Sky00050 AERAに宇宙論.89-11の3大発見.


#0000 sci2596  9001110125

 AERAに宇宙論の解説がありました.

Kennywell


#0001 sci2596  9001110126

 AERAの90-1-16号の広告に宇宙論が載っているのに引き寄せられ,つい買
ってしまいました.89-11月に発表された3大発見ついての解説記事となってお
ります.科学ジャーナリスト,木幡走斗士氏によるもの.(走斗は1字.漢字
が出ません.赳は違いますよね?)

  1.星の赤ちゃん.
  89-11-18朝日夕刊科学欄に記事あり.さらに詳しく解説されており,双極分
子流天体のイラストを見て,わかったような気になりました.

 2.銀河の巨大な壁.
 これも,89-11-18朝日夕刊に,UPI共同電で記事あり.やはりイラストでわか
りやすい説明になっております.このような巨大構造と,一方で超空洞がある
ということから泡構造と名づけられたように,宇宙の大規模な物質分布の不均
一が明らかにされ,これが実はビッグ・バンモデルからの帰結に合わないとい
うことだそうです.

 3.宇宙の地平線.
 ニュートン 1989-4月号「宇宙の果ての銀河が見つかった」(家 正則)によ
れば,天体を観測して赤方偏移を得,それを距離に換算する場合,どの宇宙モ
デルを採用するかで距離が違ってくる,とあります.インフレーション・モデ
ルに基づき,ハッブル定数を100万パーセク(1パーセク=3.26万光年)当り5
0km/s,減速パラメータを0.5とすると,宇宙の年齢は130億年,とあります.そ
して最も遠い天体はQ0051-279なるクエーサーで,赤方偏移4.43,地球からの距
離120億光年ということでした.

 さて,本項によれば,88年に138億光年かなたのクエーサーが見つかり,89ー
11月には139億光年かなたのクエーサーが見つかり,宇宙の年齢は150億年と言
われていると書かれています.

 ???

 いずれにしても,時期を得た解説であったと思われます.

Kennywell


#0002 sci2596  9001110129

  ビッグ・バン宇宙論による初期宇宙の描像には想像を絶するものがあります
が,例えば地球ほどの大きさのものが一点に集中するということでさえ想像す
ることができません.ましてや宇宙です.

 試みに,中性子(質量(m)=1.6749286 x 10^-27 kg)を地球の質量分ギッシリ
詰めたらどれ位の大きさになるか計算してみました.詰め方は,中性子の平均
2乗根半径(核子間ポテンシャルの最も低いところ)0.9 x 10^-13 cmを使って
みます.

 中性子立方体1cm^3の質量は,
    (1/(0.9 x 10^-13))^3 x (m) = 2.3 x 10^12 kg (ギョエー!!)
     M = 地球の質量 = 5.98 x 10^24 kg
  ゆえに (M/(2.3 x 10^12))^(1/3) = 138 メートル
つまり,1辺138メートルの立方体になります.もしこれを地球上空から眺めた
としたら,この立方体はほんの1点にしか過ぎないでしょう.しかしこれ以上
の事態を想像しなければなりません.
    宇宙の質量 = 銀河系の質量 x 10^11
                   = 5 x 10^52 kg
                   = 地球の 10^28 倍
従って,1辺 3 x 10^11 mの立方体.

 これをさらに凝集し質量を減じ,それに見合うだけ,特殊相対論の示すよう
にエネルギー,つまり温度を上げてやれば,プランクの長さ10^-34 cmほどにも
することができるのだろうか?!

 しかし,よく見ると,3 x 10^11 mというのは,0.00003光年なのでずいぶん
小さい!!.因みに太陽系の直径は4.5 x 10^12 mなので,この1/10である
!! 少しは想像できる気になりました.

 計算まちがひがあったら,ほしへてくらさい.

Kennywell


#0003 sci2596  9001120142

 訂正: s/太陽系の直径/太陽系の半径(海王星の軌道)/

Kennywell


#0004 sci3588  9001121025

 関連1 (3.宇宙の地平線)

  88' 4.13 毎日朝刊
  88' 8.10 読売朝刊
  89'11.20 朝日夕刊  に記事があります。

                 斑猫


#0005 sci3588  9001121026

Kennywellさま
大変楽しいお話しありがとうございます。
 
ワタシにとっては、初期宇宙の想像を絶するものの一つに、インフレーション
宇宙の描像があります。
 
10^-34秒間で、ほぼ点に近い大きさのものが、10兆Kmぐらいの大きさに膨張
してもエネルギー密度が変らないということは、なかなか想像できません。
(GUT1次相転移オリジナルモデルから最近のカオティックモデルのどのタイ
プをとるかで、上述の数字はコロコロ変っちゃいますが、、。)
 
だいたい、光速よりも速い速度で、なにか思いつくものをあげても、地球を
基準にしたときのホライズンより遠方の天体の後退速度か、同じことですが
C/H以上の間隔にある2点間の膨張速度ぐらいしか思いつかないのです。
(H=ハップル定数)
                       斑猫


#0006 sci2596  9001130144

 あっ,斑猫さま,こちらでもお世話になり恐縮です.

 3番目の朝日は,確か見た気がして探し,縮刷版でも調べたので
すが,見つけられませんでした.ありがとうございました.

Kennywell


#0007 sci3588  9001140321

朝日のその記事の上段に、[市販のソフトを自然な日本語音声が出るように
改良]との面白い記事が並んでたことを覚えてたもので、、、。
 
そう云えば、、
ネットの古老、つちねこ氏の[腸梗塞天文シムレエソン]なる言葉に触発さ
れてしまったワタシは、又最近では[科学技術ニュース&トーク#260]
の H.H氏により紹介されているこのソフトの[自動解説]が、喋ってくれた
らいいのになぁーと思いながら、[自動解説:冬の星座]を覗きこんでる、、
                                斑猫でした。


#0009 sci2596  9002090508

 【銀河の巨大な壁】補遺

 このような巨大構造を形成するモデルは,ほとんどが,5億年以上もの連な
りになるとお手上げで,宇宙年齢の150億年という制限された時間内で考える
限り,宇宙初期の非常な高温の時代での刷り込みか,銀河1000個分の爆発とい
うような極端なことを考えなければダメだそうである(科学 Vol.60 No.1, 19
90, 科学時事).

Kennywell