Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 161       Text Title  : 人格のうむは外部からは分らない          
Author   : reader    Text Length : 1508 Byte    Date : Mon Jul 11 20:00:37 1988

人格の死は外からでは分らない。
私は某県の医学生です。私の大学では、臨床実習の一環で、交通事故リハビリ
センターみたいなところにでかけます。
この病院(施設)は本当はリハビリなんていうなまやさしいものではなくて、
学生の間では通称[植物園]と呼ばれています。
私たちがみる限り、まったく他者とのコミュニケーションができない人たちが
ずっと長い期間入院しています。
その施設は、今まで数年の間に、受入れた患者は二十数人で、そのうち五−六
人が退院して自宅療養できるようになったそうです。
死んだ人はやはり数人。
つまり、ほとんどの人が、開所以来、あるいは入院以来ずっと同じ様な状態で
いるのです。
多くは、脳幹部の傷害によって、通常の反射は消失し、意志を伝える手段をほ
とんどもたずにいる人たちですが、やはり、生きているのです。
人格というものは
人格というものは、外部からは覗くことはできません。
彼ないし彼女の側からのアプローチがあってはじめて、外部の人間が、その人
が人格を持っていると認識できるのです。
もしも、そのアプローチの手段がいっさい失われていたら?
私は彼らをみながら、ジョニーは戦場に行った、という映画を思い出しました。
ここに入院する彼らも、医療スタッフや家族には、意志を通じることができる
のです。
それは、まぶたの動きであったり、呼吸のリズムであったりと
さまざまな、ささやかな手段に過ぎませんが。
彼らの[自我]の証明を、外部の人間が受け止めるのは、ほんの偶然の機会か
らにすぎず、彼らがどのような手段で、意志を発しているのか、あるいはいな
いのか、は予測することはできないのです。
人間の死に線を引いて、ここまでは死んだ。ここまでは、死んでない、と区分
することは、本当は無理何じゃないかと思っています。



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 162       Text Title  : 寝起きのおっさんへ                      
Author   : host      Text Length : 717 Byte    Date : Mon Jul 11 21:23:45 1988

 おお、「寝起きおじさん」は、まだ怒ってますねえ。怒りついで
に、ウルトラ久保やん(うん、この呼び名も悪くない)は、記者を
「失格」してしまいました。ぐっすん。

どうも国際シンポジウムで何もないのが、怒りの原因らしい、とい
うことはやっと分かりました。でも、それ以上は、まるで分からない。

私は、具体的な話を書いて欲しい(何もない、なんて言っといて、石塚助教授や金
出教授は、真面目な本音論を出したって、評価してるみたいなこと、前に書いてあ
ったじゃないの)と頼んだのですがご返答がない。

本気で問題提起されるなら、もう少し皆さんが分かるように、具
体的に事例を書いた方が、いいんじゃない?。

「ただ、機嫌が悪いばっかで、結論だけ唱えたって、状況を共有し
てない人は説得はできないよーだ」のウルトラ久保田であった。



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 163       Text Title  : 脳死について少々                        
Author   : reader    Text Length : 1295 Byte    Date : Mon Jul 11 21:27:18 1988

脳死の問題は難しいな。
科学記事ウオッチでは扱いかねる問題のようです。

誰も死んだ経験がないので、死とはどんなものかわからないままに
臓器移植等の必要に迫られて、生死の境界を決めようとしているわけです。
ファージ集合のお好きな青山さんの言われるように、生死は 0か1かで区
別できない問題だと思います。
死につつある状態を、生きている立場でみないで、死につつある本
人としてみたらどうなるでしょう。
実際には苦しみながら死を迎える場合の方が多いのかも知れません
が、楽しい平穏な死を迎えていたとします。
ここで、この世の人たちの都合で(脳死の基準にも合致するので)
臓器の取り出しがあったとします。
神経回路も 脳も すでに機能していないので 傷みなどの苦痛はないはずです。
しかし、ここで死にゆく人になんの影響もないとは考えにくい気が
します。誰も経験のないことなので何とも言えないわけですが、平
穏な死が妨げられたとしたら抗議のしようもありません。
死にゆくものは弱者なのですから。
弱者は強者に踏みにじられることが多いものです。生まれてくると
きの人工中絶もこの問題を含んでいると思います。

私も脳死を否定するものではありませんが、性急な結論は危険だと思います。まし
て、「どうせすぐ死ぬのだから」など もってのほかでしょう。

ウルトラ久保田さんがんばって下さい。
初めてのアクセスなので変なことを書いたかも知れません。
しんまいと思ってお許しのほどを
                    木村 肇



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 164       Text Title  : 社会は生死の境界を望んでいる?          
Author   : reader    Text Length : 1848 Byte    Date : Mon Jul 11 22:29:32 1988

某県の医学生の方の意見に付け足します。
*********************************************************************
人間の死に線を引いて、ここまでは死んだ。ここまでは、死んでない、と区分
することは、本当は無理何じゃないかと思っています。
*********************************************************************
脳死の問題では、これは無理という意見がありますが、脳死でない通常死
(この言葉があるか判りませんが)の場合、確実に生と死を分けるのが現状で
す。生と死を分けるときにより、社会システムが円滑に動いているのです。
或は、社会システムのある大きな部分が、人間の生と死の明確な線引を要請し
ていると言ってもいいでしょう。
従来の生と死の問題でも、「誰がいつどのような原因で死んだか」ということ
が明確でないと、相続などの重要な社会システムを動かすことが出来ません。

しかし、従来の生と死の境界は、素人であるわたしたちと、この境界にタッチ
する科学的技術者である医者の見解との差があまりなかったのではないでしょ
うか?

しかし、カレン事件を契機とする「尊厳死」の問題、心臓移植をはじめとする
「脳死」の問題。それと、いろいろな方から指摘があった今後の問題としての
「脳だけが生きており、他の臓器が死んだとき」の処理の問題が発生しました。

従来の生死の堺が、細い線で区切られていたとすると、現在のこれは、巾広い
帯で区切られております。
このゾーンでの判別を、社会は要請しているのであり、社会が現実に要請して
いるのは、(どこかに書きましたが)真実ではなく、現実的な答なのです。

ただ、どのようにして、どこまで真実に近付けるか、が課題の一つだと思います。

処が、生と死の境界の真実は、未だに人によりその解釈が違うのです。

ここまで書いていたら、生と死、境界、真実と事実、いつからウンコなんてこと
が、頭の中で渦を巻だし、脳がアルコール漬による「脳死」状態を求めているの
が、「事実」として、感知出来ました。

                            これから、数時間の「脳死」状態に入る寺田公彦

追:「脳死」は回復します。それが証拠に、これをボードに送ります。



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 165       Text Title  :                                         
Author   : reader    Text Length : 20 Byte    Date : Tue Jul 12 21:13:41 1988

Hello !



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 166       Text Title  :                                         
Author   : reader    Text Length : 106 Byte    Date : Tue Jul 12 21:14:43 1988

Hello "!!
poor man



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 167       Text Title  : ウルトラの久保やんへ                    
Author   : reader    Text Length : 361 Byte    Date : Wed Jul 13 13:10:42 1988

ウルトラの久保やんへ

読んでくれて、おおきに。「本真の話を言うてみぃ」は、
よう分かっとるんやけどなぁ。このscience netかて、
オウエンスのおっさんの言うとったような仕掛で筒抜け
になると思(おも)とるわけや。そやからなぁ、事務局に
言うて議事録をもろて、目玉(めんたま)かっぴらいて
よう読んでみなはれ。

本真は紳士のおっちゃんより。今日は、怒っとらへんで。.



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 168       Text Title  : 拝啓 久保田記者殿                      
Author   : reader    Text Length : 844 Byte    Date : Fri Jul 15 08:18:18 1988

拝啓 久保田記者殿

開けてびっくり、おっさんや。「ウルトラの久保やん」という名前や
けどなぁ。久保云うのは、久保田の田抜き(タヌキ:狸)なんや。
シガラッキャキ(信楽焼)のおやっさん位にあんたのこと尊敬して
るんや。そもそも人間は狸型と狐型に二分されるそうや。電車の中で
退屈な時にゆっくり見てみるとええわ。ついでに自分の顔も鏡でよう
見てみ。

ウルトラやけどなultraを辞書引いて貰うと分かるんやけど、
アルターの方がええんや。そやけど聞屋さんとしてはやっぱりウルトラ
よりしょうがないわ。

ところでおっさんの関西弁も怪しい、いろんなとこの関西弁が
まじっとるし、そのその初めてのUPの時に自分のことをおじさんと
いうてしもとる。

SCIENCE NETらしいことを最後に言うと、パソコン通信に於ける通信の
自由とか機密保護いうのは真剣に考えた方がええと思うんやけど。
どや、狸の聞屋はん。
                          おっさんより.



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 169       Text Title  : 「自然界にも植木職人?」?              
Author   : reader    Text Length : 1774 Byte    Date : Sat Jul 16 09:43:32 1988

 東京へ行っている間に,某国立研究所の宿泊施設のロビーで読んだ,朝日新聞の
科学覧に載っていた記事が気になって,切り抜いてきました.7月12日付け「自
然界にも植木職人?」というのですが,松浦さんの行なったシミュレーションは,
結晶成長のような問題を解いているのであって,菌糸のように餌を食べて成長して
いくものには,あてはまらないのではないかと思います.

 結晶成長の場合,気体や液体の中ででたらめに動き回れる分子が,固体の結晶に
くっついて大きくなっていくわけです.分子の過飽和度が大きければ成長速度も早
く,尖っている所の方が,より多くの分子が残っているところつまり結晶から離れ
た所に近いので,樹枝状に成長します.ところが,過飽和度が小さいなどで,成長
速度が小さく抑えられていると,気体や液体の中の分子は枝の奥の方まで動き回っ
てから,結晶にくっつくことが多くなり,丸っこい結晶に成長すると言うわけです.
「剪定作業」というのは,結晶では次のように考えられます.つまり,枝の先では,
結晶にくっついた分子を支える隣あった分子の数が少なくなるので,一度くっつい
た分子もまた飛び出してしまう,ということです.物理学の専門家は,表面エネル
ギーという言葉を使うかも知れません.(このあたりのことは,フリートークの方
に書き込むつもりです.)

 さて,菌糸がこのように成長するかどうかということですが,そちらの方は専門
が遠いのでよくわからないのですが,「剪定によって」粒が枝の奥の方へたどり着
くという考え方よりも,「剪定しない」場合の枝と枝の間にもまだ十分餌が残って
いるので同心円のようになると考えた方が良いのではないかと思います.

 「ある規則的なリズム」というのは,「100個くっつけるごとに,...」と
いうところを指しているのでしょうか?計算ではディスクリートにしかできないわ
けで,それを自然にも起こっていると考えるのは危険だと思います.大局的な立場
というよりは,コンピュータにとらわれた近視眼的な見方と批判したら言い過ぎで
しょうか?

プロの目は厳しいぞの 菊地時夫



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 170       Text Title  : ETは本当に救世主なのか?              
Author   : reader    Text Length : 2027 Byte    Date : Sun Jul 17 11:45:09 1988

ETは本当に救世主なのか?

 いよいよ、牛肉も3年後には輸入自由化になることが決まりました。おそらく、
6年後には関税率も他の品目と同じ程度になることでしょう。

 さて、現在、世間ではET(受精卵移植)による双子生産が牛肉におけるコスト
ダウンの切札のようにもてはやされております。

 しかし、本当にそうなのでしょうか?

 2頭の子牛が生まれても、2頭分の飼料は必要です。2頭分のスペースも必要で
す。使用管理の手間も、2倍ということはないにしても、増加することは確実です。

 もちろん、母牛は1頭ですむわけですから、母牛分の
飼料費や飼育管理費を大きく節約できます。

 しかし、受精卵移植は農家の人が自分でやるわけにはいきませんから、移植のた
めの費用もばかにはなりません。

 さらに、現在の技術では、移植者の技量や母牛の状態(供卵牛、受卵牛ともに)
によって移植の正否が大きく左右されてしまいます。

 結局、ETを使うことによるコストダウンの効果は、
せいぜい、10%程度ではないでしょうか。
 普通の時なら、10%のコストダウンはたいへんな、技術革新ということになる
でしょう。しかし、残念ながら、今は非常時です。

 6年後には牛肉価格は今の半値になるというシミュレーション結果もでています。
10%程度のコストダウンでは、焼石に水です。

 このように考えると、とても、自由化に対する備えに
はなりそうもありません。

 また、「過排卵技術とETを使えば遺伝的によい雌牛の子供を一度にたくさん生
産できる」という宣伝文句もよく聞きます。しかし、「遺伝的によい雌牛」をどの
ようにして選ぶのでしょうか。どこに、そんな情報があるのでしょうか。

 だいたい、隣の郡の種雄牛の精液ですら使えない地域
もあるというのに、「ETを使えば改良が大きく進む」
というのは絵空事にすぎないのではないでしょうか。

 もっと、地道に、すべての費目についてコストダウン
をはかる必要があるのではないのでしょうか。

 そして、コストダウンのために、何が障害となっているのかをすみやかに明らか
にして、その障害を取り除かねばなりません。

 昨年の超電導騒ぎといい、ETといい、学者が目新しいことに飛びつくのはいい
のですが、産業界の人たちはもっと、冷静に物事を見つめられる目を養うべきだと
思います。

                  並木きょうすけ



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 171       Text Title  : I love PROF.FEYNMAN                     
Author   : host      Text Length : 1723 Byte    Date : Tue Jul 19 23:47:38 1988

ファインマンになりたい

といっても、ノーベル賞をとりたいとかそういう恐れ多い話じゃないんです。

今日、ファインマンの「困りますファインマンさん」を買ってきて今、寝床でよん
でいたんです。そしたらこのほんの第3部「ファインマン氏ワシントンに行くーチ
ャレンジャー号爆発事故調査のいきさつ」というのがとっても面白い。

なぜ、面白いか。

私たち記者が取材する上で経験していることとそっくりそのまま同じことを、あの
敬愛すべきファインマン先生がやっていらっしゃるからです。

某電力会社で原発事故(彼等は事故とも、故障ともいいません。不具合といいます。
ちなみにこの言葉は広辞苑にも載っていません)の話を取材しました。こちらは
論理立てて技術の面からの話を聞いているのに、肝心なはなしになると、「それは
あちらら側の話だから・・・」とはぐらかしてしまうのです。

ファインマン先生はスペースシャトル事故に関するそのはぐらかしをものとせず、
「そやけど、ほんまのとこはどないやねん」といわんばかりに、つっかかっていき
ます。

私たちのノウハウは実はこのところです。このところをファインマン先生は実に見
事にやっていらっしゃる。まあ、ファインマン先生は大統領委員会の委員という権
力をもっていらしたわけですが、それだけではないと思います。某官立大学の何と
か委員会委員でいらっしゃる教授先生にも見習っていただきたいと思うほどです。

技術者はやっぱりうそはつけないようです。具体的な話で突っ込めばそれなりに応
答が来るのです。私たちは分からないことは分からないでいいとも思うのです。そ
こまでまだ人間が偉くなっていないのですから。しかし、分からないことは分から
ないといってくれないと「どないもなりません」。

原発企業の皆さん。(そう、これを読んでいるK電力の君、C電力のあなた、M重
工のおたく、H製作所社長室ののWさん。あなたたちですよ)私が知りたいのは、
ファインマン先生が知りたいとと思ったレベルの話です。宜しく!

大阪科学部    ケペル内村



Board    : 科学記事ウォッチ              
Text No. : 172       Text Title  : これぞ時代のキーワード!                
Author   : reader    Text Length : 2005 Byte    Date : Sat Jul 23 21:25:29 1988

宇野外相の「冷蔵庫、クーラーを使うな」発言、誠に時流に乗った
良い発言だと思います。いや、何も彼の発言の主旨に賛同している
のではなく、どちらもフロンガスを使った製品であることに注目し
ておるわけです。(あれ、朝日さんの記事からでは彼の発言の全文
が分からないけど、もしかして、そこまで考えての発言だったのか
も...) 最近はやりとかの「反原発」も結構ですけど、「もし、
まだ間に合うのなら」というキィワードを私はオゾン層にたいして
使いたい気持ちでいっぱいです。

えぇ、分かっています。冷蔵庫やクーラーに使われるフロンはスプ
レー缶などに使われるものとは構造式が異なり、それぞれオゾンに
対する影響も微妙に異なるものだということは... でも、スプ
レー缶も含めて、冷蔵庫、クーラーなんて、じつにインパクトが強
くて、キーワードとしては誠に適切であると思います。やれ、原発
だ、核戦争だ、鯨だなんて言っている間に、みんな皮膚癌で死んじ
ゃったなんて、シャレにもなりませんよ。

で、振り返って自分自身の生活を見てみると、クーラーは個人的に
嫌いだから、これはまあ良いとして、(私は冷風扇をつかっていま
す。水は少なくともフロンより安全ですよね)独身であるから、冷
蔵庫が使えないというのは少々困ります。でも、代替策として、昔
のように業務用のアンモニア冷凍機が街に溢れ、氷屋さんから買っ
た大きな氷を冷蔵庫の一番上にいれておくなんて、レトロチックで
非常にいいと思います。

要するに、何がいいたいのかというと、チェルノブイリや、南極の
オゾンの穴が見つかってから、ワァーっと熱病のように騒ぐなんて
余りにも軽すぎます。危機はそのずぅーっとまえからわかっていた
んだから。最近の運動はやたらNIMBY的で嫌ですね。(NIMBY: Not 
In My Back Yard: 私ん家の裏庭ではやーよ!) 「フロンガス」
という変な言葉にしたって、国際的に余りにも通りが悪くて困り者
です。天下の朝日さんくらい、クロロフレオロカーボン、又はせめ
て、CFCくらいの用語をつかってもバチはあたらないんじゃない
かとおもいますが...

反原発運動があと5年、十年経っても今の盛り上がりを見せている
なら、これは本物だから、僕も参加させていただくことにしよう。
それまではせめて鯨ならぬ「オゾン層を守る会」でも作りますか。

                  ゾンビもどき