Pol00264 労災保険の審査請求と抗告訴訟の出訴可能時期

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           労災保険の審査請求と抗告訴訟           


#0001 sci5139  9204121307

 今朝の新聞に労災保険の不支給決定に対する審査請求と抗告訴訟に関する問題
が載っていました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・αマトン

 その経緯は次のようなものです。
 (1)事故発生(1976年8月)
 (2)休業補償及び療養補償の給付を請求
 (3)那覇労働基準監督署長が不支給を決定(1990年7月)
 (4)沖縄労働者災害補償保険審査官に審査請求
 (5)3か月以上経過しても審査請求に対する裁決がされず
 (6)不支給処分の取消を求める抗告訴訟を提起(1991年7月)

 これに対して、被告側は以下のような手続を経由しなければ抗告訴訟を提起す
ることは出来ないと主張し、第一審及び第二審では訴えの却下及び控訴棄却とな
りました。
 (4)労働者災害補償保険審査官に審査請求
 (5)審査請求の請求棄却
 (6)労働保険審査会に再審査請求
 (7)再審査請求の請求棄却
 (8)不支給処分の取消を求める抗告訴訟を提起

 事件は今、最高裁に継続中です。関係条文を次にアップしておきます。


#0002 sci5139  9204121309

   労働者災害補償保険法(通称:労災保険法)
第三五条第1項 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険
 審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に
 対して再審査請求をすることができる。
第三七条 第三五条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分について
 の再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起するこ
 とができない。

   行政事件訴訟法
第八条第1項 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請
 求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただ
 し、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分
 の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りで
 ない。
第八条第2項 前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは
 、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
 一 審査請求があった日から三箇月を経過しても裁決がないとき。
 二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊
  急の必要があるとき。
 三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。


#0003 sci5139  9204121311

最高裁に「継続中」ではなくて「係属中」です。失礼しました。 αマトン