Board    : 原子力発電                    
Text No. : 201       Text Title  : <実況中継>市民グループVS関西電力#2  
Author   : host      Text Length : 5930 Byte    Date : Sat Jun  4 17:28:52 1988


<実況中継>市民グループVS関西電力#2
                       (By 団藤)

 《市民》さきほど、定期点検で小さいひび割れまで見つけると言われましたが、
この間の浜岡原発の場合は、定検が終わって蒸気を通すときに、水漏れが見つか
った。これで、定検の役目が果たされているのか−−これが第一点。

 《電力》では、順番に答えさせて下さい。

 《市民》ちょっと、いくつかまとめて言わせて下さい。いつ発言の順番が回っ
て来るか分からないから。
 それから、今までに、お宅様から言えば故障でしょうが、事故を予測されたこ
とがあるのかどうか−−答えて下さい。事故が起こる可能性があるのかというこ
とです。さきほど、徐々に良い金具に替えていくと、おっしゃいましたが、チェ
ルノブイリの事故のとき、これは金属を替えて起こった事故でしたよね。違いま
すか。こういう、原子力においては前進であることが常に後退であるという可能
性が十分にあることを踏まえて、いつでもが実験段階なんですよね、良いものと
かいうことが出来るのかどうか。
 それから、ニュースステーションで久米宏とかが言っていたのですか、米国の
発電所と全く同じ製品でありながら、なぜ日本の場合は100パーセント安全で、
米国の場合はああやって避難訓練用のパンフレットまであるのか。
 新聞の広告でずいぶん腹が立ったのですが、「豊かな私達の暮しを守って行く
ために原子力が必要です」という一文がありました。これは被爆者とか現地住民
とか豊かでない者たちのことを非常に馬鹿にしていると思うのですよ。そういう
ところをしっかり踏まえて、真剣に答えて下さい。いまのお宅様の答え方では、
技術者というものが全く信じられません。よろしくお願いします。

 《電力》まず、技術者に万能はいません。それぞれの専門がありますので。

 《市民》人間として聞いているのです。

 《電力》浜岡の分はECCSという事故が起こったら炉心を冷却する装置です
が、そのポンプの周りにはいつも水滴が、ドレインという・・・

 《市民》地下二階ですよね。ポタポタ落ちた。それが500ミリリットルです
か、牛乳瓶3本分になるまで気が付かないというのは、どういうことなのでしょ
うか。通常運転中でも可能性はあるんですか。

 《電力》ないとは言えません。

 《市民》通常運転中なら、すごい高濃度の放射性物質が、水もれを起こす可能
性があると、浜岡原発の人が言ってました。

 《電力》まず、ECCSというのは炉心の中に水をいれるものでそのポンプに
は、何にでも機械には水が貯るもので、ドレインといってそれを回収するライン
がございます。そのドレイン配管がエロージョンとかで穴が開いていった。

 《市民》定検の後でなんで穴が開いているんですか?

 《電力》それは、定検の箇所でなかったからではないかと思います。

 《市民》えっ! なんのための定検ですか。

 《電力》原子力発電所での検査の範囲は、あらゆる物を検査するのではなくて、
安全上非常に重要な設備を重点的に検査します。

 《市民》最初は全てをチェックする前提に立っているのでしょう。

 《電力》全てをチェックする精神に立って・・・

 《市民》手を抜ける所は抜いていくんですか? 汚染濃度の高い3センチのパ
イプが通る箇所が危険箇所ではないのですか。しかも、地下二階で常に人目に触
れない所ではないですか。ポタポタ漏れた水でひばくしているという。どう考え
ていいのか。

 《電力》それは、一般の作業者が直接その漏れた水でひばくしたのではなくて、
一連の作業の中で管理されているひばくがあるわけです。牛乳瓶くらいの水でそ
れほど、ひばくするような状況になっていない。

 《市民》ちょっと、割り込んでいいですか。労働者のひばく線量は年間500
0ミリレムになっていますね。ICRPの勧告だと思いますが、この線量を日本
人1億2000万人全員が浴びたら、何人が、がんで死ぬのでしょうか。

 《電力》全員が作業の対象になるわけではないので、従事者としての限度が決
められているということです。

 《市民》答えて下さい。何人です。答えられませんか。それなら、お教えしま
すが、がん死がICRPの計算だけで6万人ですよ、日本人全体で。アメリカの
ゴフマン博士という人の計算では、200万人ですよ。なんという恐ろしい作業
を、させているのですか。

 《電力》我々の会社では、法律では5レムですが、目標の限度を3レムにし、
現実には300ミリレム程度になっています。

 《市民》法律では5レムですよね。ゴフマン博士の計算では200万人を死な
せてもいいということですね。給料もらう代わりに命を切り売りしているわけで
しょう。

 《電力》これには、いろいろな見解があると思います。全員が放射線の従事者
になるという体系には、今の法律はなっていない。

 《市民》では、特殊な人だけがなったらいいというのですか。

 《電力》いや、我々も実際に発電所の中で働いたことがありますし・・・

 《市民》だけど、全然違うでしょう。除染作業しはったんですか。雑巾で汚染
水拭いたんですか。背広ではいったんと違います。

 《電力》除染作業しますよ。社員で発電所に勤めていたら、それくらいやりま
すよ。燃料関係が私の仕事で、除染作業をおもにやっていたわけではないですが。

 《市民》それで、ひばくの問題点としては、ICRPの方ではまだ考えられて
いないけど、遺伝の問題があります。今度、ICRPもかんがえざるを得なくな
っていますね。

 《電力》ひばくのレベルをきちんと管理していくことが重要だと思います。放
射線管理の仕組みはしっかりできています。

 《市民》事故があったとき、よく何ミリレムかひばくしても健康に影響がない
と、新聞に書かれますが、あれはおかしいでしょう。

 《電力》ICRPの考え方は、しきい値がないという考え方に立って影響が出
た高い所とゼロの間を直線で結んで、低いところでも影響があるとしているので
す。

 《市民》ちょっとでも、ひばくしたら影響があるでしよう。
 《市民》結局何人かは、いけにえにするという前提があるのが原子力でしょう。

 《電力》それが即、がん死になるということよりも、後世、影響があるのでは
ないかというリスクと、いまのエネルギーを生み出していくというメリットとの
バランス・・・。いま、あなたの生命にかかわるという心配はない。

 《市民》あなたとは、どなたです? わたしたち人間みんな同じ命なんです。
だれかれいっていません。

 《電力》年間5レムという考え方でいくと、本人がその一生の間に死ぬことは
ない。

 《市民》原発労働者で死んだ人いるでしょう。全国で何人いるのか言って下さ
い。下請けで死んだ人いっぱい、いてるでしょう。

 《電力》そのデータをお持ちですか?

 《市民》データをつかんでいるでしょう。因果関係を国が認めていないだけで
す。データをそろえて、提出するのが、原発を動かしている電力会社の責任でし
ょう。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 202       Text Title  : 核廃棄物摩擦                            
Author   : reader    Text Length : 1243 Byte    Date : Sun Jun  5 01:24:01 1988


 <全く新しい観点からの"原発困ったな"論>

 (もうすでにこういう考え方がどこかで紹介されていたらごめんなさい)

 私としては、基本的には「原発仕方無し」論に籍をおきます。
しかし、現在の国際関係を考えるとちょっと厄介な問題が発生するのでは
ないかと思っています。
 それは、核燃料再処理と廃棄場所の問題です。
 現在、あちこちの国で原発不用論が高まっていますが、最終的に先進国が
「原発廃止」に踏み切った場合、核燃料再処理サイクルが日本で確立されない
限り米・仏などの処理工場に頼らざるを得ません。
(当分の間そうなるんでしょ?)
 現在の日本の国際関係から考えて、日本の核廃棄物は諸外国で継続して
受け入れ可能でしょうか?   
 否!捕鯨や自動車、そして半導体などの貿易摩擦問題以上のあつれきが
起こる可能性が考えられませんか?
 しかも、現在の貿易摩擦問題は直接人間に影響しない(少なくとも)ので
一部の業界間ー>政府間の摩擦 という構造ですが、人間に影響を及ぼす核
廃棄物ですから、受け入れ国の国民対日本政府の対立になることも、極端には
あり得ます。こじれると......
 ここの国は世界から決定的に孤立します。

 そんなことになりそうな、日本政府のやり方が、なんとなく想像できるような
きょうこの頃ですね。

本当に原発を作りたいなら、はっきりと世界の中で日本の原子力をどうするのか
世界に宣言しなくっちゃ。

04 Jun.'88 by Meg in Nerima

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 203       Text Title  : また,きました                          
Author   : reader    Text Length : 1178 Byte    Date : Sun Jun  5 04:10:02 1988


再び来ました。

かなり前にここへ書き込みをしたのです。
そのときは名前を書きませんでした。
私の名前は「石田」とします。(勿論,仮名です。)

前にも書きましたが私は基本的に「原発賛成」です。
資源がない日本で,安定したエネルギ−をえり好みは無理だとの考えです。
もっとも,このごろは,この考えは少し弱まってきました。
電力会社の,原発は大丈夫だと「考えています」「思っています」との話を聞くと,
「そんなので,大丈夫なの?」と,思う場合もあります。

しかし,やはり,.....”私は電気が欲しい”

このまえ,朝日新聞に出てましたが原発反対の人が家族そろって「原発の電気はいらな
い」ということで,電気の無い生活をしている,という記事をみました。
それを見て,思いました「電気の無い生活は嫌だ」と。

テレビも冷蔵庫もなく,夜はろうそく。本人は「家族の対話が増えた」と,言っていま
したが,さみしさのためラジオを買ったとか。
「ラジオは電池だからいい」と,いう考えなのでしょうか?日本中を電池で動かすこと
はできないのです。だいたい,電池を作る工場でも電気をつかってるでしょう?

「原発の分は節電すればいい」というのも同意できません。
今,電気が余ってるかどうかというのではないのです。
石油の将来はあまり期待できません。不安定な自然エネルギ−も困ります。
頼れるエネルギ−源が欲しいのです。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 204       Text Title  : #202 核廃棄物摩擦のMegさんへ(78行)    
Author   : reader    Text Length : 4053 Byte    Date : Tue Jun  7 02:57:52 1988


Nerima の Meg さんへ

多分、あなたは私の知り合いのMegさんだと思いますので、そのつもりで
書きます。違っていたらごめんなさい。

 あなたは一応、核廃棄物処理にまつわる問題点は御存知のようですが(ち
なみにあなたの「原発困ったな論」は何も新しい視点ではなく、広瀬氏の
本を始め、あちこちの関連書、雑誌、講演会等で言われている山ほどある原
発の問題点のほんの一部です。更に言えば、微妙な誤解をなさっているよう
ですが、あまり本質的なことではないので、ほじくるのはやめます)、知っ
ているならばなぜ、「原発仕方無し」などと言えるのでしょうか。あなたが
どうして、仕方無いと思うのか、どうか、理由を教えて下さい。

 あるお金持ちの国は、洗濯があまり上手ではないので、札びらを切って他
国におむつの洗濯をさせていて、その洗濯をしている川は汚れ、生き物が死
んでいます。その国でも洗濯物はたくさん出るのに、一向に能率は上がらず、
多量のおむつの山を前に途方に暮れ始めています。でも、もう少し我慢し
ていたら、そのお金持ちの国が残ったおむつを引き取ってくれる約束になっ
ているので、それに、仲良くしているといろんないいこともあるので、お金
が欲しい洗濯屋の国はその日を待っています。
 でも、お金持ちの国は、洗濯の仕方もよく知らないのに、とにかくおむつ
は返って来てしまうので、なんとか貯める場所だけでも、とやっきになって
いるところです。でも川が汚れるので、どこの川に行っても反対されます。
それを何とか、力とお金にあかせて、無理を承知で押し通そうとしているの
です。

 金と力にいま、押し通されそうになっているのが、私の愛する故郷・青森
であり、幌延であり、その他たくさんの候補地です。

 もともと、人類の存続に比べたら、全然比べものにならないくらい何の必
要もない、ただ、金と権力から生まれてきたのが、原子力です。他の技術は
多少のミスがあっても、人類の決定的な破滅には至りません。核兵器でさえ
、スイッチを押さなければいいのです。でも、原発は、すでにたーあくさん
動いていて、これまたたーあくさんの、化学的にも物理的にもどう処理のし
ようもない、人類を何べんでも殺せる量の廃棄物を生み出しています。これ
を、あなたは一体、どうしたらいいと思っているのでしょうか。電力会社や
通産省や原燃やら動燃やらが言う、「絶対確実な」「処理法」が「絶対に」
「確立する・・・予定」と言いさえすれば、それで、どしどし核廃棄物を生
み出していてもエクスキューズされるとでも言うのでしょうか。

 確かに、発電原理だけを見たら、原子力は一見能率的で、科学者にとって
は魅力的です。
 先日、スライド上映会で、こんな数字を聞きました。
 日本で、大人ひとりが1年間に使う電力は、わずか10.2gのウラン(
直径1cm、高さ1cmぐらいのペレット1個!)で賄えるのだそうです。
こう聞くと素晴らしい、夢の技術だと思ってしまいますが、これが燃えると
57mgのプルトニウムを含む、0.33gの放射性物質が死の灰として残
ります。これは1億7000万人の「許容量」(限界量)の放射能です。こ
れが、100万年たっても(今までの人類の歴史の長さと比べてみてくださ
い)まだ数千人をゆうに殺せる量なのだそうです。わずかひとり1年間分の
電気のために、です。
 これだけをとってみても、リスクが大き過ぎて、割に合わない技術なので
はないかと実感しました。

 エネルギー問題がどうこう、化石燃料がどうこうといいますが、ウランだ
って有限です。そして原子力の危険性は酸性雨や温室化よりももっと差し迫
った、重大なものだと考えます。さしあたっては、超伝導の電力貯蔵システ
ムや、送電システムで巨大な無駄をなくすことから始め、ソーラーシステム
などの発電方法の開発に期待します。そんなのまだまだだと言われるかも知
れませんが、高レベル廃棄物の安全なガラス化よりは、現実的ではありませ
んか?

 私だって、豊かな生活に執着はあります。この夏こそはクーラーが欲
しいと、原発を考える頭とは別のところで考えていたりします。だいたい、
いま向かっているパソコンだって、電気の産物です。
 でも、私はこの世の中が好きです。そして、子供はいないにしろ、旦那と
一緒に健康な生活を、平穏に過ごしたいのです。でも、何とか安心したいと
思って調べれば調べるほど、不安と怒りがつのります。化学を学んでいて、
何も知らなかった自分を悔やみます。
 一刻も早く、原発を止めて下さい。1mgでも核廃棄物が増えたら、その
分、何万人ものいのちに関わります。

私の生まれて初めてのupでした。今までの議論を全部読んだ訳ではないの
で、重複していたらごめんなさい。
どうぞ(特にMegさん)、ご返事下さい。

                                      Gul in  Tsukuba

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 205       Text Title  : <実況中継>市民グループVS関西電力#3  
Author   : host      Text Length : 6295 Byte    Date : Wed Jun  8 16:01:20 1988


<実況中継>市民グループVS関西電力#3
                          (By団藤)

 《市民》あのねえ、電気料金というのは公共料金ですよね。私達は電力会社を
選ぶことが出来ません。独占企業みたいなものでしょう。それなのに、公共料金
に等しい電気料金で、どうして無料で一泊旅行で連れて行くのかわからない。関
西電力で一番困っているのは、私達のように反対している人達なのだから、まず
そちらから、説得しなければならないのと違いますか?

 《電力》だから、あなた方も、ご覧に行っていただければいい。

 《市民》ここにいる人をみんな締め出しといて、何を言っているの。
 《市民》わたしらが行ってもそんなに中の方まで入れませんし、それより町の
中でもっと、説明することが必要でしょ。事故があったら怖いし、よう行きません。

 《電力》私共の場合、近畿二府四県が供給エリアで、遠方の方には一泊してい
ただかないと見学は難しい。

 《市民》だったら、有料にしたら良いでしょう。
 《市民》私らの電気代で、ツアーなんかにいかんといて欲しい。

 《電力》だから、どなたでも、ご参加出来る。特定の人に限定していない。

 《市民》特定の人に限定していないというなら、どこの支店でどういう募集を
したのか、具体的に今出して下さい。
 《市民》予算はいくらですか。予算は。
 《市民》先程の被曝線量のデータなどいろいろ要求が出ている資料は、あとで
文書で出して下さい。

 《電力》ひとつことだけ、申し上げておきたいのは、下請け、下請けとおっし
ゃいますが、毎回発電所で作業しているメーカーの方とか、高級技術者の方がむ
しろ、多く被曝している事実があります。除染とか、皆さんイメージが悪い作業
をしている人だけが、たくさん浴びている訳ではない。

 《市民》どういうことですか。原発ジプシーとか、裁判なんか出てますね。ア
ラームを、人に預けて作業したりという実態を把握して言っているのですか?

 《電力》発電所での作業がどういうものか、一度、見学されれば・・・

 《市民》では、希望すれば管理区域に入れるのですね。

 《電力》いや、放射線管理の仕組みというものを・・・

 《市民》そんな危険区域に入れるんですか。
 《市民》入れませんよ。わたし、先日、美浜に行きましたが、お宅さんの都合
がいいとこしか見せてくれませんよ。そんなとこ何も、PR映画で・・・。

 《電力》下請けといっていも、アラームメーターとか、入る前の検査とか、社
員と全く同じようにぴちっと管理しています。そんな、アラームを外すとか、今
はやっていません。

 《市民》原発で働いている人が辞めてから、わたしはいくら被曝したか、知り
たかったら教えてもらえるんですか。

 《電力》日本全体で放射線影響協会というのがあって、登録制度がございます。
そこで大型のコンピューターに全員のものが登録されています。

 《市民》あんたら、労働現場、本当に知らないんじゃないの。登録なんかされ
てない人もたくさんいるのよ。
 《市民》去年の原子力の日にね、釜ガ崎の人が訴えてました。なんとかして欲
しい、と言って。
 《市民》釜ガ崎に行きましょう。これから。

 《電力》発電所に入って作業に関与するときには手続きを踏んで、手帳をもら
って、本人の履歴とか、過去にどこで過去いくら被曝したか・・・。

 《市民》あなたの知らない労働者の実態が釜ガ崎にあると言っているんですか
ら、これから見に行きましょう。
 《市民》いくら被曝したのか、教えてくれるんですか?

 《電力》本人には教えてくれます。いや、むしろ、本人は被曝手帳を持ってい
るはずです。

 《市民》全員が被曝手帳を持っているの?
 《市民》確かですね、あなた。下請けも含めてね。
 《市民》やりとり聞いてますと、かなり実態をご存じない感じがします。
 《市民》ICRPの基準は今度さがるんでしょう。さっきのはどちらの基準で
おっしゃったのです?

 《電力》放射線管理はそれぞれの時点の法律に基づいて行います。改定は来年
度からです。

 《市民》即刻下げないといけないんじゃないですか。

 《電力》改定された基準よりも下回っているからいいんじゃありませんか。

 《市民》年間何レムに下がるんですか。

 《電力》年間5レムと3カ月3レムの二本立てが、年間5レムに一本化されま
す。

 《市民》それじゃ、下がらないではないですか。
 《市民》年度末の時に、5レムまとめて浴びたりとかする恐れがあると、学者
から聞きました。わたしたちは、そういう生活実感に根差した話をしたいの。

 《電力》その点は、私達も反省する所があり、社員や専門家だけで話をしてい
ることが多くて、そういう生活実感から来る不安感に即した形での資料とか、ま
だまだ整備されていない。

 《市民》というより、心配ない心配ないと、抑えようとしているじゃない。
 《市民》事故、故障続きの美浜原発は、見学に連れて行けるほど安全な原発な
んですか。
 《市民》「世界」の5月号ご覧になりました。田中三彦さんが、古い炉は今の
安全基準には合格しない−−と書いてらっしゃいます。

 《電力》基準はどんどん変わって行く。古い炉をいま出したら合格しないので
はないか、という指摘です。基準が変われば、古いプラントも新しいレベルで評
価してチェックしています。

 《市民》それは誰にも分からないから、原発の事故は起きるかもしれないと書
いてましたよ。
 《市民》チェック漏れはないんですか。
 《市民》技術者にも科学者にも分からないと、書かれているから私達は不安に
なってここへ来ているのでしょう。
 《市民》美浜原発の事故の多さとかみられて、専門家としてどう思われます。
これは、結局、原子炉のまるまるの設計ミスではないか、わたしら素人にはそう
思えます。きっちり作ったものがあっちがやられ、こっちがやられするというこ
とは、成り立った最初の時からだめなんです。

 《電力》工学的にはね・・・

 《市民》止めて下さい、すぐに。止めて下さい。

 《電力》そう、感情的にならないで。

 《市民》何言っているんです。誰が死ぬんです。うちの家には美浜原発から送
電されているんです。要りませんわ。うちに送らんといて下さい。

 《電力》いまは議論というか、対話をしようとしているので・・・

 《市民》中性子が原子炉の外側の容器に当たって、もろくなり、いつ壊れるか
分からない、と書いてありました。古い炉は、すぐに止めても電気は不足しない
のだから。止めることが安心感を与えることになるのではないですか。
 《市民》それどころか、プルサーマルをしようとしている。

 《電力》いまの問題に関しては、原子炉にどれくらいもろくなったか調べる試
験片を入れて、定期的に抜き取って調べています。それによって、どういう温度
でどのくらい、もろさが出て来ているか試験をやって、今後の運転期間がとれく
らい余裕があるかみて、安心して運転出来るようにしている。

 《市民》原子炉自身も実験段階ですね。実験してるんですね。

 《電力》よっぽど危険であるということになれば、当然、運転出来ないことに
なります。


(コメント=ようやく半分まで来ました。もう、うんざりという人もいらっしゃ
るでしょうか。昨年末以来の市民運動のありように興味をお持ちの方は、もう少
し辛抱願います。わたしなりに、後から分析して振り返って見るつもりです。市
民グループの勉強ぶり、電力側の説明にコメントがありましたら、途中でもこの
ボードに書き込んで下さい)

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 206       Text Title  : 玄海原発の冷却水漏れと地下鉄            
Author   : reader    Text Length : 975 Byte    Date : Wed Jun  8 22:12:05 1988


玄海原発の1次冷却水もれと地下鉄                        
 玄海原発で1次冷却水が1100リットルも漏れ、運転開始まで1ケ月〜2ケ月   
かかるようです。小生はいつも見慣れている地下鉄の壁を見つめながら、このこと   
を考えながら、ふと地下鉄の壁を見ますと壁一杯ある水漏れを発見しました。(い   
つも見ていたんですが気が付かなかっただけでしょう!)地下鉄を作っている強靭   
なコンクリートでも地下水がシミ漏れてくるのですから、格納容器内に漏れた強烈   
な放射能を帯びた冷却水がこの期間中に環境に漏れてこないのでしょうか?とても   
心配です。                                   
 また、この2ケ月間に作業員さんがどの程度被爆するのかも心配です。       
 この原発は過去事故ばかり起きているとの話ですから、ここいらで長期間に亘る   
検査で徹底的に調べて、その後石棺に入れてしまったらどうでしょう。        
                        「誤り人」より         



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 207       Text Title  : 拝啓,電力会社の皆様へ                  
Author   : reader    Text Length : 1372 Byte    Date : Thu Jun  9 11:29:14 1988


拝啓,電力会社の皆様へ

 私達はようやく念願のパソコン通信システムを手にすることが出来,うれしくて
あちこちのホスト局にアクセスしているのですが,予想に違わず,原子力をテーマ
にした意見のほとんどは,反対のものでした.最近の反原発運動と併せてご心痛の
ことと拝察し,一筆啓上致します.

 小資源国の日本にとってはとくに,原子力発電は必要ですし,わが国の技術力で
すれば,原子力の安全性は十分に確保できると信じております.戦後の経済の復興
に多大な貢献をされ,民間の電力会社としては世界でも有数の優良企業に成長させ
られました御社が,反原発の人たちが声だかに主張しているような危険な経営管理
をされるはずがないと確信致しております.

 こう考えるのは,もちろん私達だけではなく,多くの国民がおることを忘れない
で頂きたい.その人たちはみなあまり声は出しませんが,私達が世界に誇るわが国
の技術を信じており,その先端をゆく原子力発電技術をも,御社達が中心となって
積み重ねてこられた実績を見て十分に信頼に足るものと考えております.

 21世紀に向かってますます高度化する私達の暮しのなかで,エネルギー,とり
わけ電気の重要性が加速度的に急上昇することは,いまさらいうまでもありません
が,それだけみなさまがたに課せられた重責は計り知れないといえましょう.です
から世間の一部のひとたちのいわれなき圧力に屈することなく,究極の目標に向か
って邁進されんことをお願い申し上げます.

                      健全なエネルギー開発の推進を支持する<かえる>より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 208       Text Title  : 「地球白書」より                        
Author   : reader    Text Length : 7581 Byte    Date : Sat Jun 11 17:34:10 1988


from 青山 千秋

世界的に原発が廃止されそうな雰囲気ですが、
あらわに、このことについて書かれた本がありますので、
参考のためにアップロードしておきます。

「環境汚染を無くそう」というバイアスがかかっていることを
前提とする必要はあります。


レスター・R・ブラウン「地球白書」ダイヤモンド社 1988年 本田幸雄 監訳

P.83
4 見直しが進む原子力発電

チェルノブイリ原子炉爆発

世界をおおった放射能

国境付近の原発をめぐる国際対立

P.96
   表4-3 チェルノブイリ事故を境とする
       主要国の新規原子力発電所建設への反対世論の動向

     国     事故以前 事故以後
    イギリス    65   83
    イタリア    ----   79
    アメリカ    67   78
    ユーゴスラビア 40   74
    カナダ     60   70
    西ドイツ    46   69
    フィンランド  33   64
    フランス    ----   59

縮小・撤退が世界的趨勢

P.101
 世界で稼働している原子炉への累積投資額はゆうに2000億ドルを超える。
 さらに毎年600億ドルが新規の発電所の建設や既存発電所運転に使われている。
 原子力の開発は、最も経済力があり技術的にも進んだ国によって支配されており、
 5か国で世界の発電容量の72パーセントを占めている。
 この一握りの国が世界的な原子力発電開発のペースを左右しており、
 主としてワシントン、パリ、ボン、東京を拠点として回転する力によって決定される。
 ソ連ですら、西側の指導国によって敷かれた道をたどってきた。

 過去10年間の原発計画のほとんどは「予測値の下方修正」で要約される。
  ・
  ・
  ・

P.103
 アメリカは原子力発電の時代へと世界を導いたが、
 この役割を最後まで果たすことになるようだ。
 同国において原子力発電所が発注されてそのままキャンセルされなかった最後の年は
 1974年である。
 原子炉の発注は107基がキャンセルされており、
 これは現在稼働中および建設中の発電所の総容量に匹敵する。
 しかしながら、70年代始めに開始されたプロジェクトが完了しつつあるので、
 原発の容量は伸び続けている。
 86年と87年には、23基の発電所が完成する予定である。
 しかし、88年以降は4基しか予定されていない。
 通常起こる工期の遅れを想定しても、
 原発プラント産業は90年迄にはほとんど活動を停止してしまう。
 同国の原子力発電の容量は92年ごろにピークを迎え、
 その後は老巧化した発電所が廃棄されるので除々に低下する。

 アメリカの原発の崩壊は、主として経済的な要因によるものである。
 同国の電力消費の成長は1970年代初めの年率7パーセントから
 80年以降は1.8パーセントに落ちている。
 この結果、高度経済成長期を前提とした建設計画は、
 全般的に縮小を余儀なくされている。
 ほとんどの電力企業の幹部は、すばやく、
 しかも最も厳しく原子力プロジェクトを削減している。
 時には建設に数十億ドルを注ぎ込んでからのこともある。
 石炭火力発電所の新規発注とキャンセルは80年来均衡しているが、
 原子力発電所については54のプロジェクトがキャンセルされたが、
 新規発注はゼロである。

 アメリカの原子力発電所では、
 1970年代初めには建設単価がキロワット当たり200ドル以下であったが、
 80年には750ドル、84年には1900ドル、
 そして86年と87年に予定されている23基の原子炉については
 3200ドル以上となる。
 電力業界自身の数字によれば、
 新たな発電所の発電原価は平均してキロワット時当たり少なくとも12セント、
 只eン、新たな石炭火力発電所ではキロワット時当たり6セントであり、
 コ・ジェネレーション[熱電併給]ではさらに安価である。

 アメリカの電力業界は、かつては豊富な資金でそのような経費を吸収できたが、
 今日では経費増が事業経営を圧迫するようになった。
 電力業界は主として民間企業により構成されているので、
 州の規制をクリアするだけでなく、出資者の期待にも応えていかなければならない。
 多くの企業にとって予算額を超える経費が供給価格を上げざるを得ないものになり、
 ひいては経営を悪化させて倒産寸前まで追い込まれたケースもある。
 アメリカのビジネス誌「フォーブス」は1985年に、
 「わが国の原発計画の失敗は、ビジネスの歴史における最大の経営的大失態であり、
 歴史的に明記されるべきものである」
 と書いている。

 1980年代終わりは、
 アメリカの原子力産業にとって未だ体験のない時期となろう。
 スケジュール的には今後2年間に原子力発電がかなり増加すると見込まれ、
 しかもこれらの発電所はキャンセルが集中した時期を生きながらえたものなので、
 原子力産業の希望の星であるに違いない。
 しかし悲しいかな、大部分は本来数年も前にキャンセルされているべきもので、
 経済的には大損失である。
 安全問題の専門家は、
 いくつかのものには工学的にも重大な欠陥があると考えている。

 原子力発電所の建設単価はアメリカ以外では、
 キロワット当たりカナダの2000ドル強から、
 フランスの1000ドル弱まであるが、
 多くは1500ドル近くであり、数か国では原発がかろうじて経済性を保っている。

    表4-7 主要国の新たな原子力発電所の予測費用

    国    費用      総電源に占める
        (キロワット当  原子力の割合
         たりの1984年  (1985年における
             のドル価格)   百分比)
  アメリカ        2865             16
  イギリス        2080             19
  カナダ          2019             13
  スウェーデン    1600             42
  西ドイツ        1429             31
  日本            1405             23
  フランス         870             65
  ソ連            ----             10

 アメリカの多くの原発プロジェクトは稚拙な誤った管理をされてきており、
 規制の過程は他の大部分の国よりも混乱している。
 しかし、アメリカの電力制度が他国と異なる最も顕著な点は、
 それが圧倒的に民間企業により担われていることである。
 他国は公益企業として、
 原子力発電の財政的な負担の大部分をこっそり社会に転嫁できる。
  ・
  ・
  ・

P.108
 日本の原発計画は、フランスよりゆっくりとすすめられたが、より着実に前進した。
 現在、国内の電力の23パーセント[1986年度は25パーセント]を
 供給している33[1987年末で35]の発電所に加えて、
 11基が建設中である。
 問題が生ずれば当初の計画を縮小するが、
 問題を慎重に検討し、その多くを解決してきた。
 1984年には2000年における原子力発電の容量の予測値を
 31パーセント下方修正した。
 電力企業は年2基の原子炉を発注しているが、この数字は増えるというより
 減る可能性のほうが多い。
 チェルノブイリ事故により、原発の安全性に関する世論の関心は高まったが、
 原子力発電所の停止を求める具体的な行動にはならなかった。

いま脱原発社会の選択を

P.113
 原発開発への取組を再び軌道に乗せるには、
 数年間の無事故稼働の実績、廃棄物処理問題のスピーディな解決、
 そして原発テロの脅威の除去を必要とするであろう。
 しかし、これらのすべてが達成される見込みもないし、
 むしろ不可能かも知れない。
 そうであれば、ますます多くの人々が原子力発電の終焉を要求することだろう。
  ・
  ・
  ・

P.117
 このような混乱状況がもたらした高価な副作用の一つは、
 非核エネルギー技術開発の努力や、
 エネルギー政策への新たなアプローチが見られなくなったことである。
 酸性雨削減の試みは、
 エネルギー政策立案者が原子力発電が唯一の現実的解決方法だと主張し続けるので、
 繰り延べられてしまった。
 エネルギー節約は長続きしなかった。なぜならばもしそれが成功してしまうと、
 原発プラント産業が利益を上げ続けるのに十分なだけの
 原子力発電所の発注を正統化するのが困難になってしまうからである。
 電力事業体制の重要な改革も遅れてしまっている。
 なぜならば、事業の独占形態を終わらせて市場の倫理に委ねると、
 残存している原発計画が立ちゆかなくなってしまうからである。
  ・
  ・
  ・

P.118
 ここでの結論は、多くの国が周到な計画的な原子力発電の
 段階的廃止を選択するであろうということである。
 そのような選択をしなかった国は、
 重要な技術的優位を築きつつあると考えるのかも知れないが、
 国を二分する争いで政治的にも経済的にも弱体化していく可能性のほうが大きい。
 最終的には、そうした国々も原発ばなれをしていくだろう。
 それが経済的な選択であるばかりでなく、
 取るべき最も現実的な道なのである。

以上

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 209       Text Title  : 大前研一「悪魔のサイクル」より          
Author   : reader    Text Length : 8780 Byte    Date : Sat Jun 11 17:36:30 1988


from 青山 千秋
最近、原子炉の故障がみつかっていますが、
電力会社が安全と言う根拠は
単にアメリカのメーカーが安全だからと言っているから
ということを裏付けるような本があったのでアップロードしておきます。
ただし、この本が書かれたのはずいぶんと前なので現在とは
かなり状況が違うのかもしれません。

大前研一「悪魔のサイクル」新潮社 1988年 明文社 1973年

P.173
 日本人の日常生活に馴染みが深い総合電機メーカーを調べてみても、
 およそ技術「購入」の系列がはっきりとしているのである。

  三菱電機          -->  ウェスチングハウス社(米)
  日立製作所、東芝 -->  ゼネラル・エレクトリック社(米)
  富士電機          -->  ジーメンス社(西独)

 国内ではライバル同士の日立や東芝は、ともにGE社と「提携」している。
 歴史的な因果関係はさておいても、
 アメリカには総合電機メーカーの大手が2社しかないので、それもやむをえまい。
  ・・・

 さて提携成立ともなると、
 技術者はいっせいにトラの巻に飛びつきたくなるような心理になる。
 本来なら、自分の頭を痛めて解決しなくてはならぬ、
 といったところをたった一本の手紙のやりとりですませることができるのだから、
 これほど便利なものはない。
 予想もしなかったグッドアイディアがタナからボタモチのごとくころがり
 込んでくるのだから、目さきの効く連中が喜ばないわけはない。
  ・・・

 失敗をおそれ、成功の一字だけをひたすら追い求めようとする、
 ムシのよすぎる企業環境の下地ができあがっているので、
 もっぱらやるべきことは最後の仕上げ。
 ところが、ふとしたマネージメントの誤判断から、
 悲劇が突発することもある。
 こんなふうにエンジニアが破滅の憂目にあうことは、しばしばだ。
  ・・・

 原子炉設計の問題に言及しておくと、
 日立や東芝はなるほど名目上、GE社との間に「提携」というかたちをとっている。
 しかし、関係者ならだれでも知っていることだが、
 現状は対等の技術提携などではない。

 日立や東芝の顧客には、周知のように東京電力という巨大な会社がひかえている。
 東電と日立・東芝との取引高の推移をみてみると、
 国産化・自力開発と密接な関係--端的に言うと反比例の関係--
 があることがわかるのである。
 だから、外国技術から独立しようと、
 自分のところの研究所でする奮闘努力が対外的に
 顕著になればなるほど取引高は、下降曲線を描くということになる。

 なぜそうなるのかというと、東電はハナから問題にしていないからだ。
 東電がGE社の技術を高く買っていることは、周知の事実である。
 もともと東電とGE社のつきあいは、ずいぶんと古い。
 東電の欲している点をひと言でいうと、
 日立や東芝の「工場」で、GE社の「技術」を製品にかえることである。
 つまり両者は単なる製造工場にすぎないということである。

P.181
 国から「従来と異なった方式を検討せよ」とのお達しがあったとする。
 かくかくしかじかのモノにせよ、という確固不動の明文を、
 国は絶対にもちださない。
 真意は行政官の肚の中におさまっているので、憶測から駆け引きが展開される。
 国側は黙って圧力をかけてくるだけなので、
 真意がどこにあるのかさっぱりわからない。
 いくども報告書を提出させるだけである。
 ダメをおし、押しては出させる。結局、行政官の肚芸にまきこまれてケリがつく。
 けだし、これこそ肚芸の極致といわねばならない。

 企業のほうにしても、はじめから「この線でいこう」という決断は、まったくない。
 決断のないこと自体がモットーなのだから、それもやむをえぬ。

 原子炉設計のプロジェクトチームを組む。研究開始だ。スタートはまず米国式炉。
 そのうち英国式炉の性能の良さが伝わると、軌道修正を試みる。
 次に西独式炉が有望との情報が入ると、これまた修正。

 そうこうしているうちに時間切れになる。青写真を買うのだ。なんのことはない。
 いままでに要した時間と労力は、
 青写真まちの狂言まわしとしか思われなぬことであった。

P.182
 これまで見たところ、日本の原子力産業はさしたる失敗もおかしていない。
 私はこの「失敗をおかしていない」という点に、
 わが企業行動の特異なる性格をみるのである。
 ヘンな言いかたかもしれないが、
 「失敗をおかさなかった」からこそ、
 大失敗をおかしているのである。
 この大失敗は世界でも例をみないほど珍しいものであった、と言えよう。
 こんなふうに言うと、
 「わが原子力産業はすでに発電規模において世界のトップクラスに
 仲間入りしているではないか」というお小言を頂載するかもしれない。
 だが、それはともかくとして、事実そのものを直視してみよう。
  ・・・

 彼らの開発にかける情熱をみていると、
 いまさらながらわが国のやり方に我慢ならぬものを感じるのであるが、
 それははたして私ひとりだけの義憤だろうか。
 彼らは、ある炉型がきまると
 トコトンそれを煮詰めて建設にまで持ちこもうと努力する。
 その気魄は私たちの想像を超えたものというべきであろう。
 もとより未知の領域に踏み込むわけだから、失敗も覚悟のうえだろう。
 だが、彼らはけっして失敗をおそれない。
 強力なスタッフを結集し、いざプロジェクトコースが決定したならば、
 それこそ疾風怒涛の趣さえある。

 「失敗の許されない」わが国の原子炉開発における方針をみていると、
 まるで彼らとは正反対の感じがする。
 日本のそれは、「失敗しないで成功させる」こと。
 ために”忍”の一字が強いられる。
 だが、それにしても
 「失敗しないで成功する」ごときムシのよいやり方があるだろうか--。

 言うまでもなくかかるやり方は、できあいの技術を外国から導入する、
 いわば外国技術によりかかるやり方なのである。
 外国技術によりかかるというと、
 カチンと頭にくる人には「技術提携」と呼んでおこう。
 もっとも、人類最初の被爆体験者としてのわが日本人の心中には、
 拭いがたい核アレルギーが潜んでいるのであって、
 かかる核アレルギーが原子力産業の「大胆な」開発研究を阻害する要因に
 なっているとするむきも、ないではない。
 しかし、これはあまり説得力がないように思う。

 「外国でうまくいった」「外国で採用された」を理由に、
 外国からの技術導入をたよりにした、
 いわば技術「吸収」に研究の大半がついやされ、
 国家予算が投入されている現状に切歯扼腕しない技術者がいるだろうか。
 ともかくも、このような「模倣のための研究」に全精根が傾けられているかに
 見えるところに、私は「失敗をおかさない」で成功する魂胆をみるのである。

 実証試験、確証テストの類の、いわば「模倣のための研究」もまた、
 その姿勢が当然、もたらすであろうところの、
 またしても外国の模倣となるのである。
 けだし、やむをえないことであろう。
 なにしろ「模倣のための研究」とはいうものの実験には膨大なカネがいる。
 そのような実験に失敗でもしてみろ、それこそワリがあわぬではないか、
 というのがわが国原子力産業の幹部の心に宿るホンネに違いないからである。

 あるパーツには英国製、他のパーツには米国製といった調子で、
 原子炉自体をハリボテ式に設計するところに、
 ビッグサイエンスの悲哀があった。
 イギリスにしろアメリカにしろ、
 原子炉の設計自体にはそれなりの思想的一貫性がある。
 このような思想的一貫性を欠いているのがわが原子炉設計なのである。
 あたかも60サイクル用の米国製のテープレコーダーに
 50サイクル用の西独製発電機を使うがごとき感さえしないであろうか。

 してみれば、思想的一貫性の欠如に
 「失敗せずに成功させる」ことの秘密があったのである。
 ところが、ツギハギだらけにかかわらず、設計された炉自体にはそれなりの
 思想的「統一性」が窺われるから、妙なものだ。
 このような相反する現象の不思議は、いったいどこから出来したものなのだろう。
 その寄ってくる根は結論からいうと、日本人の「よりかかり」の
 実体構造に潜んでいると考えるのが、妥当なように思われる。
  ・・・

P.197
 ともかく、いかなる炉が採用されるにしても、
 炉自体の複雑な体系性を無視してしまうので、
 でき上がった日本製高速炉はツギハギだらけのものとなる、
 ということはすでに見たとおりである。
 各国で独自に開発された高速炉は、あたかも各自動車メーカーが独自に
 開発したクルマのようなものである。
 トヨタのギアシフトに故障が生じたからといって、
 日産のパーツを買うわけにはいかないだろう。
 トヨタの低速ギアは日産のバックギアに位置しているので、
 ドライバーが低速ギアに入れたとたん、
 歯車は木っ端微塵にフッとんでしまうからである。

 原子炉でこんな事故がおきたら、
 関係者の首がすっとぶだけではすまされないだろう。
 そこで、原子炉の設計には幾重にも安全装置がついているわけだ。
 今日の日本の原子炉に対する保守的な姿勢は、
 アメリカの原子力委員会が作成した70項目の指針にもとづいているが、
 そのおかげで安心しておられるにしても、
 さて、この安全思想から日本的な保守姿勢を摘出してみると、どうだろう。
 設計者の「よりかかり」姿勢がくっきりと浮かび出てくるはずである。

 安全性を損なわずに経済性を大幅に高めることだって
 設計者の努力いかんで可能なのではあるまいか。
 英・仏のように、原子炉の格納容器が大幅に簡単化され、
 保護手段が巧みに講じられているのは、
 それらの高速炉に一貫した思想がつらぬかれているせいでもある。
 それができないのはわが国のビッグプロジェクトの独特の運営に起因している。
 その端的な表現がわが国流の原子炉の安全思想に反映しているのである。
 わかりやすく言うと、つまりかかる安全思想をクルマにあてはめて言うならば、
 クルマというクルマはみんな重戦車なみになってしまうことである。
 高速炉の実用化もまぢかに迫った今日、
 原子炉の経済性を考慮しないでいつまでも重戦車なみの思想にこだわっていると、
 高額のわりには安全性が低い炉の設計に低迷し、
 はてはわが炉の設計思想に横たわる「よりかかり」の姿勢がかえって
 裏目に出て、とんだ失敗がおきないともかぎらないだろう。
 ともあれ、失敗を恐れるあまり成功の2字しか追わぬわが原子力産業の
 正念場がやって来たようである。
  ・・・

以上
Board    : 原子力発電                    
Text No. : 210       Text Title  : 原子力批判派の諸兄お元気ですか?        
Author   : reader    Text Length : 600 Byte    Date : Sun Jun 12 01:41:38 1988


原子力批判派の皆さん お元気ですか?
                      From 団藤

 実況中継に熱中しているうちに、このボードの雰囲気がすっかり変わってしま
ったのに気づきました。

 原子力批判派の論客諸兄、お元気ですか? もちろん、誤り人さんは別ですが
・・・

 この間までは、批判一色の観があって、正直なところ、議論を成立させるのに
苦労していたのに、現状は正反対です。

 これだけ、賛成意見が出ているのですから、もっとハナシを詰めましょう。

 なお、私はもう少し、実況中継に時間を割かせていただきます。次のステップ
として意味がありそう−−と、感じているものですから。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 211       Text Title  :  他のネット情報:NIFTY-SERVE            
Author   : reader    Text Length : 627 Byte    Date : Sun Jun 12 15:31:27 1988


NIFTY-SERVEでは
NIFには市民フォ−ラムというのがありまして、まあそれはものすごいにぎわいで
す。ほとんど、いや完全に反対派の根城になっています。入ってくる情報も
浜岡関連、泊原発問題、など多彩で、新聞記事の紹介もわんさとあります
ところで最近、このフォ−ラムの重要な情報を本(小冊子)にして発行しました
1冊200円で500部があっという間に売り切れてしまいました。
内容は食料の放射能汚染デ−タなどいろいろです
それから市民フォ−ラムは他のネットへの転載が原則として自由なので
遠慮なく転載しても良いそうです
このサイエンスネットでも市民フォ−ラムの情報の中で良いものがあたったら、
転載するのも良いのではとおもいます



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 212       Text Title  : Re>拝啓,電力会社の皆様へ 「誤り人 
Author   : reader    Text Length : 2109 Byte    Date : Sun Jun 12 18:55:38 1988


Re>拝啓,電力会社の皆様へ 「誤り人」
 イヤイヤ、電力会社のお先棒を担ぐようなグループ(?)が出現しましたね。あ
そこまで、持ち上げられると「御社」も恥ずかしいのではないでしょうか。
 ただ、「今まで大事故が無かったからこれからも安全では・・・」との考えにお
立ちの様ですが、安全教育で言われるように、事故は1:3:300(この比率は
大まかですが)の比率で起きるといわれています。 ↑ ↑  ↑
 原発は今年に入ってからだけでも、       | | 軽微な事故
大飯原発、玄海原発等々事故の連続です。     | |
このことだけでも、原発が安全とは言い難     | 中規模の事故
いのではないでしょうか。            |
これが、一般市民の感覚でしょう。        大事故
それを、単に安全安全と呪文か念仏のように唱えている電力会社の言い分は、と
てもじゃないが信用できないでしょう。今、電力会社は猛烈な教育運動を進めてい
ます。これは電力会社職員も心の底では「原発はアブナイ」と感じているのを知っ
ているから、社外PRと平行して実施しているのでしょう。→魔女狩りになりそう
 電気エネルギーは確かに重要なエネルギーですが、小生達の子・孫に取り返しの
つかない「贈り物」をしないよう、貴方が言う「究極の目標に向かって邁進」され
ないよう小生は小生なりに、他の人はその人なりに頑張っていきたいと思います。
                         「誤り人」より
PS:団藤さん
   まとめはどうするのですか?
   あと、SIG OPさんはかわったのですか?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 213       Text Title  :                                         
Author   : reader    Text Length : 1573 Byte    Date : Mon Jun 13 01:25:10 1988


パ・リ−グの火を消すな!

このネットを覗いてみて、原発支持の意見が思ったよりも多いのに驚きました。
声なき声まで動員しての原発支持、まことにご苦労なことです。
ところで、私のように最近になってからネットを覗きはじめたものにとっては、このネッ
トの議論の流れがつかみにくいのが悩みのタネです。
文書のリストをとってみたのですが、全部を読むわけにもいかないため、とりあえずとこ
ろどころをつまみ喰いさせてもらっています。

そういうわけで、原発支持を表明するすべての文書をあたったわけではありませんが、い
ままでに見てきたものの中で、原発の<絶対安全性>を説明していただいたものは見当り
ません。オジサンやオバサンが、この間、原発に対して抱いている不安とは、事故を起こ
すかもしれない、起こしたらどうしよう、という<もしも>を想定した不安だとおもいま
す。
こうした人々に対して、原発は危険ではないと説得するためには、<絶対安全><絶対無
事故>の証明が必須であろうと思います。

このネットに登場する原発支持の意見は、多くは、<わたしは原発の安全性を信じる>と
いう宗教的立場を堅持されているものと、<原発の電気は必要だから、事故の危険性には
目をつぶろう>というカミカゼ型精神の発露とに大別されるように思います。
科学の無繆性を信じる宗教者と議論するのはとても消耗なことですし、カミカゼ精神の持
ち主とは、ヒュ−マニズムという共通の土壌を共有できないので、議論が成立しません。

スリ−マイルの事故、チェルノブイリの事故と、原発のシビアアクシデントが夢や可能性
の問題ではなくたってきた時代だからこそ、原発支持の方々には<それでも事故は起こら
ない>と主張しつづけて欲しいと思います。
原発推進の人たちには、もっともっとタテマエを語って欲しい。ネットを面白くするため
に頑張ってください。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 214       Text Title  : SHOUENE GENPATU ?                       
Author   : reader    Text Length : 1749 Byte    Date : Mon Jun 13 16:30:04 1988


原発は、資源小国の救世主たりうるか?

最近電力会社が再び原発推進キャンペ−ンを強化しているようです。
そのPRの中にかならず登場するのが、<資源のない国日本には、原発は絶対必要>
というコピ−です。
わたしはこの言い分に以前からいくつかの疑問をいだいているのですが、どなたかお
答えねがえないものでしょうか。

1 <原子力は石油代替エネルギ−である>と、電力会社は今でも考えているのでしょ
うか。石油のなくなる社会で、原子力だけを利用した生活とはどのようなものになる
のでしょうか。

2 <石油がなくなるかもしれない>と、電力会社は本当に心配しているのでしょう
か。もしも将来のエネルギ−資源の枯渇を心配しているのならば、昨今進められてい
るような、ガス会社と争っている冷暖房機器の売り込み戦争や、家庭用電力の消費拡
大を狙った200ボルト化の構想などは、資源保護のためにどのように位置付けられ
のでしょうか。

3 <原子力は石油よりも安定したエネルギ−である>という考え方は、現在安価に
ウラニウムの採掘を可能にしている政治状況、<南アフリカのアパルトヘイト政策や、
アメリカ、オ−ストラリアなどにおける先住民の抑圧政策>が、いつまでも続くこと
を期待することを意味しているのでしょうか。

4 最後に、本当に原子力は石油や石炭といった化石燃料を節約する、あるいは、代
替することができるのでしょうか。わたしは、<廃炉や核廃棄物の管理の費用を考え
ると、原発のエネルギ−収支はマイナスである>と、聞いたことがあるのですが、電
力会社は廃炉を含めた長期のエネルギ−収支の計算をしてみたことがあるのでしょう
か。<その際、プルトニウムの長期監視費用をどのように算定するのか、大変に興味
があります。>

にこにこ顔のPRに無駄なお金を使ったり、反原発の本の論理矛盾をついたりという
姑息な手法をとらずに、正攻法で国民の理解を得るべきだと思います。

     <スパイクタイヤの次には原発の使用禁止を求めたい> 大黒七郎

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 215       Text Title  : <実況中継>市民グループVS関西電力#4  
Author   : host      Text Length : 6465 Byte    Date : Mon Jun 13 17:34:39 1988


<実況中継>市民グループVS関西電力#4
       (No.198,199,201,205の続き):(By団藤)

 《市民》最低、今日、きっちり、伺っておきたいおきたいことがありましたの
で、それだけ、おさえさせて下さい。今度のツアーの予定人数と総予算−−どう
いう費目で計上されるのか−−、それに具体的な計画、今後の募集方法それだけ
は教えていただきたい。

 《電力》趣旨はさきほど申し上げました。人数は、和歌山のケースで一台に4
0人乗られる。われわれとしては、バス100台程度をいきたいな、人が集まれ
ば、と考えています。結局、40かける100で4000人になります。

 《市民》和歌山だけですか。

 《電力》いや、近畿2府4県です。

 《市民》別の日の新聞に、9月までで25000人という数字がありました。

 《電力》それは従来からやっているものです。公募でするのが4000です。

 《市民》無料バスというか、新たに公募されるのが4000人ですね。

 《電力》私共の場合は従来から会社の電気モニターさんとか、いろんな方に見
ていただくことを続けて来ました。

 《市民》消費者団体とか学校とかも誘っていらつしゃいますね。

 《電気》婦人会の方にも見ていただきました。

 《市民》一般公募が4000人ということですね。

 《電力》4000人なのか、それはそのときの応募状況によります。

 《市民》申し込みが8000人ほどあるとかいうのは、違うんですか?

 《電力》申し込みが、だいたい倍くらいあります。

 《市民》抽選をするんじゃなくて、まあ、一応抽選して先に行き、残った40
00人をまた連れて行くつもりでしょう。

 《電力》まあ、予算の範囲で・・・。

 《市民》私達、こんなに必死な空気なっているのに、「遊び」とかいう言葉が
広告に入ってましたね。予算はどれくらいかけるんですか。

 《電力》通常のバス代を負担する程度です。和歌山は遠いので一泊しますが。

 《市民》一人当たりいくらかけるのです。ツアーに組んでる総予算を。

 《電力》そういうことは一切公表しておりません。

 《市民》なんで、そんなん公表せえへんの。わたしらの金を集めて行くのは止
めてほしいわ。

 《電力》普及開発関係費という形で、有価証券報告書には記載されています。
62年度は、広報の費用、サービスセンターでの料理教室などいろんな行事を含
めて、62億円です。

 《市民》すごい金ですよ。
 《市民》電気代の全体からは、3パーセントぐらい?

 《電力》そんな。0コンマ何パーセントです。

 《市民》高すぎるのと違います、電気代。
 《市民》ツアーするくらいなら、下げられるのと違います?
 《市民》高すぎるわー。こんなにもうかってるのに。わたしらから絞りとっと
いて・・・。
 《市民》人数の点を、もう一度、確認します。公募が4000人で、それ以外
のを含めて上半期で25000人ですね。だから、年間では50000人。

 《電力》あそこは冬は雪でバスが通りにくいので、倍はいかない。

 《市民》具体的な募集方法ですが、なぜ和歌山をトップにしたのです。

 《電力》トップではない。あれはね、皆さんから電気料金をお預かりしている
都合上、出来るだけ安い生活情報紙などに出したかったのですが、ご承知の通り、
和歌山には適当なものがない。それで、一般の新聞の県版を使って広告を出し
たのでして。

 《市民》最近の新聞の全面広告と、矛盾するではないですか。

 《電力》矛盾はしていない。そちらはそちらでやっていることで。

 《市民》費目は違うのですか?

 《電力》いや、費目は同じです。

 《市民》日置川をねらった訳ではないんですか。
 《市民》まず、理解してもらいたいから、と関電の広報紙に出ていました。

 《電力》それは、もちろんです。わたしらは最重要電源と考えていますから。
これからも粘り強く取り組む・・・

 《市民》また、何億円かばらまくのか。
 《市民》若狭湾と和歌山とはさまれて、わたしらどこへ逃げたらいいのか。
 《市民》もう新たに原発をつくる必要はないでしょう。

 《電力》この間も、神戸で説明したと思うのですが、電気は決して余っては。

 《市民》余ってます。ちゃんと計算し直してみても。
 《市民》余っていることは、平井先生らの・・・
 《市民》余っているかどうかはどうでもいい。原発を止めて下さい。
     (一部省略)
 《市民》原子力になんらかの疑問を持っている人が多いから、連れていくんだ
という新聞記事でしたが、疑問に答えるというのなら良いことづくめの説明だけ
でなくて、いろいろな問題点を含めてお願いしますね。
 《市民》事故の資料、10年分渡して下さいね、見学者に。
 《市民》美浜原発は加圧水型炉では一番古くて、事故もたくさんあったことを
認めていらっしゃるのに、わたし、この間、美浜原発に見学に行きましたが、事
故があったことや危ないことなんか一言も説明がなかった。一般にも放射能はあ
りません、自然もあります、温排水の放水口まで行っても、魚が喜んで来ます・
・・とかきれいなことばかり。PRではなくて、事実を言って下さい。そうでな
いと、人をだますことになります。

 《電力》行かれたときに、質問されましたか?

 《市民》質問されなくても、自分から言うのが当たり前でしょう。真実を伝え
るのが広報と違います?
 《市民》美浜1号炉は古くて、事故が多くて、例えば蒸気発生器にピンホール
がいっぱい発生して栓をしているとか、一言もありませんでしたよ。映画ばっか
り見せられて、きれいなPR館行ったら、ちょっとだけしか疑問に思っていない
人なら、大丈夫かな、と思ってしまうような説明しかされませんでしたよ。

 《電力》一言、事故とか故障とか、その辺の考え方について。電力会社は電気
事業法という法律で、何かあったときに報告することになっています。放射線事
故とか、機器の損壊事故、核物質が盗まれたとか、放射能が環境に大量に放出さ
れるような事故とか、そういう、法律に決められた事故がいくつか挙げられてい
ます。それに該当するかどうかで、本来は、事故か故障かが決められます。故障
のものでも新聞にはどんどん出ています。
 事故の中でも、機器が故障して、保護装置が働いて自動停止した、停止期間が
あまり長いと発電できないという場合は、電気事業法上は発電が出来ないという
のは一つの事故だというふうに取りますので、事故報告を出します。原子炉の安
全という観点からいうと、安全に止まっているにもかかわらず、事故報告を出し
ます。こういうのが一つ。

 《市民》(笑い声)

 《電力》もう一つは、運転中にポタポタ漏れたとか、何か異音がしたとか、ど

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 216       Text Title  : 電力の200V化について                
Author   : reader    Text Length : 1651 Byte    Date : Mon Jun 13 23:07:36 1988


電力の200V化について       From スターデルタ

 ヨーロッパの家庭用は230V級ですが、400V級の3相4線式の配電方法を
採用しているから、意味があるのです。(スター結線の中性点と、各点の間では、
1/3の電圧が出ますから)
 現在の日本では、単相3線式の200−100Vと、3相3線式の200Vと、
3相3線式の400V(3相4線式もある)の3方式があり、この内の単相3線式
の200−100Vを家庭用として、広めようとしているようですが、200V化
と大騒ぎするだけの内容ではありません。全面的に配電線を昇圧して、送電ロスを
減らすのならばわかりますが、既に単相3線式は30%以上の家庭に採用されてい
るし、電力のトランスはすべて単相3線式になっているし・・・。
 200Vの電気製品を普及させて、電力消費を拡大しようとしているだけです。
 その理由として、200V化すれば、欧米諸国と電気の互換性がとれる事をあげ
ているようですが、100Vに比べれば200Vにした方が、日本向に改造しやす
いとは思いますが、そんなに簡単なものでは無いでしょう。(単相3線式の200
−100Vを採用しているのは韓国ぐらいで、米国は単相3線式の230−115
Vだし、欧州は230V以上でしょう・・・大体電圧だけ互換性がとれたって周波
数も違うし)
 電気技術基準はかなり異なるし、外国のメーカーにとっては互換性があるとはい
えないでしょう。国内メーカーの内需拡大にはなるでしょうが、結局電気を余らせ
たくない政府・業界の陰謀かな。
 こんな狭い日本を、50Hzと60Hzに二分してしまった政府・業界に、まか
せておいたら、どうなるかわからん!(関西の照明器具は関東では使えないように
してしまった奴等に、互換性をいう資格は無い。)

−−−あんまり、原発とは関係ないけど、政府・業界のいうことを素直にきくのは
   やめましょう・・・・・ということでした。−−−



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 217       Text Title  : 原子力発電は安全。しかし.....      
Author   : reader    Text Length : 195 Byte    Date : Tue Jun 14 06:00:20 1988


核燃料の廃棄処理は?
発電所の炉のメンテナンスは誰がするの?
核汚染物質(使用済み燃料や炉の廃材)の処理方法は?
しかし、原子力発電そのものは安全です。
全発電プラントに対する事故の割合では。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 218       Text Title  : いやな感じ (石田)                    
Author   : reader    Text Length : 893 Byte    Date : Tue Jun 14 10:29:49 1988


「原発賛成」の意見を書いてから毎日ここを読んでいたのですがリアクションがなくて
さみしかったところですが,このごろは少し,反応がかえってきました。

なるほど,そうだな−,などと,感心する部分もあったのですが,ちと,このボ−ドに
いやな感じを受けはじめました。


「電力会社のお先棒を担ぐようなグル−プ」

「宗教者と議論するのはとても消耗」

などなど...私は賛成のほうですが,だからって勝手に電力会社のまわしもの扱いし
ないでください。

あなただって「市民の一人」であって,「市民の意見の代表」ではないでしょう?

私は原発のことについて議論しているからというのでここに来たのですが,どうやら
ここは,原発反対グル−プの集会場みたいです。
やはり,体験した「学生運動」の延長上でした。

賛成派が,うっとおしいのならば「賛成派は来ないでください」とでも,してくださ
い。

私だって,迷惑がられてまで電話代を使ってここに来たくはありません。
いわゆる,自称「市民グル−プ」の邪魔はしたくありませんから。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 219       Text Title  : あら,すてきなご意見!                  
Author   : reader    Text Length : 2536 Byte    Date : Tue Jun 14 13:10:09 1988


あら,すてきなご意見!

「かえるの声」という小さな新聞(失礼!)の5月1日号に次のような意見が出て
いました. 私は良い意見だと思いますが,みなさんはどうお考えですか...?

*************************************

       <学術論争を切望−−原子力論争も捕鯨論争に類似>

 朝日新聞,四月二十日付け夕刊一面の「窓,論説委員室から」欄に「鯨の放牧」
について書かれていた. その中の一節,

 「日本固有の食文化や,科学的なデータに立った主張が国際的理解を得られない
のはじれったい. しかし,ここはひとつ目を大きく開けて,世界に違った考えも
あることを認め,自分を理解してもらう努力をせねばなるまい」

 国際捕鯨委員会の商業捕鯨全面禁止の決定に,日本も従わざるを得なくなった事
態について論述されたものであるが,最近の原子力発電所開発の是非を巡る論争と
ダブらせて考えていた.

 鯨肉を食してきた日本人と,鯨保護,反捕鯨を主張する他の国の人々との間に,
「鯨に対する考え方の違いがある. 文化摩擦の色合いさえ濃い」と同欄では指摘
している. 原子力論争も,人生の価値観の相違などといった,哲学的文化摩擦と
もいえるような事態にエスカレートしてきた.

 先日,関西の一読者から,「かえるの声」の「論」欄で,原子力開発を支持する
主張はけしからん,という抗議の電話をもらった. 同氏は,原子力のもつ危険性
をその開発反対の理由に挙げていたが,もう一つ,電気がなくともかまわないから
といった意味の反対理由を挙げていた.

 捕鯨反対論と同様,世界(世間)には違った考え方もあることを認めたいが,両
反対論者の大きな違いは,反捕鯨論者の方が鯨肉をいっさい口にしないのに対し,
反原子力論者の方は,約30%,原発からの電気の混入した電気を平気で使ってい
ることである.

 しかし,われわれは,鯨論争のような文化摩擦を,人類の暮しを支えるエネルギ
ーの議論に持ち込むことを望んではいけない. 原子力の安全性や必要性の議論は
科学的,学術的論争を切望するものである. 同じ朝日新聞の科学欄に学術論争の
一端が掲載されていた. 専門家間の意見の交換そのままの記事には,科学記者な
どの公平な解説が付記されているとなお好ましい. 雑誌社も含めたマスコミ各社
に,この朝日の科学欄に類似した,科学的,学術的な原子力記事の掲載を強く希望
するものである.

*************************************

いくらとっつきにくい原発問題でも,もっと冷静に勉強していこうではありません
か. 原発問題ってとっても身近な問題だし,政治思想的な争いとか,口汚い罵り
あいとか,お祭騒ぎみたいな盛りあがりでワーッと安易に答えを出してしまうのは
危険だと思います. そういう風潮に流されることなくもっと真剣に冷静に考えて
いきませんか.
                   ヒステリックな騒ぎが嫌いな一淑女より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 220       Text Title  : 370ベクレルは安全か「誤り人」        
Author   : reader    Text Length : 838 Byte    Date : Wed Jun 15 06:41:41 1988


370 ベクレル/Kg(暫定基準)は安全か?
 輸入食品の残留放射性物質の暫定基準は本当に安全なのでしょうか?
 厚生省のお役人は、『ICRP(国際放射線防護委員会)の「公衆は500ミリ
レム以下に押さえる(自然、医療放射線はのぞく)」の勧告に基づき検討したとこ
ろ、輸入食品(?)はセシウムで421ベクレル/Kg以下と計算された。これ
に、欧米の規制状況を加味し、370ベクレルにした。』と云っているようです。
 しかし、カナダでは乳幼児に与えるミルクは50ベクレルに押さえていますし、
オーストリアも同185ベクレルに押さえています。
 また、なぜ輸入食品だけ規制されているのか? 国内生産食品並みに規制すると
輸入できなくなり、経済摩擦を引き起こすから欧米に阿って、概ねパスする規制値
を設けているのではないか。
 この辺の事にお詳しい方がおりましたら、UPをお願いいたします。
                            「誤り人」より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 221       Text Title  : ★これまでの討論経過を報告します★      
Author   : host      Text Length : 2238 Byte    Date : Wed Jun 15 19:14:24 1988


これまでの討論経過を報告します
                    From 大阪科学部・団藤

 「原子力発電」のボードに書き込まれた件数は、200を超し膨大になりまし
た。実は新ホストシステムの稼働を機会に、まとめをし、これまでの経過が見通
せるようにしようと考えていたのですが、なお、時間がかかりそうなため、この
時点で経過報告をはさみます。重なる遅延を、おわびします。

 現在のホストシステムには、書き込みをあちこち飛ばし読み出来ない弱点があ
ります。経過を概観していただくには、私の試みた簡略なピックアップと要約を
利用して、項目別に拾い読みしていただかないといけません。新システム完成ま
では、あちこちの書き込みに飛ぶときには、コマンド「i」で一度インデックス
を呼び出す必要があります。しかし、呼びたい書き込みが、その時に画面に出て
いるインデックス上になくても、ナンバーを入れれば読み出せます。念のため!

 なお、ピックアップはわたしの独断ですから、重要な発言の落しや、不適切な
引用もあるかもしれません。しかし、次にのべるように本番は、むしろ、これか
らです。このまとめをたたき台に、本格的な討論をしていきたいと思います。

 経過報告は
         <上流>資源・環境・立地
         <中流>安全性・出力調整試験
         <下流>プルトニウム・廃棄物
         <マスコミ論>伊方報道・広瀬隆
         <資料編>ホスト・読者から
 の5つに分けます。
 
 書き込みの表題は省略させていただき、#(番号)で示します。上の分け方は
#84,94,123の提案、補足、手直しを踏襲したものです。#84を読ん
でいただくと、およその趣旨は理解していただけると思います。
 
 ひとつだけ、まとめてみた感想を書きますと、ほとんどの話題が指摘しっぱな
しに終わって、討論は未完成と言えます。もちろん、結論らしきものも出ていま
せん。また、下流域が特に手薄です。原子力という広大な領域をどうバランスよ
く、しかも、内容がある検討をしていくか、これからの課題だと、改めて感じて
います。同好会的な、仲間内の討論ではなく、例えば本にしても恥ずかしくない
ものにするためには、ほかの参加者の意見に十分耳を傾ける度量も必要です。

 お願いもひとつあります。「あの本のココを読んでくれ」というのは簡単です
が、意外に読んでもらえないものです。これを機会に、読者のみなさんにも、重
要と思えるデータ、文献の引用や要約の提供をお願いします。このボードの中で
おおよその情報を充足させて、互いに考える広場にしたいものです。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 222       Text Title  : 経過報告<上流>資源・環境・立地        
Author   : host      Text Length : 2206 Byte    Date : Wed Jun 15 19:16:40 1988


経過報告<上流>資源・環境・立地
                    by 団藤

 こうしたボードの議論では原発反対論が目だちますが、
  「反対ではない。地球にある資源は限られている」(#4)
  「必要悪」(#7)
  「賛成だが進め方に疑問が」(#36)
  「二酸化炭素の増加は温室効果を。原発は事故さえなければクリーン」(#4)
  「石油・石炭に頼ると酸性雨を生む」(#134)
  「資源がない日本で、安定したエネルギーをえり好みは無理」(#203)
  「小資源国の日本にとってはとくに、原子力発電は必要ですし、我国の技術
  力ですれば、原子力の安全性は十分に確保できると信じて」(#207)
 という声が、実は声なき多数派かもしれません。

  「エネルギー消費については世界規模で話合いが必要」(#45)
  「核融合炉に期待する」(#6)
 とする問題意識にもつながります。

 エネルギー消費を抑えようとする立場からは、
  「スイッチを切れ」(#27)
  「高校野球を秋に」(#165)
  「省エクセルギーが重要」(#116)
  「スイッチを切る前にやるべきことがある」(#181)
 との発言があります。
 私からは、省エネ圧力には技術以外の要因が大きいとコメント。(#182)

 原発立地について
  「原発は国民多数の支持でなく、電源三法による多額の交付金に頼る地域の
  消極的な支持の上に建設された」(#43)
 との指摘に対して
  「どれも電調審にかかった”国民の計画”」(#46)
 との反論。
  「自衛隊の容認のような消極的な支持ではなかったか」(#57)
 との自己点検。

 PR不足を自覚した電力業界による”反撃”は急です。
 経済面記事の「もしも原発一斉に止めたら」に関連して
  #151,152,154−157,160
 に東京電力の計算の是非などへ、意見多数。
 業界の全面意見広告についての批判も、 
  #175,176
 などに。
 電力会社内外のPR攻勢について、
  #191,194,197,212
 などに。
 私の「<実況中継>市民VS関西電力」から#198,199,215も。
 
 電力余剰に関係して、揚水発電について
  #31,33,35,58,61,75
 などにやり取りがありました。
 また、「総発電能力と発受電実績の比較」計算も。(#185,186)

 代替エネルギー問題で
  「太陽エネルギーを」(#54)
  「新エネルギー開発の現状」(#128)
 が。

 電気料金への疑問、経済的な分析は
  #138,145,169
 などです。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 223       Text Title  : 経過報告<中流>安全性・出力調整試験    
Author   : host      Text Length : 1276 Byte    Date : Wed Jun 15 19:20:08 1988


経過報告<中流>安全性・出力調整試験
                     by 団藤

 四国電力伊方原発での出力調整試験と重なったため、
  「伊方の燃料は旧式で心配」(#30)
  「実験が日常茶飯になればおそろしい事態を招く」(#37)
 との批判の一方、
  「試験反対の論客は極端な仮定で論じている」(#35)
  「安全と思う。8千人も死ぬ自動車、などと比べよ」(#40)
 との擁護。
 現地取材に行った私からは、 
  「試験は運転員の操作性をみるものだった。しかも、たった4回で十分とし
  た電力側の考え方」(#38)
  「出力調整反対運動を担うのは食品添加物拒否の論理」(#53)
 を、紹介しました。

 安全性について疑問の声は高く、
  「チェルノブイリが起きた以上、単なる確率論で国民を納得させられない」
   (#55)
  「10万点以上の部品で構成されたシステムの安全が、計算できるとは思え
  ない」(#57)
  「2000炉年で1回の大事故が起きた計算。次は数年後」(#60)
  「現在の炉は実験レベルのもの。商業用には問題が」(#120)
 など。
  「原発は危険でないと説得するためには、<絶対安全><絶対無事故>の証
  明が必須であろう」(#213)
 と、工学的安全との折り合いをつける必要も感じられます。

  「東京に原発をつくるのには反対」(#54)
 に対して
  「個人的リスクと社会的リスクの考え方」(#48)
 を紹介。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 224       Text Title  : 経過報告<下流>プルトニウム・廃棄物    
Author   : host      Text Length : 1169 Byte    Date : Wed Jun 15 19:22:07 1988


経過報告<下流>プルトニウム・廃棄物
                    by 団藤

 プルトニウムの空輸、使用済み核燃料の返還問題は
  #10,70,175
 などに。

 いわゆる廃棄物問題について
  「廃棄物、廃炉の費用はコストに入っていない」(#21)
  「再処理問題などからみて、原発は人類がつくりだした技術で1,2を争う
  危険なもの」(#65)
  「核燃料サイクルを確立しないとウランが枯渇する。サイクルを動かせばプ
  ルトニウムという厄介な存在が」(#98)
  「長期間の放射能封じ込めは可能か?」(#174)
  「電力会社は廃炉を含めた長期のエネルギー収支の計算をしてみたことがあ
  るのでしょうか」(#214)
  「一刻も早く、原発を止めて下さい。1mgでも核廃棄物が増えたら、その
  分、何万人ものいのちに関わります」(#204)
 と、反対の立場から論じられた一方、

 消極的賛成とする立場からも
  「原発開発は見切り発車。当然ツケが生じよう。安価なエネルギーではない
  と思う」(#51)
  「日本の核廃棄物は諸外国で継続して受け入れ可能でしょうか」(#202)
 とされました。

 廃棄物による環境汚染について、
  「トリチウムの環境放出」(#189)
  「輸入食品の暫定基準は安全か」(#220)
 などに、指摘が。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 225       Text Title  : 経過報告<マスコミ論>伊方報道・広瀬隆  
Author   : host      Text Length : 1527 Byte    Date : Wed Jun 15 19:24:19 1988


経過報告<マスコミ論>伊方報道・広瀬隆
                     by 団藤

  「科学者・技術者のコメントだけを善とする報道。先端的な科学技術をバラ
  色未来的に美化するのはおかしい」(#9)
  「原発の導入の仕方はおかしかった。大新聞の論客ものってしまった」
   (#113)
 との根源的な批判が、まず出されました。

 伊方の出力調整反対運動について、東日本の紙面展開が遅れたことへ、
  「四国、九州のローカルニュースと考えたのは大間違い」(#16)
  「チェルノブイリと東欧の首都と、伊方と東京の距離を考えよ」(#18)
  「朝日の報道はなぜ後手に回っているのか」(#20)
 など。
 私からコメントできることは、#17,19へ。

 さらに、
  「社説に異を唱える記者は辞めるべき」(#56)
 との議論も出ましたが、
 私は記者と論説委員の関係がどうかを示して、否定的(#63)です。

 広瀬隆氏の本、講演をめぐってにぎやかな論争になり、
  「広瀬氏の朝日への指摘の真偽は」(#96)
  「反原発運動にごく普通の人々が巻き込まれていることは、それだけマスコ
  ミ不信が広がっていることを意味しないか」(#99)
  「朝日には社内検閲などないと、考えることは過大評価」(#100)
  「朝日も企業。電力会社は有力な大広告主」(#101)
 など、科学朝日の木元記者の書き込み(#74,103)も巻き込みました。
 私のコメントは、#102です。

 広瀬隆トーク&ライブ(#131)には、#133を。
 #135,136からは、広瀬氏の言動を危ぶむ声が。

 そのほか、#157などに報道への不安は絶えません。

 逆に私は、#164,167で、読者側の「記事読み込み」を要望しました。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 226       Text Title  : 経過報告<資料編>ホスト・読者から      
Author   : host      Text Length : 1931 Byte    Date : Wed Jun 15 19:26:25 1988


経過報告<資料編>ホスト・読者から
                     by 団藤

 こちらから提供したなかで、資料としての性格が強いものは
  #24  科学面記事「原発出力調整の時代」・・・・・・安全
  #25  科学面記事「調整試験の安全性は」・・・・・・安全
  #44  電力会社の電源開発計画について・・・・・・・資源・立地
  #48  大事故の災害評価例とリスクの考え方・・・・・安全・立地
  #61  揚水発電の実態・・・・・・・・・・・・・・・資源
  #85  資料「長期エネルギー需給見通し」・・・・・・資源
  #86  資料「世界の原子力発電炉」・・・・・・・・・全般
  #87  資料「核燃料サイクル図とウラン資源」・・・・全般・資源
  #108 資料「エネルギー消費の不公平」・・・・・・・資源
  #110 資料「エネルギーの海外依存度」・・・・・・・資源
  #124 <下流>資料「廃炉による廃棄物」・・・・・・廃棄物
  #125 <中流>資料「放射線の危険と線量限度」・・・安全
  #128 <上流>新エネルギー開発は進んでいるか・・・資源
  #187 <中流>科学面記事・シビアアクシデント・・・安全
  #196 <上流>資料・電力に占める原子力の割合・・・資源・立地

 そして、原発に反対する市民グループと関西電力の交渉ぶりを
  #198,199,201,205,215・・・・・・・全般・安全
 で、継続して詳報中です。両者の言い分を直接、知っていただけます。

 読者からも
  #52  原子力講座−1(原子炉タイプ)・・・・・・・安全
  #115 大前研一氏の考え(遊び心より)・・・・・・・全般
  #140 <中流>樋口健二「原発被爆列島」より・・・・安全
  #152   (無題)         ・・・・・・・資源
  #161 全国原子力PR館・・・・・・・・・・・・・・全般
  #162,163 原発関連機関名簿・・・・・・・・・・全般
  #185 9電力、62年度発受電速報・・・・・・・・・資源
  #208 「地球白書」より・・・・・・・・・・・・・・環境・資源
  #209 大前研一「悪魔のサイクル」より・・・・・・・安全
 が出されています。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 227       Text Title  : RE>いやな感じ (石田さん)「誤り人 
Author   : reader    Text Length : 581 Byte    Date : Wed Jun 15 22:25:45 1988

Re> いやな感じ 石田さん 「誤り人」
 イヤイヤ、そのように感じられますか。しかし、小生の「お先棒を担ぐ・・・」
には、別な意味が込められていたのです。それは、小生のように業界に身を置くも
のにとって、彼らのUPからして「電力業界」の先兵としてパソコン通信をスキャ
ニングしているのでは?と映ったのです。つまり、小生は「吾同輩ご注意召されよ」
と言いたかったのです。もし、彼等(複数)がそのような意図を持たないのであれば
申し訳ないことをしたと思いますが・・・。
 何せ、小生はその実態が明白になれば、・・・。
                           「誤り人」より


Board    : 原子力発電                    
Text No. : 228       Text Title  : 「淑女」さんへ。 ちょっと異論が‥‥。  
Author   : reader    Text Length : 2130 Byte    Date : Thu Jun 16 11:47:52 1988

 「あら、素敵なご意見!」を書いて下さった「淑女」さん。
 この素敵な見出しにひかれて、真先きに読みました。 「原発論争」
と「捕鯨論争」の比較、とても面白い。 着眼点がいいですね。 
 締めくくりの提案「冷静に考えていきませんか」も、大賛成です。
 ただ「反捕鯨論者の方が鯨肉をいっさい口にしないのに対し、反原子
力(反原発?)論者の方は、約30%、原発からの電気の混入した電気
を平気で使っている」というくだりだけは、ちょっと違うのでは。
 鯨肉と牛肉など他の食物は容易に区別がつきますが、電気の場合は原
発とその他を区別できません。 もちろん配電ルートを別にすれば、話
は変わってきますが。
 それから、社会が電気を大量に消費することを前提に成り立っている
現状では、一個人がいくら電気を使うまいとしても、それは事実上不可
能です。 どこかに出かけるにしても、電車を利用しないわけにはいき
ません。 近ごろのビルは、自動ドアを通らなければ出入りが出来ません。
 これが、仮に、原発がなければ、それに見合った社会の仕組みが出来
て、電気の大量消費を強制されることもないでしょう。

 「淑女」さんは、みんなが原発でつくられた電気を「平気」で使って
いる、と本気でお考えなのですか。 もちろん、使っている電気が何か
らつくられたのか、などといったことまで考えていない人が多いことも
事実だろうと思います。 でも、気にしている人がいることも事実なのです。
 自分達の社会が原発を利用して電気を大量に生産している。  そのこ
とが、自分達の子孫に大きなつけを残すことになるのではないか。 原
発を使っていない他の社会(国)の人たちにまで災いを及ぼすのではな
いか、と心配して、原発産の電気を使うことにこだわりを感じるのは、
きわめて健全だと思いませんか。 
 かといって、私たちのいま生きている社会が、電気の大量消費を前提
に組み立てられてしまっっている以上、電気の使用を避けては生きてい
けないことも事実です。 他の選択を許さない社会にしてしまっておい
て、原発の利用に反対する人たちが電気を使うことを非難するのは、見
当違いだと、私は思います。

 どうも、「淑女」さんの言葉じりを捕らえるような議論になってしま
いました。 でも、切口といい議論の展開、とりわけ見出しの付け方の
鮮やかさなどはなかなかのものです。

 また、ぜひお目にかかりたいですね。
              自称フェミニストの E:-) フーセンの寅

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 229       Text Title  : <実況中継>市民グループVS関西電力#5  
Author   : host      Text Length : 6851 Byte    Date : Thu Jun 16 20:16:16 1988


<実況中継>市民グループVS関西電力#5
    (No.198,199,201,205,215から続く:By 団藤)

 《市民》ある生活サークルの者ですが、最近原発に不安感があって勉強してい
るのですが、ヨード剤というものが隠されているというか、関西電力だけにいっ
ぱいあって、もし安全ならそんなものは要らないと思うのに。わたしらにはある
とも知らされていないし、必要があるとも知らされてない。

 《電力》避難訓練の問題とか、災害の問題とかの話で、先日ニュースステーシ
ョンでも、やらせの部分もありましたが、ニュースステーション側が実際の避難
訓練を実現させたということがありました、モデルを使って。向こうの電力会社
が発行しているパンフレットなどを出していました。日本では、その辺の仕組み
はどうなっているのかというと、「女性セブン」などでも書いていますが、原子
力の防災というものは、地震とか洪水とかあらゆる災害防止のために、災害対策
基本法という法律に基づいて、中央防災会議という国の各行政機構が参加した組
織があって、地方がどういう防災計画を作るべきか、基本的な枠組を決めます。
その中には、何かあったとき、どういうレベルで通報しなければならないか、ヨ
ウ素剤をどういうところに置くか、避難する場合はどういうふうに誘導するか−
−と、きめ細かな考え方が決められている。各原子力発電所の立地点の県、町は
地域防災計画を定めるようになっています。防災計画を決めるときに電力会社が
やるべきこと、県としてやるべきこと、あるいは国がすることを連携してトータ
ルに決めています。
 そういう計画を皆さんにおしらせするかどうかの判断は、県の知事さんに任さ
れてます。それにもうひとつ、避難の訓練をするかどうかも知事さんに任されて
ます。アメリカでは原子力発電所の運転許可を電力会社が取るときに、国から防
災計画の内容について審査を受ける。そういうことなので、立場というか、法律
のかかっていく内容がアメリカと日本では違う。

 《市民》近い将来には、各家庭に配られるのですか?ヨード剤というものが。

 《電力》それは保健所とかどこかに決まっていると思いますね。

 《市民》知事さんとかに、ちゃんと教育はなさっているのですか?原子炉とは
こういうものですとか。そういうことを、なさった上で知事さんらに任されてい
るのですか?

 《電力》地方自治体の中でどういうふうに徹底していくのか、ということにつ
いては私は責任がないので・・・

 《市民》関電がせにゃあかんが。
 《市民》まるっきし、責任逃れに聞こえますけど。

 《電力》地域防災計画の中で、電力会社が何か起こって地方自治体に通報しな
ければいけないものとか、発電所の中で事故の拡大をくい止める作業をするとか
周りの環境のモニタリングをするとか、避難の誘導とか避難をするとか、それぞ
れ事業者がやるべきことを決めてある。茨城県などは限られた対象ではあるが、
現に避難訓練をやられてますね

 《市民》関電さんもやって下さいよ。
 《市民》もし、美浜原発で見学中に事故が起こったとしたら、どういう補償を
なさってくれるのです?

 《電力》チェルノブイリのような事故が、絶対に起こりえないことを、ご説明
したい。

 《市民》絶対に起こりえないのですか?絶対に。ほんまにやなあー。
 《市民》規模はいろいろあるでしょう。しかし、何か起こったらということを
聞いています。

 《電力》原子力の施設の中で何か、とにかく、見学中ですから災害と関係なく
ても、階段ででもけがをしたら、原子力損害の賠償に関する法律というのがあり
まして、原子力の危険も在来の危険もカバーされている。

 《市民》いまおっしゃられたんですけど、チェルノブイリのような事故が日本
では起こらないという話でしたが、アメリカで1954年、BWRの形の原子炉
で、反応度の実験をしていて、制御棒をずっと抜いて行ったら、あっと言う間に
暴走して爆発してしまった。これはBWRだから、日本の原発と同じ形じゃない
んですか?

 《電力》不用意に、制御棒を全部ぱあーと抜けるような状態では、当然起こり
ます。でも、そんなふうには、なってない。

 《市民》でも、炉型が違うから、と私達素人にはいつもおっしゃるでしょう。
ソ連とは炉型が違うからチェルノブイリ事故は起きない、とおっしゃるけど。

 《電力》さらに正確に言いますとね、ソ連は低出力で不安定になるという炉の
特性がもともとあった。制御棒が入るにも、ものすごいゆっくりとしたスピード
でしか入らなかった。そこへ、非常に、極めて異例な実験をやった中で、規則違
反を6項目繰り返した。そういう事故なんで、日本の軽水炉では、あぶくがばあ
っと出ても出力の上昇を抑えるようなブレーキが働く。

 《市民》反対の反応度もあるでしょう。
 《市民》事故というのは、もし百歩譲って想定されるものはちゃんとしてある
としても、あなたがたの判断外の事故があると思うのです。飛行機にしても汽車
にしても、だれも事故が起きると思ってないのに、事故はおきるんです。もし万
が一事故が起きないとしても、廃棄物が既にあるのです。それに関しても問題は
たくさんあると思います。
 《市民》ごみは全部、関電の敷地に入れて下さいね。死の灰は。
 《市民》暴走事故は日本では起きないとおっしゃったけれど、制御棒が抜けて
しまったら、暴走事故が起きる訳でしょう。それでは、浜岡原発の話をしたいの
ですが、あのときは電源が切れてしまったということが明らかになっています。
自動で止まらなかったのでしょう。スクラムが入らなかったではないですか。

 《電力》スクラムする必要がない過渡現象であったということです

 《市民》とにかく、無停電電源が止まったんでしょう。

 《電力》BWRの設計では、ああいう再循環ポンプで回す仕組みというのは相
当後から出て来たもので、もともと自然循環の炉で、自然循環というのは茶瓶で
お湯を沸かす。ガスの代わりに、熱源が茶瓶の中にあるというもので。それで安
定した出力が出るような設計になっているのです。

 《市民》いいですか。はじめは4時間、電源が回復しなかったといってたのが
次は1分だったという、5時間だったという話もあるし、ちゃんとした生データ
を出していないでしょう。それはおいといたとしても、私の聞いた話では、制御
室に130人の人間がばあっと集まって来た。パニックになった。これでは、ど
うしようもないから、少数の人間を残してあとは返した。それと、運転員の方が
事故のあと、家に帰って6日間寝込んでしまったと、私は聞いてます。だから、
やっぱり、あの事故はたいした事故だったのですよね。そして、暴走事故に、チ
ェルノブイリの事故になる可能性があった事故だと思います。

 《電力》性質が違うと思いますね。例えば、制御棒を炉に入れる系統はしっか
りしていたし、監視するものも、記録計とか生きていた思います。

 《市民》全部、電源喪失したんではないんですか?

 《電力》記録計はちゃんと生きていたと・・・

 《市民》全部切れたんでしょう。
 《市民》生データ持ってないでしょう?
 
 《電力》生データは持ってません。

 《市民》そうでしょう。分からないでしょう。私はそうみてますし、本当に不

安ですよ、原発事故。

 《電力》それが核暴走につながるというのは、早合点だと思います。

 《市民》敦賀のは、核暴走につながりかけたのではないですか。
 《市民》敦賀はあわや、なりかけたのと違いますか?

 《電力》どんな出力レベルでも負の反応度といって、出力があがろうとすると
ブレーキをかける、炉の特性を持たせてある訳です。

 《市民》アメリカのBWRは、そうではなかったのですか?

 《電力》それは、むちゃくちゃ制御棒が抜けるようなら・・・

 《市民》むちゃくちゃって。
 《市民》なんで、そんな。

 《電力》日本では制御棒が飛び出さないように、なっているんですわ。どんな
スピードで抜けるのかは、確実に制限が・・・

 《市民》制御棒の先端が膨れてたりして、入りにくかったりしては。

 《電力》それも程度の問題で、毎回定検でみていますから、はいらんようにな
る前に十分手が打てるのです。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 230       Text Title  : 東電 運休中の火力発電所運転再開        
Author   : reader    Text Length : 577 Byte    Date : Thu Jun 16 23:09:30 1988


from 青山 千秋

やはり、電力は余っていたという気にさせる記事が
6月16日の日経産業新聞に出ていましたのでアップロードします。

 今夏のピーク時対策予備電力率高める 東京電力

 東京電力は15日今夏の電力需要ピーク時に対する電力の安定供給計画を発表した。
 昨年7月に首都圏で起きた広域大停電の再発を防ぐため、
 運休中の品川火力を再稼働するなど予備電力率を高める。
 また、急激に需要が増えても電圧不安現象が起こらないよう
 電力用コンデンサーの増設、SVC(静止型無効電力補償装置)の新設も実施する。

ところで、品川火力発電所の発電量はどれほどあるのでしょうか?

以上



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 231       Text Title  : 思うことby狩野                        
Author   : reader    Text Length : 880 Byte    Date : Fri Jun 17 01:33:30 1988


連載中の関電の話、うらやましいですね。
ちゃんと(?!)話し合いに応じてくれるというのは
公開ヒアリングのことなんかを考えると信じがたいものがあります。
ところで、あの見学ツア−のはなし、
わたしが提案したのと同じなんですね。
電気事業連合会にPA(public acceptance)
担当部局ができたと聞いたので、
予算に糸目をつけないっていうのならあご足付きの
原発見学ツア−を募集してみろ、と
はがきを書いたんですが、そういう金の使われ方はイヤだという人も
当然居る訳ですね。反省しました。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 232       Text Title  : 「やっと共通の土俵で論議」???        
Author   : host      Text Length : 2433 Byte    Date : Tue Jun 21 19:11:24 1988


「やっと共通の土俵で論議」???
                          From 団藤

 このところ実況中継シリーズばかり、やっていましたが(多分あと一回でおし
まいです)、「原子力工業」7月号にちょっと気になる記事があったので、紹介
します。「原子力業界では、いま・・・」というトピックス欄にある「やっと共
通の土俵で論議−−日本科学者会議、広瀬氏の書物でシンポ」とタイトルされた
記事です。

 中見出しを拾うと、

  「広瀬現象」に危機感
  無理がある広瀬氏のデータ
  「矛盾に充ちた実態を暴く」
  新局面迎えた原子力論争

 と続く通り、日本科学者会議が5月22日に東京で開いたシンポ「原子力をめ
ぐる最近の諸問題」での、広瀬隆氏批判の紹介です。

 どんな批判が行われたのか。例えば、
 「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」に出て来る、ハリウッド映画人のがん死
亡率40パーセントは不思議でもなんでもない−−総理府の1981年のデータ
では、45〜65歳の死因の中で、悪性新生物の割合は37パーセントあった。

 といった具合です。チェルノブイリ事故での放射性元素群の放出についても、
4000,5000度と推理していることを、否定する論証がされたようです。
わたしも、このシンポの存在は知っていました。内容は詳しく知りませんでした
が、ほぼ想定されるものだったようです。

 「原子力工業」記事の筆者は「ここまで徹底して内容に疑義を投げ掛けられる
と、活字の恐ろしさを改めて感じる」とコメントして、原子力産業会議が7月と
9月に、原子力論争の問題点に焦点を当てたセミナーを開くことと併せて、

  チェノリブイリ事故をきっかけに、大きく高まった原子力論争は、ようやく
 ここにきて、「共通の土俵」に立った論議によって、新しい局面に入ったとい
 ってよい。

 と結んでいます。広瀬氏批判の中身は、彼の本を読んだときに、専門家でない
わたしでも、簡単に見付けたことなので(疫学的な検討をするのに、比べる集団
の年令構成などの性質を同じにしなかったなど)、この際、省きます。問題は「
共通の土俵」に立てたかです。

 残念ながら、この記事の筆者は事態を見誤っています。広瀬氏批判に成功すれ
ば、従来からの「科学的安全性論争」に立ち返れる−−とお考えのようですが、
そうはならないでしょう。反対の女性パワーたちは、日ごろから拒否している食
品添加物と同じかそれ以上に、「原発は危険だと気付いてしまった」からです。
これまでの原子力安全の論理だけで、つまり、原子力と自動車の危険を比べるよ
うなやり方で、「原発は食品添加物よりもずっと安全です」と説得するのは不可
能でしょう。
 原子力業界が「伊方」に続いて、再び自己満足型の誤りに踏み外さないよう希
望します。実況中継シリーズには、その意味で勉強すべきことがいくつも含まれ
ていると思いますが・・・。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 233       Text Title  : ニュ−ス感覚ゼロ、 TOUCHのてあか 
Author   : reader    Text Length : 1589 Byte    Date : Tue Jun 21 19:30:03 1988


ニュ−ス感覚ゼロ、 TOUCHの手あか写真
       [ニュ−ス感覚ゼロ,週刊TOUCHの手アカ写真]
        写真週刊誌のTOUCH(63.6.28 号)を見ていて変なことに気
がついた「第三の火・原子力発電所の炉心を見る」と題された記事に使われている
写真・・・前にどこかで見た記憶があるのだ。
そこで、家の中をさんざんひっくり返して見ると、ありました、ありました、「毎
日グラフ」(58.8.7号)。ここにまったく同じ写真が載っている。コバルト・ブル
−に美しく光る原子力発電所の炉心が、印象的な写真だ。 
「TOUCH」は、この手アカのついた写真を堂々8ペ−ジも使って掲載している
のだ。さすがに良心がとがめたのか、文中には「1982年に撮影したもの」なんて書
いてあるが、広告なんかでは「撮りたての写真です」みたいな書き方である。
 そもそも、写真週刊誌の生命は、ネタの新鮮さにあるんじゃないかしら。6年前
の写真をしかも他誌に掲載されたものを出典も書かずに載せるとは、よっぽど企画
に困っているとみた。
[TOUCH編集部さん、何か言い訳があったら聞かせてちょうだい。ついでに、
写真を使われた(提供した?)電力会社の人たちはどう思っているのか、ご感想を
お聞きしたいですね。]
                   (FLY−DAYより)   

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 234       Text Title  : 「フェミニストの君」へ                  
Author   : reader    Text Length : 3245 Byte    Date : Wed Jun 22 15:53:41 1988

「フェミニストの君」へ

 素敵なご返事どうも有難うございました.とっても生意気なこと書いてしまいま
したので,どなたからもご返事などいただけないものとばかり思っておりましたの
に....お友達のパソコンで生まれて初めて書きましたあの手紙,早速,しかも
殿方からご返事いただけますなんて,私なんだかパソコン通信がやみつきになりそう.

 ところで「フェミニストの君」,あなたのお手紙にポーッとなっていたのですが
よくよく読んでみますと私の意見に異見をはさんでいらしゃるのですのね.それに
私めにお説教なさろうとされている.「はっさい」な私といたしましては一度お目
にかかってポンポンとご意見申し上げたいところなのですが,またまたお嫁に行き
そびれて親を嘆かせそうですから,やっぱり名前も顔もカムフラージュできるサイ
エンスネットに再度お世話になってお手紙を書くことに致しました.

 さて「フェミニストの君」,あなたは少々男らしくございませんわね.そうじゃ
ありませんか.この電力多量消費社会にしたのは,「あっしにはかかわりねえこっ
て」と仰っているのと同じではございませんか.そして電気がなければ動かないパ
ソコンも電車も,こんな社会に誰かがしてしまったから仕方なく使っていると仰る
のでは,いくらひいき目に見ても男らしくありませんわよ.
 今は戦争中の社会じゃございませんわ.明るく便利で豊かな社会をあなたも含め
皆が望んだから,徐々にこうなったのだと思います.確かに自動ドアまでは必要な
いかもしれませんが,これだって体の不自由な人たちには喜ばれているのではない
でしょうか.
 「電気の大量消費を強制される社会にならなければ,原発などいらなかった」と
自信ありげに仰っておられますが,もし日本が原発を止めてしまったら,その分は
どこからくるのでしょうか.もう30パーセント以上も原子力発電所の電気という
ではありませんか.
 以前のように石油をどんどん使えば,産油国の思うつぼで,原油価格をつり上げ
たり生産調整されて,世界の経済が大きな影響をこうむるのは目にみえています.
頭の悪い私でもこれくらいは分かりますわよ.淑女(?)の年齢はいえませんが,
1973年,79年のオイルショックのことは,それ以前に生まれましたから,よ
ーく覚えております.もし原子力や石油や石炭や水力に替わる画期的な燃料,また
は発電技術をあなたが発見,発明されたなら,必ず私はあなたについて参ります.
迷惑だって?いえいえ,そんなこと決して言わせませんわよ.

 さて,原子力は危険かどうかという話ですよね.私は技術的にどうのこうのなん
てとても話せませんわ.ただ,原子力反対のオピニオンリーダーとして脚光を浴び
ていらっしゃる広瀬隆さんは,私のタイプじゃございませんの.もともと何をされ
ていた方なのか存じませんし,原子力の専門家でもなさそうですのによくもまあ,
あんなに自信ありげにずけずけといえますわね.
 それにひきかえ,世界に誇る日本の電力業界をリードしていらっしゃる東京電力
の那須翔社長をテレビのニュースなどでチラッとお見うけしたのですが,ああやっ
ぱり責任のあるお立場にいる方のお話には説得力があると感じましたし,とっても
頼もしく思いました.この方たちが進めていらっしゃる原子力発電所なら,もう絶
対安心していられると確信致しました.科学にうとい私といたしましては,まずど
なたの方が信頼に足るかと考えてしまいますの.私はやっぱり信頼できるかどうか
をよーく考え,将来の旦那様を選んでゆきたいと日夜空想しております.

 今日はちょっと長くなってしまいましたが,素敵なお手紙ならいつでも歓迎です
わ.                         あらあらかしこ

                          「はっさい」な淑女より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 235       Text Title  : RCのレコード発売中止だなんて・許すな 
Author   : reader    Text Length : 1470 Byte    Date : Thu Jun 23 18:53:07 1988


 PA計画って、言論弾圧のことだったの?            / TOMMOMI

 RCサクセションの新しいレコードが,EP/LPともに発売中止になりました。
 もちろんこれは、レコード業界の規制にひっかかったわけではなく、原発で商売
している東芝グループの意志がはたらいた発売中止です。
 これは、反・反原発キャンペーンがいよいよ言論の自由を奪う方向に進み始めた
という点で、重要な事件だと思います。
 発売元である東芝EMIは、公式にはコメントできないと言っていますが、電話
での抗議に対しては、はっきりと歌詞が問題となって発売できなくなったと答えて
います。
 こんな露骨な東芝のやり口を許していいのでしょうか。ココム違反でアメリカに
やり玉にあげられた時には、東芝グループと各企業の意志は異なると言っておきな
がら、実際はレコード会社のイメージ低下を犠牲に払っても、原発反対の声を封じ
ようとするのです。
 東芝EMIに対する抗議だけでなく、東芝グループ全体がこの問題で責任を負う
べきだと思います。
 もう東芝製品は買わないぞ。


PS ちなみに、22日の朝日の朝刊には、こんな広告が載っていました。

--------------------------------------------------------------------------
   RCサクセション          レコード発売中止の御知らせ

   「COVERS」8月6日発売予定/
   「ラブ・ミー・テンダー」6月25日発売予定

   上記の作品は素晴らしすぎて発売できません。

---------------------------------------------------------------------------

      この広告で、会社の方針に反抗したつもりの担当者に言いたい!
   この程度のおフザケで、君達の責任はまぬがれないぞ!

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 236       Text Title  : RE:234                                  
Author   : reader    Text Length : 11100 Byte    Date : Fri Jun 24 03:39:41 1988


今日は機嫌が悪いのでからみます。
@Board    :  原子力発電
@Text No. : 234       Text Title  :  「フェミニストの君」へ
@Author   : reader    Text Length : 3245 Byte  Date : Wed J
@un 22 15:53:41 1988
@「フェミニストの君」へ
@ 素敵なご返事どうも有難うございました.とっても生意気なこ
@と書いてしまいましたので,どなたからもご返事などいただけな
@いものとばかり思っておりましたのに....お友達のパソコン
@で生まれて初めて書きましたあの手紙,早速,しかも殿方からご
@返事いただけますなんて,私なんだかパソコン通信がやみつきに
@なりそう.

コメント:くだらない(と私は思う)ご挨拶は読みたくない。ID
がない−−メールが使えないというシステムだからある程度しょう
がないけど、私信ではないのだから冗長は慎みたい。
@ ところで「フェミニストの君」,あなたのお手紙にポーッとな
@っていたのですがよくよく読んでみますと私の意見に異見をはさ
@んでいらしゃるのですのね.それに私めにお説教なさろうとされ
@ている.「はっさい」な私といたしましては一度お目にかかって
@ポンポンとご意見申し上げたいところなのですが,またまたお嫁
@に行きそびれて親を嘆かせそうですから,やっぱり名前も顔もカ
@ムフラージュできるサイエンスネットに再度お世話になってお手
@紙を書くことに致しました.

コメント:無駄に長い(と私は思う)。さっきと同じ。 

@ さて「フェミニストの君」,あなたは少々男らしくございませ
んわね.そうじゃありませんか.この電力多量消費社会にしたの
@は,「あっしにはかかわりねえこって」と仰っているのと同じで
@はございませんか.そして電気がなければ動かないパソコンも電
@車も,こんな社会に誰かがしてしまったから仕方なく使っている
@と仰るのでは,いくらひいき目に見ても男らしくありませんわよ.
@ 今は戦争中の社会じゃございませんわ.明るく便利で豊かな社
@会をあなたも含め皆が望んだから,徐々にこうなったのだと思い
@ます.確かに自動ドアまでは必要ないかもしれませんが,これだ
@って体の不自由な人たちには喜ばれているのではないでしょうか.

コメント:男らしさとはなにか、の論議はとりあえずおいときます。「戦争中の社
会じゃ」ないんだから−−−>「皆が望んだ」ように社会が変わってきたという論
理は一般的には全くその通りでしょう。けれど「明るく便利で豊かな社会」を希望
すること と「電力多量消費社会」になること は必然的につながるでしょうか?
たまたま電気がそれに適していたため技術者が選んだのでしょう。(それとも恣意?)
ですからレトリックとして「皆に責任がある」とは言えても、細かく言えば「ただ
快適さが欲しかった」だけであって、電気にまずい側面があったときに「電気を使
いすぎる社会はいやだ」と言うのは社会の一員として当然のことではないでしょう
か?(その先にどんなオルタナティブがあるか を言うのが責任となりますが。)

@ 「電気の大量消費を強制される社会にならなければ,原発など
@いらなかった」と自信ありげに仰っておられますが,もし日本が
@原発を止めてしまったら,その分はどこからくるのでしょうか.
@もう30パーセント以上も原子力発電所の電気というではありませんか.

コメント:@もし電気をたくさん使わない社会だったら、という仮
定の話と今原発を止めたら、という話は全く別物である。
A反対派は「今原発を止めても電気は足りる。」と主張しています。その主張を検
討した上でご発言ください。例えば「危険な話」を立ち読みなされば結構です。

@ 以前のように石油をどんどん使えば,産油国の思うつぼで,原
@油価格をつり上げたり生産調整されて,世界の経済が大きな影響
@をこうむるのは目にみえています.頭の悪い私でもこれくらいは
@分かりますわよ.淑女(?)の年齢はいえませんが,1973年
@,79年のオイルショックのことは,それ以前に生まれましたか
@ら,よーく覚えております.もし原子力や石油や石炭や水力に替
@わる画期的な燃料,または発電技術をあなたが発見,発明された
@なら,必ず私はあなたについて参ります.迷惑だって?いえいえ
@,そんなこと決して言わせませんわよ.

コメント:@産油国悪者観は不愉快。不当にもうけている「北」の
国に対する「南」の抗議であったと思う。
A原発は廃棄物対策が確立していない。放射性廃棄物の処理や原子炉の廃炉にかか
るエネルギーはどのくらいになるのかまだ誰にも想像できません。(−−−>石油
を節約できるとは言い切れない。)しかもそれはこれからの世代の人にとって切実
な問題なのです。問題先送りにして後は君達に任せる、なんてずるくないですか?
「画期的な燃料、または発電技術」がないから危ないかどうか知らないけど原発、
というのは安易な選択だとおもいませんか?

@ さて,原子力は危険かどうかという話ですよね.私は技術的に
@どうのこうのなんてとても話せませんわ.ただ,原子力反対のオ
@ピニオンリーダーとして脚光を浴びていらっしゃる広瀬隆さんは
@,私のタイプじゃございませんの.もともと何をされていた方な
@のか存じませんし,原子力の専門家でもなさそうですのによくも
@まあ,あんなに自信ありげにずけずけといえますわね.
@ それにひきかえ,世界に誇る日本の電力業界をリードしていら
@っしゃる東京電力の那須翔社長をテレビのニュースなどでチラッ
@とお見うけしたのですが,ああやっぱり責任のあるお立場にいる
@方のお話には説得力があると感じましたし,とっても頼もしく思
@いました.この方たちが進めていらっしゃる原子力発電所なら,
@もう絶対安心していられると確信致しました.科学にうとい私と
@いたしましては,まずどなたの方が信頼に足るかと考えてしまい
@ますの.私はやっぱり信頼できるかどうかをよーく考え,将来の
@旦那様を選んでゆきたいと日夜空想しております.

コメント:この段落に最大の矛盾がありますね。@私はよくわからないから感性を
信じるという趣旨だと思いますが、それ自体には文句ありません。当然そういう考
え方があっていいと思います。ただそれなら、感性に訴えて動いている広瀬隆の「
やり方」について「もともと何をされていた方なのか存じませんし、原子力の専門
家でもなさそうですのに」という批判は合わないなあと思います。また、感性に従
って「原発イヤだ」という主婦や若い人たちが急増したことについてどう考えられ
ますか?
A「専門家なんて自分の専門しかわからない。学問が細分化しすぎ
て全体を眺められなくなった」という意見についてどうお考えです
か?要するに専門家とは何かということです。少なくとも東京電力
の社長よりは広瀬隆の方がよくわかってると(私は)思います。
B「世界に誇る日本の電力業界」ですか。ある面ではそうですね。法律で8%の利
益を約束されている電力業界、法律で地域独占を許されている電力業界、原発を建
てる地域に金をばらまく電力業界、電気料金のやたら高い日本の電力業界、さて問
題です。損をしているのは一体だれでしょう。
C東京電力の社長をテレビのニュースで見ましたか。説得力があっ
て信頼できる。ほお。そのニュース番組は東京電力提供ではないか
とかんぐるのはいじわるですかね。でもニュース番組の提供にやた
ら電力会社が多いことは事実ですからそれほどいじわるでもないでしょう。
D「この方たちが進めていらっしゃる原子力発電所なら、もう絶対
安心していられると確信致しました。」ですか。わたしの感想は、
この方たちが賛成していらっしゃる原子力発電所なら、もう絶対素
直に信じることはできないと確信致しました。です。

@ 今日はちょっと長くなってしまいましたが,素敵なお手紙なら
@いつでも歓迎ですわ.
@                 あらあらかしこ
@                 「はっさい」な淑女より

コメント:人の手紙に割り込んだうえ「素敵なお手紙」にならなか
ったのではないかと心配しております。どうもごめんなさい。
                         狩野
「「「。「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 237       Text Title  : ☆転載へのご注意☆                      
Author   : host      Text Length : 2720 Byte    Date : Fri Jun 24 15:06:29 1988


☆転載へのご注意☆
                    From 団藤

 このボードに連載中の「<実況中継>市民グループVS関西電力」シリーズが
#1から#5まで、そっくり、そのまま別のネットに転載されてしまう”事件”
が起きました。わたしとしては、放置できませんので無断転載を撤回していた
だけるよう、手紙を出しますが、この場にも主要部分を抜きだして、皆さんの
ご理解をお願いしたいと思います。撤回を希望する理由は次の通りです。

------------------------------------------------------------------------

  こうお願いする理由は2つあります。

  ひとつは、著作権上の問題です。パソコン通信による文書の著作権の問題は、
 まだ、はっきりした社会的な了解ができていません。そうである以上、すでに
 存在しているルールを援用するのが妥当と考えます。

  朝日新聞の記事はもちろん、投書、社外筆者の原稿にも、それぞれ著作権が
 存在します。こうしてできた新聞の紙面をそっくりコピーして転載するには、
 新聞社の許可を得ていただかなくてはなりません。ただし、記事の一部を引用
 して、その論旨を紹介するようなことは、慣行として認められています。私た
 ちのネットは規模は実験的ですが、朝日新聞の業務として運営されており、私
 の書いている<実況中継>シリーズも、「記事」の一種とご了解いただけると
 思います。電子式ながら、印刷に近い形も整えてあります。その意味で、無断
 で別のメディアに紹介されるなら、上に書いたような「引用・要約」方式しか
 ありえません。

  もうひとつの理由は、内容に関わることです。このシリーズは、これだけで
 完結した情報提供になっておりません。例えば、あなたがNiftyに出され
 ていない、「#0」がなければ意味をなさない面もあります。私たちが新聞紙
 面上に記事を出すときは、その時点で、「商品」として通用するものに仕立て
 ますが、ここでは敢えて実験的な作業をしていて、まず素材を並べ、それから
 後で読者といっしょに考えようとしています。読みたい人だけが参加するBB
 Sの特性を生かした実験です。これからもこうしたことが可能かどうかは分か
 りませんが、あなたが今回されたような無断転載があるようなら、私たちのよ
 うな新聞記者が、思い切った試みをする範囲を、自主規制せざるを得なくなる
 かもしれません。そうなれば、パソコン通信の発展にとって不幸だと思います。

  サイエンスネットは、近くIDを発行する形態に変わる予定ですが、オープ
 ンネットとしての公開性は残して行きます。いつでも、自由に入って読んでい
 ただき、その範囲で疑問や意見があれば、書き込んでいただき、私たちから出
 来るものはご返事をしています。

   ほかのネットへの紹介は、「引用・要約」の範囲にとどめ、「全文を見たけ
 ればサイエンスネットへ」というのが、この場合最もスマートな方法だと思い
 ます。

-------------------------------------------------------------------------

 以上です。以前に、このボード上で、他のネットへ宣伝をしたいという方に、
同じ趣旨のお願いをしました。皆さんのご理解を重ねてお願いします。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 238       Text Title  : RCのレコードは発売されます。          
Author   : reader    Text Length : 215 Byte    Date : Fri Jun 24 21:14:41 1988


RCのレコードは8月中に他の会社から発売されるそうです。
事務所の話では
東芝の責任を断固追求しよう。
それにしても、なんて古くさいやり方なんだろう。
力づくでふたをしようと思うほど、本当のことがばれてしまうのに。



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 239       Text Title  : Return to Gul-sama                      
Author   : reader    Text Length : 1090 Byte    Date : Fri Jun 24 23:19:08 1988



  たぶん、筑波あたりに知り合いはいないと思いますので.....
  ごめんなさい...
1.まず、返答を始める前に、原子力積極推進派の方に聞いてみたい
  のですが、ここの国では原子力の安全確保のための Enginnering
    Resouce をいままでどれだけ注ぎ込んで来たのか教えてほしいのですが...
   まさか、ほとんど原子力に対する投資が政治献金になったのでは
  ないでしょうね?
2.Gulさんへの返答
  それでも私は消極的容認派でいたいのです。
  原子力が生まれてまだ半世紀しかたっていません。結論を出すのが早すぎます。
  また、少なくともここ数十年は原子力発電の恩恵を私は受けてきた、と
  思っていますので、今すぐに代替する手段がない以上、しかるべき
  投資と技術開発によって、原子力は利用すべきだと思います。
   ただし、「自国の開発力」によってです。核燃料処理の他国依存だけは
  国際関係上絶対やめるべきです。
3.でも、自国開発は(今の日本の政治状況では)核兵器の開発に即、つながり
  そうでちょっと恐いので、その場合こそ市民レベルでの監視が必要かな
  なんて思っています。

ちょっと短絡的・楽観的で甘いでしょうか?

Nerima の Megumi でした    24Jun88

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 240       Text Title  : やはり原子力<石田>                    
Author   : reader    Text Length : 2121 Byte    Date : Sat Jun 25 03:26:55 1988


やはり,原子力..<石田>

が,必要だとおもうのです。
そりゃ,正直いって危険だとはおもいます。(核兵器をゆっくり爆発させているような
もんですから)でも,当面はこれしかないんじゃないでしょうか?

スウェ−デンは今後,原発を廃止するそうです。行く末を見て見たいですね。
立場は日本と違いますが参考になるところがあるかもしれません。

もし,石油,石炭発電に逆もどりだったら、...私は「失敗」とみます。
それじゃ,なんの解決にもなりません。
今は安くてもいつ,たかくなるかわかりません。くどいようですが「酸性雨」の問題も
あります。どんなにフィルタ−に排気を通しても解決はできません。
「危険な原発よりはいいさ!」なんて思うかもしれませんが,国中に発電所ができたら
,どうおもうでしょうか?

「自然エネルギ−」を選択するかもしれませんね。スウェ−デンは自然がたくさんあり
そうですし,もし,その線で選択できれば,日本でも応用できるかもしれません。
現在の技術ではまだむずかしいでしょう。太陽,水力,風力,などいろいろありますが
,火力いじょうに能率は低いのです。代換エネルギ−にするには,それこそ,国全体を
発電所にしなくてはなりません。「害はないから大丈夫だろう」と,いうのは軽率な考
えです。
新聞にでてましたが,昔から発電につかっていたダムの下流の人たちが「昔の川を返せ
」と要求していたそうです。自然エネルギ−というのは,自然を「切りとって」エネル
ギ−にすることなのです。現在は目立ちませんがこれが主要なエネルギ−源になったと
きは影響はかなり出るとおもいます。

「節電」というのも,かぎりがあります。前近代に戻りたくはありません。(少なくて
も私は)。前に抗議の表現で電気を使わない家族が,さびしさをまぎれさす為に電池で
動くラジオを買ったという「笑い話」を紹介しましたが,某紙に「企業の発電所ばなれ
」とかで,自家発電をするところが増えたとか。べつに電気がわきでてくるわけじゃあ
りません。けっきょくは,小さな火力発電なのです。

さいごに,これもくどいようですが,賛成派をさして,「おまえらには良心なんかない
だろう」みたいな言い方は,やめてほしいものです。反対運動員の「普通の主婦」が正
義だと思うのは勝手ですが,私にだって,それなりの良心はあります。

余談ですが日本の反核運動の人たちって「我国は唯一の被爆国なので世界に発言する権
利を有し...」などというばっかしで,具体的なことはほとんどいいません。何故な
んでしょう?