Pol00253 アルジェリアと民主主義

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 初めて書込みます。よろしく。

 最近のアルジェリア関係のニュースを注目しています。

 個人的にはFIS(イスラム救国戦線)に同情するのですが、そもそも
イスラム教からみても正当であるし、たとえ非民主主義的な政権が誕生し
ても主権者である国民の総意がそれを望んでいるのだから、民主的な根拠
も認められるであろう。いわば民主主義とイスラムの数少ない調和点であ
るといえると思います。

 一方で、国家評議会には、如何なる根拠があるのであろうか。FISが
、武力を用いずに、民主的な方法で政権獲得をすることに対して、参政権
や集会の自由や結社の自由などの基本的人権は守られていないし、不当な
逮捕などが行われているし、社会不安や市民の安全の名のもとに丸腰の相
手に対する発砲などの武力弾圧は問題外であろう。

 将来の民主主義のために現在の民主主義を抑圧するというつもりなのか
も知れないが、民主主義の根本原理である人間の尊厳を究極の目的とした
瞬間からそういうことは許されなくなるのではなかろうか。国民の総意が
望むなら、社会主義政権であろうがイスラム政権であろうが如何なる政権
にでも変貌していかなければならないのではなかろうか。いわゆる無血ク
ーデターと言うのは民主主義が保障しているのではなかろうか。そして民
主主義を根拠にすれば、そうして成立した政権に対して国民の総意が支持
をしないことが判明した瞬間から再びクーデターをおこすことが正当化さ
れるのではなかろうか。少なくともそこまで待つ必要があるであろう。

 仮に、将来の民主主義といっても、1000年以上も歴史のあるイスラ
ム教に対する支持は、簡単には揺らがないであろう。それどころか、現政
権に対する支持はますますなくなるであろう。もしこのまま国家評議会が
そうした理由にもとづいて弾圧を続けるならば、アルジェリアはこの後何
百年間も、こうした不法な殺人を続けていくつもりなのであろうか。つま
り、将来の民主主義とは依然として現在と同様に国民の総意によりイスラ
ム国家を建設することであり続けるのではなかろうか。一方、貧困や失業
や腐敗がFISを支持させたということも言われているが、もしそれだけ
なら、なぜ、他の社会主義政党などが同様に票を伸さなかったのであろう
か。

 従って、将来の民主主義のための現在の民主主義の弾圧という根拠も成
立たないであろう。いわば、現政権は将来の民主主義も現在の民主主義も
弾圧する反民主主義的反イスラム政権というべきであろうか。

 それゆえ、世界中のイスラム教の国も民主主義の国も一致して国家評議
会の行為をやめさせるよう最大級の圧力を加えるべきであると思う。

                       Arctic fox