Board    : 原子力発電                    
Text No. : 41        Text Title  : はじめまして。                          
Author   : reader    Text Length : 331 Byte    Date : Tue Feb 16 06:11:31 1988


 はじめまして「NOP」と申します。宣伝にきました。

 PCSのGoodEarthと言うSIG(sig.n08,メニューカラダト /3/1/8/1)
 PC−VANの第3世界と言うSIG(J DAISANデ イケマス)

 には、原発に関する話題が出ています。IDをお持ちで興味のある人は
  覗いてみてください。

  PCS pcs15495 / ACS asc00735 / PC-VAN XDE90052 / NOP



Board    : 原子力発電                    
Text No. : 42        Text Title  : dear TAKESHITA from Y.Morita            
Author   : reader    Text Length : 385 Byte    Date : Tue Feb 16 16:50:20 1988


鐘紡株式会社の森田です
私の私見を書かせてもらいます。
現在、日本のエネルギー情勢は、たいへん厳しいものだと感じています。
殆どのエネルギー資源が限界のあるものでありますが、
原子力エネルギーは、太陽エネルギーとともに
啓A
:限界のない資源であると思います。
一方で、日本は世界で唯一つの被爆国であります。
その双方のジレンマがこの国における原子力問題の根底であると思います。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 43        Text Title  : 拝啓 電力会社社員殿 電力会社1職員    
Author   : root      Text Length : 1774 Byte    Date : Wed Feb 17 12:16:10 1988


データ不良(タイトル文字数?)のため、再掲載します。
                   シスオペより


Board    : 原子力発電                    
Text No. : 43        Text Title  : 拝啓 電力会社社員殿 電力会社1職員
Author   : reader    Text Length : 1465 Byte    Date : Tue Feb 16 23:28:51 1988

拝啓 電力会社社員様   電力会社1職員より
 化石燃料の枯渇が現実的意味合いをもってきた20世紀末ではあります
が、チェルノブイル事故の直接的被害の大きさや核分裂生成物の飛散範囲
の地球的規模からみても、人類は安易に原子エネルギーに頼る姿勢を改め
る時期にきていると思う。代替エネルギーは?と問われるとチョット返答
に困りますが、原子エネルギーの危険性から子、孫を守るために現状のま
ま開発計画は凍結し、原発==>是、否の国論を興し、その後に国民的判
断(選挙とか)を行なったらどうでしょうか。
 原発の危険性に関してのあなたのご認識は驚嘆に値すると思います。あ
なたの言う交通事故死やジャンボジェット機墜落事故もお亡くなりなった
方や遺族の皆さんにとっては、重大事故であり悲しい出来事でありますが
チェルノブイルに見られる原発事故は1度起すと数億からの人が死に、し
かも晩発性のガンを含めるとその10倍近い人々が死ぬかもしれないので
す。これを簡単に「原発の放射能で死んだ人はいません。(日本ベース)」
と言い切ってしまうのですから・・。今まで日本では事故がない(?)
から明日からもきっと事故は起こらないとお考えをでしたら、それは希望
でしかないのです。。
 原発は今も国民の大多数の支持ではなしに、3法による多額の交付金に
頼る地域の消極的支持のうえに建設されているのです。(これには、別な
問題が存在していますが)
                            敬具
PS  今は出力調整試験ですから大きな危険性はありませんが、原電や
原研の初期原発の解体が始まればもっと危険性は増していくものと考えら
れます。               電力会社の1職員より

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 44        Text Title  : 電力会社の電源開発計画について          
Author   : host      Text Length : 3550 Byte    Date : Wed Feb 17 21:06:11 1988


電力会社の電源開発計画について
                From 大阪科学部・団藤

 このコーナーへの書き込みを読み直して、議論のベースとして電力会社の「つ
もり」を説明しておく必要があると感じました。具体的なものとして関西電力の
「第二次長期総合経営ビジョン」(1983年12月)を材料に、紹介してみた
いと思います。
 まず、電気は余っているのか−−という議論がありますが、電力側は電源構成
を変えようとして、どんどん火力発電の設備を余らせているのです。基本的な姿
勢は、原子力を優先し、反対に石油火力は出来る限り稼働を減らして需要ピーク
時の供給に使う、水力は新規の開発には膨大なコストがかかるので他とにらみ合
わせながら慎重に、というものです。火力の中では、石炭火力が優等生、ついで
まずまずなのがLNG火力、石油は劣等生というところ。
 このあたりの感じを、「電源ベストミックスの追求」と題した一節から引用し
ます。

 「現在、石油需給の緩和から石油価格は安定しているとはいえ、長期的には石
油資源の賦存量に限界があるうえ、世界経済の成長に伴い需要増が予想されるこ
とから、石油価格の上昇は不可避であろう。また、石炭やLNG等の化石燃料価
格も、短期的にはそれぞれ石油価格の動きと異なった動きがあるとしても、長期
的には石油価格の動向にリンクするものと考えられる。
 このようにみるとき、原子力は核燃料のセキュリティの面でも、経済性の面で
も優位性が高い。しかし、過度に原子力に依存することは、電源多様化の面で問
題があるだけでなく、電力運用上も支障をきたしかねない。
 一方、化石燃料相互間では石炭、LNG、石油それぞれに調達の安定性、弾力
性の面での長所、短所を併せ持っており、短期的には相対関係が変動しやすいた
め、セキュリティの観点から、できる限り燃料消費量を均衡させることが望まし
い。」
 揚水発電を取り上げて書き込みをされた方がいましたが、関西電力の揚水発電
設備は合計で292万キロワットにのぼり、原子力の深夜余剰の吸収力として高
く評価されています。(立地可能な場所が限られ、建設費もかさむのが難点でし
ょう)

 電源構成をどう動かそうとしているのか、数字で見ると一目瞭然ですから以下
に一覧表を作成してみました。いずれも構成比の%です。

           1986年   2000年  ベストミックス目標

     水 一 般   11      
     力 揚 水   10
        小計   21      18       18
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 設備量 火 石 油   37      26       21
     力 LNG   16      17       12
       石炭ナド   −        4        9
        小計   53      47       42
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       原子力   26      35       40
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     水 一 般   12      
     力 揚 水    1
        小計   13      10        9
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 発 電 火 石 油   20      10        7
 電力量 力 LNG   17      15        7
       石炭ナド    3       5        7
          小計   40      30       21
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       原子力   47      60       70
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 関西電力が一番典型的といえますが、他の電力も同じ様な考え方で計画を持っ
ています。現在の原発論議は、これでいいのかどうかが問われているのだ、と思
います。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 45        Text Title  : エネルギー論                                
Author   : reader    Text Length : 1284 Byte    Date : Wed Feb 17 21:52:23 1988


 ヤブニラミ「エネルギー論その1」

現在、原子力発電の本当のコストは幾らくらいになっているのでしょうか。
深夜電力や、夏期の大企業むけの電力料金の割引は明らかに原子力発電のパワーコン
トロールが難しい為に取られた措置だと思うのですが。違っていますかね?
今後の原子力発電所の老朽化対策等を含めた料金計算がされているのですかね。
 むしろ現在の時点ではコスト高かも知れませんが、太陽熱利用の蒸気タービンとか
太陽光発電とか風力発電なぞの開発利用に積極的ならねばとおもうのです。
原子力発電のように非常に大規摸なシステムは一度ダウンすると、その影響がおおき
すぎます。これは放射能洩れ等の事故を考えてのことだけではありません。
 むしろ今後は太陽光発電などは小さなシステムでも実用上の可能性も高く、家庭用
なぞに普及するのが望ましいと思います。大規摸システムで安い電力を手にいれるこ
とがいいのか、将来のため、多少高くても、より安全なシステムへ転換していくかは、
もっと議論されていいのではないでしょうか。
地球的規模でそろそろ日本のエネルギー問題を考えなくてはいけない時期かとおもい
ます。幾ら日本が先進工業国だからといっても、日本が現在のようにエネルギー源を
海外に依存しているかぎり、日本のエネルギーの使用量も世界的なコンセンサスがひ
つようでしょう。 地球全体の環境汚染を考えるうえでも、エネルギー消費については
世界的規模の話し合いが必要です。

   群馬県太田市  AILAND

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 46        Text Title  : 再び電力会社社員です.                  
Author   : reader    Text Length : 1819 Byte    Date : Fri Feb 19 23:02:33 1988


1.電力会社一職員殿
 あなたの言われる数億の人が死ぬとは、何を根拠にしておられるのですか?
 私の知り得る限り、仮想最大事故における死者は3000人、10億年に1度
というデータなのですが。つまり、3000人/10億年は自動車における10
万人?/年よりはるかに安全だ、と言う意味で書かせていただきました。私の安
全が「希望」であるならば、あなたの数億人は「おどし」にはなりませんか?。
(再三、申し訳ないのですが、前者はMITの報告だったと思いますが、ちょっ
と古いデータかも知れません。また世界における自動車事故における死者は日本
の8000人から想像したものです。チェルノブイリ以後のデータ、あるいは正
確な死者の数など、どなたか教えて下さい。それにしても人の命を勘定するのは
良いも衿ηはありませんね、しかし、冷静に。チェルノブイリは40人?)
2.団藤さま
 電力会社の「もくろみ」と書かないあたり、なかなか・・・。
  さて、1000KWの発電所を造るにも、電調審にかけなければならない事を
御存知ですか。電力会社は供給力確保を義務付けられており、それを何で対応す
るかは国の認可を必要とし、電力料金は国が決めます。つまり、電力会社の「つ
もり」は、国の「もくろみ」と読み替えてはいかがでしょう。他の電力会社がだ
いたい同じなのは当り前です。もう一歩進めて言うと、この「国のもくろみ」は
「国民の計画」とすら読めるのです。
3.AILANDさま
 あなたのご意見私は賛成です。しかし、日本中みんな「多少高くても・・・」
に賛成するでしょうか。「多少なら」良くても、「倍になっても」に賛成してく
れるでしょうか。前回の「国民の大多数の支持」の意味はここにあります。「国
の計画」というのもこのことです。エネルギーを浪費しないことが第一歩でしょ
うか。
4.シスオペさま
 2度目のメールを送るときには匿名でなしにと思っていましたが、やはりこの
ネットは真の関係者(私のようなものではない)の本音を得る意味で匿名で良い
のでは、と思いました。いかがでしょう。
  名無しでは不便ですので、一応「驚嘆人」と名乗ります。         驚嘆人

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 47        Text Title  : MITの驚嘆人様へ                      
Author   : reader    Text Length : 1371 Byte    Date : Sat Feb 20 01:15:38 1988


やっぱり きましたね 驚嘆人様へ
 正直に申し上げましょう。小生の言う数億人ははっきり言って誤りで
す(これに関しては、翌日誤りにきずき反省いたしました)。小生は、
科学技術庁の委託により原子力産業会議が行なったと言われる「大型原
子炉の事故の理論的可能性および公衆損害額に関する試算」(熱出力5
0万KW)の発表値 死亡−540人、急性障害−2,900人、要観
察−4,000,000人を今日の熱出力100万KW級の原発に置き
換えたとき、要観察の4,000,000人はその多くが死亡する(岩
波新書 原子力発電 武谷三男編)としたところを誤ったのです。ここ
に訂正し、深くお詫び申し上げます。
 次は小生からお伺いしますが、小生の言う原発事故時の核分裂生成物
の地球的規模の飛散の危険性やそれに伴う子孫へのつけの問題、原発に
対する国民的判断の可否、3法による交付金問題、また90年代には確
実に起こる「廃炉」問題について驚嘆人様のお考えがありませんでした
が、如何でしょうか?
 お聞かせ願えれば幸いです。(まさか、これもマサチューセッツ工科
大学のデータでは解決すみですか?)なお、誠に勝手ながら週末は外出
しておりますので、21日の22時頃までにアップロードしてくだされ
ば光栄です。
 あわてて誤った「必殺 誤り人」こと電力会社1職員より

PS・・・シスオペさんへ
     問題が問題だけにハンドルネームで通信することをお許しく
    ださい。
     万が一、バレますと生活に影響しますので・・・・・。
                           以上

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 48        Text Title  : 大事故の災害評価例とリスクの考え方      
Author   : host      Text Length : 5256 Byte    Date : Sat Feb 20 15:19:52 1988


大事故時の災害評価例とリスクの考え方
                   From 大阪科学部・団藤

 今回はホスト役として、大事故時の災害評価例のデータ提供と、こうした万
一の被害のリスクが原子力を推進する側からどう捉えられているのか、これも
議論のたたき台として資料を引用しておきます。

 まず、チェルノブイリ事故による放射線障害での死者数は、1月にソ連から
30人であると訂正されました。入院患者のうち回復した209人中、24人
が身体障害者になったとされています。

 大事故時の災害評価は難しく、みんなが納得する計算はありませんから、一
例として「原発事故の手引」(小野周・安斎育郎編 ダイヤモンド社)からお
おまかに抜きだしてて、とりあえず議論の材料にしてみます。
 いろいろな仮定は煩雑ですから省くと、110万キロワット級原発での大事
故を考える場合、大飯原発なら早期死者が3042人、急性障害者5094人、
福島原発なら早期死者1600人、急性障害者2600人が計上されています。
放射線による障害にはこのほかに晩発性のがんがあり、ざっと20000人、
遺伝障害も同じくらい見積られています。ただし、これは地球規模の汚染まで
は考えていません。この評価は、米国原子力規制委員会のラスムッセン報告に
多く依存しています。この報告にはいろいろとけちがついて、否定された部分
も多いのですが、事故評価の資料してこれに代わるものがない現状です。晩発
性の評価は、昨年末の科学面で紹介した通り、広島・長崎の被爆影響の再評価
から、かなり多めに考えなければならなくなると思います。

 次に引用するのは、日本原子力研究所の佐藤一男さんの「原子力安全の論理」
(日刊工業新聞社刊)からで、「個人的リスクと社会的リスク」と題された
一節です。

 「原子力の安全とは、主として「公衆の健康、生命、財産」を保護するもの
である。このためには、公衆の放射線被爆にかかわるリスクを、十分に低くす
ることが必要である。
断わっておくが、リスクというものは、その性質上、完全にゼロになるという
ことはない。われわれが安全を判断する尺度や基準に照らして、リスクが十分
に低ければ、われわれはそれを受け入れることができるというものである。
 ここで、「公衆のリスクが十分に低い」という言葉で、「公衆」とは具体的
にどういう意味かを考えてみよう。まず第一に考えられるのは、公衆に含まれ
る一人一人、つまり公衆を構成する各個人であって、どの人に対してもリスク
が十分に低いということが、われわれがこれを受け入れるための条件になる、
という意味が考えられよう。このような意味でのリスクを、「個人に対するリ
スク」と呼んでいる。確かに、個人的なリスクが十分に低いということは、安
全を判断するための尺度や基準の中心をなすものであって、これが満足されな
ければ、われわれは原子炉を安全であると認めるわけにはいかない。
 それでは、個人的リスクさえ十分に低ければ、われわれはもう手放しで安心
してよいだろうか。ここで忘れてならないのは、リスクというものは、よしん
ば十分に低くてもけっしてゼロにならないということである。一人一人のリス
クは、全く取るに足りないほどわずかであっても、そのリスクにさらされてい
る人の数が増えると、全部のリスクを合計した総量は大きなものになる。個人
的リスクが低いということは、安全性の必要条件であることは確かだが、国家
的、社会的な見地からは、それだけではなくさらにリスクの総量がある限度以
下であるということも重要なことでなのある。このような意味でのリスク、す
なわち、公衆を集団として考えたときのリスクの総量を、「社会的リスク」と
呼んでいる。それでは、この個人的リスクと社会的リスクは、それぞれどのよ
うな関係にあるのだろうか。一つの例を示そう。

 <例 東京都心の原子力発電所>
 日本では、原子力発電所は、比較的人口の少ない所に設置されているが、こ
れをそっくり、敷地ごと東京都のまん中に持ってきたと考えよう。
 原子力発電所の広大な敷地を、都心に確保するのは、そもそも現実的でない
が、ここではそれは考えないことにしよう。東京という所は、地質、地盤、水
利などの条件があまりよくないので、原発立地には好適とはいい難いのである
が、ここではそれにも目をつぶって、他の原子力発電所の条件と同じ程度であ
ると考えよう。地震、気象そのほかの条件も、ほぼ同様だとしよう。
 このように仮定すれば、原子力発電所による個人的リスクは、東京都心であ
れ、過疎地であれ、ほぼ同じである。もしわれわれが個人的リスクだけで安全
を判断するとすれば、東京に原子力発電所を設置して悪い理由はない。
 だが、社会的リスクに注目すると、答えは違ってくる。発電所周辺の、ごく
狭い所におそらく数百万人もの人がひしめく東京などの大都会では、もし個人
的リスクが同じであれば、社会的リスクは極めて大きなものになる。「ちりも
積もれば山になる」ということわざのとおりである。
 社会的リスクという概念は、ときどき非常に誤って受け取られることがある。
原子力発電所の周辺に住む人々が、「我々は人数が少ないから、犠牲になって
もやむを得ないということか」という疑問を抱くことがあれば、これがその例
である。公衆の一人一人がどこまで保護されるかと言うのは、個人的リスクの
問題であって、これはそのリスクにさらされている人の数には無関係に、その
個人にとって受け入れることができる程度以下に低くなければならない。先の
例にあるように、東京都心だろうと過疎地だろうと、そこに住んでいる「あな
た」が保護される度合に相違があってよいはずはないのである。社会的リスク
はさらにその上に立って、社会全体、あるいは国民全体にどれだけのリスクが
あるかということを考えるのであって、少人数の公衆は犠牲になってもよいな
どということでは毛頭ない。二つのリスクの相違について、常にはっきりこれ
を識別しておくことは、安全性を考える上で、大切なことである。」

 「東京に原発を」の愛読者の方、当然なんらかの反論があるでしょう。伊方
に行ってきましたが、「こんな実験をなぜ伊方で」という疑問の声も聞きまし
た。いろいろなご意見をお聞かせいただきたいと思います。

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 49        Text Title  : もしだいじしんがはっせいしたら?        
Author   : reader    Text Length : 2328 Byte    Date : Sun Feb 21 01:50:42 1988


もし大地震が発生したら?
     もし大地震が発生したら?

 原発論議では、賛成派にせよ、反対派にせよ、原発が不動の大地に設置されて
いるかのように語られているのではないかと思う。まるで天動説のようだ。でも
実際はプレ−ト活動も盛んなダイナミックな地球の上でのお話。例え、いくら原
発の安全性を訴えたとしても、もしマグニチュ−ド8の地震が発生したら、ひと
たまりもないだろう。マン−マシン−インタ−フェイスがいくら安全性の上で完
ぺきだとしても、それは閉鎖系(原発内)だけの問題なのであって、開放系でみ
ると、そもそも放射性物質をいじっていること自体が危険なのではないか?
  このサイエンスネットで毎日新聞の記事に触れることは、いささか気がひける
が、今年の2月16日付けの記事「ソ連で住民パワ− 原発建設計画中止に 地
震多発の穀倉地帯」(モスクワ15日三瓶良一特派員)は大変興味深いので、概
要を記そう。
 「ソ連南部のクラスノダ−ル地方に予定されていた原子力発電所の建設が地元
住民の反対の声に押されて中止となった・・・反対の声は、科学者、医者など専
門家も巻き込み、建設予定地が地震の多発地帯で、しかも森に囲まれた保養地で
あることを理由に計画中止を訴えた。このためソ連政府はついに原発計画を断念
し、かわりに出力二百万キロワットの火力発電所を建設することに決めた」
 チェルノブイリ原発事故の痛手からか、かなり慎重な姿勢といえる。でも良い
決断といえるのではないだろうか?ヒト一人のいのちははかりしれないほど、尊
い。一人の犠牲者もだしてはならないものである。
 伊方原発のある愛媛にしても、このタマネギのような地球の一枚皮の上にある
以上、動的なプレ−トの活動の被害を被らないとも限らない。1946年に発生
した南海地震(M=8.1)のような大地震が今後は絶対に起きないとは、断言
できない筈である。他の原発もしかり。このような危険性が当然考えられるにも
拘らず、どうして閉鎖系の安全性論議だけにしか論及できないのか全く不思議で
ある。
 地球は秒速30キロメ−トルで太陽を巡り、太陽系は銀河系の中心に対して秒
速399キロメ−トルで動き、銀河系の速度は秒速600キロメ−トルであると
かいわれる。もう地球はどうにも止まらないのである。
いくら相対論があるとはいえ、こんなダイナミックな地球の上に原発を設置して
いるわけだから、どこかに良心的な遊星人がいたら、「アブナッカシイナ」と思
わないほうがオカシイのではなかろうか?
 原発を停止させるべきか?それとも地球を停止させるべきか?それが問題。
地球を停止させるわけにはいかないのだから、原発を停止すべきなのであろう。
                                                      阿久津  淳

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 50        Text Title  : 原発について                            
Author   : reader    Text Length : 1394 Byte    Date : Sun Feb 21 21:37:05 1988


原発問題に関するのご意見を読んで

 原発問題での主なテーマは、ネットに書かれたご意見を拝見したところ、「安全
と危険」という問題であるようです。

この抽象的テーマに対しては、当然のように絶対の安全も絶対の危険もないという
意見が提出されていました。

この安全と危険という科学技術につきものの問題は、しかし、比較と程度の問題へ
と転嫁されるか、或いは全面的に否定されるべきかという不毛の議論へと進みます。

人が感じる漠然とした不安が、統計的議論(災害時の死亡率をも含む)

か、思考停止に到るわけです。

 一方もう一つのテーマとして、エネルギーとして原発は必要なのかという意見も
ありました。

コストは高いものにつくのではという意見もありました。

そして、怖いものだが、エネルギーはなくてはならないなら、出来るだけ電力を節
約しようという意見もありました。

 さて、こう見てきますと、事は抽象的な危険と安全の問題から、エネルギー政策
の問題へと広がり、原子力の開発を含めた技術の問題、そして科学というものへの
見方の問題へと発展するように思われます。

私自身、考えてみたいと思っています。

 さて、このような大きな問題がある一方、たむらたろう氏のご意見は別の意味で
傾聴に値するものと思われます。

「真実と事実と、知識的欲求を満たす知識を、私はこのサイエンスネットに求めま
す。」との氏の言葉に共感します。

そして、氏の言う「地域的なあなたの回りの事柄の中で興味のあること柄が無いで
しょうか。」との氏の言葉に大いに啓発された次第です。


                埼玉県狭山市  原 正司

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 51        Text Title  : 驚嘆人より                              
Author   : reader    Text Length : 2488 Byte    Date : Tue Feb 23 00:30:12 1988


 まず、私、本日までちょっと遠出をしておりまして、返事が遅れてしまった事
をお詫びいたします。ただ、このコーナーを「私とあなたの談話室」にしてはい
けないと言う意味では良かったのかなとも思えます。
1.危険性、国民的判断、三法等々について
 留守中、大地震の事、社会的リスクの事、いろいろ述べられていました。やは
り原発など無い方が良い、との意志を堅くされたのではないでしょうか。ただし、
こんな話はいかがでしょう。
 猿に鉛筆を持たせ紙を与える。何回かやらせると「あ」や「い」に読める字が
出来る。それを繰り返しすと2文字続けて書く。またそれを繰り返すとその2文
字が意味をもっていたりする。やがて、「猿が小説を書く」と言う確率が出る。
そこで、「猿が書いた小説に直木賞を与えて良いかどうかに議論」・・・。
 原発はもっと身近な問題だと思います。けれど、可能性(確率)の示されない
リスクはただのおどしに過ぎないのではとも思えます。それから団藤さん「いろ
いろな仮定」は煩雑であっても「仮想最大事故」の説明くらいはあっても、良い
のではないですか。
 原発など、無くてすむなら無い方が良いのです。チェルノブィリを待つまでも
なく、スリーマイルで十分でしょう。しかし、原発は止まりませんし、開発も止
められません。なぜでしょう。「電力会社が、国が、勝手にそうしている。」と
言ったら、それは本当でしょうか?。今年の夏はクーラーを買おう。あるいは買
い換えよう。と言う我々の極普通の欲求の中に、その国(電力会社)に荷担する
部分はないのでしょうか。あの部長は、あの課長は、あの局長は、と言う前に自
分がそれに荷担していない事を確認したいものです。
 地球的規模と言う意味では、正にそのために造られた原水爆の問題、大気汚染
等々、横に並べてどのリスクが最大か考えてみるのも良いでしょう。
2.廃炉について
 初めのアップロードで私は原発開発は見きり発車では、と申しました。当然つ
けが生じると思います。核廃棄物の保管、処理。現在の原発はけっして安価なエ
ネルギー源ではないと思います。危険だからと言う意味で。
3.伊方原発の出力調整に対する一部の報道について
 先日このような記事を見ました、おおよそ「電力が余るので出力調整をする」
との内容です。この書き方に関する限り、この報道は「うそ」ではないが「詐欺」
と言わざるを得ません。四国電力に詰めかけて「原発イヤイヤ・・」を歌った
人の中にこんな「詐欺」にかかった人がいるのなら気の毒だと思います。

ps 科学的?より人間の直感?が結果論として正しい事があります。原発に事
  故の可能性があるのだから、反対しておいた方が「得」なのです。けれど、
  世の多くの消極的賛成派(荷担派)に、三宅島や宍道湖のような補助金?は
  いらない、補償金を返す、だけの覚悟を持たせるのは並み大抵な事ではない
  と思います。                                                  驚嘆人

Board    : 原子力発電                    
Text No. : 52        Text Title  : 原子力講座−1(原子炉タイプ)          
Author   : reader    Text Length : 5396 Byte    Date : Tue Feb 23 01:08:04 1988


*** 原子力講座−1(原子炉タイプ) ***

 最近、再び注目されている原子力について、この場をかりて一般の方にも原子力
についての知識を深めてもらうことを目的として複数回に分けて話をしたいと思い
ます。
 私は、原子力の「推進、反対」は、別として私が今まで得てきた原子力に関する
僅かながらの知識をお話して、みなさんがさらに原子力について関心を持たれるこ
とを希望します。また、私は原子力の専門家ではないので誤解している部分などあると思ますのでご指摘ください。

 1. 原子炉タイプ

 日本の商用炉には、BWR(沸騰水型原子炉)とPWR(加圧水型原子炉)の
二つのタイプがあります。ここでPWRとBWRの特徴についてまとめます。
(ガス炉は、省略)

 (1) BWRの特徴

 BWRは、炉心でウランの核反応によって生じた熱が、冷却材兼減速材(軽水)
を沸騰させその水蒸気を直接発電タービンに送り発電を行ないます。原子炉圧力
容器内は、約70気圧に加圧されており蒸気温度は280゜C以上にも達していま
す。構造状の特徴として、出力をコントロールする制御棒は、炉心下部より挿入・
引き抜きを行ないます。これは、燃料棒の軸方向出力分布を平坦化するためです。
原子炉の出力制御は、制御棒と炉心を流れる冷却材兼減速材の流量で制御します。
制御棒は、核反応に寄与する中性子を吸収する働きをします。炉心流量と原子炉出
力との関係は、流量を抑えると冷却材が少なくなるため水中にボイド(泡)が発生
し、減速材密度が低下し、中性子が減速されにくくなり、核反応が低下し出力が下
がります。本来、熱中性子(減速された中性子)とウラン235との核分裂反応が
メインの反応ですが、燃焼後期においては、ウラン235が少なるため、炉心流量
を落として速中性子(減速されていない中性子)とウラン238との核反応によっ
て核分裂性物質であるプルトニウム239を生成して運転期間をのばしています。

                  <  BWR型原子炉概念図 >

       ゲンシロカクノウヨウキ                                                       
     +--------------+                                                     
     |              |                                                     
     | ゲンシロアツリョクヨウキ|                                                     
     |  +---------+ |      ジョウキ                                          
     |  |:::::::::>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>v                                  
     |  |~~~~~~~~~| | ~ スイメン           v                                  
     |  |*********| | : スイジョウキ       +v----+ +------+                    
     |  |**I*I*I**| | I ゲンシネンリョウ     |タービン|-|ハツデンキ|                    
     |  |**IiIiI**| | * フットウスイ        +v----+ +------+                    
     |  |**IiIiI**| |                  v                                  
     |  |**IiIiI**| |     ミズ         +v----+<==<==<== レイキャクカイスイ          
     |  |**IiIiI**<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<フクスイキ|                             
     |  |***i*i***| |    1ジケイ        +-----+==>==>==> オンハイスイ             
     |  +---i-i---+ |                                                     
     |      i i     |                                                     
     |   セイギョボウ   |                                                     
     +--------------+                                                     


 (2) PWRの特徴

 PWRは、炉心内を約150気圧に加圧され水温は300゜C以上にも達してい
ます。BWRと異なり、炉内で蒸気を発生させるのではなく、蒸気発生器によって
生成します。炉心と蒸気発生器から成る循環系を1次系と呼び、蒸気発生器とター
ビンから成る循環系を2次系と呼びます。原子炉の制御は、炉心停止や負荷変動の
際は、制御棒を用い、燃焼に伴う反応度変化の制御は、1次冷却材中のほう素の濃
度を変化させることにより制御します。このほう素は、中性子を吸収する働きがあ
りほう素濃度を高めると核反応が低下します。一般公衆への安全性や作業員の放射
線被曝の低下の観点からいえばPWR方が良いかも知れない?

         < PWR型原子炉概念図 >
                                                                          
                                  ジョウキ                                   
       ゲンシロカクノウヨウキ               ハッセイキ                                   
     +-----------------------------------+                                
     |    セイギョボウ      +----+   +-----+ |2ジケイ +-----+ +------+          
     |      i i         |カアツキ|   |:::::>>>>>>>>>>タービン|-|ハツデンキ|          
     |  +---i-i---+     +----+   |:::::| |      +v----+ +------+          
     |  |***i*i***|      A  v    |:::::<<<<>>>>>>A  v>>>>>*****| |  A<<<<フクスイキ|                   
     |  |**IiIiI**|   I ゲンシネンリョウ|*****| |      +-----+==>==>==> オンハイスイ   
     |  |**IiIiI**|   * カアツスイ    +--v--+ |                                
     |  |**IiIiI**|   : スイジョウキ     v    |                                
     |  |**IiIiI**|                 v    |                                
     |  |**I*I*I**<<<<<<<<<<<<<<<<< Re to  誤り人の他ネット情報      
Author   : reader    Text Length : 585 Byte    Date : Tue Mar  8 22:52:25 1988


Re to> Re to  誤り人の他ネット情報              
 団籐さんへ
 ごめんなさい。
 最近パワーが低下気味でしたので、カツを入れるため他ネットへ出張して本ネッ
トのCMを流してきました。BBS上の書込を転載するときのルールを後日箇条書
きしてオープニングメッセージに流してください。よろしくお願いします。
                     また「誤った」 誤り人より
PS・・・筑波ネット(0298−53−3279)あたりにもCMしたいのですが
    オペレーションが良く分からないので、駄目でした。誰かお近くのかたで
    (電話料金の心配のない方)チャレンジしてください。