険性が他にないのか,加
 圧水型でなくても軽水炉でもありえることなのか,徹底的に検証を
 おねがいしたいものです.その検証のためなら,タイトな電力供給
 でも,それはしょうがない事だと思います.結局首の皮一枚の上で
 享受していた電気だったのかもしれないのだから.

 日本の大動脈である新幹線でも,半日列車を止めて設備を交換する
 作業を随分続けてきていました.比べてはいけないかもしれないが,
 予め充分な説明があれば,タイトになってしまうことの混乱という
 のは避けられるのではないかと考えます.

(なんだなんだ,まるで新聞の投書欄だなこの文体は:〜) 社務猫


#0059 sci2449  9102230114

 なんでこんなに原発に頼るようになってしまったんだろう、なん
でこんなに電気を使うようになってしまったんだろう、などと思っ
てしまいますね。もう後戻りはできないような気がします。   
よいこ


#0060 sci2993  9102230141


原発立地の困難さが需給逼迫の一つの要因でもあったはずです。

一般家庭でも企業でも電力消費は大きくなってますね。まず、
この消費量を減らす方策を考えるべきだと思いますが。

かつて家庭では10A契約とかも多かったのに、最近は20、30当り前
それ以上だってふつうになってますね。何が増えたんでしょう?

企業のOAではレーザープリンターとコピー機を減らせば、だいぶ消費量
へりますね。ついでにワークステーションはできるだけ「せこい」ノート
パソコンとかにした方が良いかも知れません。

電力会社は「できるだけ原発はとめたくない(コストが有利だから)」
気持ちが根底にあるようです。

ところで、原発にかわる有効なエネルギー供給手段って具体的には
どのような物があるのでしょう?またそれはどの程度の供給能力が
期待できるのでしょうか?

MAT


#0061 sci1004  9102231117


 関連58を訂正です.

>加圧水型でなくても軽水炉でもありえることなのか,徹底的に検証を

 これじゃ,加圧水型は軽水炉ではないみたいですが,実は軽水炉です.
 正しくは

 「加圧水型でなくても他の軽水炉でも うんぬん」
 
 の誤りです.はい.つまり沸騰水型のことです.
 社務猫


#0062 dando    9102231438


破断細管の抜き取りは24日から始まり、早ければ27日には取り出せ
そうだといいます。わずかな可能性として、小さなゴミが支持板との隙間
に詰まっていて、それが最初の亀裂を生む原因になっていることも考え
られます。電力会社としてはそれが最も望ましいケースです。しかし、
現実はもっと複雑な現象でしょう。破断の大部分は疲労でおきているはずですが
そのもとになった亀裂は別の腐食現象によるでしょう。複合破壊である
可能性が高そうです。それに対する的確な対策が無いと、原発の安定した
状態への復帰は難しくなります。・・・・・・・・・・・・・dando


#0063 sci6293  9102231640

 夏の電力問題、インバータエアコンが関係しているのではないでしょうか。
わずかな温度上昇で一斉に電力消費量が増えてしまい、ピークを作る。
それこそ今流行しているファジィ理論をとりいれて、ファジィーエアコンを
作ればどうでしょうか。
 今、停電が起これば、大混乱になります。高層マンションでは、オール電
化住宅ですので、真っ暗の中何もできない。22階まで、歩いて上るのもた
いへん。わが家は、カギがなく、テンキーであける電気ロックだから、停電
すると家に入れなくなってしまいます。
 いちど、増えた電力消費を減らすのは、困難なことでしょう。東京タワー
やベイブリッジの明かりを消して、深夜テレビの放映を中止したところでた
かがしれています。
 スウェーデンで、原発廃止計画が中止されたそうです。なぜなら、代わり
の発電方法がない。火力発電は、公害をまき散らし、環境を破壊する。
水力発電も自然環境に手を加え、環境破壊につながる。
 日本では、どうでしょうか。新たに水力発電できるところがあるでしょう
か、これ以上、石油に頼り、火力発電所を増やせるでしょうか。
 もっとクリーンなエネルギーを求めていかねばなりません。
    ふうたん


#0064 sci1083  9102232215

関連53のコジェネレーションに賛成を一票
電気事業法で電力会社以外の発電は(正確には第3者への電力供給)
は制限されているのでco-generationも札幌以外は普及しそうもありません

米国ではたしか、反対の法律で副生電力(電力会社以外の作った電気)
を電力会社が買い取る義務があったと思います。
日本ではどこかのゴミ焼却工場の電気を電力会社が買っているけど
値段がキロワット1〜2円と言うふざけた値段だったと思います。
電気会社の言い分としては安定生とかなんとかあるでしょうが、こういうこと
では社会全体システムの最適化はできないかも

生活レベルを落としたくない、原子炉は嫌だの接点は社会全体の最適化
しかないですよね

Harry


#0065 sci6261  9102240021


 以前、電気が余って原発の稼働率変更云々が問題になった時、
突然、家庭用電力の200v化が、電気なんとか協会が言い出した
ことがありましたが、開いた口が塞がらなかった。
 ただでさえ、資源のない日本で、電力の消費を煽るようなまねを
する、哲学のなさが情けない。
 日本の場合、かなり大きな事故(事象?)が発生するまで、本格
的な原発に関する議論なり、政策の変更なりがなされないのでは。
ぽんぽこりん


#0066 sci1044  9102240547

 インバーターエアコンは困ったものらしいです。使う側には高効率機器と
言われますが、電力を供給する側にとっては電流を沢山食う機器になっています。
覚えていますか?5年前くらいの夏の大停電を、あれもインバーターエアコンが
一斉に入った13時頃起きています。人々が便利になっている反面、確実に電力が
「浪費」?されるようになりました。

 思い浮かべるだけでも

 1.関東の隅々にまで普及した大型冷蔵庫と明るい照明のコンビニ
 2.外国には余り見当たらない程の自動販売機群
 3.無計画に導入されるOA機器
 4.たいへん便利なファーストフード
 5.ウサギ小屋に不釣り合いな大型テレビ

 これらを少しでも無くすだけで、電力の節約が図れると思います。特に
自動販売機はそれだけで100万キロワット級の発電所に匹敵すると云われ、
反面排熱は都市の温暖化を勧め、関連して冷房需要を高める・・・

                         「誤り人」

 追伸:経済に計画経済体制が有るようにエネルギー消費の計画化も

    必要な時代になったのかも知れない


#0067 sci5354  9102250107


200V化は効率の関係上総合的な電力消費量を
減らす事になるはずだと思いましたが。

                  中島


#0068 sci2993  9102251311


熱電供給システムは、そもそもの効率も良く、送電ロスもないので望まし
いのですがいくつか問題点はありませんか?

まず、一つ。現在では小規模火力ともいえますから排気ガスの問題。とく
に都区内では大問題でしょう。
(これに関しては、「太陽光で海水を分解し、得られた水素を燃料電池と
して使う」のが一番の良案に思えますが、それでもそのプラントの環境に
与える影響とか、どの程度のエネルギーが得られるのか?とか問題はある
やに思います。)

それから運営主体の問題。小規模電力会社がたくさんできるということに
なりましょうか?各社の経営格差は?電力料金格差がでるのでは?

それと、やはり需要の波の問題。それを埋める広域電力会社が必要だとい
うことになるとすれば、その広域電力会社は経営が成り立つのかどうか?
売電はこれにも絡むと思います。広域電力会社をバックボーンにすえなけ
れば確かに供給は不安定でしょう。公益に関することですから税金で運営
することになりましょうか?

MAT


#0069 sci2993  9102251313


電力需要の抑制ですが、官僚などによる統制を考えると、えらい不便にな
ることだけはたしかだと思います。

OA化の進行はたしかに電力需要を増大させましたが、また事務効率の向
上にも役立ちます。レーザープリンターなどをワークステーション1台に
1機据え付けるのは、私には不合理に思えますが、「そうしなければなら
ない職場」もまたあるでしょうし、トライ・アンド・エラーで合理化を進
めなくてはならない事だってあります。

例えば、電力契約を増やすときに「お百度」(書類をバリバリ作り、窓口
に日参すること)が必要で「しかるべき理由」が必要だったりすると、こ
りゃあ大事です。(うーん...まあそれでもいいかな)

需要を冷え込ませる1番は、「電気料金の値上げ」だと思ってます。現在
でも夜間料金は安いですが、この格差をもっと広げるなんていうのはダメ
でしょうか?(季節料金制度なんていうのもどうでしょう)それでもって、
安い蓄電手段があればいいんですが..

MAT


#0070 dando    9102251903


そうですね、最近の「インテリジェント・ビル」などは、なんと、
フロアーの各部分を均等に暖房するために、あえて電気のエアコン
を使うのだそうです。日当りの変化をリアルタイムで感知して
フロアー各部に設置したエアコンをきめ細かく運転する−−これ
をインテリジェントと呼ぶセンスに、うなったものでした。電気
の使い方としてあまり・・・・・・・・・・・・・・・・・dando


#0071 sci4143  9102251944


一つ疑問なんですが,蒸気発生器は火力発電でも附いていると思うのです.こちらの方
は今までノー・トラブルなのでしょうか?
                         from たこべえ
PS.
“節電に努める”というのは,タテマエとしては優れていますが,いざホンネとなると
???です.私達は電気を沢山使う快適な生活に慣れて仕舞って,今更クーラーのない
生活なんて考えられません.職場のコピー機にしても同様です.この夏,節電令なんか
出る様な事態に陥ったら,政府がひっくり返るんじゃぁないかしらん.


#0072 sci2993  9102260154


火力は火を落とすと中まで入って調べられますからね。
たしか、原発の蒸気発生器の倍以上の圧力だったと思います。
トラブルはないことはないだろうと素人考えでは思います。

クーラーで一つ。実はわたしは冷房はダメなたちなんです(^^)
それでも37℃と28℃だと28℃を選びましたね。去年の夏は。

風通しを良くして、緑が多ければ気温自身も下がるんですが、東京では
かえって贅沢というものでしょう。

原油価格でも急騰しなければ、節電の意欲はわかないかもしれません。
それと日本の電力料金はアメリカに比べるとえらく高いのです。かの地の
すごさ(色々な意味で)がわかります。

美浜に続いた訳でもないでしょうが、沸騰水型でも事故りましたね。
そういえば

MAT


#0073 sci6008  9102262351

     MATさん,貴重な御意見をありがとうございます.

     >200V化は効率の関係上総合的な電力消費量を
     >減らす事になるはずだと思いましたが。
     そのとうりです.たしかに末端での電流は半分になります.そのため,トラン
    スからこっちのロスが半分になり,効率は上がります.しかし,あそこでいいた
    かったのは,業界の利権の事だったのです.すでに家電製品が国内で飽和してい
    るところへ,ちょっと便利な200v用のエアコン,オーブンなどを買わせる.いき
    なり全てのラインを200vにすると事故が起きるから別ラインをひく必要が有る.
    じゃあコンセントも100v用と別のものを付けなきゃあいけないし..などなどで
    この業界さまざまな仕事が生まれるという事が言いたかったわけです.

     >熱電供給システムは、そもそもの効率も良く、送電ロスもないので望まし
     >いのですがいくつか問題点はありませんか?
     コジェネに関しては,丁度,最近の日経メカニカルが特集を組んでいました.
    詳細はそちらを参照していただくとよろしいでしょう.

     かいつまんでいうと,(うろおぼえ)

     低公害であるという点と,一定量以上の使用は優遇措置が有るという点で燃料
    にLNGを使うものが増えているようです.

     太陽光の利用は理想的だと思います.地球の熱量の収支という点から考えると,
    化石燃料を使っていると地球に入ってくる熱量+化石燃料の熱量(+原子力)−
    地球から出ていく熱量という事になり,収支のバランスが崩れてしまいます.太
    陽光を利用すればその瞬間のエネルギーを利用することになり,過去に凍結され
    たエネルギーを今使用してバランスを崩すということがなくなると思います.(
    本当かな)

     運営は各企業内などで完結ということになるでしょう.電力を販売できるのは
    電力会社に限定されるということであれば,あくまでも小回りのきくシステムと
    いう,買電を補完する位置づけになるでしょう.

     需要の波に関しては,やはり電力会社がベースになる部分を供給して,コジェ
    ネでピーク負荷を押えるという形になるでしょう.超伝導送電が可能になれば全
    世界を結んで昼夜,季節の波をならすという手もありますが.

     そういえば,核融合を実現させるためには超伝導技術が必要で,ところが超伝
    導技術が完成されれば電力供給システムの効率が上がり,核融合発電の必要がな
    くなるという話もありました.

     ちなみに,現在国内でのコジェネによる発電総量は数十万KWで,ほぼ原発一基
    に当るそうです.

     広い意味でのエネルギー問題になってきたような気がする渡渉(WATARI WATARU)


#0074 dando    9102271538


《《遅れましたが、科学面への転載記事を収録・・・・・・dando》》

◆美浜原発事故巡りパソコン論争
   「正常に作動」「通報遅れ不信」◆
     〜91.02.23  夕刊 13頁 みんなの科学 (全888字)

  関西電力美浜原発2号機の細管破断事故は、パソコン通信の世界
でも大きな話題になっている。朝日新聞科学部が主宰している「サ
イエンスネット」での討論の一部を紹介する。

 《団体職員》 緊急炉心冷却システム(ECCS)が正常に働いた
ことが、どうして評価されないんだろうか。心配したことが起こっ
たけど、ちゃんと炉は止まったじゃありませんか。日本の原発は働
いている方々がしっかり守っているんです。

 《電力会社員》 今回は「エアバッグが作動したから人は死ななかっ
た交通事故」みたいなもの。運転方法や車自体の安全性について検
討しないと、再度起きる恐れがあります。「ECCSが作動したか
ら大丈夫」という原子力安全委員長の発言は、国民の感情からずれ
ていると思いました。

 《会社員》 「ECCSが働いたから大丈夫」という意見には、賛
成できません。ECCSの作動自体、あってはならないことです。
心配なのは、高温の炉心や圧力容器に20−30度の冷水を送り込
んだ熱衝撃です。圧力容器がもろくなったり、燃料が損傷したりし
ていると思われます。

 《財団事務員》 「細管の損傷を防ぐもろもろの対策が講じられて
いるため、数本はおろか1本の破断も起こることはない」という四
国電力伊方原発裁判での国側の発言は、厳しく追及されるべきでしょ
う。

 《教員》 地元自治体への通報が遅れるなど、不信が募ります。「原
発は未完成の技術であり、絶対安全とは言い切れないが、大事故が
起きないように現在の技術で可能な限り安全に運転している」と、
なぜ、言えないのでしょうか。

 《電力会社員》 関西電力は50万キロワットを失ったわけです。
最近の電力需要は夏と冬にピークが出るので、供給力確保のため調
査を急ぎすぎて、本当の原因を見逃してしまわないとも限りません。

 《財団事務員》 美浜2号機と同型の原発はすべて止めて、徹底的
に安全性をチェックすべきです。電力供給の不足には停電で対応す
ることです。

 《会社員》 事故の危険性を考えれば、加圧水型炉の一斉停止が望
ましいが、総発電量に占める割合が大きいので、順繰りに停止して
安全点検しながら「だましだまし使う」ことになると思います。



◎ついでに、3年前、伊方原発の出力調整試験のころ、このサイエ
ンスネット・原発ボードでの討論が紹介されていたので、これも参
考に収録しておきます。・・・・・・・・・・・・・・・・dando

◆原発の安全性や電力需給で活発な意見◆
       〜88.02.17  夕刊 7頁 みんなの科学 (全642字)

  テーマ討論会に新設した「原子力発電」のコーナーで、活発な議
論が始まった。四国電力伊方原発での出力調整試験が社会的な関心
を集めたこともあって、安全性や電力需給のあり方などをめぐり、
電力、原子力関係者からも意見が寄せられている。
 まず、「電気を節約しよう。そして、地方が自力で産業を興そう
という動きを支持し、原発を歓迎する原因を断とう」と大学院生が
反対論の口火をきった。原発建設に賛成のサラリーマンからも、な
ぜ原発ばかりに力が注がれているのか「その進め方が疑問視されて
仕方がない」との声が寄せられた。
 出力調整試験では、出力の上げ下げの繰り返しで燃料などの疲労
が議論になったが、伊方原発の燃料製造に携わったというある人は
「伊方の燃料は、縦横14本ずつ燃料棒を束ねた旧式の燃料集合体
を使っているので、負荷追従運転で燃料に大きな負担がかかると思
われる」と指摘している。
 電力需給の高低差をならす揚水発電所は「長時間の発電量をため
るのは無理で、建設できる場所が少ない。超伝導が実用化すれば、
電力貯蔵も有力な手段になるが」との原発の関係者からの発言もあっ
た。電力会社員から、廃炉や放射性廃棄物の難問もあるので「国民
投票で原発の賛否を問うてはどうか」の提言もあった。
 また「原発をめぐる論議には不透明さがつきまとい、推進派、反
対派が自分たちの正しさをいい張るだけで、相互の意見交流がなさ
すぎる。賛否どちらにせよ、判断の基礎となるデータの継続的提供
が不可欠」との意見は、多くの人の共感を呼びそうだ。


#0075 dando    9102271612


とりあえず、原発と電気の使い方、停電の可否とかで・・・・dando

 この公開版テクノロジー社会塾の裏側には、もともとのCUG版の
テクノ塾があって「エネルギーと地球」会議をもっています。美浜事故
を契機にしたこの会議とテーマが重複して来ていますが、当面はこちらは
原発問題と、電力消費の増大、使い方、原発運転停止なら停電は−−との
あたりの問題意識で進めていただきたいと思います。いましばらくこの
あたりを討議してから、CUG会議との統合などを考えたいのです。
出来れば、停電問題で、もう一度、紙面に転載できればと考えています。

 そこで、お願いですが、皆さんの身近なところの話題をベースにして
停電の可否、原発運転停止の可否などを考えていただきたいのです。
こういう仕事の上では停電は絶対だめというのでも良いし、3割カットなら
自分の家庭はこういう節電の用意があるというのでも結構です。

 ここの参加者を対象にアンケート調査して何割の人が原発停止に賛成
している、と紙面に書いてもあまり意味はありません。それは、国民全体の構成と
掛け離れているからです。しかし、会社員の、あるいは商店主の何とかさんが
「こういう理由で自分はこう」と発言されることは、紙面のうえで十分に
伝えるにたる「真実」だとわたしは了解しています。この際、あまり客観的に
ならずに、意見を吐露して下さい。


#0076 sci5751  9102281227


====================================
        珠 洲 市 の み な さ ん へ

 美浜原子力発電所2号機の蒸気発生器細管破断事故につきましては、みなさまに
大変ご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。現在、関係者が原因究明に努め
ておりますが、とりあえず事故の概要などについてお知らせいたします。


 今回の事故は、蒸気発生器の細管の1本が破断したため起きたものであり、原子
炉が自動停止するとともに、非常用炉心冷却装置(ECCS)が作動しました。
 福井県の調査では環境への放射能の影響はなかったと発表されましたが、ECC
Sが作動するに至る事故が起こったのは日本で初めてであり、今回の事故を厳粛に
受け止めております。

           (事故の経過説明・略)

 今回の事故は美浜原子力発電所2号機に二つある蒸気発生器(A、B)のうち、
A蒸気発生器の 3,260本ある細管の一本が破断したものです。
 しかし、このようなことは、設置許可時の国の安全で想定して解析されてお
り、原子炉自動停止、ECCS作動というように解析どおり推移しました。
 破断の原因については、現在調査中であり、判明次第お知らせいたします。

           (事故箇所説明図・ECCS説明・略)

   珠洲電源開発協議会    ●北陸電力/TEL(0768)82ー4005
    珠洲市野々江町メ之部  ●中部電力/TEL(0768)82ー6214
                ●関西電力/TEL(0768)82ー6330
======================================

 これは関電が立地計画を推進している珠洲市に配布された新聞折込です。都会の
人達にはばかばかしいでしょうが、地元ではこのちらしが説得力を持ちます。なぜ
なら、原発立地地域には朝日新聞も毎日も配達されません(石川県の毎日は原発の
記事が多いのです)。読まれているのは、北電の広報紙と言われ、特定の国会議員
と繋がった圧倒的に部数の多い北国新聞、美浜の事故の二日後には原発擁護の社説
を掲載する読売新聞、かろうじて頼りになるのが部数の少ない北陸中日新聞だから
です。
 能登では現在、来年の試運転に向けて志賀原発(北電)が建設され、珠洲市では
100万Kw級十基建設を目標に関電と中電が走り回っています。特に珠洲で計画
中の電源開発は全て関西・中京向けの電力事業です。エアコンの効いた部屋で甲子
園を視るために原発が必要だと考えらるかもしれません。しかし、そのために原発
を抱え込まされる地方の人間が居るのです。都会の人達の原発論議には自分の家の
隣に原発が建つという危機感がないように感じられます。湾岸戦争が遠い外国の出
来事であるかのように錯覚するように、原発も遠い田舎の出来事のように錯覚して
はいないでしょうか。都会の生活を維持するために苦しめられている地方の人間が
いるのです。その痛みを感じて下さい。
 それでもどうしても原発が必要だと思われる方は、自分の町で原発誘致運動をし
て下さい。東京にだって、大阪にだって原発は建てられます。
                                ちゃべこ.


#0077 dando    9102281348


ちゃべこさん、始めまして。そうなんですか、珠洲には朝日新聞の
販売網はなかったのですか。北陸では、Y紙は「地元紙」ですから
多くて当り前ですが、朝日が配られていないというのは、知りません
でした。ご指摘のように、各紙の間で事故についてスタンスに差が
あるようです。

そういう意味では頼りにならないかも知れませんが、金沢支局には
わたしのよく知っている河村という記者がおりますので、情報や投書
などそちらに寄せて下されば、扱い方を工夫してくれると思います。
金沢から立地候補地まで3時間かかるとか。一度、出かけてみたいと
思いつつ、実現していません。・・・・・・・・・・・dando


#0078 sci2993  9102281540


東京都在住のMATです。

ちゃべこさんのご指摘はいくつか耳が痛い点があります。この論議は「東
京に原発を」ということになりますね。

受益者によるリスクの負担を言うなら、正論です。また、原発を「必要悪」
としている人なら反対派に回るであろう事必定です。(私はたぶんヨード
剤を買いに走るでしょう。それ以外は対地震の装備と同じ様な所が個人の
限界です)

ただ、ここで少し反問。現在珠洲市には原発はないんですか?もし、そう
でしたら電力の需給逼迫という点で珠洲と東京は同じ立場にたちませんか?
原発を立てないで生じる電力不足にはいかに対処されますでしょう?(も
う、すでにいくつかたっていると言う事でしたら申し訳ないです)

東京に実際は原発は立ちません。まず地代が高いのが最大要因ですが、も
う一点、「放射能漏洩事故の影響が大きすぎる」ことがあります。
(チェルノブイリ級ですと、必ずしも遠いから安全でないことは確認され
ましたけど。やはり一番リスクを負っているのは地元です)

ここいらへん、たしかに電力会社はごまかしていますね。
ただ、どーしても私はごまかしをせめきれません。今までの実績からいっ
て、技術者は「原発はだいたい安全だ」と思っているはずです。が、この
「だいたい」が曲者とは言えますが。

MAT


#0079 sci2993  9102281541


いざ、電力が来なくなった場合。
私の仕事は成り立たなくなります。発電機はありますが、ここにまで回っ
てきませんのでどうにもなりません。(菌の培養では恒温機がとまるのは
致命的)

私生活では...たしかに不便ですが、どうにかなるようなきもします。

会社だったらそれこそ、LNGでコージェネやったほうがいいかなあ..
原発分くらい。
ただ、どーしても遺伝子操作技術の危険性を言われていた事と原子力技術
がだぶってしまう。「危険だから反対」にまわりきれない由縁です。

MAT


#0080 sci2449  9103010043

一人暮らしを始めた数年前、家で使う電気は電灯と、夏は扇風機、
冬はファンヒーターだけ、という生活を続けたことがあります。電
気代はほとんど基本料金だけでした。
 電気を使わなくても済む生活を、なんてことで始めたのです。冷
蔵庫を導入すると、生ゴミが出て面倒だし。最初はどれだけ続くか
な、と思いましたが1年以上もちました。非常に殺風景な部屋とな
りましたが寝に帰るだけでしたから、続けられたのでしょう。
 実際は外食とローソンに頼り、コインランドリーに頼り、という
わけで実は電気をいっぱい使っていたかもしれません。その後、生
活に潤いを、とステレオを導入、さらに引越し後の住まいの近くに
は食堂もコインランドリーもないので洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ
と次々に導入、自堕落な生活を送っております。   よいこ


#0081 dando    9103021712

1日午後、関西電力が今度の事故の経過を示すデータを大量に公表しました。
NHKさんが早朝のニュースで、あまりコメントを付けずに、いろいろな
数値のグラフなどを流したのがきっかけのよう。流出経路は把握しましたが、
今日、こんな展開になると予定していなかったわたしは、夕方、会社に
上がってから知ることになり、午前まで分析に頭をひねることとなりました。

まず、炉心の圧力が破断で急速に下がり、沸騰を抑えることが難しくなり
危うく「沸騰」寸前になって、核燃が破損する危機にあったことが
分かりました。この記事は一部の地域、つまり、締切が遅いところにしか
いっていませんが、まだまだ、問題が現れそうなデータの山です。
しばらくは、これに時間を取られそうです。

データの扱い方が難しい、つまり、グラフをそのまま信用できないことが
判明してきましたから、謎解き、推理とも一筋縄ではいかない代物です。
しかし、わたしが原発に持っている関心のかなり大きな部分は、人間が
巨大なシステムと向き合って、どれほどつき合えるのか−−という点
にあるので、このデータの山は非常に興味賀あるものなのです。

来週は分析結果を見ていただけるかもしれません。・・・・・dando


#0082 sci5751  9103032359

私の個人的な考え方ですが、
原発が全部止ってしまって、原発の電気が供給されなくなったとして、
私の現在の生活になんらかの不便が生じたとしても、
それでも私は原発擁護にはなりません。
なぜなら、原発が一旦大事故を起こせば取り返しのつかないことに
なってしまうのですから・・・・・・・・。
私は生命を賭けてまで贅沢に電気を使いたいとは思いません。
原発が無くなるのなら、多少の不自由は我慢をします。

                         ちゃべこ.


#0083 sci2993  9103061824

遅くなりましたが..ちゃべこさんレスポンスありがとうございます。

ところで、あまり「停電になるとこれが困るーー」と言う書き込みが
無いのですが、みなさんあまり困らないのかしら?
仕事が滞ってしまうのは私くらいなのかなあ(^^;)

Mat


#0084 sci5836  9103070141

 いやいや、MATさん
 私も仕事では停電があると飯のくいあげになります。
 私の仕事の7割までが分析装置(化学的なですよ)をつかいます。
 これらの装置はエネルギー食い虫で終夜運転を必要とするやつばっかり…
 原子力でもなんでも、電気を供給してくれないとおらっちは…

 もっとも、原発事故でこの身が汚染されるのもいやですが・・・
 勝手な言い分でしょうか?
 on-lineで支離滅裂になってしまったような・・・乞う、ご容赦!
                    by 初恋フィズ


#0085 dando    9103071834

ところで、誤り人さんがすでに指摘されていますが、自動販売機
の氾濫をどう考えられますか?

あれ一台で20アンペアくらい、つまり小さな一家庭分くらいの
電気を食っているのです。あんなものが、そこらじゅうにあるのが
日本の豊かさなのですが・・・。

店先に小さなスペースがあると、どこかの業者が置かせてくれ、と
言って来るので、どんどん増えるようです。

実は、あんまり美味しいものが入っていないのにも、うんざりして
います。たまに飲みたくなるシュヴェップスなんか、どこを探しても
無いのです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・dando


#0086 sci6261  9103072103

 ちょっとレスが遅れて、証文の出し遅れみたいになりましたが、
200v化について、私が言いたかったのは、理屈では末端での
ロスがすくなくなっても、必要以上に消費電力の大きな家電が
氾濫して、返って、無だな消費電力が増える、ということです。
 例えが適切ではないかも知れませんが、末端の水道管の口径
を2倍にしても水の消費量はそのままか、といえば、決してそ
うではなく、無駄になる水量も増えるのと同様です。

 ところで、氾濫する自動販売機に関しては、なんらかの課税
で、設置数の増大を抑止すべきと考えます。
ぽんぽこりん
 ..


#0087 sci2993  9103080003

仕事が滞るのは私だけでなくて安心しました(とか)(^^) >初恋フィズさん

たしかに自動販売機は異様に多いと私も思いますが..地方で長時間のドライブ
をしていると、コーヒーとか欲しくなるしなあ。
これだけ、氾濫しているのは..たぶん利益率が高いからでしょう。
現在日本で一番お金がかかるのが人手ですから。(人件費)

法的規制などよりも「省エネ型」の販売機の開発のほうが、実効があがると
思います。まあ、電気代をあげてしまえば、この問題もいくらか解決する
ような気もしますが

MAT


#0088 dando    9103092036

紆余曲折を経て、来週のAERAに「分析結果」を載せることに
なりました。もちろん、いま、どんな記事が出るのか言うと
困ることになりますので、皆さんには、発売時に合わせて、もっと
詳しい内容を提供することにします。こうご期待です。・・・dando


#0089 sci1004  9103092126

え 科学面に出ていた グラフの解説が,その分析かと思ってました.
期待してます.

てむぽ


#0090 sci4143  9103100103

“制限しよう”とか“禁止しよう”なんて、気軽に出て来ることに私は驚いています。

自動販売機は、毎日利用する生活必需品ではありませんが、なくなったら不便を感じる
ことでしょう。生活権の侵害だ!なんて大げさに構えるのも滑稽ですが、そもそも電力
の需給が逼迫していること、電力供給をなかなか増やせないことが問題なのであって、
電気の需要側の“制限”とか“節約”は、問題の根源に手を附けない姑息的な解決方法
であると思います。

・・・とは云ったものの、電気の供給を増やす方法って思い付かないですね。(^ ^;)
地元の方々の感情を考えると、どんどん原発を建てる訳にも行かないし、他の発電方法
も立地が限られ過ぎるし・・・難しい。

電気は貯めて置くことが出来ないので、電力需要のピークに合わせて発電の設備を用意
して置かなければならない。で、発想の転換を図って、電気のエネルギーを貯めて置く
方法を考えれば、昼夜の電力需要が平坦化して、発電設備の効率的運用が可能となり、
電力の需給逼迫問題の解決策になると思います。

例えば、電気の多くは冷暖房に使われているのですから、深夜電力を利用した蓄熱式の
温水器やクーラーを一般家庭に普及させる。また、何もエネルギー源は電気に限らない
のですから、都市ガスを使った冷房など、電力以外のエネルギーの利用を進めること、
などです。
                         from たこべえ


#0091 sci1044  9103100920

 200V化に関しては、pcsで同様の書き込みがありました。「暮らしの手帳」
でも特集されたようにも聞きます。
 200化は、技術的に送電ロスが少なくなるメリットが有ります。ぽんぽこりんさん
が云うように200V化で直ちに電力浪費社会が出来上がるとは思えませんが、電気器
具会社が安易に200V用のヒーターを使った暖房機を作ると効率が悪いので、電力を
多く消費するようになるでしょう。私は電力の浪費は賢い消費者で有れば、防ぐ事が
出来ると思うので、それほど問題視していません。それより共存によるデメリット、
200Vの配線ミスによる100V機器の損傷や著しい場合は火災が心配になります。

                                「誤り人」


#0092 sci1190  9103112254

3月11日に発表された美浜の事故原因は、あまりにできすぎで
なにかウサンクサイものを感じるのは私だけでしょうか?

・細管の破断原因 >> 振動防止金具の設置ミス

・加圧器逃し弁の不動作 >> 定検時の作業員のミス

つまり、あまりに美浜第2に固有の原因であった、というわけです。

根拠はないけど、どうにもアヤシくて信じられない。

    電力&通産の発表には疑心暗鬼の    .


#0093 dando    9103120038

あまりにも、詰め詰めの、たっぷり発表で、聞いてる方も困るんですよ。
午後から今夜は、振り回されました。AERAの方は明日発売なので、
あまり手を入れる時間がなかったけれど、オリジナル原稿を元に
次の関連発言に入れます。ECCSが本当に働いたか−−という話。・・・dando


#0094 dando    9103120039

*********************************************
* 美浜事故で、ECCSは働いたか            *
*     〜〜沸騰寸前は緊急冷却の運転失敗から  *
*********************************************
                           1990.3.13 by dando

 原発の命綱、緊急炉心冷却装置(ECCS)が国内で初めて作動
した関西電力美浜原発2号機の事故で、うまく事態を収拾したと発
表されたECCSが、実は能力を発揮し切れずに終わった疑いが濃
厚になっている。

 関西電力が公表した運転データから、事故発生直後に炉心の冷却
水が沸騰寸前の危機的な状態になっていたことが分かった。

 運転員は手順書を守ったのに、ひとつの弁の故障が思わぬ効果を
呼ぶことまで考えた手順でなかったため事故直後では炉心冷却に苦
しみ、次いで手順書通りにECCSより高圧なポンプを動かし緊急
注水を妨害してしまい、大切な冷却水の補充が遅れたらしい。「手
違い発生を見通した運転手順の検討がなく、同型原発の緊急冷却機
能に不安がある」と、久米三四郎・元阪大講師は指摘する。

 事故発生初期の異常発生と運転の流れはこうなる。

 午後一時四十五分、蒸気発生器周辺の放射線量を監視するモニタ
ーの注意警報が鳴った。ほぼ同時に一次冷却水の圧力が低下。蒸気
発生器の細管が破断して、一次冷却水が二次側に流出したのだ。

 五分後、原子炉が停止、加圧器の水位が急降下した。炉心の水は
百気圧前後と高かったので、ECCSの中でも高圧注入が出来る系
統が起動した。原子炉には四つの口から入り、時間当たり約百立方
メートルの注水速度に達して炉心から抜け出る水を補い始めた。

 間もなく運転員は手順書に従って、破損した蒸気発生器から放射
性物質で汚染された蒸気がタービン発電機の方面に流れるのを防ぐ
ために、その間にある主蒸気隔離弁を、中央制御室から遠隔操作で
閉めようとした。ここで予期せぬトラブルが発生した。弁の表示灯
はまだ閉め切れていないと示した。

 運転員が現場へ走って、主蒸気隔離弁を手で閉めた。この間、七
分。手順書では、隔離弁を閉めた後、二つある蒸気発生器のうち、
破損していない系統の主蒸気逃し弁を開いて、熱を逃すことになっ
ていた。弁のトラブルで、この操作が遅れることになった。

 つまり、炉心の冷却には何の手も打てない状況に追い込まれた。
外部への出口を絞られて冷却水圧力が高まり、ECCSが押し負け
て破断個所からの流出量を補い切れなかったと見られる。

 この段階で炉心を冷やすのは対流によるわずかな流れしかない。
冷たい緊急冷却水が足らず、三回にわたって沸騰温度に迫った。

 「隔離弁が早く閉まれば、健全な方の蒸気発生器を使って熱を放
出して、冷却水圧力を下げられたはず。結果的には、弁が閉まり切っ
ていなくても放熱作業を始めるべきだったが、事故の最中に手順を
変更することまで運転員に求めるのは酷だろう」と、小出裕章・京
大原子炉実験所助手はいう。

 美浜2号機の安全審査で今回と同種事故が検討されている。

 この解析では隔離弁を閉じるのは原子炉停止から十分後としてお
り、ECCSがきちんと冷やしてからなので、一時的に圧力が高まっ
ても支障なく収拾されている。一九八二年に米国ギネー原発で細管
大破損事故が起き、同じ段階で隔離弁が閉められたが、注水ポンプ
の性能差からか、圧力上昇に対し今回ほど押し負けていない。

 関西電力の運転手順は、こうした手違いが起きることを想定して
いないばかりか、温度が二百八十度まで下がれば、ECCS以上に
高圧な充てんポンプで給水するよう指示している。

 このポンプは炉心圧力に負けないで送り込めても、注水量は三台
合わせて時間当たり四十立方メートル余りしかなく、押し負けた状
態のECCSより少ない。冷却水圧力を高めて百五気圧近くにし、
ECCSの注水能力を極端に落とす結果にもナッタ。細管破断で炉
心から失われた水の補充は遅れ、加圧器は四十分以上も空の状態が
続いた。

 原発では事故が起きてから十分間は、運転員が考えてよい余裕時
間としている。久米さんは「十分間ルールは、運転員が機敏に行動
することまで妨げておらず、こんな経過が存在し得ることを運転手
順書は見落としている。また、ポンプの性能に余裕がないのも問題」
と、欠陥ありとの判断を下している。

 運転手順書は電気事業法で定めた保安規程に従って、各電力会社
が作る。社内規則ではあるが、原発の安全性を具体化する重要なも
の。運転経過でさまざまな異常が重なることまでは想定していない
し、そこまで考えると膨大な場合分けが必要になる。運転員が早い
判断をしてとった操作に意外な落とし穴があると分かった今回の経
過を参考にしても、手順書を完璧なものに変えることは容易でない。


#0095 dando    9103120041

ECCSがどう働いたか、というグラフは、すみませんが、
AERAを見て下さい。・・・・・・・・・・・dando


#0096 dando    9103121253

RE:#92

「これは事故の真相隠しだ」と久米三四郎さんたちは、言い切って
いらっしゃいますね。

破断のメカニズムについてみると、金属疲労だけで全部のストーリー
を説明できると考える専門家は少ないようです。それならば19年も
無事な訳がないのですから。再発防止の観点からは、引金になった
「現象」の解明が不可欠でしょう。

駆動空気弁が閉まっていた件も、信頼性工学の専門家たちが唖然とする
手合いの「事件」です。関西電力はデミング賞を何年も前に取った会社
です。品質管理のなんたるかをよく知っていると考えられていたのに、
です。間違えやすい設備であっても、安全系の二重に設けた加圧器
逃し弁の効果が駆動弁ひとつでなくなるのなら、特に重要として管理
にあたるのがQCの精神だった思います。

美浜2号に限定された「事象」という誘導が、そこここに見えかくれして
来ましたが、各マスコミともに簡単には納得しない風に見えます。・・・dando


#0097 sci2993  9103121805

ミスはずいぶん範囲が広いですから、よしんば点検時のミス
としても美浜に限れないと言う見方もできますけど。

(つまり、同じ点検のやり方なら同様な問題点は発生すると
みるべき。ミスは普遍的に存在するはずです)

ただ、細管破断現象の方は、「ミス」と結論を下すのは早すぎると
は思います。
QCで追いかけていくと、どうしても作業員の過負担へと会社が
飛びつきかねない気もします。フールプルーフとまではいかない
のかもしれませんが、設計ではミスを念頭におくべきだと思うの
ですが。

MAT


#0098 sci1044  9103130639

 アエラ読みました。

 この記事によって、ECCSが万能でない事が分かりますが、そのECCSの
性能を結果として奪ってしまった原因の方が分かりません。運転員が遠隔操作に
よって「主蒸気隔離弁」を閉鎖しようとしたが、動作不良で完全に閉まらなかった。
この動作不良の原因が人的ミスによるのか、機械的ミス(精度や構造)によるものか
が分かりません。機械的ミスだとすれば、このミスが何故点検で発見できなかったか
こっちの方が問題が大きいと思います。一般に電力設備はその安全設備には、2重
3重の設備を設けるのにこの「主蒸気隔離弁」は1つしかなかったのか、その辺も
知りたいです。

 次に、ECCSの注入圧力が「弱く」結局内部より押し戻されている状況だったと
有りますが、美浜の「ECCSの注入圧力」は他の原発のECCSのそれより高いのか
低いのか、又外国のそれよりどうなのか知りたいです。余りECCSの注入圧力が
高いと格納容器に悪影響を与える恐れがあるとすれば、そのECCSシステムは全体
として不完全なものとなります。

 先日の通産省の記者会見で、今回の破断事故原因が「振れ止め」金具が設計通り
になってなかったと公表しました。これを聞いて、余りにも単純すぎて何となく
しら〜っとした気分になりました。振れ止めによる金属疲労なら、数年で破壊する
んじゃないでしょうか、原因を単純化させすぎているんじゃないでしょうか。

                            「誤り人」


#0099 dando    9103130929

RE:#98

 弁の作動不良の原因究明も大きな問題です。しかし、わたしの
記事は、こんな立ち往生で重大な結果になりかねないという話で
す。隔離弁をこんなに早く閉める必要はないのですから、「ソフト」
の問題でもあります。

 ECCSの高圧注入系には、美浜2号と違って200気圧近い
高圧でそそぎ込むタイプもあります。美浜3号など新しいPWR
です。TMIもそうでした。こちらは、いつECCSを止めるか
の判断が難しくなります。つまり、「入れすぎ」がありうるのです。

 通産省の事故調査委のメンバーも、そんなに単純なものではなく
複合原因と考え始めているようです。・・・・・・・dando


#0100 sci1044  9103132142

 早速の回答有り難うございました。

                      「誤り人」

追伸:団藤さんの記事の前のスリーマイルへ1マイルも分かりやすかったです。


#0101 dando    9103152048

ところで、実現性はさておいて、ここで、今回の美浜原発事故
について「ここが知りたい」「ここが分からない」という
リクエストを募りたいと思います。東京、大阪ともに、まだしつこく
取材しているので、テーマによっては、科学面で応えられる
かもしれません。

そういかなくとも、読者の皆さんの関心がどの辺りにあるのかは、
事故後、1カ月を経ましたので、整理して知っておきたい
と考えています。・・・・・・・・・・・・・・・・dando


#0102 sci4143  9103170043

今日(16日)の朝日夕刊科学面に、細管破断の原因、高サイクル疲労の記事が載って
いました。要は、沸騰水のボコンボコンという振動と温度変化で壊れた、ということで
しょうか。

本題から少し外れますが、記事中に聞き馴れない専門用語が並び、若干、戸惑う嫌いが
あります。ざっと眺めただけで、金属疲労、高サイクル疲労、流体弾性疲労・・・と、
読んでいて疲れて仕舞いそうです。(^ ^;) 出来れば専門用語は使わずに平易な言葉で
説明して欲しい。『管が折れた』と云えば良いのに『破断』とはネ・・・って思う私は
ひねくれているのかなぁ?
                         from たこべえ


#0103 dando    9103180001


たこべえさん、決してヒネクレテはいませんよ。金属疲労は
日航機事故で多少なじみが出来ている感じはしますが、
高サイクル疲労とか流体弾性疲労とか・・・はわたしも賛成できません。

摩擦を承知でいえば、連日のように科学面で続いている美浜原発もの
は、わたしにとってあまり面白い切口でありません。

申し訳ないけど、わたしは科学面には書いていないということになります。
部分的にデータを提供したことはあるので、正確ではないかも・・・。

率直なところ、あまり、長くこの事故につき合う気をなくしている
ので、そう、あと二つは、根本的な問題点を洗ってから、
今年の年間テーマに仕事の重点を移したいと考えています。
皆さんからのリクエストで、どうしても手を付けておかねばと
考えざるを得ないテーマがあれば、それに追加したいと
思っています。

CUGテクノ塾も含めて、4月半ばまでは、そういう訳で
開店休業ということになりかねませんが、ご理解のほど・・・・dando


#0104 sci2449  9103180129

 私も、あまり細々とした技術論は興味がないのですね。(それは
それで重要なんでしょうが)もっと、原発と社会のかかわりあい、
みたいな話を読みたいと思っています。例えば今回の事故による政
府とか電力会社、地元自治体の動きよう、とか、地元住民の感じ方
、とか。少し前の家庭面で地元住民の受け止め方をやっていたけど
、これなんか面白かった。
 原発に限らず、科学面全体に、科学の話だけにとどまっているよ
うな気がします。もっと科学と社会の接点のような話を読みたいな
あ。たぶん今の科学面の読者、というのは科学好きだけじゃないか
しら。
  よいこ


#0105 sci1044  9103180634


 金属疲労に付いて伺います。

 原因が「金属疲労」と云うと何か納得してしまうのですが、物理の中でヤング(?)
の弾性限界とか?とかがあって、或範囲内で有れば金属を曲げても元に戻りますよね。
車のバネは毎日走る度に車体重量を支え、且つ路面の凹凸に応じ常時縮んだり伸びたり
しています。それでも車検の時に「金属疲労でショックアブソーバーが壊れている」か
ら部品を交換しておきましたと云われた事が有りません。このような場合は、金属疲労
が起きていないのでしょうか?

                                 「誤り人」

追伸:金属疲労の説明の時、針金を何回も曲げると切れてしまうと云っていますが、

   あれは限界以上に曲げるから切れるのではないでしょうか?


#0106 dando    9103191402


金属疲労の試験は、一定の応力(金属内部にかかる力)で回数を
繰り返します。これをすると、ある力以下ならば、どんなに繰り返し
ても壊れたりしないことが分かります。逆にその力を超えると、急速に
弱くなり、繰り返し回数が少なくても壊れます。

これは、材料全体として健全な場合です。ところが、ある大きさ以上の
傷が存在していると、傷のところで力の集中が起き、かけた力が大きかった
のと同じになって繰り返しで破壊に至ります。ただし、傷が小さいと進展しま
せん。

今回、振動止め金具がついていなかったということで、振動は大きく
なっただろうと推定できます。しかし、それでかかった力が金属疲労を
単純に起こすほど大きかったとは、思えません。力の集中を生んだ別の
要因を突き止めない限り、再発防止にはならない、と材料の専門家は
考えています。

この程度のことは、あの当日の紙面で説明できるのですが、また、専門家
の談話として出稿してあるのですが、新聞製作の工程では拾ってもら
えないという次第です。・・・・・・・・・・・・dando


#0107 sci2993  9103191821


そういえば、蒸気発生器を安全を見込んだ時期に取り替えてしまえ!
と言うような考えがあったと思います。事の当否はどうなんでしょうか?
ある程度の安全係数をかければ、全とっかえはこのような事故の防止に
有効なのか?それともやはり問題なのでしょうか?

MAT


#0108 dando    9103192000


蒸気発生器を取り替えるとなると、格納容器に穴を開けて
取り出さねばならなくなります。早めに取り替えること自体は
いいと思いますが、防護の最後の一枚である格納容器に、当初は
考えていなかった穴明け工事をすることは気になります。
事故時には、格納容器は外部に通じる全経路を封鎖して放射能
放出をしないよう備えるものです。・・・・・・dando


#0109 sci2993  9103211437


なるほど、格納容器の安全性に問題が生じかねない訳ですね。
やはり原子炉の設計が甘かったという事になるのかしら。
(どうも、ポンプの能力とかの記事を読むとそう思えます。)

AERAも買って読みました(^^)

MAT


#0110 sci1044  9103220644


 大変な事になってきた。昨日の新聞によれば、高浜2号炉も停止して
調査に入るんですね。こうなると今年の夏の供給力が極端に落ちて、下手
すると停電?!って事になりかねません。昨年の事を思うとぞっとします。

                     「誤り人」

追伸:このまま行くと原発通りの加圧水炉が全部停止して調査になるんでは・・・


#0111 dando    9103231745


本当に、この夏は、部分停電を覚悟すべきかもしれません。
関西電力は大飯原発の定検を早めて、7月下旬には運転している
ようにしましたが、今後の成行きは読めません。・・・dando


#0112 sci1509  9103232207


部分停電、電力会社にとっては原発の電力供給ウェイトの大きさをアピール
するチャンスですね.でも、利用者としては脱電力浪費社会の第1歩とした
いものです.

TAKA


#0113 sci5139  9103242131


  AERAの3月19日号読みました。質問がいくつかあります。

Q1.もし、A主蒸気隔離弁を閉じる前にB主蒸気逃がし弁を開いたら、汚染さ
れた蒸気が逆流してB主蒸気逃がし弁から外部に放出されるおそれはあったのか。

Q2.蒸気発生器はAとBのふたつあるそうだが、タービンはひとつか。A系と
B系の2次冷却水は、タービンおよび復水器で混ざり合うのか。

Q3.1次冷却水はA系とB系で別の水か。それとも圧力容器内では同じ水か。

Q4.充填ポンプを使用するとその圧力に負けてECCSの注水能力が低下する
そうだが、充填ポンプは炉心から失われた水を補充するものではないのか。もし
そうなら、ECCSと充填ポンプの両方を動かした場合に、ECCSの能力が低
下するとしても、ECCSのみを動かした場合よりはトータルとして水の補充能
力が小さいことはないと思えるが。

                                                αマトン


#0114 dando    9103251645


RE:#113

 複雑な話になるので書いてはいませんが、A、B両系の二次側は
完全に分離して運転されています。一次側はまったく同じ水です。

 タービンは両方の兼用になりますが、今回の事故では、健全なB
には大きなタンクに蓄えた水を供給し、それを蒸気として放出して
いますから、破損してA系とは完全に分離しています。

 という訳で2と3は済みますから、1ですが、交ざり合う可能性は
ありません。

 4ですが、このECCSの高圧注水系は105気圧になると
まったく注水出来なくなるタイプです。充填ポンプは170気圧くらいまで
あり、今回でも一次系水を105気圧ぎりぎりにまで押し上げている
ので、ECCS注水が極端に落ちてしまい、充填ポンプと足しても
時間当たりで5、60トンしかなかったと見られます。

 主蒸気隔離弁を閉め損ねた段階での注水低下といい、運転している側
には、まさかという感じだったと思えます。・・・・・dando


#0115 sci1044  9103260616


 蒸気発生器の交換ですが、
 格納容器に穴を開ける事が必要みたいですが、過去に実績は有りませんか?
有ったとすれば、その時の安全診断はどうだったのでしょうか?

                            「誤り人」


#0116 dando    9103262140


海外では、すでに数カ所の原発で蒸気発生器を交換しています。
その限りでは、「安全」と判断されたのでしょうが、詳しい
解析を、わたしはみていません。今度、上京する機会に原産会議
の図書室で勉強してみましょう。・・・・・・・・dando


#0117 dando    9104022013


今日発売のAERAに、美浜事故での「沸騰」問題の続きが
書かれています。わたしもデータの一部は提供しましたが、
筆者は元科学部員の辻さんです。関心がある方は是非ご一読を。
 
この沸騰問題は炉心燃料の損傷というよりも、冷却水で満たす
のが原則である炉心に、運転員が気づかないで蒸気の泡が
出来ていた−−というものです。原発の運転は加圧器の水位
と圧力、それに炉心出口の温度を見て行われます。泡があると
運転員は炉心の状態を誤解して運転してしまうのです。まさに
スリーマイル島事故の運転錯誤の再現です。辻さんは「3マイル
まで0.2マイル」という見出しを付けましたが・・・dando


#0118 sci1044  9104040447


 アエラ読みました。

 運転員は加圧器の水位で炉の水位を間接的に判断するから、ああなって
しまうんですか。スリーマイル島の教訓が生かされていないって感じます。
普段はフェイルセーフだのフールプルーフなんて安全には人一倍気を使っている
電力会社も事原子力発電には生かされていないですね。なぜなんだろう?
 原子炉上部の温度観測が10分間されていなかったと云われていますが、
計測されていなかったのか?それとも意識的に「消された」のでしょうか?

                      「誤り人」


#0119 sci1004  9104040748

aeraはこれから読みます.

ところで前から不思議だったんですが,細管を作るメーカー
というのは,細管を実際に動かすシミュレーション施設とい
うか実験施設を持っているんでしょうか.

というのは,過酷な条件下での細管の状態を,メーカーは
独自に確認する術をもっているのかな?と.

社務猫


#0120 dando    9104041656


RE:#118,119

燃料上部の温度が記録されていないのは、スリーマイル事故
の「教訓」によります。スリーマイルでは、コンピューターの
データ打ち出しに優先順位がついていなかったために、垂れ流し
ょやりました。膨大なデータと警報の山が、事故直後にやって
来て、プリンターの打ち出しは、事象の進行から、1時間以上も
遅れる始末になり、運転員が途中の分を強制的に飛ばして
現在何が起きているのか、探るはめになりました。このために
データに優先順位をつけて、「緊急」でないデータは打ち出さなくても
よいように細工したのです。だから、燃料の温度という大事な
データ(!!)が記録されていないのです。まさかそんなことは起き
まいと、たかをくくっていた、と言われてもしかたないでしょう。

細管の実実験はちょっと無理です。あんな大きさで、あんな熱を
長期にかけつづけるのは、発電所をつくるのと変わりません。
この現象では、スケール効果が大きくて、ミニモデルが意味を
持つとは思えません。・・・・・・・・・・・dando


#0121 sci5719  9104071710

     先日通勤途上で「東電闘争支援共闘会議」と称する団体が美浜事故に関連
    するビラを配っていましたので、その要点をアップします。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
     ◆アメリカでも同種の事故があった
     アメリカでは1987年にノース・アンナ原発1号機で同種の事故が発生、
    NRC(米原子力規制委員会)の報告では「高い周波数の振動による金属疲
    労」と発表。また注目されるのは、設計上はなくてもいいはずのAVB(振
    れ止め金具)がないために細管が破断したことです。

     ◆原発技術は未成熟と専門家が指摘
     今回の事故について日本原子力研究所の舘野工学博士はこう指摘していま
    す。
     「今回の事故は、こうした事故原因を取り除けば対策が完了し、安全宣言
    を行うことができるといった性質のものではなく、もっと重大な意味を含ん
    でいる。」として、要旨三つの理由をあげています。
     @ECCSが作動した際、現在の原発では炉内の状況がわからない。
     AECCS注入に際しては、運転員が手動で運転しなければならない。
     B材料の研究が不十分である。
     結論として同氏は「今回の事故は軽水炉技術の未成熟の現れとしてとらえ
    るべき」といています。
    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

     私は原発の安全性の技術論を云々するほどの知識を持ち合わせていません
    が、原子力研究者の中から、このような軽水炉未成熟論がでてくるという、
    現在の原発の「非認知性」についてはただあきれるばかりです。

     私たち国民は未成熟な(いいかえれば危険な)技術を使ってまで電気を供
  給してほしいと電力会社に求めているのでしょうか。
                                                        小野岩水


#0122 sci1044  9104090534


 似たような話を知っています。

 電気設備の事故情報をロギングするためにコンピュータシステムを導入したところ、
普通の場合は運転員の要求にあったデータをタイプアウトできた。しかし、大規模
事故の場合、プリンターが1台で次々にタイプされてもそれが古い情報で使いものに
ならなかった。最終的に事故が復旧してから半日ほどプリンターが継続動作していた
ようです。その後そのシステムが改善されたかどうかに付いては知りませんが、人間
の考える事は不完全な事ばかりで、システムの前提条件を無視するような、又は合わ
ないような事故が発生すると、そのシステムは全く役に立たないんです。ですから、
今回の事故で美浜のシステムがどう改善されるかも重要だと思います。

                             「誤り人」


#0123 dando    9104161848


美浜原発事故の原因は、細管の振れ止め金具が入っていなかった
のが主原因−−といった紙面での表現が目につきますが、わたしは
誤っていると思っています。

あれは別の原因で出来た損傷を大きくした要因であっても、引金に
なった原因そのものではありません。高浜2号でも明らかになった
ように、振れ止め金具が入っていなかった管はもっと沢山あるので
すから、そちらが壊れなかった理由を説明しないと「主原因」とは
言えないはずです。しかし、通産省は批判グループの市民団体が
押し掛けると、「振れ止め金具が入っていなかったからですよ」と
言ってすませているようです。新聞社の中でも、科学的な理解を
求めるのはかなり難しい様相です。・・・・・・dando


#0124 sci6261  9106081721

 若干タトですが、ここに書き込みます。

 過日、NHKの環境問題特集を見ていて、日本の相変わ
らずの官尊民卑というか、官の企業寄りの姿勢に悲しく
情けなくなった。
 現在の法律では、一般の電気会社以外の人が自家用に
太陽光や風力発電などで得た余剰の電力を電気会社に買
ってもらうことはできないんだそうな。その理由という
のが、停電時などの作業員の安全対策にある、というの
が通産省の役人の言い分だった。
 ところが、海外の先進国では、クリーンエネルギの普
及促進のために、電気会社による当該電力の買い取りは
義務化されており個々の家庭の配電盤を屋外から作業員
がアクセス可能にして、安全を図ることが行われている。
これをどう思うかと、インタビュアーに突っ込まれた当
の役人は、海外で安全でも日本で安全とは限らない、と
いういささか滑稽な弁明に懸命になっていた。
 どうも、安全対策云々というのは逃げ口上で、クリー
ンエネルギによる自家発電の普及を促進させる前記買い
取りの義務化は、電力会社の売り上げ減少につながり、
好ましくない、というのが本音らしい。
 なるほど、太陽光や風力発電は、天候などの不安定要
素が大きく、それを担保するための電力会社側の負担も
考えなければならない、ということは判る。
 が、資源のない日本において、身近な自家発電の促進
によって、日常使う電気のコスト意識、電力節約意識を
高める効果は小さくないはずだ。
 このようなお役所のスタンスは、日本で販売されてい
る自動車の安全論議や、航空行政とまったく一緒で、ま
ず、縄張範囲の企業の利益保護を第一に、ユーザの安全
(利益/便益)はその後という姿勢がミエミエで不愉快
極まりない。
      鶏肋堂主人


#0125 sci5719  9106092207

     技術は「失敗」を重ねることによって成長・発展していくものだと思いま
    す。
     耐久消費財など一般的な製品の技術開発は、試作品をできるだけ多く作っ
    て、それらの実用・耐久試験を繰り返し、安全性を確認した上で商品化する
    のが常識です。
     ところが、原発には失敗が許されない。原寸大の実験プラントを数多くつ
    くるわけにもゆかず、また異常を想定した実用実験もできません。このよう
    な特殊な背景の中で、「失敗」と「改良」を重ねることなしに商業生産(運
    転)に見切り発車してしまっているのが、現在の原発のおかれた状況である
    といえます。
     「大人になりきれない」まま一人前の社会人としての役割を負わされてい
    るといいかえてもいいと思います。
     このことは、必ずしも電力会社や行政の努力不足に帰する問題ではなく、
    原発がもつ宿命だと言っていいでしょう。
     事故が起きたときの影響の大きさを承知の上で、今後も美浜原発のような
    「実地試験」を積み重ね、原発を「大人の技術」に育てていくのか、それと
    も電力供給力の低下を承知の上で原発に対し「欠陥技術」としての烙印を押
    すのか、国民全体が選択を求められているような気がします。
     私は、原発のもつ技術的な宿命(失敗が許されない)を考えると、仮に電
    力供給力が低下したとしても、原発の建設規制、既存設備の縮小をすべきで
    あると考えます。
     ことによると原発電力の減少が、新たなクリーンエネルギーの開発促進を
    促すことにもつながるのではないでしょうか。
                               小野 岩水


#0126 sci5938  9106250136

 美浜事故から4ヶ月以上経過し、書き込みが少なくなりましたね。
 しかし、振れ止め金具説のウソが明白になってきました。

 pc−van・daisan「国内線」からの転載です。

                       大阪より
============ 以下転載 ===========================================

 #1020/1020 国内線
★タイトル (SXB02167)  91/ 6/25   0:56  (107)
美浜2)「振れ止め金具が原因」はウソ ノー・ニュークス
★内容

 <<<関電との交渉で明白に>>>

    関電は直ちに他の原発を止めて細管の固定を調べろ!!!

 先週の水曜日(6月19日)、「若狭の原発を案じる大阪府民ネット・
ワーク」と関西電力の交渉が大阪府立労働センターで行われました。

 美浜2号炉事故緊急署名の提出と、4月1日付けの「公開質問書」に対
する回答を求めるため、4月以降ずっと「大阪府民ネット」が要求してい
たものでした。

 関電は、「国が調査中」を口実に引き延ばし続けてきました。資源エネ
ルギー庁の「中間報告」が出たのを機に、やっと交渉の場が持たれること
になったのです。

 関電側からは、広報部から黒川次長と小倉氏、原子力管理部から木村課
長と豊松氏、原子力企画部から高島氏が出席しました。「大阪府民ネット」
からは30名が参加しました。

 ◎署名6万3千439を提出。

 まず最初に「大阪府民ネット」から、署名提出と交渉が引き延ばされて
きたことに抗議しながら、署名が提出されました。

 ◎破断した細管の「固定」を認める

 6月1日の事故調査特別委員会の飛岡委員が出席した集会(大阪府民ネ
ット主催)で、飛岡委員は細管の「半固定」を認めていました。
 関電の木村課長も、振動実験により細管の「固定」を確認していたこと
を認めました。

 木村課長 「すかすかではないが、どの程度自由度がなくなっていたか
については程度はわからないが、完全にはフリーではない、圧迫というか、
固定というか、拘束というか、日本語はむずかいしいですね。国の方でも
見解は出ていないのに、これが関係している可能性は否定しませんが、そ
れ以上は言えません。」

 破断した細管を抜き取る前に行った「振動実験」で、細管の「固定」は
すでにわかっていたのでした。3月のはじめには関電は細管の「固定」を
知っていた。国の方にもデータは行っているはずで、事故調査特別委員会
も当然知っていたはずです。しかし、「中間報告」では、その事実そのも
のがバサッと切り捨てられていたのです。

 何故今まで隠していたのか?

 木村課長 「振れ止め金具が入っておれば安全です。ここの事実につい
ては評価がまとまった段階で発表していている。評価をしないと発表でき
ない。」

 公表した現在はどう評価しているのか?

 木村課長 … (だんまり)

 高島氏 (木村課長に)「本当に公表したのですか?」(と、前でコソ
コソ)

 関電は、破断した細管以外の細管で行った振動実験では「固定」は確認
されなかったことも認めました。

 ◎振れ止め金具がないため細管が大きく振れたのが破断の原因なら、何
  故擦り傷が付いていないのか?

 振れ止め金具がきちんと付いておらず細管が激しく振れたのが細管破断
の原因だ、と関電は「中間報告」のとおり説明しました。

 それなら何故、破断した細管に擦り傷が付いていないのか?もっと外側
の振動が激しいと考えられる細管には確かに擦り傷が付いているのに。こ
れは、破断した細管が、激しくは振動していなかったからではないのか?
破断した細管が激しく振動した証拠はあるのか?

 木村課長 「コンピューターの解析ではそうなっている。」
      「破断したのが証拠だ。」

 会場は騒然。擦り傷が付いていないのはどうなるのだ!事実は、破断し
た細管は激しくは振動していないということだ。

 ◎破断の起点部にストライエーションがないことを認める

 「朝日」科学欄に載った、金属疲労に特有のストライエーション(縞模
様)が破断の起点部にないというのは本当か?この部分の顕微鏡写真を公
表しろ。

 木村課長 「明瞭なストラシエーションは認められていない。写真はあ
るが、特別委員会の評価を頂いたあとでないと公表できない。」

 ◎他の原発を全て止めて細管が固定されていないか調べろ!

 今回の交渉で、「中間報告」のデタラメがはっきりと確信できました。

 振れ止め金具原因説はウソです。破断した細管は激しく振動してはいな
い。

 破断した細管は他の細管と違い「固定」されていました。

 破断のきっかけは、金属疲労以外の原因の可能性が強い。支持板による
「固定」のため腐食か脆化か何かが起こり、ひびが入り、あとは細管の振
動で金属疲労が進行しギロチン破断に至ったのではないのか?

 これを否定するのなら、今度は関電と通産省がその証拠を示すべきだ!

 他の原発は大丈夫なのか?関電は原発をすぐ止めて、細管の「固定」を
調べろ!

          6月25日 ノー・ニュークス