Board    : 原子力発電                    
Text No. : 81        Text Title  : 誤り人殿 驚嘆人です.                  
Author   : reader    Text Length : 2002 Byte    Date : Wed Mar  9 01:20:49 1988

1.誤り人殿
   私の名付け親でもあるあなたが私の「談話室発言」にてウオッチングに入
  られてしまったのではないかと深く「反省」しております。
      と言うようなことを書いてアップしようとしたら来てました。今、少なか
  らず安堵感を味わっています。
 (1)「自動車事故に無頓着」とまで言ってしまったこと反省しています。
   しかし、フレディ氏も書いているように、原子力だけが驚異ではないと言
  う意味とご理解下さい。原子力に過敏な人はオゾンや森林伐採にも、もっと
  過敏で良いのでは・・・と思います。
 (2)「比較にならない」には納得しません。平常時は勿論比較にならないほ
  ど原発の方が少ないのでは?。また、事故時においても例えば「チェルノブ
  イリ周辺何kmでは1分間に1枚のX線写真を撮ったのと同じ」とかの比較
  は可能ではないでしょうか。
      ・・・   「チェルノブイリ事故のX線写真比較マップ」    ・・・
      ・・・   の作成お願いできませんか?  サポート隊殿  ・・・
 (3)確かに電気を売る側の論理でしょう。しかし、まったく切り放して考え
  るとするなら、使う側の論理にも問題があると思います。
  ・・・話し合いの件・・・                                        ・
    ・私は、中学生を連れて行くという大人げない行動に対し、それは話合い・
  ・の姿勢ではないと言う意味で、今のところ、国家権力側を支持します。・
 (4)一番危険な状態にある従業員は、また、私たちより数段原発に詳しい筈
  です。しかし、あなたの言われるとおり、それが事故にならない証拠にはな
  りません。おっしゃるとおりです。ただ、「鷹巣」ではなく「巣鷹」では?
   ・・・「re 不埒な」は私です。・・・
2.サポート隊殿
   日本の核燃料は何処産ですか。アメリカ、カナダ、南ア。南アだったら問
  題です。南ア貿易世界一の一翼を担っているのなら、私は原発に反対します。
  ・・・南アはいけない、現在地球上で最悪の国だ。そこと貿易額世界・・・
  ・・・一の日本も情けない。(こういう話題いけないのかな!)  ・・・
                                                   以上 驚嘆人
 ps 捕鯨にまったく関係ない国ばかりの捕鯨委員会もアホラシイが、
    私は南ア問題やりたい。.


Board    : 原子力発電                    
Text No. : 82        Text Title  : 木元さん,それでも記者?                
Author   : reader    Text Length : 214 Byte    Date : Wed Mar  9 20:33:16 1988

木元さん,それでも記者なの?
あなたも朝日新聞の広告主である電力会社に食わせてもらっている身だから
日和見主義になっちゃうよね.まあ,いいたいことかけるんだから,せめて
国家秘密法には反対してよ,ネ!    ヤレヤレ


Board    : 原子力発電                    
Text No. : 83        Text Title  : 単位が読めない人がいるのでは?シスオペ  
Author   : root      Text Length : 280 Byte    Date : Wed Mar  9 21:35:51 1988

No 83 「核燃料サイクル図とウラン資源」中のウラン重量の単位はトンです。
機種によっては読めないものがあるので、念のため。
                   SysOpから
なお、3億  は3億キロワットです。
プルトニウムの単位はキロ。  100万  級の原発はキロワット。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 84        Text Title  : 討論の進め方提案:上流・中流・下流別に  
Author   : host      Text Length : 2474 Byte    Date : Thu Mar 10 13:11:23 1988


討論の進め方提案:上流・中流・下流の別に           3/10
                     From 大阪・団藤
 原子力発電のボードが始まって1カ月になりました。いろいろな意見が出てい
ますが、なにせ原発についての問題領域は広く、かみ合った討論になりにくい面
も見受けられます。新しい参加者も増えていますし、ここらで討論の進め方を整
理してみたいと思い、提案します。
 原子力の技術屋さんたちの言葉に、フロントエンドとかバックエンドとかいう
のがあります。フロントエンドとはウラン燃料の採掘とか濃縮など、バックエン
ドとは核燃料再処理とか廃棄物、廃炉問題などを指します。そして、フロントと
バックのまん中に発電があるわけです。討論で問題になる範囲はもちろんずっと
広いのですが、この分け方は便利なので、「上流」「中流」「下流」にとりあえ
ず分けて、討論を進める提案を致します。
 とりあえず、3月中旬を「上流」に、下旬を「中流」に、4月上旬を「下流」
に当てて、それぞれのテーマに集中して発言を集め、一回りさせてみましょう。
これまでの発言と重複してももちろんかまいません。各部分は関連があるので、
組み合わせたりして討論する必要も感じますが、一回りすんでから考えましょう。

 以下に、3つの流域部分の問題点を、箇条書風に整理してみます。発言をこれ
だけに限定するものではありませんから、わたしの整理は参考ないしはヒントと、
お考えいただいてどんどん、そして自由にご発言下さい。この書き込みの前に出
したいくつかの資料はいわば「上流」用です。討論の過程でこうした資料を提供
していくつもりです。

[上流] エネルギーの選択など
 発電コストと巨大な開発費
 エネルギー供給の安全保障、国際問題
 エネルギーコストは・・・建設、運用にかかるエネルギー
 石油、石炭資源とウラン資源の見通し
 地球の生態系・・・酸性雨など
 21世紀のエネルギー源は・・・代替エネルギー
 反対運動と電源立地活動、地域振興
 原子力産業の行方・・・輸出、雇用

[中流] 原発運転時の安全性
 事故のリスク・・・ほかの事象との比較
 原発従事者の被ばく、発ガン
 大事故・・・チェルノブイリ、スリーマイル島
 異常時の原発・・・戦時、災害、墜落事故など
 防災計画・・・避難、汚染
 巨大システムと運転員・・・人為ミスと訓練
 温排水と環境汚染、国境を越える汚染の可能性
 出力調整運転・・・電源の主役に。負荷追従運転へ

[下流] 廃棄物と再処理など
 再処理工場の技術的信頼性・・・国内の実用プラント
 再処理路線の見直し・核燃料サイクル
 高レベル廃棄物の封じ込め・・・「永久」の保証
 低レベルの一般廃棄物化・・・廃炉の前提条件
 プルトニウムの利用の技術的是非
 軽水炉でのプルトニウム燃焼
 遅れる高速増殖炉の見通し
 核拡散の防止・・・プルトニウム管理社会、プルの空輸

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 85        Text Title  : 資料「長期エネルギー需給見通し」        
Author   : host      Text Length : 1049 Byte    Date : Thu Mar 10 21:10:17 1988

資料「長期エネルギー需給見通し」(87年10月、資源エネルギー庁) 

        86年度実績 95年度  2000年度 2005年度試算
石油換算
エネルギー需要  4.33   4.9    5.4    5.8
(億 キロリットル)
需要のエネルギー別の構成比(パーセント)

石炭      18.3   18.3   18.7   19程度
原子力       9.5   13.4   15.9   18
天然ガス     9.9   11.1   10.8   10
水力       4.2    4.5    4.4    4
地熱       0.1    0.4    0.8    1
新エネルギー等  1.3    2.5    4.5  7−9
石油      56.8   49.7   45.0   42

 注  新エネルギー等には、太陽エネルギー、オイルサンド・シェール油、アルコ
ール燃料、石炭液化油、黒液(パルプ廃液)、薪炭などを含む。

(この見通しが正しいかどうかは知りませんが、オーソライズされたものです。
これまでの傾向では長期の総需要見通しは、産業構造の変化などでどんどん下
方修正されてきています。)



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 86        Text Title  : 資料「世界の原子力発電炉」              
Author   : host      Text Length : 1414 Byte    Date : Thu Mar 10 21:12:28 1988

資料「世界の原子力発電炉」 (国際原子力機関・2/1付け速報から)

 世界で稼働中の原子力発電炉は、417炉あり、発電容量は2億9687万キ
ロワット。これは1987年末のデータで、各国別の炉数(万キロワット)は次
の通りです。

アルゼンチン   2  (93)    日本     36(2687)
ベルギー     7 (547)    韓国      7 (538)
ブラジル     1  (62)    オランダ    2  (50)
ブルガリア    5 (258)    パキスタン   1  (12)
カナダ     18(1214)    南アフリカ   2 (184)
チェコスロバキア 8 (320)    スペイン    9 (652)
フィンランド   4 (231)    スウェーデン 12 (964)
フランス    53(4937)    スイス     5 (293)
東ドイツ     5 (169)    台湾      6 (491)
西ドイツ    21(1894)    英国     38(1021)
ハンガリー    4 (164)    米国    106(9298)
インド      6 (115)    ソ連     55(3291)
イタリア     3 (127)    ユーゴスラビア 1  (63)

(日本原子力産業会議のまとめでは、昨年一年間に欧州を中心に8カ国で20
基の原発が計画を撤回されたり、先送りされました。年間の着工原発は15基
あったが、新たな建設計画は6基に留まり、年末の時点で計画中の原発は95
基となって、前年同期より29基減。)

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 87        Text Title  : 資料「核燃料サイクル図とウラン資源」    
Author   : host      Text Length : 2259 Byte    Date : Thu Mar 10 21:15:46 1988


資料「核燃料サイクル図とウラン資源」 (科学技術庁調べなどから)

◎核燃料サイクル図
 100万キロワット級の原発を1年間運転した場合にどれほどのウランが要
り、どれくらいのプルトニウムが出来るか、示したものです。

             ウラン鉱山
               | 鉱石 8万トン
               | (精錬するとウランは143トン)
               ▼
      ===== フッ化ウランに転換 =====
      =====================
       ▲                                  |
       |減損ウラン24トン        |ウラン142トン
       |                 ▼
放射性←−−再処理−−−−−−       3lに濃縮−−→劣化ウラン
廃棄物    ▲      |          |    115トン
       |25トン  |プルトニウム    |濃縮ウラン26トン
       |      | 226キロ    ▼
放射性←−−発電      |       酸化ウラン化
廃棄物    ▲            |          |
             |26トン  |          |26トン
       |      ▼          ▼
      =====================
      ======= 燃料に加工 =======


◎ウランの資源分布(確認済みの分。いずれもウラン重量で)
   1. オーストラリア  53万8千トン
   2. 米国       40万7千
   3. 南アフリカ    31万3千
   4. カナダ      18万5千
   5. ニジェール    17万
   6. ブラジル     16万3千
   7. ナミビア     13万5千
   8. フランス      6万7千
   9. インド       4万2千
  10. アルジェリア    2万6千
 
 (ソ連など東側は除く。日本には、7千7百トン。)
 
 日本のウラン輸入先は、カナダ、イギリス、南アフリカ、オーストラリア、
フランス、アメリカ、ニジェール。2000年ぐらいまで手当済み。

 現在、稼働中の原子力発電炉は、前に出した資料の通り、3億KW分あるの
で、建設中の原発を除いても、年間ウラン4万3千トンくらいを消費している
ことになります。したがって、原子炉内で生まれたプルトニウムを利用しない
なら、ウラン資源はそう長くはもちませんが、21世紀前半はオーケーという
見方が有力です。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 88        Text Title  : ずさんな作業指示書? 誤り人            
Author   : reader    Text Length : 862 Byte    Date : Thu Mar 10 22:35:40 1988


ずさんな作業指示書? 誤り人
 調整運転中に自動停止した敦賀原発の停止原因が「作業指示書に注意事項が
記載してなかったためと県に報告した」と朝刊にありました。小生の経験から
云うと、「電力会社は人身事故や設備事故(供給支障をともなう)を最も恐れ
それらを防ぐためにシステム全体にフェイルセーフ・フールプルーフ構造を持
たせている。また、ヒューマンエラーを防ぐために、TBM(ツールボックス
ミーティング)・KY(危険予知)手法を用い極力事故を防止しようとしてい
る。」のにもかかわらずである。小生は、原電の場合はどうか知る由もないが
単に「指示書がずさん」との報告では信用するに値する報告でない気がする。
あえて裏を読めば、大きな原因を隠すために小さな原因を報告したのではない
か? まして、原発問題が論じられている今日性を考慮すれば絶対ミスが許さ
れないとの心構えで原電側は調整運転に望むであろうから・・・。
               裏読みの好きな「誤り人」



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 89        Text Title  : 団籐さんへ 誤り人                      
Author   : reader    Text Length : 359 Byte    Date : Thu Mar 10 22:36:13 1988


団籐さんへ
 昨日、ラオックスネットに行って、サイエンスネットの紹介をBBSとメール
で個人当てに送っておきました。BBSの内容は先日のご注意の通りしたつも
りですが、万が一考え違いをしては名実ともに「誤り人」になってしまうので、
時間が許しましたらラオックスネットBBSを覗いてくだされ。
                           誤り人より



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 90        Text Title  : 高速増殖炉”常陽”で事故か?            
Author   : reader    Text Length : 817 Byte    Date : Fri Mar 11 00:47:43 1988


高速増殖炉”常陽”で事故か
 未確認情報によれば,茨城県にある高速増殖実験炉”常陽”で 警報がな
り,職員の一部を残して,ほとんどの職員を避難させるという事故が3月9
日に発生した.”常陽”は冷却剤が液体ナトリウムを使用し,燃料は100
%のプルトニウムを使用.新聞を見ても何も載っていません.大変心配です.
茨城のかたで,新聞等で紹介されているかどうか,だけでもアップしていた
だきませんか.メ−ルしていただけば幸です.

というメッセ−ジが素人ジャ−ナリズムフォ−ラムにありました。朝日新聞では
この事についてどのくらいつかんでいるでしょうか?
できれば、詳しい情報をお願いしたいのです。現地ではどのように報道されて
いるのか? 事故の連絡はあったのか? 全員退避するとは、今までの原発事故
では一番深刻な事態のはずです。ぜひお願い致します。
              NIFTY  PAG00152 マ−ジナルマン

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 91        Text Title  : 驚嘆人様へ 誤り人                      
Author   : reader    Text Length : 2518 Byte    Date : Sat Mar 12 00:07:01 1988


驚嘆人様へ    誤り人
 最近、他ネットに行ったりしている「誤り人です」ども!!
 レントゲンの話ですが、原発周辺は好むと好まざるにかかわらず年間5mレ
ム(?)の放射線を浴びると記憶しております。他方、レントゲンは自分の身
体のスクリーニングをするために自分の意志により受けるものです。人体にと
って放射線の許容値(何mレムなら安全)はなく、出来るだけ浴びないほうが
良いのです。事実、米国では住宅の地下室に貯まるラドン(九州の阿蘇山から
出た怪獣ではありません。ましてラドン温泉の湯気でもない)ガスによる放射
線被爆を防止するため色々な通達が発せられているようです。「比較にならな
い」はこのような考えから、レントゲンは健康チェックのため意識的に受ける
片や原発は知らない間に浴びてしまう。−−−−−>同じ放射線でも人間に対
する意味合いのベクトル(?)が180°違うのでは・・・と思ったから申し
上げたのです。
 今日のプライムタイムで、原子燃料の運搬について報じておりました。TV
画面からすると原子燃料の運搬は、一般国道を地方自治体や消防当局にも通知
せず、極秘裡に運搬されておるようでした。(警備当局は運搬を知っている)
このようなやり方では、事故が起きた場合でも国民には知らせないで処理されて
しまうのではと思いました。これも日本的秘密主義で、このようなやり方では
ますます国民は政府・電力会社を信頼できなくなってしまうでしょう。
                           誤り人

************** 不許可 削除も可です ************
*                                    *
* PS・・「遠い夜明け」を見て反南アになったのですか? 捕鯨の問題より *
*    「非科学的」ですから盛り上がるかも・・・            *
*     でも、許されるなら小生は、南ア問題よりもイスラエルについて  *
*    大討論をと思います。なぜか? ユダヤ人は、自らがヒトラーの手で *
*    大虐殺されていて、抑圧される民族の気持ちが分かるのに、現在イス *
*    ラエルが占領している地域で反イスラエル運動が起こるや、暴動に参 *
*    加した青年をイスラエル軍が捕らえ、畑のなかで正座させ後頭部を棍 *
*    棒で殴って頭蓋骨を陥没させたり、利き腕を銃床で殴り骨折させてい *
*    るからであります。また、キブツという屯田兵的村は、先住民族の住 *
*    宅地を破壊し、ブルで均して作ったところだそうです。       *
*     ぜひ、南ア討論よりイスラエル・中東問題の討論を!!      *
*                                    *
**************************************
 団籐さんへ・・・上流・中流・下流なんか分かりにくくないですか?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 92        Text Title  : "常陽" について・・おわび               
Author   : reader    Text Length : 336 Byte    Date : Sat Mar 12 02:38:11 1988


"常陽" で事故? という文書をUPしましたが、3 月10日朝刊3 面に関連記事が
 載っていました。これによると警報がごどうbオたようです。
 私は朝日をとっているのですが、何故かこの記事が目に入らなく
 ドジな事をやってしまいました。心配された方、申し訳ありません
 では・・
                                       PAG00152(NIFTY) マ−ジナルマン



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 93        Text Title  : 「イスラエル問題」について              
Author   : reader    Text Length : 395 Byte    Date : Sat Mar 12 16:06:56 1988


原子力発電84で「誤り人」さんの書き込みを読みました。
「PS」の「イスラエル問題」で意見を述べさせて頂きました。
「原子力発電」より「フリートーク」の方がふさわしいような
気がしたので、そちらに書き込みました。
興味のある方、読んでみていただけますか。
慣れないので、1行目を、見出しのつもりで書いてしまいました。
本文は、2行目からです。
                      寅さん

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 94        Text Title  : 討論の進め方提案(3/10)補足説明    
Author   : host      Text Length : 2154 Byte    Date : Sat Mar 12 21:31:02 1988


討論の進め方提案(3/10) に補足説明
                     From  大阪・団藤

 「上流」「中流」「下流」別に整理してみましょう、との提案の意図は、皆
さんに出来るだけ原子力発電の全体像に触れていただきたい、というものです。

 率直なところ、わたしはこのネットで原子力について議論するのに乗り気で
ありませんでした。技術的にも、社会経済的にもあまりに巨大なシステムです
から、こうしたボードでの書き込みでは扱いにくいことが予想できたからでし
た。ほかのいくつかのネットの原発ボードも拝見しましたが、やはり、個々の
問題点での言いっぱなし、指摘しっぱなしになりがちです。世の専門家たちが
「素人がなにを」とつぶやく由縁でもありますが、例の出力調整試験の問題か
らお母さんたち、これまで「沈黙する多数派」に属した人たちまで原子力問題
について考え、行動するようになって、上のような言い訳が通りにくいと、考
え直した次第です。

 原子力に反対するにせよ、推進するにせよ、ある選択をしたときにどんな影
響、波紋が広がるのか−−公開ヒヤリングなど公式の場所で得点を稼ぐために
しているのでない、このボードでの意見交換では、お互いにフェアに点検して
みようではありませんか。すでに青山さんは3/5に「水力発電だけの暮しと
は?」という問題提起をされています。わたしの2/17「電力会社の電源開
発計画について」と、3/10の3資料を合わせると、これについても、いろ
いろな答えが出せるはずです。「エネルギー消費全体ではこれだけ石油を使っ
ているのに、原子力の石油節約なんて、しれている」と、考える人がいてもお
かしくありません。「1986年実績のままで、エネルギー消費の伸びを止め
たとしたら、新エネルギー開発を続ければ、原子力は無くせる」という読み方
をした人、いらっしゃいませんか。「化石燃料を燃やしての酸性雨問題はどう
する」と主張する方、もちろん、おられるでしょう。

 エネルギー源の選択についてを中心にした「上流」部分だけでも、議論の仕
方はさまざまですが、ばくぜんと全体について語るよりは、お互いに理解、点
検するには便利だと思い、提案しました。すでに自分の意見を固めている方、
もう一歩踏み込んで点検して見ませんか。あまり考えてみたことのない方、率
直なところをどうぞ聞かせて下さい。実のところ、「沈黙していた多数派」の
意見が個人的には最も興味をもつところです。

 追伸 
  誤り人さん ラオックスネットへのPR、ありがとうございます。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 95        Text Title  : 負荷追従                                
Author   : reader    Text Length : 1808 Byte    Date : Sun Mar 13 10:46:44 1988


To 誤り人様、驚嘆人様、団藤様    From 青山 千秋(PC-VAN:RZG37517)

負荷追従についての解答ありがとうございます。

ところがお答えのなかでよくわからない点がありますので、御説明をお願いします。

まず、私の理解から。

負荷変動に対して、発電所はどのように対処するか。
消費電力が増えると発電気の回転が落ちて来る。
そこで、タービンを回すための蒸気、水量を増やす。
つまり、タービンを回すための蒸気と、水量の最大値の大きい
発電所ほど負荷が重くなっても電圧、周波数が安定する。

常に大量の蒸気を発生できるようにボイラーで熱水を作っていれば、
負荷変動に即時に対応できる。
ところが、蒸気を作るためには石油を燃やさなくてはいけない。
常に最大負荷時に対応して石油を燃やすのは金がよけいにかかる。
そこで、負荷が軽い時には石油を燃やすのを減らして発生できる
蒸気の量も減らしておく。
蒸気発生量の最大値を増減するには時間がかかる。
そこで、時間ごとの電力負荷をみこしてボイラーで燃やす石油の量を調整している。

推測ですが、
消費地の電力消費に応じて、発電所が分担する地域が増えたり減ったりさせている。
発電量を調整できない原子力発電所が受け持つ地域は昼は狭くなり、夜は全域になる。
ところが、夜は全域を分担しても電力が余ってしまうようになってしまった。
だから、原子力発電所のタービンに送る蒸気を減らす。
そして、制御棒を炉心に入れて原子炉の出力を下げる。

と理解しました。これで良いでしょうか?

では、質問です。

出力調整をしていない現在は、余った熱をどこかに捨てているのではないか?
そして、それがどうしてコスト増になるのか?

ということです。
コストについての私の理解の補足

団藤様の3月1日の書き込み「揚水発電の実態について」に

原発のウラン燃料費は先に支払い済みであり、決められた定期検査時に
燃えきっていなくとも交換しますから、電力会社としては発電して揚水した方
が有利になります。

と書かれています。
これから、いくら発電しても原子力発電ではコストが
余計にかからないのではなと言えると判断しました。
いかがでしょうか?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 96        Text Title  : 木元様 教えて下さい                    
Author   : reader    Text Length : 3434 Byte    Date : Sun Mar 13 10:48:52 1988


To 木元様    From 青山 千秋 PC-VAN:RZG37517

私は以下の書き込みから

 ところで、先日ヒロセなんとかさんの本読んでたら、
 朝日新聞では、科学部が原発関係の記事を検閲していて、反対の論調を
許さないんですと。
 やあねえ、取材の甘いヒトは。でたらめ書くから。

だから、木元様が原発は嫌いだと主張されることを予期したのでありますが、

 ところで、ちなみに私は原発が好きだ。何故なら、鹿児島県川内市の海沿い
にある、じさまが「どーしよーもない」クサッていた不毛の土地を、九州電力
さまがお買上げくだすったからだ。だからみんなも、上記のような不埒な情報
に惑わされるんじゃないぞ。

と書き込まれているのをみると反対の論調を許さないのも本当かと思ってしまいます。
そう言えば団藤様も直接反対意見は述べられていないような気がしています。

広瀬氏著書の真偽をお答えいただけないでしょうか?

朝日新聞に対する批判を抜き出しておきます。

  「東京に原発を!」 P.34
   こうした状況のなかで、4月30日に「2000人死亡か?」の見出しが踊った。
  そこにもまた、自分の目を疑う次のような記事を発見した。

  --減速材として軽水(ふつうの水)や重水を使う型の炉
  (軽水炉や新型転換炉など)では、原子炉の反応が盛んになりすぎて
  暴走した時には、水を抜けば、中性子のスピードが上がりすぎ、
  連鎖反応を起こすには適当なスピード以上になって、
  反応はやがて停止してしまう。

   権威を誇る朝日新聞の記事である。これを書いた記者は悪気があるというより
  何も知らず、その前にある「青木成文・東工大名誉教授によると」の文脈から
  読み取ると、この教授から説明を受け、
  そのまま自分の解説文としたのではないかと推測される。
  いずれの発言でも大変な記事である。
  原子炉が暴走した時に水を抜けば、100パーセントの確率でメルトダウンだ。


  「危険な話」 P.20

  ところが大”朝日新聞”などは、
  「今度の事故で放出された放射能は、
  学者のあいだで意見は分かれるが、最高数1000万キュリーである」
  というような記事を書きなぐってきた。
  科学部というものがありながら、信じられないほど無知です。

  「危険な話」 P.265

  朝日の一例を引きますと、
  原子力関係の記事は科学部がチェックすることになっている。
  検閲ですね。
  そして科学などまったく知らない人間が、
  当局の言葉通りに記事を修正する。
  悪名高い論説主幹の岸田純之助が、
  彼は原子力委員会の参与でしたが、
  「原発に反対する記事を書いてはならない」という通達さえ出している。
  彼に育てられた大熊由紀子が、
  いまや論説委員に昇格して健筆しているわけですから、
  いかに誠意がある記者がいても駄目です。

なかなか過激な発言だと私も思いますが
そうかな?とも思ってしまいます。
なにしろ朝日新聞の内部事情は知りませんので。
「私は原発は嫌いだ!」と言う記者をどなたか登場させて下さい。
登場させられないのであれば、
やはりそうかなと考えざるおえないのではないでしょうか。
それとも、反対派の記者はまったくいらっしゃらないのでしょうか?

広瀬氏の発言もおかしなところがあって、

  「チェルノブイリの少年たち」 P.15

には

  これは、普通の火災ではなかった。
  原子炉が爆発し、容易なことでは燃えないはずの黒鉛が燃えているのだ。
  冷静な原子物理学者が分析すれば、
  「すでに爆発したのだから、もう水をかけてはいけない。
  そこに水を注げば、内部の核反応にふたたび火をつける」
  と忠告したかもしれない。

とある。
これは

  原子炉が暴走した時に水を抜けば、100パーセントの確率でメルトダウンだ。

という発言と矛盾しないのだろうか。

2月9日の「科学記事ウォッチ」の書き込みには

 広瀬隆のようなアジテーターの言うことを100%信ずる人もいただけないが、

とあるのですが、広瀬氏はアジテーターなのでしょうか?
私は氏の世間的な評判を知りませんのでわかりません。
本を読んだ限りでは、怪しげな点もあるが大方は本当のような気がしました。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 97        Text Title  : 上流中流下流について質問、要望          
Author   : reader    Text Length : 682 Byte    Date : Sun Mar 13 10:50:31 1988


To 団藤様  From 青山 千秋 PC-VAN:RZG37517

上流、中流、下流に分けるという提案に賛成です。

さて、「私はエネルギー消費そのものを減らせるべきである。」
と考えているのですが、
いったいどこで、この点について議論したら良いのでしょうか?

2-8の法則とかいう法則が私は気にいっています。
これを適用すると
 全世界で消費するエネルギーの8割を2割の国で消費している。
 全産業で消費するエネルギーの8割を2割の産業で消費している。
ということが、ひょっとすると言えるのではないかと予想していますが
どうでしょうか?

お願いとしては、「ペースをもっと落としていただきたい。」ということです。
2週間では速すぎます。
パソコン通信の良い所は時間をかけて議論できるということではないでしょうか。



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 98        Text Title  : 原発 上流に関して 「誤り人」          
Author   : reader    Text Length : 1096 Byte    Date : Sun Mar 13 22:20:27 1988


 ★総合エネルギー効率の向上で原発は不要となるか?
 今、電気エネルギーのなかに原子力発電が20〜30%占めていますが、
ガス会社が推進しているコージェネや火力発電所,大規模変電所の廃熱の
利用等々によって化石エネルギーの持つ全エネルギーを利用できるように
なれば原発の開発を停止してもやっていけるのではないでしょうか。
 団藤さんの資料では原発のエネルギーとなるウランの精製にも大量の
電気エネルギーが必要と思われますので、単に原発だから安上がりとか
化石エネルギーが要らないと云う訳ではないと思いますが・・・。
 ★核燃料サイクルの確立と核爆弾
 団藤氏の資料では、核燃料サイクルの確立なしには、ウランも早晩使い
果してしまうそうですが、核燃料サイクルが自国で確立した場合プルトニ
ュウムの自国生産が可能となるため、この超ウラン物質の管理が非常に難
しいと思います。特に、国民に知らせないで核爆弾の製造に流用されたり
核ジャックや盗難、漏出による地下水の汚染等思いつくだけでも多くの問
題があります。これらについて、驚嘆人さんを始めとする「消極的賛成派」
の皆さんはどのようにお考えでしょうか。
 まとまりのないアップロードで申し訳ありません。
                         誤り人

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 99        Text Title  : 広瀬隆氏について、                      
Author   : reader    Text Length : 2754 Byte    Date : Tue Mar 15 01:49:18 1988


Text No.98の青山 千秋さんの疑問。もっともだと思います。
実は、私も、同じような疑問を持ちました。
 これは、ただ漠然と感じていることなのですが、ジャーナリストの方々は、広瀬隆
氏について、どうも冷やかな目をお持ちのようです。
木元さんの発言「やあねえ、取材の甘いヒトは。でたらめ書くから。」
もっと、具体的に、どこがどう「でたらめ」なのか、ちゃんと説明すべきです。
それは、朝日新聞に関する部分のみのことなのか?
それとも、それ以外の部分でも、取材不足からデタラメが多いのか?
そこをボカシタ発言は、ヒキョウではありませんか?
 朝日新聞の組織力と、一人のモノ書きと、取材力に差があるのは当然です。
取材が甘いというのは事実でしょう。そんなの当たり前です。
だったら、広瀬氏の、その取材の甘さを、朝日新聞がちゃんと指摘して下さい。
勿論、原発肯定の立場でも中立でも反対でも、何でも、かまいません。
朝日ジャーナルでも科学朝日でもいいから、朝日の力を、私たちの目に、ハッキリと
示して下さい。
 ところで、団藤さんに、質問です。
「危険な話」や「東京に原発を」に十分対抗できる推進派の書物はあるのでしょ
うか? 普通の主婦が読んで、ちゃんと理解できる書物が?
もし、あれば、是非とも、このボードで、ご紹介下さい。
すでに、広瀬氏の著作及び講演会での発言は、かなり大勢の人に影響力を持っていま
す。そして、そうした人たちの多くが、広瀬氏を心から信頼し、彼が発する情報を、
朝日新聞が発する情報よりも信じています。

 このままで、いいのですか?
 一人の主婦が、ふとしたキッカケで「危険な話」を読み、飛び上がるほど驚く! 
 「こんなこと、新聞にも全然書いてなかったし、TVでもやったことないわ。本当
なのかしら?」
 そして、その主婦は、ささやかな行動を通じて、広瀬氏の本や発言を、真実だと感
じ始める。何故なら、広瀬氏に対抗する勢力が、あまりにいいかげんだから…。
 やがて、その主婦は、マスコミを憎悪するでしょう。
 何故このようなことを、もっと早く、知らせてくれなかったのか?
 知っていたのなら、どうして、もっと警笛を鳴らしてくれなかったのか?
 反原発運動に、ごく普通の人々が巻き込まれると言うことは、それだけマスコミ
不信が広がっていることを意味してはいないでしょうか?

 このままでいいのですか?
 それとも、朝日の心ある記者さんたちは、
 意図的に、広瀬氏を泳がせているのですか?
 (広瀬氏の取材不足は熟知しているが、反対運動に水をさしたくないので、あえて
指摘しない?)
 いずれにしても、朝日新聞は、青山さんの指摘通り、
 広瀬隆氏の批判に、正面から反論すべきです。
 私個人としては、せめて、朝日新聞ぐらいは信じたいのです。

 提案! 朝日の記者さんも、ここでは匿名で、個人的な意見をどんどん発言しては
          いかがでしょう?
     もっと歯切れのいい生の声を、切実に聞かせて欲しいと思います。
     でも、あの本多勝一さんのいる朝日新聞だから、匿名でなくても本音は
     言えますよね?

 このネットを覗いて、5年あまり購読してきた東京新聞を、
 朝日新聞に替えようかなと思っている−−−−−−−−−「沈黙する少数派」より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 100       Text Title  : ブル新 朝日 「誤り人」                
Author   : reader    Text Length : 2059 Byte    Date : Tue Mar 15 23:19:45 1988


 青山千秋さん、「沈黙派」さん こんにちは!!
 木元記者の書込に対する青山さんの反論から、何か原発論議−−>ジャーナリズム
論になっている感がありますが、蚊帳の外から一言・・・。
 小生は、広瀬氏の著書を読んだ事はありませんが、朝日新聞に対する各種の批判に
対しては、同紙本田勝一氏の「殺す側の論理」P-95の一文が参考になるやも知れない
のでアップロード致します。

*********** 殺される側の論理より ***************
 朝日新聞社が「ブル新」であることなどはもう全く当たり前であって、これほどに
も期待をよせていた山口氏の認識不足におどろくけれども、その「ブル新」をたたく
のは、おおいに結構なことだ。あれではまだまだ甘い。もっと徹底的にやってほしい。 
だが、そこと賃金契約を結んでいるだけの私に対して、(私が「大朝日」の社長か経
営者ならともかく)朝日はけしからん、けしからんと公の場で絶叫してみても、たい
へんむなしい話なのだ。私のやった仕事そのものをとりあげて攻撃するのであればわ
かる。そうではなくて、ただひたすらにブル新の朝日を攻撃し、そしてそこに所属す
ることを唯一の理由に「したがって本田も悪だ」ときめつける論法。
・・・・・以下省略
**************************************

 つまり、朝日新聞も商業新聞であって、「朝日のことが全て正しい」と盲信するの
も可笑しいし(だからといって、全て誤っている訳でもない)、「朝日には社内検閲
などない」と考えることも朝日新聞に対する過大評価ではないでしょうか。

 結論、ゆえに新聞は×旗新聞を読むべし!−−−>これは冗談です。(キッパリ)

 まっ、サイエンスネットは「ブル新」朝日が金を出して運営している訳だし、そこ
で団藤さんが大見得を切って「朝日はあーだ・こーだ」と内情を話す訳にも行かない
のでしょう。我々があーだ・こーだと云うのは勝手ですが・・・。

 おわりに、蚊帳の外から勝手なことを申し上げましたが、木元記者と青山 千秋さ
ん並びに「沈黙派」さんの意見交換は最後まで蚊帳の外からウオッチングさせて頂き
ます。
                           「誤り人」より
PS・・・「沈黙派」さんは
     1.原発推進派
     2.同上反対派
     3.同上「消極的推進派」−−>必要悪論
     のいずれのご意見でしょうか?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 101       Text Title  : 「広瀬氏について」について              
Author   : reader    Text Length : 2228 Byte    Date : Tue Mar 15 23:49:15 1988


「広瀬隆氏について」を読ました.
同感ですね.木元氏の発言は記者としては非常に稚拙な文章です.朝日新聞
の記者を語ったエセ記者かな,などど思ったりもします.
さてさて,「せめて朝日新聞ぐらいは信じたい」とのご意見ですが,私も
そう思たいわけです.しかし朝日持所詮所詮一企業.電力会社などは新聞社の有力
な大広告主なわけですから,それらのマイナスになるような記事は編集長の
段階でおおかた無視されかねないわけです.なくなく削除しなければと,落胆
にうちひしがれる記者や編集長の後ろ姿が目に浮かびます.
一方,広瀬氏の幾つかの著書ですが,かなりの影響力あるとおもいます.それ
にしてもやはり全部が全部信じるというのは「危険な話」です.これは広瀬氏の
著書に限らず又,竹村健一氏退著書に限らず,確なデータそしてそれに基つく
主張を探りだす
関係機関の資料にも目が通せればなおさら結構でしょう.しかし物事そして
出来事の裏にある真相もしくは真実は人を媒介にして伝達されるとえてして
誤解されてまたは曲解されて理解されてしまいます.したがって本人がその場
にいてその目で確められれば文句ないでしょう.今日のようにマスコミが発達
しているとどうしてもマスコミの報道記事に頼ってしまいます.そこで,例ば
さっき言ったように広告主を無視できない報道機関の報道する内容を問題視せ
ずにはいられないわけです.
ようするにマスコミヤミミやミニコミから得られる情報を最大限利用し或る程度の
段階で自分の意見をまとめなければなりません.いつまでも真実を追求してい
たら結局自分の意見(主張)がまとまらないまま時間が過ていくことになるで
しょう.世の中には原発意外にも問題がたくさんあります.家庭の外にも中に
も.それらの問題をすべて事象の源にたちかえり情報を集めひとつひとつ分析
していってはきりがありません.物理的にできないでしょう.毎日の仕事にも
悩まされているというのに.
余談になりましたが,自分が納得するということはいかに自分に厳しく物事の
裏表を見つめていくかでしょう.それは人生に対しての取り組みかたに似てい
ます.少い偏った情報で判断してしまう人もいる.それで納得してしまう.
人間は恐らく絶対的なものではないでしょう.それゆえに考え方それにもとず
意見はコロコロかわってしまうもの.
話がだいぶ逸れてしましましたが,こと原発問題そして報道にしてもその報道
機関の企業としての
眉をひそめてしまうのです.信頼できる情報であるか否かを判断する一の目安
として,編集方針まで覇権の及んでしまう利害関係(癒着)がその機関にある
どうかを見極める目をもつことかとおもいます.

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 102       Text Title  : 原子力報道と科学部の役割                
Author   : host      Text Length : 4631 Byte    Date : Tue Mar 15 23:53:06 1988


原子力報道と科学部の役割
                   From 大阪・団藤

 青山さま、沈黙する少数派さま

 いろんな疑問をお持ちなようなので、一度わたしの立場をご説明しておくほう
がいいようです。なお、その前に、木元君の3/6の書き込みは、彼なりのジョ
ークが混じっているのだと思いますよ。彼が何を言いたかったのか、最後の部分
から決められたのではたまらないでしょう。

 さて、「原子力関係の記事は科学部がチェックすることになっている。検閲で
すね。」−−という主張は本当でしょうか。広瀬氏の主張は、どんな事実にも付
き物のいろいろな前提条件を放り出し、結論だけ抜きだしてお話を構成する、と
いう手法を採っているように感じています。それが分かりやすい、との評価を得
ている原因でしょう。ここでも、やはり該当します。新聞社の主要な部のデスク
の元には、新聞制作の途中でニュース面に出る原稿が届けられます。デスクたち
はそれを読み、事実の誤認があれば指摘するのが大きな仕事です。もちろん科学
部にも届き、デスクからわれわれに問い合わせが来ることもしばしばです。この
意味では、原子力に限らずあらゆるニュースがチェックの対象です。現実には、
もっと前に科学部に「目を通しておいて欲しい」と、連載物の原稿などが出稿元
の部から回って来る場合がありますが、同じことです。論説委員に大熊由紀子さ
んがいる・・・という主張は、このコーナーの3/2「青山 千秋さま  大阪
・団藤」で、とうに方が付いたと、思っているのですが、いかがでしょう。記者
は社説に従うべき−−との青山説に反して、現実には一線記者にとって論説委員
は無縁の存在です。

 広瀬氏には、こうしてこの原稿がねじ曲げられた、との実例を示して欲しいの
ですが、おそらく不可能でしょう。しかし、新聞の制作は時間との競争ですから
いろいろな判断ミスや、誤報は付き物です。チェルノブイリの報道でもいくつも
あります。ああした大事件の場合は、続報を次々に書きながら、読者に正しい認
識をもってもらえるよう軌道修正しながら進みます。その途中段階では、なお真
実は不明なことが多いからです。広瀬氏の指摘する部分は舌足らずだと思います
が、事故があったと知った直後に短時間に収集した情報をたたき込んだ結果なの
です。実際に何が起き、何が問題だったか、その後の紙面で十分に紹介しました。
「あいつは修羅場をくぐってきたから」と、記者は評価されます。修羅場とは、
事件現場で警官の制止を振り切って写真を撮りに突入することをいうことも、何
が真実か見当も付かない事件発生直後に大量に届く情報(実は量があっても質を
伴わないことが多い)をさばき真実の姿をつかみ出すことをいうこともあります。
チェルノブイリの後、放出放射能量さえ判明しない状態が続いたため、わたしは
欧州各地の研究機関に手紙を書いて放射能汚染状況を教えてもらい、それをつな
ぎ合わせて汚染の全体像をつかみ、それから放出放射能量を考える努力さえしま
した。少しでも速く情報を送り出す責任もなくて、後から本を書く人は楽なもん
ですね−−というのが、わたしの感想です。

 「広瀬隆氏について、どうも冷やかな目をお持ちのようです」???おそらく、
そうでしょう。ソ連が言う5000万キュリーよりずっと多いらしい。では、い
くらぐらいか。紙面に書けるほど具体的な数字はあるのか。どうやって手に入れ
るか。・・・実証的な取材と、報道に苦心している側にとって、温かく見る要素
があるのでしょうか。

 ようやく、核心に入れます。「そうした人たちの多くが、広瀬氏を心から信頼
し、彼が発する情報を、朝日新聞が発する情報よりも信じています。・・・反原
発運動に、ごく普通の人々が巻き込まれていると言うことは、それだけマスコミ
不信が広がっていることを意味してはいないでしょうか?」。広瀬氏の前にずい
ぶん多くの本が書かれ、原子力について警鐘が鳴らされ続けてきました。それも、
ずいぶん実証的に、まじめに、自分の持つデータで言えるのはここまでですよ、
と控え目ながら確信をもって警鐘が打たれてきました。そうした研究者ともう何
年も付き合いながら、わたしなりに太いパイプを維持しているつもりです。その
立場で言えば、反原発運動が広瀬氏だけに依存しているのなら、早晩足元をすく
われるでしょう。でも、現実にはこれまで積み上げられてきた底流がしっかりあ
るのです。運動の動き自体に対しても、実証的に見守っているつもりですから、
わたしなりに確信があります。「マスコミ不信」?これも、わたしには実証的に
データで答えるしかありません。手前味噌ですが、伊方原発の出力調整試験への
反対運動が表に出てきたとき、このコーナーの#24に出してある87/11/
4の科学面の記事が多くの人にコピーして読まれていることを教えていただきま
した。

 「東京に原発を」に対抗できる推進派の本???そんな本はありません。お手
がるに原発を批判できないのと同様に、お手がるに擁護、推進もできないほど、
原子力の議論は一筋縄ではいかないと、ご覚悟下さい。歯切れのいいタンカで片
付こうはずがないのです。これまで、反原発で頑張ってきた研究者たちが遊んで
いたとでも、お考えでしょうか。ただ、今回の出力調整をめぐって沸き上がって
きた流れは、理屈よりも価値観の違いから原発を攻めているので、従来にない国
民的な運動として発展する可能性はあります。そのことは、やはりこのコーナー
の2/23「出力調整反対運動の本質」で触れました。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 103       Text Title  : 科学朝日の木元です。                    
Author   : reader    Text Length : 2980 Byte    Date : Wed Mar 16 06:09:03 1988


 すいません、ちょっと多忙でオンラインしていませんでした。
 青山さんはじめ皆様、遅くなって申し訳ございませんでした。

 いやあ、驚嘆人さんからは適切なカウンターパンチが返ってきたのに、
反対派(だと思う)お二人にどつかれたのは、少々ショックでした。
 あれだけ手間かけて反原発グループの情報を打ち込んだしつこさを見れば、
小生のスタンスは言わずもがなだと思ったんですが、甘かったようですね。
 分かりました、つまんないけど、このボードでは”稚拙な”アイロニーは
やめましょう。
 しかし、「それでも記者?」さんの指摘は、一面では真実ですね。
というのは、記者の書く記事は、かなりキチッとした文法があって、なかなか
言葉遊びはできない。たまには記者の立場をまったく離れて、好き放題の
表現をしてみたいと思っていたのがホンネだからです。
 つまり「それでも記者?」と言われたら、「オレはオレだよ」と、
開きなおって、あれこれ書いてみたかった訳です。
 そうした表現に自己規制するのは、つくづくつまんないのですが。

 原発のおかげで、じいさまが潤ったという歴史をもつ我が家で、小生が
とみに原発に不安を感じるようになったのは、ごく単純な理由です。妻の実家が
福井県にあり、住民側のコンティンジェンシー・プラン、とくに避難に関して
心配になったためです。大飯などで万一の災害があった場合、ホットスポットが
どこかなんて、我々には分かりっこないですよね。
 ただし、そんないいふるされた事を今更アップしても仕方ないので、ちょっと
イロものをやってみたのですが、非常に舌足らずだったようですね。

 ところで、青山さん。小生は広瀬氏の「原子力は迷惑だ」という主張には
うなづけても、検閲うんぬんにはやはり首をかしげざるをえません。
 私は87年1月から1年間、東京本社科学部にいました。担当は医療・自然保護
などでしたが、内勤の時にセラフィールドやバージニアでの事故の外電を翻訳して
出稿したり、また、反原発グループによる放射線検知器の記事を書いたことも
あります。しかし検閲といった不愉快なことは一切ありませんでした。だから、
「やあねえ」なのです。検閲に唯々諾々として従うのが朝日の記者か、と決めつけ
られたらやはりカチンときます。いったい、どういう取材をされたのか、と。
 小生は決して会社第一人間ではありませんが、しかし取材・報道の基本姿勢に
関することで、こうした書かれ方をされては、ムカッ腹がたちました。
 もちろん、そうした気持を冗談まじりに表現した点は、失礼しました。
 ちなみに、小生が「でたらめ」だと断じたのは、この一点についてのみですので、
念のため。もしも機会があったら、広瀬氏の講演なども聞きにいき、できれば
一読者の立場で疑問点をうかがってみたくおもっています。

 ちなみに、同じようなマスメディア批判なら、分野は違いますが、米本昌平
氏の『バイオエシックス』(講談社現代新書)などに小生は軍配をあげます。

 ところで驚嘆人さん。肩書のある人々ではなく、「様方」が集まって出来る
勢力こそが、原発推進派にはよほど手ごわいとは思いませんか。たとえは良くない
のですが、ワイブル関数から出発するような議論とは別のエートスを小生は
感じています。

 さて、小生は最近、代替エネルギーにこっています。そのうちに科学朝日に
事例報告的に書きたく思っています。
                      科学朝日の木元でした。
      (ところで、またreaderで入ってしまっていた、すいません)

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 104       Text Title  : 原子力発電とAI                        
Author   : reader    Text Length : 509 Byte    Date : Wed Mar 16 13:46:00 1988


 原子力発電における事故のヒュマンファクターについて議論があり、それを
少なくするためにAIの応用がいろいろ考えられているようですが、現状では
AIにもAIファクターというものがあって、訓練された運転員によるヒュー
マンファクターよりも大きいのではないかと心配しています。運転員はAI
ファクターが引き金になってヒューマンファクターによる事故を引き起こす
のではないかと心配します。
 このようなAIファクターに関心のある方、ご意見ください。
                        T.UDAGAWA



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 105       Text Title  : 上流は違うな                           
Author   : reader    Text Length : 1924 Byte    Date : Thu Mar 17 01:56:58 1988


・・・はじめに・・・
    とんだジャーナリズム談義になってしまったもんだ。・・・驚嘆人
1.木元様
  団藤氏の「無農薬おばさん」同様、「様方」には対抗する手段はないよう
 です。無視するのが最良で、つついたり、踏みつぶしたりするとだんだん大
 きくなってしまいます。
  しかし、国も電力会社も甘くはないですよ。補助金・利権でけではなく、
 一般へのPRを静かに着実に進めています。
    私は反原発は「一時的な激情」と思っています。タハ,、レン
 トゲンなどの事例を持ち出して、それに対抗し得る材料があるのかどうか、
 または、実際的な対応、例えば「電力使用を減らす」等の努力をしているの
 かどうか知りたかったのです。
    危険なのは分かりきっています。その危険なところの論議とアピール闘争
 だけで、実際には「何も知らない、何もしていない」のではないか。だとす
 れば、私をはじめ、多くの消極的推進派を反対派に引き入れることはできな
 いでしょう。日本の「エートス」にはならないのでは。
2.広瀬氏について
 ・・・ 広瀬氏は朝日よりよほど営業的な問題を抱えているのでは? ・・・
  ・・・       私は一種の新興宗教位に思っています     ・・・
3.反対派?のみなさまへ
  朝日や両記者を虐めたりするのは筋違いでしょう。私には「無農薬おばさん」
 や「様方少数派」「広瀬氏」などとは比較にならない恐い反対派に思えます。
4.青山様
   NO.95 だいたい良いのではと思います。電力会社では、原発の高稼働は即
  利益につながるものと理解しています。
5.誤り人様
     NO.93  ベクトルが違うというのは感覚的な問題でしょう。放射線量は放射
  線量としてあるわけで、「無農薬おばさん」に「レントゲン一回分の百分の
  一以下ですと言ったら「そんなもんですか」と簡単に納得してしまう「可能
  性」を指摘したいのです。
     NO.98 核ジャックより実際にある原爆の「誤発射」の方が心配です。
6.本題
  このネットの参加者に賛成派、反対派と言う表現はふさわしくない筈です。
 冷静に科学的に原発を論じ、そこで出てきた答えが決めることです。・・・
    上流は次回・・・
                  南アで小手先の鈍った驚嘆人・本日これまで

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 106       Text Title  : 私はこう思います。「少数派」            
Author   : reader    Text Length : 8254 Byte    Date : Fri Mar 18 08:56:07 1988


 私は、こう考えます。

団藤様へ、
 私に向けたご発言らしい部分に、コメントさせていただきます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「これまで、反原発で頑張ってきた研究者たちが遊んでいたとでもお考えでしょ
うか。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 まったく考えておりません。それどころか、私は、そうした人たちの地道な活
動を高く評価するものの一人です。
 私が反原発の書籍を読むようになって、もう十数年になります。
 もっとも、十年前当時は(今もですが)貧乏でして、単行本を買うお金などな
く、図書館に置いてある範囲での学習でした。新書などで、その種の本があれば、
飛び上がるほど喜んで買ったものです。また、新聞に原発事故の記事が出ると、
丹念に切抜きファイルしました。

 広瀬隆氏の本に出会ったのは7年前、「東京に原発を」(JICC出版局)本
屋で、その衝撃的なタイトルを見つけ唖然としました。
 その発想の斬新さに、これまでの反対派にはない何か”突き抜けたもの”を感
じました。
 そして、「ジョンウェインは何故死んだか?」「越山会へ恐怖のプレゼント」
 確かに広瀬氏の文体は「歯切れのいいタンカ」が大きな魅力です。しかし、そ
れにも増して、私を魅了したのは、切り口の斬新さと、見事に整理された膨大な
情報量です。

 広瀬氏が「ジョンウェインは何故死んだか?」を、どのような方法で取材され
たのか、私は知りません。(もしかしたら広瀬氏は、この本の取材に、団藤様が
欧州の放射能汚染状況を調べる努力と、同じようなことをしたのかもしれません
ね。)しかし、この本をまとめるに当って、広瀬氏がどれだけの多くの時間を費
やしたかは想像がつきます。

「危険な話」しかり、「(文庫版)東京に原発を」しかり、これらの本が、”お
手がる”に書かれたとは到底思えません。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 少しでも速く情報を送り出す責任もなくて、後から本を書く人は楽なもんです
ね−−というのが、わたしの感想です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 そうでしょうか? 「(文庫版)東京に原発を」は、61年の8月に発売され
ました。
チェルノブイリ事故から4ヵ月目です。この本を見て、私は驚きました。文庫と
いうものの常識を覆していたからです。題名は同じでも、中身はJICC出版の
ものとは、ほとんど別物でした。チェルノブイリ以後の最新データが、しかも、
ここでも極めて分りやすく整理されて、提示されていたのです。
 広瀬氏は、これらの情報を少しでも早く、読者に提供したいと考えたはずです。
そのために、とてつもない労力を費やされたはずです。
 しかも、文庫版です。鮮度が落ちてるから安いはずの文庫版です。書棚の片隅
のノンフェクションコーナーではなく、もっとも目が付きやすい場所に、今月の
新刊として置かれる文庫版です。
千数百円もする単行本ではなく、440円の文庫版です。
主婦のポケットマネーでも、貧乏学生でも、高校生の小遣いでも、手がるに買え
る文庫版です。余裕がある人なら、数冊買ってバラまける値段です。

団藤様は、事故から4ヵ月目に、この本を出すことが本当に楽だと思いますか?

この本の後、広瀬氏は、驚異的なバイタリティで、積極的な講演活動を続けられ
ているのは、ご存じの通りです。私には、広瀬氏が”楽なもの”だとは、とても
思えません。それどころか本気で、広瀬氏の身体を心配しています。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
反原発運動が広瀬氏だけに依存しているのなら、早晩足元をすくわれるでしょう。
でも、現実にはこれまで積み上げられてきた底流がしっかりあるのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
確かに、その通りです。 まさに同感です。
広瀬氏は、多くの先人たちが築いてきた舞台の上で、いま、脚光を浴びています。
が、しかし、それには理由があると思います。

 野坂昭如氏が「東京に原発を」のあとがきで、こう述べられています。
(そういえば、この方も、随分しつこく原発問題にこだわっていたいましたね。
私も当時、随分期待したものです。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
えらそうないい方だが、ばくも、汗牛充棟ただならぬ原子力関係の解説書を、
少しは読んで、さて、自らの、器に応じた理解を、人様に伝える時、常に混乱し
ていたのだ。(略)いわゆる専門家の講議だって似たようなもの。
広瀬隆によって、ようやく言葉がよみがえった。(略)
まことに扱いにくい、いわ手触りの確かめがたい、確かめを得た時はすでにお終
いという対象に、広瀬は、形を与え、ごくふつうの者の想像力を、このことにつ
いて活性化した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 私も、そう思います。広瀬氏の本と行動には、それまで多くの研究者がなしえ
なかった”何か”があると。
 だからこそ、甘蔗さんに「まだ、まにあうのなら」を書かすキッカケを与え、
あの所ジョージさんや、景山民夫氏までを動かし、数多くの主婦と、若い人の一
部を、この運動に巻き込めたのではありませんか?

 それとも、団藤様は、広瀬氏が多くの研究者ほど実証的でなく、まじめでも、
控え目でもなく、自分の言葉に、確信を持っていないから、人の心を掴んだのだ
と、お考えですか? だから「冷やかな目」を、お持ちなのですか?

ようやく、核心に入れます。(カッコいいのでマネてみました)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「広瀬隆氏について、どうも冷やかな目をお持ちのようです」???おそらく、
そうでしょう。ソ連が言う5000万キュリーよりずっと多いらしい。では、い
くらぐらいか。
紙面に書けるほど具体的な数字はあるのか。どうやって手に入れるか。・・・実
証的な取材と、報道に苦心している側にとって、温かく見る要素があるのでしょ
うか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 新聞の制作は時間との競争ですからいろいろな判断ミスや、誤報は付き物です。
チェルノブイリの報道でもいくつもあります。ああした大事件の場合は、続報を
次々に書きながら、読者に正しい認識をもってもらえるよう軌道修正しながら進
みます。その途中段階では、なお真実は不明なことが多いからです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これは、私の読み違いかも知れませんが、
 団藤様は、広瀬氏の発言には、実証的でないデータが多く、だから温かく見れ
ないとおっしゃいます。
 ところが、新聞には、判断ミスや誤報は付き物だとおっしゃる。
 これ矛盾していませんか?
 あまりにも身勝手な言い種だと思いませんか?

 事実が不明なのは、ソ連邦や電力会社が情報を公開しないからであり、広瀬氏
の努力が足りないからではないと思います。

 私は、ある意味で、広瀬氏の本に書かれてあることはデタラメばかりであって
欲しいと思います。 だってそうでしょう。もし、すべて真実なら、私の子供た
ちに、明るい未来はないのですから。

 ジャーナリストでもなく、学者でもなく、組織のバックアップもない広瀬氏の
送りだす情報が、それほど確度の高いものだとは思えません。だからこそ、あえ
てお聞きしたのです。「東京に原発を」に対抗できる推進派の本はあるか?と。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「東京に原発を」に対抗できる推進派の本???そんな本はありません。お手
がるに原発を批判できないのと同様に、お手がるに擁護、推進もできないほど、
原子力の議論は一筋縄ではいかないと、ご覚悟下さい。歯切れのいいタンカで片
付こうはずがないのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
このお答えは、よく理解できません。
もし広瀬氏の発言に、いいかげんな部分が多ければ、推進派もマスコミも、まさ
に「お手がる」に反論できる筈です。それがないから、逆に広瀬氏の本を信じざ
るをえないのです。

それにしても、何故、お手がるに批判できないのですか?
私は、お手がるに批判してくれる人が増えることを望んでいます。
原発には、事故の危険性がある。
もし、事故が起これば、子供たちに未来はない。
それだけで充分です。
もっと、もっとお手がるに、誰もが批判して欲しいと思います。

ずいぶん長くなりました。
最後に一言。
昨日より、新聞を朝日に替えました。
広告がベラボウに多く、紙面は、私のような浅学なものには、極めて読みづらい
のですが、このようなネットを運営し、自由な書込を許容し(実は、削除される
かもしれないとも思っていました。)勝手な書込に、誠意をもって答えてくれる
記者さんの存在を知ったからです。
団藤様、木元さん、本当に、がんばって下さい。
お二人の仕事ぶり、注視させていただきます。

 PS 「誤り人」様へ。
    もう、お分りとは思いますが、私は反対派です。
    それも、ものごごろ付いた時からの生粋の反対派です。
    何故なら、原爆症の影に脅える母親をズーと見てきて育ったのですから

    「広瀬氏について」について のreaderさん。
    援護射撃ありがとうございました。

    青山千秋様、
    私に発言のキッカケを与えて下さったことに、感謝します。

        驚嘆人さま
    おじゃまさまでした。どうぞ議論をお続け下さい。  

                  「沈黙を破ってしまった小数派」より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 107       Text Title  : 沈黙しない少数派殿                      
Author   : reader    Text Length : 2347 Byte    Date : Sat Mar 19 00:12:34 1988


 拝啓 沈黙しない少数派殿  驚嘆人

 まずはあなたの8Kにおよぶアップに対し、しかも量のみではなく、文章的に
も非常に充実しておられる点に対し敬意を表します。説得力ありました。自分は
なにを考えていたのだろう、と思うほど。
  こんなタイミングでまた推進意見など書こうものなら、それこそ村八分になっ
てしまいそうですが、私はひるみません。

1.原発と原爆
   いま世界には原発の基数より、原爆の弾頭数の方が多いんですね。孫子の
  代に驚異なのは原爆の方が上ということに同意願えますか。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   原爆は日本に無いなんて言っては困りますよ。今、一番危険なのは日本な
  んだから、ソ連がアメリカにぶち込む度胸があると思いますか?。日本に落
  とされた報復をアメリカがやると思いますか?。どちらもNOでしょう。
    誤発射するとすれば日本向けなんですね。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   とすればあなたはどちらに力をお入れですか?
2.リスクの問題
   「99.99%安全」と「絶対安全」のどちらが真実になりうると思いま
  すか?。「絶対安全」など家で寝てても有り得ないんですね。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  一日歩いても99.99%は安全な道路を歩きながら、それは絶対安全だと
  信じている。だから、99.9999%安全だと言われても0.0001%
  の危険を指摘してしまう。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    我々は、常にリスクとは隣合わせで生活しています。感電するとか、ガス
  で火事になるとか、このネットに夢中になって目を悪くするとか。
   「原発さえなければ絶対安全」でしょうか、原発反対運動に出かけて行っ
  て車にはねられることは絶対にないのか、あるとすればその確率は原発に比
  較してどの程度のものなのか。
    原発止めて火力をふやし「CO2」で地球の温度を上げた方が安全なのか、
  分からないことは山ほどあるのではないですか?
 ・・・広瀬氏の「新興宗教」・・・
   原発のみに議論を集中し、カリスマ的である点「宗教」に似ています。
  ・・・反対派の「何も知らない」・・・
   推進派も「何も知らない」のかも知れません。その方が恐いですね。
3.今、何が重要か?
   私にはそれが分からない。原発を止めることが最優先課題とは思えない。
  次世代のエネルギー消費を極端に減らすことは可能だろうか。今、原発を止
  めたら「核融合炉」はどうなる。・・・
                            違いますか?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 108       Text Title  : 資料「エネルギー消費の不公平」          
Author   : host      Text Length : 1165 Byte    Date : Sat Mar 19 18:38:36 1988


☆資料「一人当たりエネルギー消費量の不公平・1984年」
          (京大原子炉実験所・小出裕章助手の資料から)

一人当たりのエネルギー消費量[石油Kg]
 9000 |*カナダ
      |*
 8000 |*
      |*
 7000 |***米国
      |***
 6000 |***
      |****
 5000 |****
      |******ソ連
 4000 |*******西独
      |********フランス・英国
 3000 |**********日本
      |***********イタリア
 2000 |************  メキシコ
      |- - - - - - **- - - - - - - - - - - - - - - - -世界平均消費量
 1000 |****************ブラジル   中国   インド  
      |******************************,,,,,,,,,,,,、、、、、ベトナム、ビルマ
      ------------------------------------------------
      0         10         20         30         40 億人  エチオピア

 「一人当たりのエネルギー消費量で言えば、最もエネルギーを消費している
 国とエネルギーを利用できない国とでは、なんと1000倍もの格差がある
 のである。私達日本人も世界平均の2倍以上のエネルギーを消費している。
 東南アジア諸国の人々に比べれば10人から100人分ものエネルギーを使
 っているのである。世界全体では、わずか四分の一の人口がエネルギーの8
 0パーセントをも使っている。」・・・小出助手のコメントから。



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 109       Text Title  : 単に独り言です                          
Author   : reader    Text Length : 379 Byte    Date : Sat Mar 19 19:07:33 1988


広瀬隆氏の人気はすごい。
先日、某ライブハウスで政治講話が行われ、のぞいてみた。
そこには案の定、政治とは無関係のteenager
ところが、出演者が広瀬氏の話をすると異様な盛り上がり。
原発をさかなに踊っているのです。
あの影響力bヘたじたじです。
S社[DAYS]はカラー頁をふんだんにつかい、原発の恐ろしさ
が宣伝されています。
恐い、その一面だけで原発をあつかうマスコミに首をかしげます。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 110       Text Title  : 資料「エネルギーの海外依存度」          
Author   : host      Text Length : 1020 Byte    Date : Sat Mar 19 20:03:44 1988


☆資料「エネルギー海外依存度の推移と供給の構成」
            (資源エネルギー庁”総合エネルギー統計”)

 パーセント
  100 |
      |                    ,,,
      |                  #  #  #
      |               #  s s s     #
      |            #  s       s s       ## エネルギー海外依存度
      |          # s        s s          81.0
      |        # s                      ss 石油  55.2
      |      # s
   50 |cc   #s
      |  c #s
      |   #c
      |  #s  c
      |##s      cccc
      |ssw w         ccc          cccccccc 石炭 19.1
      |      w w w       ccccAcAcA A AAAAA 原子力 10.3 天然ガス
      | A  A  A  A w wAw wAw w w w w w w w 水力 5.3   10.1
     0-------------------------------------
       30         40         50         61 年度

   年度  35  40  45  50  55  59  60  61
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
エネルギー 
海外依存度 44.2    66.2    83.5    88.0    85.3    83.5   81.4    81.0



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 111       Text Title  : 「上流」の資料は6つになります。意見を  
Author   : host      Text Length : 644 Byte    Date : Sat Mar 19 20:39:35 1988


HOSTから一言

 「上流」部分について
    2/17 電力会社の電源開発計画について
    3/10 資料「長期エネルギー需給見通し」
    3/10 資料「世界の原子力発電炉」
    3/10 資料「核燃料サイクル図とウラン資源」
    3/19 資料「エネルギー消費の不公平」
    3/19 資料「エネルギーの海外依存度」
 以上、六つの書き込みで資料提供は一区切りとします。
3/10の討論の進め方提案を、ご参照いただいて、進むことを希望
しますが、・・・。なお、HOSTとしては、あらかじめ賛否どちら
の立場に立つというのではなく、実証的にやりたいと思います。

                     From 団藤

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 112       Text Title  : 原発と原爆について 「誤り人」          
Author   : reader    Text Length : 3541 Byte    Date : Sun Mar 20 17:57:23 1988

 原発と原爆について
 驚嘆人さん、少数派さん、青山さん、その他本ネット参加者の皆さん こんにちは
 ジャーナリズム論も一服となったようですが、驚嘆人さんが「原発と原爆」という
ことで、少数派さんに迫っていましたので、一言アップロードいたします。
********* 驚嘆人さんの一文 *****************
1.原発と原爆
   いま世界には原発の基数より、原爆の弾頭数の方が多いんですね。孫子の
  代に驚異なのは原爆の方が上ということに同意願えますか。(驚異−>脅威)
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   原爆は日本に無いなんて言っては困りますよ。今、一番危険なのは日本な
  んだから、ソ連がアメリカにぶち込む度胸があると思いますか?。日本に落
  とされた報復をアメリカがやると思いますか?。どちらもNOでしょう。
    誤発射するとすれば日本向けなんですね。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   とすればあなたはどちらに力をお入れですか?
************************************
 まず、「原発の基数と原爆の弾頭数」とは比較にならないほど後者が多いです。
原爆は米ソ両超大国で5万発ほど保有しており、そのほとんどが先制攻撃用として
ソ連5000ヵ所、米国2000ヵ所、欧州500ヵ所、その他(日本含む)10
0ヵ所に標準が合わせているとのことです。
 次に驚嘆人さんの云われる日本への「誤発射」ですが、小生は「依佐美(よさみ)
」へ先制攻撃1発が見舞われると想像されています。ただ、この場合は「限定核戦
争」ではなく「全面核戦争」へ発展していく可能性が大であるでしょう。また、東
京へ1発落とされますと直接1000万〜2000万の人が死に東日本は壊滅状態
となるでしょう。この場合も1発「誤発射」されれば、超大国は疑心暗鬼に陥って
我先にファーストアタックを仕掛けていくものと考えられます。小生は、「限定核
戦争」というものは想像上の戦略で、実際ボタンが押されれば連鎖反応的に地球に
核の雨が降り注ぐと考えています。
(恐ろしいことです。杞憂であれば嬉しいですが・・・)
 さらに、この場合億人単位で死者が出るでしょうが、「幸いにして生き残った人
々」はこのあと訪れる「ニュークリアウインター」で地獄を味わい、ファーストア
タックで死んだ人は幸せだと思うようになるでしょう。
 最後の一言は理解に苦しみました。いつもクールな「驚嘆人さん」とは思えない
強圧的文章で、『原爆の危険性を理解しないで、原発反対など片腹痛い』とでも云
いそうな感じでした。小生は原爆反対の原水禁・原水協運動と原発反対運動を連動
させる必要はないと思います。(連動しても結構ですが)
 つまり、「自分は自分流に原発に反対」し、「彼等は彼等流に原爆に反対」する
でいいのではないでしょうか。小生たちの孫・子の代に脅威を与える原爆・原発に
各人各様に反対していけばいいのではないですか? 実際、1つの組織に入り運動
を進めていくと、もう1つの組織に入って2足の草鞋を履くのは非常に難しいでしょう。
 「少数派」さん、貴方の身内に被爆された方がいらっしゃるとのことで、こんな
ことは百も承知でしょうが、「驚嘆人」さんの言い回しに少し気になった点があっ
たので小生の気持ちをアップロードさせて頂きました。
                          「誤り人」より
 注・・・依佐美は、愛知県刈谷市にある米国原潜への通信基地。VLFを使って
    海面下の原潜と通信する。
     原潜は長期間にわたって潜水穏密行動を取っているほど有利のため、た
    まに海面下10数メートルに浮上し、海面下まで到達するVLF電波をキ
    ャッチすることで本国との連絡を行なう。また、軍事衛星からの信号をド
    ップラー処理し、外洋における自潜の緯経度を百数メートルの誤差で計算
    し、仮想敵国の目標を叩くのです。特に、SLBMはカウンターアタック
    用として絶対の信頼性を有しており、超大国は特に重要視しています。
 SLBM・・・潜水艦発射弾道ミサイル

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 113       Text Title  : 原発について楽観的考えを持つ方へ        
Author   : reader    Text Length : 2800 Byte    Date : Mon Mar 21 00:56:00 1988


原子力発電反対派に対して、「消費電力を減らすことから  
まず初めたらどうか」との意の書き込みがあったように思います。
私は、この考えは、電力会社の宣伝に、まんまとのせられて
ひっかかってしまったひとがいだく意見のようにおもえてなりません。
 電力需要量が大きくなり、原発をいれたわけではないのです。
現在原発は出力がほとんど制御できないため、夜間などは
逆に、電力があまり、ダムへの水のくみあげをしているほどです。
コストの面からいっても、火力にくらべばかにならないほど
かかります。(最終処理までで) 
なぜか、といいますと、再処理後に残る「死の
灰」をどのように処理するのか、という点にあるのです。
ただそのまま、タンクにいれておけばいい、というものでは
ありません。放射能の崩壊熱が発生するために、水冷しなければ
ならないうえ、放射線の影響で溶液が分解され、水素ガスなどが
発生しますから、ときどきは排気をしなければなりません。
そのうえ、死の灰の中には、半減期のながいものが含まれ、
(セシウム137 ets.)、500年以上少なくとも保存しなければ
ならないのです。固体にしたとしても、何処にすてるのか、
どのように保管するのか、そして、その方法で数100年、
数千年の間たえうるのか。解決のついていない大きな問題です。
 燃料にも問題があります。原発が火力と同等かそれ以下の発電
コストだと言ってこれたのは、天然ウランからウラン235を
とりだした(0.6%ほどしか天然には含まれていない。)濃縮
ウラン価格の安さにあったのです。 1964年第3回原子力平和
利用国際会議の頃からアメリカは政策の大転換をはかり濃縮ウランと
発電炉技術とセットにして盛大に売り込みを初め、独占的な供給力
をバックにおいた濃縮ウラン価格の自由な操作によって発電コストを
火力に匹敵するようにしてきたのです。 

BWR,PWR原子炉は、濃縮ウランを使用しますから、濃縮ウランを作っているアメリのでかたによって、コストはかわります。
結局、ウランは自国に殆どありませんから、未だ未解決の問題と
合わせて考えると、・・・・どうでしょうか・?
 原発導入の仕方も、非常におかしかったのです。原子力委員長になった
宇田大臣は原発構想を発表したが、その計画は、物理学者から安全性も経済性も
実現性も根拠がないとして批判されたものでした。その後計画にあったGCR炉は、
数数の問題点が物理学者によって指摘されたのです。にもかかわらず、1959年に
閣議は、多少の改良を加たGCR炉の購入を承認したのです。1964年に米国が
低濃縮ウラン軽水炉の大宣伝を開始し、発電原価が1円50銭(1kW時)になって
新段階に達したと発表しました。これは、たいして根拠のあるものではなかったのに、
日本の原子力産業会議も、某大新聞の論客もこれにのったのです。
原子力発電の導入に対して、本当に安全性や経済性があるのかを真面目に考えて
いたのは「東京新聞」ぐらいではなかったかと、思います。
 政府の、こと原子力に関しての現実を無視してつっぱしる傾向が生じてくる
おおもとを作ったのは「学者がぐずぐずしているから札束で頬をひっぱたくの
だ。」といったといわれる中曽根氏が発端になっているように思えます。
                                 理系学生より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 114       Text Title  : 原発と原爆について[驚嘆人]            
Author   : reader    Text Length : 1556 Byte    Date : Mon Mar 21 02:50:08 1988


誤り人さん、詳細なフォローありがとうございました。  驚嘆人
 私が反対派的になったとき、ここは、ただ反対派の意見交換の場となりません
か。思い上がりかもしれませんが、私には徐々に推進派の意見の入り込む余地が
なくなり、そのうち無視するようになるのではないかと思えるのです。「どうし
たら原発をなくせるか?」だけが議論の対象になったのでは「反対派の集会場」
と変わりないでしょう?。
 と同時に、推進派でも「無視されれば無視する以外に手だてが無い」のですか
ら、ついぞ接点は見い出せなくなります。
 「それでも人間か?」的な声が聞こえそうなのに、あえて「仮に賛成派の立場」
から「反対派」の論理の「スキ」を探して、言わせていただきました。
 「スキ」とは
1.原発と原爆を同一視してはいないか?
2.原発さえ無くせば安全なのか?
  の2点でした。停電すれば「水」も飲めない社会に現実になってきているので
すから、「お手軽に反対」は出来ない筈です。
 原発を無くした後の生活形態に触れないのも、今まで応援してくれた人から「
そんな生活になるなら、あっても仕方がない」というような「しっぺがえし」の
原因になりませんか。
  と、必ずしも「冷たく」「敵対視」するものでないことを、ご理解ください。
・・・「独り言」氏の発言を読み、やはり思い上がりだな、と反省してます。
・・・団藤さん、「仮に・・派の立場」は、ないと不便かも・・・。
・・・理系学生殿
 ・ピーク時に供給しなくて良いならともかく、電力が夜余るのは需要側の都合
 です。最大需要に対する設備容量を考えれば、けっして余っているとは言えま
 せん。今年の夏だって危ないんだから。・・・
 ・原発原価の問題は同感(核融合かなんかで対応しようとしているのでは?)
  ・政治問題は基本的にこの問題に対しての回答になり得ないのでは?

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 115       Text Title  : 大前研一氏の考え(「遊び心」より)      
Author   : reader    Text Length : 6351 Byte    Date : Tue Mar 22 12:16:30 1988


大前研一氏について

大前研一氏の「遊び心」という本がなかなかおもしろかったので、
その中から原子力発電について書かれている部分を紹介したいと思います。
(著作権上問題があれば削除して下さい。)

大前氏は東京工業大学大学院原子力工学科で修士号、
マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を修得されて、
日立製作所原子力開発部技師として、主に高速増殖炉の設計に従事されたそうです。

「遊び心」の内容から、
原子力発電について技術者が上流をどうみているかがおわかりいただけると思います。

その前に広瀬隆氏の「危険な話」の中のP.283を引用しておきます。

 いや、テレビでよく見ますね。原子力のPRに狩り出されている人間の哀れさ。
 いまそのリストに入っている人間の名前を、皆さんよく覚えておいてください。
 彼らが私たちを殺す先兵なのですから。
 大宅映子、草柳大蔵・文恵、手塚治虫、堺屋太一、
 大前研一、竹村研一、曽野綾子、山本七平、
 豊田有恒、石原慎太郎、梅原猛、野村克也、
 佐々木信也、渡辺文雄、ケント・ギルバート、
 浜村惇、斎藤ゆう子・・・・

このような言い方をすれば、
広瀬氏がアジテーターと言われてもしかたのないことでしょう。
この中に大前氏も上がっています。
推進派の意見が少ないので
大前氏の考えは推進派の意見の一つとなるでしょう。

大前研一「遊び心」学研 1988年

P.34
 あるとき、何かの拍子に、広島に原爆を落としたのはよかったのだ、
 という意見を耳にした。
 唯一の原爆被爆国家日本にとって「平和こそ我らの願い」
 と教えられて育ってきた私には、これはこたえた。
 そこで地元紙であるクリスチャン・サイエンス・モニターに、
 戦争反対、核反対、国際理解の推進などをアッピールする投書をした。
 これに対して
 「パールハーバーを仕掛けた国民が寝ボケたこと言うな」
 などというかなりきつい反論が載ったり、
 こちらもまた反論するなど、忙しいやりとりが起こった。

 そうこうしている間に、
 私自信が原子力の研究者であることに一種の
 タガをはめる必要があることに気づいた。
 当時のMITの先生にはマンハッタン計画の立役者が何人かおり、
 「物理学的にいえば原子炉は制御棒のついた爆弾」、
 なんてことを平気で言う人もかなりいた。
 また生徒の三人に一人は原子力潜水艦などに乗り組んだ経験をもつ
 海軍の出身者であった。
 だから講義でも爆弾のつくり方を聞いているのか、
 炉のつくり方を聞いているのかわからないような
 スリルに満ちたものもかなりあった。

 一方、原子炉という平和利用にかぎってみたところで、
 廃棄物や暴走が環境汚染をすることは必至で、
 必ずしも100パーセントクリーンではない。
 またアメリカでは原子炉を原爆用のプルトニウム製造装置、
 と位置づけていることもあって、
 平和思想一本ヤリの日本で育った私には、
 馴染めないことが多かった。
 原子炉に携わる人は、
 この辺の考え方をきちんと整理しておかないと
 危ないのではないかという思いが、私には強くなってきた。
 そこで、たまたま私は原子力工学科の生徒委員をしていたこともあって、
 「原子炉の利点と難点」
 と題するシンポジウムを大々的に開催することを提案した。

 自らワシントンのアメリカ原子力学会(ANS)に出かけ、
 主旨を説明して寄付金をもらい、
 一方、学内を組織してアメリカ全土から原子力賛成派と
 反対派の論客を招いて三日間の大論争を行った。
 私は主催者の一人として双方の論点を浮き彫りにして
 会を盛り上げることに専念したので、
 自分ではあまり意見を言わなかった。

 しかしこの三日間は極めて充実したものであり、
 その後二十年間の原子炉の歴史を見てみると、
 まさにほとんどの議論が出尽くし、
 今となっては、現実が予見されていたことになる。
 生徒の組織した会合に全米各地から手弁当で出かけてくれる高名な研究者、
 激しく相手の説を非難し、議論を尽くしながらも、
 パーティになると仲良く談笑する光景、等々、
 今日にいたるまで我国では実現していない
 「学問の自由」の生きた教訓がそこにはあった。
 しだいに私は原子炉の「平和利用」は人物さえ得られればできるもので、
 平和利用という念仏を唱えていれば済むという問題ではないか、
 という考え方に傾いていった。

P.89
 学生時代の四年間について書こうと思っても授業や勉強したことを思い出さない。
 一年生の早稲田祭のとき、
 エネルギー問題の将来について取り組み、
 パトナム報告の解析をした。
 そこでえられた石油資源の枯渇問題を信じるようになってからは、
 石油化学をはやばやとやめて原子力に情熱を燃やすように
 なっていたからである。
 級友がほとんど有機化学(石油関連)をやっていたのに
 私は無機化学を選んだのもそのためである。

 また卒業後東工大、MITと大学院で原子力工学を
 専攻したのも、早稲田祭の準備を手伝って
 石油化学の暗い将来を知ったからである。
 しかし原子力も技術者として及ぼせる影響力に限りのあることを
 悟った29歳の春には、
 早々と見切りをつけて今の経営コンサルタンティングに
 職種転向してしまった。
 このほうは今日まで15年間大過なく続いている。

P.94
 もちろん、このような人間関係には良い面も、そうでないわずらわしい
 面もあると思うが、
 しかし私たち夫婦にとっては、この日立での二年間は
 貴重な体験となっている。

 原子力の仕事の面でも仲間と日本のエネルギーの
 将来について大いに議論し、
 夢を多く語り合った。

 今、日本の原子力行政を見ると、あまりにも後ろ向きで、
 またあまりにも暗くて、ガク然としてしまうのである。
 原子炉の設計者でも、
 公聴会では石を投げられたり、
 バ声をあびせられるのを我慢しなくてはならない。
 しかも漁業補償や地元との接触が中心業務である。
 安全審査を通すために、
 役人や学者のいやがらせ的な質問にも、
 根気強く答えていかなかくてはならない。
 純技術的なことよりも、
 このような不随的なことに神経の大半をすり減らしてしまうのだ。

 しかし、それでも予想しなかったような事故は起こる。
 事故が起これば、世界的に反原発のキャンペーンがもり上がる。
 エネルギーの将来を考えれば、
 原子力発電の比率を高めるほうが良いのだが、
 今のように石油が安く手に入るご時世では、
 風向きはアゲインストである。
 しかし原子炉一基作るには足かけ15年かかるから、
 今やめてしまって将来後悔しないともかぎらない。

 私が原子力をやめたのは
 原子力そのものに見切りをつけたからではなく、
 原子力行政に一介のエンジニアとしては、
 どうすることもできない無力感を感じたからである。
 当時の仲間は今、あまり原子力に情熱を示さなくなっている。
 「お前はいいときにやめた」、と言う。
 結論から言ってしまえば、その後この分野では技術的には
 さしたる進歩もなく、安全性の面で行政的対応を
 くり返しているに過ぎない。
 だから技術者としては、
 良いときにやめた、といえなくもない。

P.107
 石油危機の直後に、私は日本でもサマータイムをやるべきではないか、
 と考えた。
 電力会社に行っている友人と、このご利益を計算したことがある。
 一時間ずらすだけで15パーセントも電力使用量が減る、
 という結果になった。
 当然のことながら、石油危機が去ってしまったら、
 むしろ使用量が減るのは困る、ということになり、
 エネルギー節約という面からの社会的ニーズは後退したように思われる。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 116       Text Title  : 省エクセルギーが重要                    
Author   : reader    Text Length : 2779 Byte    Date : Tue Mar 22 12:19:30 1988


エクセルギーとは

以下の話は
 押田勇雄「エクセルギー講義」太陽エネルギー研究所 1986年
を参考にしています。
誤りがあるであろうことをあらかじめ言っておきます。

エクセルギーとはエネルギーに質を導入したものです。
エクセルギーの大小は環境の温度との違いによって決まります。
環境より温度が高ければ高いほど、
低ければ低いほど、エクセルギーは大きいのです。

エネルギーの質とは、
温度の違う水(湯)について考えるとすぐわかります。
たとえば、2000Kカロリーのガスを使って、
風呂いっぱいの40度の湯を作り、
80Kカロリーのガスで、
なべいっぱいの100度の湯を作ったとします。
カップ麺を食べるとしたら、40度の湯がいくら
あってもダメで、100度の湯が必要です。
つまり、100度の湯の方が熱量が少ないとしても役にたつ
言い変えると、質が高いことになります。

この例で重要なのは、
もともとガスには100度の湯を作る能力があるのに、
40度の湯を作ってしまうと役に立つ範囲が狭くなることです。
(もちろん入浴はできるでしょうが。)
つまり、風呂を沸かすのならなにもガスでなくて、
もっと質の低いエネルギーを使って沸かせば良いのです。
たとえば、太陽熱で発電機を回すための
ボイラーを沸かすのは難しいですが、
風呂の水を沸かすのにはちょうどよいということがあてはまります。

エクセルギー需要が重要

電気は非常に質の高いエネルギーです。
核反応も質の高いエネルギーです。
これらのエネルギーを質の低いエネルギーにしてしまっては
大変もったいないことです。

単にXカロリー必要だという見方をしてしまうと
「それでは電力がどれだけ必要だ。」という判断につながってしまいます。

そうではなくて、
どれだけエクセルギーが必要なのかを見なければいけません。

孫引きになりますが、「エクセルギー講義」 P.182を引用します。

 こうして、エネルギーの供給の例で見る限り、エクセルギーで考えても、
 エネルギーで考えても、大した違いはない。
 問題は消費の側にある。
 なぜならエネルギーの過半は熱の形、しかもあまり温度の
 高くない熱として消費されるから、
 エネルギーとエクセルギーとの値はここで大きく違ってくる。
  ・
  ・
  ・
 梶川武信(1978年)は、1972年の日本の全体としての
 エクセルギーの流れを解析した結果、
 産業部門では78フエネルギーが利用されているが、
 エクセルギーとしては37オか利用されておらず、
 民生部門に至っては、エネルギーとしての利用率が80ノ対して、
 エクセルギー利用率はわずか13ノとどまることを述べている。
 これらはすべて有効比が1、または1に近いエネルギーを、
 有効比の小さい低温の熱に使っているのが
 主な原因で、特にその傾向は家庭や事務所などを
 含む民生用のエネルギーの場合に顕著であることを示すものである。

有効比とは、熱源の温度T1、環境の温度T0であるとき

 T1-T0
  -----
   T1

で示される値です。
T1とT0の差が大きければ大きいほど1に近付くことがわかります。

これからは省エネルギーではなくて、
省エクセルギーを考えることが必要です。
梶川武信氏のデータを鵜呑みにすると、
エクセルギー利用率をエネルギー利用率まで引き上げれば、
エネルギーは産業用では2分の1、
民生用では6分の1で済んでしまいます。



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 117       Text Title  : (署名を忘れた。青山)                  
Author   : reader    Text Length : 98 Byte    Date : Tue Mar 22 12:21:34 1988


「大前研一氏の考え」と「エクセルギーが重要」は
青山 千秋:PC-VAN RZG37517
が書き込みました。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 118       Text Title  : 「省エクセルギーが重要」の訂正          
Author   : reader    Text Length : 382 Byte    Date : Tue Mar 22 21:23:43 1988


「省エクセルギーが重要」の訂正  by 青山 千秋

最後の2行は間違いです。
エクセルギー効率を上げても、省エネルギーにはなりません。
しかし、省電力にはなるはずです。

現在、電気を使っているのを、別のエネルギー源にたよることになるからです。
これは、発電所を減らすことにつながります。
よって、原子力発電所を減らすことにつながることから、
省エクセルギーが重要だと言いたかったのです。



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 119       Text Title  : 22日ニュースステーションを見て        
Author   : reader    Text Length : 478 Byte    Date : Tue Mar 22 23:07:18 1988


3月22日 テレビ朝日「ニュースステーション」を見て  by 青山 千秋

今日の報道を見ると、「危険な話」の裏付けになっていたようです。
やはり、チェルノブイリの汚染は進んでいるようです。

汚染された牧草を牛に食べさせてしまっていること、
汚染を知っていても何もできないこと、
これらはすべて、あまりにもひどい汚染のためでしょう。
もう、国を捨てて逃げ出すしかないのでしょう。

明日の放送も楽しみです。

このような報道が「朝日に検閲のないこと」の証明になっていると言えるでしょう。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 120       Text Title  : 現在の商業用炉に思うこと                
Author   : reader    Text Length : 3812 Byte    Date : Thu Mar 24 20:48:45 1988


 さて、私は、前に「原発に楽観的な意見を持つ人へ」を書き込ん
だ、者です。 今から10年ぐらい前になると思いますが、子供む
けの科学雑誌に、「原発は必要だ」との主旨の意見広告がのってい
ました。その頃小学生だった私は、そんなもんかなぁと思い、又科
学者が原子力の平和利用の意味で原発を推進していましたから、単
純に「原発は推進すべきもの」と考えていました。しかし、ほとん
ど、国のみえともおもえるような、原発導入の仕方をしたのは、前
に述べた通りです。現在これほどまでに、原発が問題視されてきた
のは、根本に導入の仕方のまずさがあったと、私は考えています。
ここで、国の公害対策など、実際に問題が起きてから後始末をする
ような、国の政治姿勢を追求しても仕方がないですが、原発の場合
は、実際に問題が起きてからでは、特にあれだけたくさんの大規模
な原発があれば、遅いですから、このままの形で原発を推進してい
くのは、非常に不安です。 
いったん導入されれば、今のところ出力調整ができないため、火力
で調整の穴埋めをしています。私は、以前原発で火力発電の足りな
い出力を補うのだ、という宣伝を見たし、そのことが原発導入の1
理由に上げられていたと覚えていますが。
 私は、商業用として原発を導入するのは早過ぎたと考えていま
す。火力だけで十分ではなかったかと。勿論、火力発電所を新たに
作り、電力需要にあわせる必要がありますが。その意味で電力需要
が大きく成ったから原発を導入した、だから原発反対なら電力需要
を減らしてから言え、式の考えには疑問を抱くのです。原発をやめ
たら、その代わりに火力をふやせばいいのではないか、とも思いま
す。 「とも」としたのには、このまま、火力発電をし続けて良い
のか、という疑問が残るからです。 「化石燃料を人類は多量に使
用しているが、過去からの遺産を利用していくことで、原始の環境
に戻っていくのだ」という説がありましたが、例えば、CO2 濃度
が増えて現在温室効果で気温が、数度上昇したとか、酸性雨が降り
森林に大きな被害をもたらしたなど、環境破壊が地球規模でおきて
います。だから火力に変わるものがほしいのだ、だから原発を導入
したのだ、という意見は、原発研究には認められるでしょう。しか
し、あくまで、現在の原発反対はその研究を反対しているのではな
くて、原発の在り方に問題があることを指摘しているのであって、
研究の否定をしているのではないでしょう。そうでない、反対運動
は、科学技術=>過ちが付き物=公害 ∴科学技術=公害 式の科学
反対論を示しているに過ぎないでしょう。確かに、後者の部類には
いる運動がないとはいえないし、少ないとも思えません。しかし、
そうであっても原発推進派に比べれば、まだよいほど現状の原発の
在り方には問題があるでしょう。そのことは、なぜ安全だというの
なら東京に原発を置かないのか、という議論を考えればよくわかる
と思います。(科学とはもともと、がいぜん性の範囲でしか、考え
られないから、絶対の安全は確保されない、だから、例えば新しい
車を作ったとして、完全に安全が示されてはいないが、社会はそれ
を受け入れるし、必要悪として認められるではないか。しかし原発
はどうか?)
科学技術は絶えず、ERROR を訂正し改良を加えるかたちで進歩して
きました。しかし、こと原発に関してはERROR はゆるされません。
特に国は、技術者から多くの非難を受けてもなお、導入した、後は
野となれ山となれ方式のつけが、まわってきたのだと、私は理解し
ています。
では、私はどうすればよいと考えているのかというと、次のようで
す。BWR,PWR炉は根本的に実験室レベルのものを大規模にし
たものであり、完成度が低い。すなわち、まだまだ実験室レベルの
ものでしかなく研究の余地が十分あり、商業用として使うには問題
がある。例えば、出力調整試験などを商業用のもので行なうのは、
必要な技術が伴う前に商品化されていることを示し、このようなこ
とは、商品化される前に成されるべきことでしょう。原発はそのシ
ステム全体が完成して、意味があるものであるのに、未完成のまま
で商品化するのは船底が完成していないのに海にのりだすようなも
のでしょう。ですから、研究は大いにやるべきでしょう。しかし、
商業炉は現状では、なくすべきであると考えています。
商業炉に関してだけであるなら、おてがるに批判できるのは、武谷
三男編「原子力発電」岩波新書を読んでいただくとよくわかると思
います。
               理系学生こと丹羽隆樹 でした