Tec00002 テーマ別会議「日本ナンバーワン論を考える」

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 〜日米ハイテク競争の成り行きを、皆さんの身辺、足元から検証を試みれば・・・


#0001 dando    9102061758


◎以下はCUGテクノ塾では既に紹介済みの講演だが、公開版で日本ナンバー
ワン論を検証する出発点として、格好の基調発言になると思われます。ここを
起点にして、仕切り直しにしたいと思います。

「日米ハイテク競争」について米国人教授の講演・・・・・・・・・・dando

 <湾岸戦争が始まった17日午後に、京都アメリカンセンターでカリフォル
ニア大学バークレイ国際経済研究所長、J・ザイスマン教授の講演を聞きまし
た。戦争があったために講演はアドリブで、日米ハイテク競争というテーマに
戦争とハイテクの問題から入るという変わったことになりました。ここでの話
と結び付くものが多く、少し長くなっても、概要を紹介します。昨年、著書の
「脱工業化社会の幻想:製造業が国を救う」の邦訳が出版されています。>


 湾岸の戦況は初期の報道によれば大成功を収めているようで、短期戦で終わ
れば、米国の影響力は今後一世代にわたって強化されよう。米国兵器のハイテ
クは皆の考えていたほど、捨てたものではなかったことになる。
 世界政治の形が変わって行くと思う。冷戦が終わって、世界には3.5の大
国とそれ以外の小国とが存在することになろう。三つの大国とは米国、欧州、
日本であり、0.5はソ連である。

 今度の戦争では、大国と小国が明確に区別され、大国の致命的な利害に小国
が介入するのを許さないと毅然として示した。欧米ソは長い間にイラクに対し
て大量の殺戮武器を売って来たが、攻撃は初期の数時間でその大半を破壊した。
イラクはそれを防ぐだけの情報能力を持っていなかった。この情報力こそ大国
と小国を分けるハイテク、高度技術の力だと思う。

 これからの世界は、米州、欧州、アジアの三地域が互いに独立した貿易圏を
もつようになり、競争がますます激しくなろう。問題はそれが政治ブロックに
なるかどうかで、その意味で日米間のハイテク競争を軽く見ることは出来ない。
日米ともに勝利を収めるようにさせないと、この戦争が示すとおり安全保障の
問題になり、経済問題から政治問題に変わって行く。

 まず、日本が成功した理由を分析したい。誤解している向きもあるが、日本
の成功は特定の工業分野、つまり耐久消費財や加工産業であり、貿易黒字の大
半は家電製品、自動車である。基礎的な工業分野、例えば化学などでは依然と
して欧米企業が支配的だ。「米国のハイテク産業が死滅した」というのは誇張
された報道であり、「日本が技術の未来すべてをコントロールする」というの
は危険な虚構である。

 耐久消費財と加工産業で成功した基盤は、まず、一九七〇年代末まで日本市
場が閉鎖されていて、この間に狭い市場で企業間競争が激しく行われ、企業発
展の推進力になったことが挙げられる。この点では官僚による産業政策は確か
に存在したし、うまり機能したと言え、拍手を送りたい。さらに、役人のした
こと以上に、各企業は製品・製法の面で真の革新を成し遂げた。

 これに対して、米国企業はしばしば自滅の道をたどった。実際の産業は存在
していないかのように考え、財務上の数字しか見なかった。そして、いま問題
になっているのは、米国の伝統的な耐久消費財や加工産業の分野での弱点がハ
イテクにまで影響し始めたことだ。製品技術が崩壊すると、ハイテク産業側が
使える技術のプールがなくなってしまう。しかも、日本ではハイテクが大量に
使われる新しい分野が生まれて来た。テレビや自動車には兵器と同程度のハイ
テクが応用され始めたのだ。しかしながら、競争は終わったのではなく、いま
始まったのだ。IBMやヒューレットパッカード社などが中心になって、日本
の挑戦に真剣に取り組み始めた。実業家たちは、米国政府よりもはるかに進ん
だ観点でその仕事を始め、既に一部は成功している。

 ここで日本の市場の問題を考えねばならない。大前研一氏は、世界には日米
欧の三本柱の市場があって世界の各企業はそれを目指して活動していると言っ
たが、これは間違っている。欧米企業は日本の市場にアクセスできず、日本と
欧米の企業戦略に不均衡が生まれている。半導体を例にとれば、日本企業は三
市場のいずれにも売ることを念頭に生産能力を築き上げる。ところが、米企業
は欧米市場に目を向けて展望するしかない。日本市場への進出はあまりに困難
だと考える。

 世界の三大市場の一つを切り捨てると、先端分野を切り開いているDRAM
などで大きなハンディを負ってしまう。市場参入の障壁は大きく、従来の商習
慣、系列関係、企業買収阻害、製品規格の特殊性など数多い。DRAMでは、
かつて米国が世界の85%のシェアを握っていたのに、その優位を日本に持ち
込んで維持することが出来なかった。

 では、どうすべきか。いくつか、なすべきことがあると思う。日米両国は基
礎的な技術を共同開発する道を見つけるべきだ。競争・競合ではなく、商品技
術の未来を目指して共に進むべきだが、両国の開発体制の違いから困難なこと
かもしれない。貿易についてはカルテルやトラスト、補助金などが問題が多い。
ただ、日本も少しは競争推進的になり、制限が緩和される傾向にあるのはうれ
しい。日米構造協議は将来も続けられることを望む。それも二国間から多国間
に広げて行くことを考えたい。資本主義といってもひとつではなく、いろいろ
な資本主義があるのだから共存して行くことを考えねばならない。両国が共に
勝利を収める形で解決することが、多極化した世界で衝突を防ぐことにつなが
ることは、湾岸戦争を見たら理解できよう。
                                                              (以上)


#0002 dando    9102071732


とりあえず、私たちの大学の非力さを考えてみたい・・・・dando

 研究開発の大きな部分を大学が占めるということに異論はないと
思います。公的な研究機関もそれに含まれます。しかし、米国と日本
では重さがまるで違うと思います。ザイスマン教授が日米共同開発を
唱えながら、難しいかもと言っているのはそのためです。

 2年前の今頃、マサチューセッツ工科大学(MIT)から京大に
帰っていたロボット関係の学者が、再びMITにスカウトされて流出
するというので、インタビューしたことがありました。小さいながら研究所を
作ってもらい、そのトップにおさまるそうでした。研究計画を具体的に
聞かせてもらうと、億円規模の資金を投下して、しかも、中身が
「使っているうちに、その主人の好みを学習して制御するエアコン」
という風に、極めて具体的な、商品手前の開発なのです。

 わたしたちの大学のやっていることとは随分違いますし、マンパワーの
入れ方も違います。米国の場合は、教授がスポンサーさえ見つければ、
お金の力で多数の研究者を手元に置いて投入できます。そのために
大学院生クラスの半数は米国以外の国籍、特に最近はアジア系が目立つ
のです。一方、日本は昔ながらの講座制度のもとで限られた大学院生が
研究のパワーになるに過ぎません。これはもう、一桁違うパワーでしか
ありません。

 これに対して、日本では大学ではなく企業がやってしまうんですね。
その旺盛な開発力には、確かに頭が下がります。例えば、ザイスマン
教授が話題にしているDRAMで思い出すと、8年前、大阪に来た
ばかりのころ、関西系の半導体関係メーカーの会合に出る機会がありま
した。1メガ時代がすぐ来るのに、関東系がひた走る状況にあり、関西
はこれでよいのか、という趣旨の会合でした。傍聴した限りでは、何とも
心もとない開発姿勢だな、と思っていましたが、先日、出席メーカーの
ひとつ、松下電器が64メガDRAMへの糸口を付けたと発表しています。
隔世の感ありで、8年間にどんなことがあったのだろう・・・。

 こういう問題、課題がはっきりしている開発には企業は強いのです。
しかし、「新しい問題」そのものを作り出すのは、おそらく大学などのほうが
得てのはずだと思います。その面で、日本は弱すぎると思います。

 ここで、本当にオリジナルなものがいかにして生まれたか、例を
一つお目にかけたいと思います。先月末に朝日賞を差し上げた佐川
真人さんについて元日付けで書いた記事をアップします。彼の開発は
国内で行われましたが、その行動力といい、かなり日本人離れしたものだと
思います。米国では、こうした独創性を生かしてベンチャーに挑む
ことは珍しくも何ともないのです。大学院生だって研究中に何かを
見つけたら、飛び出して行きます。わたしの記事を読んだ神戸大医学部の
西塚先生が「日本にもこんな人が出て来たんですね」と言われたのが
象徴的に国内の研究事情を表していると思います。


#0003 dando    9102071736


《《1990年度朝日賞 佐川真人さん 転職いとわぬ執念実る》》
               〜91.01.01  朝刊 11頁 新年特設面〜

  史上最強の永久磁石を発明した 佐川真人さん(47)
               (インターメタリックス社長)

 「地味な材料分野の仕事で、しかも大学や研究機関と違う民間で
の研究を認められて、うれしい。後に続く人のためにも、さらに頑
張りたい」と受賞の喜びを語る。

 希土類の一種ネオジムと鉄、ホウ素を混ぜた、世界で最も強力な
永久磁石を発明。最近こそ変わったとはいえ、終身雇用が当たり前
の国内で自分の意欲のままに転職もいとわなかっただけに、喜びも
ひとしおのようだ。現在は独立し、京都市に研究開発会社を設立し
て欧米との間を年に何度も往復する忙しさだ。

 磁石との付き合いは大手コンピューターメーカーに入社し、磁性
材料グループに配属されてからだ。大学院博士課程で専攻した金属
表面化学とは遠いが、入社5年を経て、自分でテーマを探せるよう
になって新磁石に挑んだ。当時の最強磁石は、コバルトと、資源と
しては乏しい希土類のサマリウムとの合金だった。

 1978年初め、そのサマリウム磁石の研究会に出席し、鉄には
コバルト以上に磁石になり得る性質があるのに、希土類と鉄の合金
が実際には磁石にならない理由を耳にした。この組み合わせでは原
子間距離が小さ過ぎるのだという。「それなら小さな原子を少し混
ぜて広げてやればよいのではないか」。研究会での思い付きを、休
日出勤して実験室で試す日が続いた。

 同じ希土類でもネオジムは資源としても豊かだ。ネオジムと鉄、
そこに小さなホウ素が入る組み合わせに行き着いたが、実際につくっ
てみると、非常に弱い磁石しかできなかった。鉄板を垂直に立てて
磁石を吸い付かせても、ずるずると滑り落ちた。周囲は冷ややかだっ
たが、「全く新しい材料が生まれるかもしれない」と研究を進めた。

 やがて、遅々として進まない研究に見切りを付けた上司から中止
を命じられた。衝突したあげく、82年初めに退職願を出した。管
理職になっていたため、実際の退社まで3カ月間は待たねばならな
い。退職する人間が会社の機密を耳にするのは不都合なので、出社
しても自分の実験室に閉じこもる毎日になった。

 その間、許可を得て、それまでの片手間の研究から新磁石1本に
打ち込んだ結果、数段強い磁石を手にした。「1人きりの実験室で、
素材を乳鉢ですりつぶし、るつぼで溶かして得た1センチ角のサン
プルの手ごたえが忘れられない」と振り返る。20ほどの合金組成
案を持って住友特殊金属(本社・大阪市)に移り、技術開発部員
の協力もあって1カ月余りでサマリウム磁石をしのぐ最強磁石に到
達した。1立方センチで10キロ近くの鉄を釣り上げられる。

 しかし、ネオジム磁石は温度が上がると磁力を失う欠点があった。
モーターなど工業用には使えないとあきらめる声が社内で上がった
が、2カ月かけて別の希土類をわずかに混ぜる方法を見付けて実用
化を果たした。

 「これ以上の磁石が今後生まれる可能性は極めて薄い」と自信を
見せる。

 サマリウム磁石より5割以上強力なため、軽量化、高速化が求め
られるOA機器の駆動装置や自動車用モーター、ヘッドホンステレ
オなどに使われている。中でも人体を“輪切り”に撮影して見せる
磁気共鳴断層撮影装置(MRI)への応用は画期的。極低温の液体
ヘリウムで冷却する超伝導電磁石の領分だったが、永久磁石型の登
場で小規模な病院や移動検診車にも設置できるようになった。


#0004 sci4143  9102081838


日経ビジネス誌に『大学の跳落』と題した特集が載っていました。その本が手元にない
ので具体的な数字は分かりませんが、国立大学全部を合わせた研究予算が、日立製作所
一社の研究予算額に及ばないのだとか・・・ 研究面で大学が非力になっている実態は
驚くべきものがありそうです。

しかし、研究開発の大きな部分を大学が占める(べきである)という団藤さんのお考え
に、私は異議があります。大学は“学生を教育する場”であり、“研究活動”に重きを
置く必要はないと考えています。(大学の予算を削って良い、と言っている訳ではない
ので、誤解無き様に)(^ ^;)

今日、社会が大学に第一に求めて居るのは、人材の育成です。大学が人と経費の大部分
を研究活動に充てるのは、社会の要請を無視することになり、まずいのではないかなと
思います。

私自身、大学の研究室に籍を置く身であるので、こんなことを言うのは天に唾する様な
ものです(^ ^;)が、後日、出来るだけ具体的に書いてみたいと思っております。

                         from たこべえ


#0005 sci1082  9102090930


たこべえ さん、それは違います。社会が大学に求めているのは、
入学試験による学生の選別と、4年間のモラトリアムによる試験勉
強で疲れた心身のリフレッシュです。ですから、人材の育成より研
究を優先させても構わないのです。

 という、皮肉な見方もあるかもしれませんが、研究開発即人材育
成という効果もありますから、どちらか一方というやりかたでは、
大学を名乗る意味がなくなるでしょう。現実には、大きな大学は別
として、私のいるような地方大学では、教育だけでも研究だけでも
予算も教官も足りません。

                Notus こと 菊地 時夫


#0006 dando    9102091641


re:#5,6

 現実に国内の大学を見ると、とても中心的な地位を占めているとは
言えません。一方、米国の大学も中心的ではないかもしれませんが、
主要な部隊には数えられると思います。少なくとも、研究開発に
基礎科学を含めれば、大学と研究機関の地位は高いようです。

 米国側でそれが可能なのは、人も資金も一桁上のものが与えられる
からでしょう。その現実が例えば神経生理学のような基礎的なところで
も米国側が日本の10倍の研究者を持つというようなことになります。
いつだったか、九大から富山医科薬科大に移った大村裕教授−この
人は食欲の中枢の研究で高名です−が「それだけの差があっても対抗できる
仕事をしているんですよ」と言われていましたが、それはセンスの良さ
で、悪く言えば、小利口に立ち回っているから出来ることです。無意味かもしれない
ところまで徹底的につぶして行く米国の方が何かとんでもないものをつかむ
可能性を秘めています。現に、N賞ものの発見なんてのはそんな風にして
出るものではないかと思います。

 人材の育成が仕事というのは分かります。現実に日本の企業は大学に
その点で感謝していると思います。だけど、わたしのように膨大な研究
発表の要旨集を見ている者には、人材育成過程にしてももっと良い仕事が
多くあってもよいと思えるのです。その点で日本の大学には不満です。
結果として、企業が研究開発を背負っている部分が大きくなっても、
多くはそれほどオリジナルなものを生み出さないのですね。


#0007 sci4143  9102171037


#4で「後日、書いてみたいと思います・・・」なんて云っていながら、レスが遅れて
申し訳ありませんでした。(^ ^;) もう一つお詫びがあります。日経ビジネス誌に出て
いた特集は『大学の破産』が正しいタイトルでした。90年12月17日号です。

Notusさん、学生を社会に出るまでのモラトリアム(執行猶予)と云って仕舞って
は、身も蓋もありません。社会には学生に対して、そういう冷やかな見方があることも
事実ですが、私が見る限り、学生諸君は「良く学び良く遊び」を実践する愛すべき人々
です。

私が#4の発言で言いたかったのは、教育と研究は両立しないのではないか?、と云う
疑問です。例え大学の予算と人員が増えたとしても、教育担当のスタッフと研究担当に
分かれる他無いのではないかと思うのです。

教壇に立つことは自分自身の知識の整理になりますし、若い学生さん達と話をするのは
楽しいと感じます。しかし研究を抱える身には、かなり負担に感じるのも確かです。

大学の規程では「1時間の講義に2時間の予習を要する」となっています。学生諸君が
この規程を守っているとは思えませんが、少なくとも教える側は準備が欠かせません。
プリント等を作ったりするともっと時間が掛かります。週二、三コマの講義であっても
その分、研究のための時間と労力を失うことになるからです。

“大学の権威”はその全ての活動の評価であって、研究活動だけに与えられるものでは
ない筈です。“研究至上主義”に固執する限り、大学はその土台から崩れて行く様な気
がしてなりません。
                         from たこべえ
PS.
会議のテーマから外れて「大学論」みたいな話になって仕舞いました。
日経サイエンス誌が、大学教育に関する特集を4月号で組むそうです。どの様に纏める
のか、興味があります。ご参考までに。


#0008 sci4993  9102211235


 あんまり関係ないけど、日立の予算はすっごーーーーく多くって、おかげで
賃金が安く、人が集まらないんだそうです。日立以外は一般企業も研究所に金
をかけてません。
                          sci4993  綾綺和海
                               アヤキ・カズミ


#0009 sci4143  9102251944


確かに日立は研究部門にお金を掛けることで定評があるそうで,基礎研究所は旧帝大も
真っ青の陣容を誇るのだとか.他にはIBMも総売上の何%だかを研究に回すポリシー
があるそうですね.

話が脱線しますが,私の従兄弟が今春,阪大工学部を卒業して商社に就職します.理工
系学生のメーカー離れが問題になる時勢ですが,まさか身近で起こるとは思ってもいま
せんでした(^ ^;).メーカーに魅力がなくなったのか,商社や銀行が猛烈なアタックを
掛けているのか,恐らくその両方なのでしょう.

製造業とサービス業の給与格差も問題になっています.メーカーは内外の競争が激しく
設備投資に金が掛かるが,銀行は行政の保護にぬくぬくとして,高給で学生を釣り上げ
ている,なんて批判も聞かれます.しかし,給与にしわ寄せする様では,経営者の姿勢
を問われても仕方がないと思うのですが.

尤も,給与問題を含め,職員の処遇という点で,最低レベルは大学であると思います.
早急に手を打たないと,大学は空洞になって仕舞い,日本はナンバー・ハンドレッドに
落ちるのではと,危機感がつのります.

『技術の国のニッポンはどこへ行くんだろう』    from たこべえ


#0010 dando    9102261329


旧帝大の工学部を卒業したわたしが証言します。研究用の施設、機器は
大学と企業を比べると問題にならないでしょう。・・・・・dando

 卒論の実験をするために、教授の顔である企業から合計1000万円分
くらいの試験機械を借りました。そんなもの、とても大学の中に置いて
おけませんもの。

 給与水準だって低いのは確かです。京大からMITに戻った先生だって
使える研究費の桁がふたつ上がる以上、年俸もかなり違うはずです。

 理工系のメーカー離れは、収入と休日・厚生の両方でしょう。研究開発
の魅力と言ったって、昔のようにハングリーではないから、むざむざ生涯給与
の差が膨大になると知って、メーカーにこだわらなくなるのも当然です。

 はっきり言って、かなりの部分は企業が担っていて、大学の地盤は
とうに落ちています。そして、メーカーもリクルート活動で足元を脅かされて
いるというのは本当でしょう。


#0011 dando    9102271614


教授の基調発言を見ていただきたいのですが、この湾岸戦争がこのまま終わる
ようならば、米国のハイテクは確かに捨てたものではなかったとの
評価が定着しそうな雲行きです。・・・・・・・・・・・・dando


#0012 sci4143  9103100103


巨額の血税をつぎ込んだ、ハイテク兵器が役に立たなかったとしたら、そのことの方が
大問題となったろうと思いますが・・・確かにアメリカの軍需産業の技術力を全世界に
見せつけましたね。

軍需産業、ハイテク兵器の面で、圧倒的な優位を誇るアメリカが、何故、民生部門では
日本に対して劣勢に立たされて仕舞ったのか、不思議です。ヒトに得手、不得手がある
ように、産業にも“不得意科目”があるのでしょうか?(^ ^;)

戦後の日本の成功は国防費に巨額の予算を支出しなかったことにある、という説があり
ます。軍事費は基本的に非生産的な支出であり、それは広く社会全体の生産活動に充て
られることはない、と云うのです。

以下は私の解釈ですが、(旧)西ドイツは軍事活動に制限を受けているので、経済的に
強力な国になり得た、韓国は国境戦の防衛のために軍事支出を強いられ、未だに第二の
ニッポンになれないでいる、そういう解釈も成り立つと思います。

日本が経済、産業で国際的に力を附けた理由は、日本人が勤勉で良く働いた為ではなく
単に他国と国境を接していない地理的条件と、多額の国防費の支出を免れていたお陰で
あるという、偶然の(?)産物であるのかも知れません。

                         from たこべえ


#0013 sci2993  9103110335


軍事産業はどうしても「軍事機密」の壁がたちふさがります。
これは、情報の流れを阻害し、先端技術などにはマイナスでしょう。
(だから、インテル−だったかな?−は国防関連のプロジェクトに
 入らなかったという話もあります)

湾岸戦争のハイテク兵器の多くが、実はかなりトウのたったもの
であるのです。スマート爆弾などは15年くらい前の技術だったと
思います。
(もっと古かったかな?ベトナム戦争でも一部使われたような記憶もある)
(でもって、ハイテク兵器の中に使われているLSIが多く日本製
 であったりする。アメリカ軍の品質管理基準はけっこうキビシイ
 のですが、日本の民生用のものはそれよりも品質が高かったりします)

アメリカではよく、軍産複合体というものが話題になりますが、
こんなものは無くなった方がアメリカの為になるような気がします。
(ソ連なんかもっとヒドイのでペレストロイカがはじまったはずだった
んだがなあ..)

MAT


#0014 dando    9104161838


自動車のGMとフォードが赤字を計上、クライスラーも利益を
経理操作で捻りだしながらも危機的と言われていると思ったら、
なんと、あのIBMが創業以来初めての赤字決算をしました。

ビッグスリーについては驚かないけれど、IBMについては
ショックです。大型機はともかく、パソコンではひどい状況
だからでしょうか?

そういえば、今週のアエラの表紙裏広告にIBMのノート型
パソコンが出ていて、その基本ソフトは日本語DOSとIBM
の英語DOSをいっしょに使えるバイリンガルなのだそうです。
この発想で、スタンダードタイプの値段が23万円。

売れるかどうか。パソコンでも強くないと、コンピューター
メーカーとしては、これからやって行けなくなるという雰囲気
は判りました。・・・・・・・・・・・・・・dando


#0015 sci2919  9104162224


 少し前の日経産業新聞にIBMの利益?の20パーセントは日本から得ていたが、
バブルが潰れて金融業界がコンピュータ関連の投資を押さえたことと、大型機の導入
が一巡したためと書いてありましたが・・・・
IBMの大型機ユーザーは金融業界が占めているとかで。

IBMパソコンは昔も今もほとんど売れていないのでは・・・
PS/55Zの販売促進をやっているようですが。

                      加藤


#0016 sci2014  9104170255


  まあ「IBM-PCのアーキテクチャ」を日本以外の国に普及させた力は認めますが・・・。日
本ではIBM-PCの日本語モードがPS/55,J3100,AXと3種類もあり、互換性があまりない
という風になっているのでどうしようもないです。最近やっと統一化を図ることになっ
たそうですが。

  IBMの機械といえば・・・JXはひどかったようです。

                                                  from 丿υμβο(sci2014)