Pol00212 湾岸戦争後をどうするの?

#0000 sci1509  9102152051

停戦は戦間期の始まりであって終戦ではない−−−


#0001 sci1509  9102152055

つい先程、イラク国営放送がクウェートからの撤退を示唆する放送を
行いました.が、仮にこれが停戦につながったとしても、戦争が始まる
前の問題は何一つ解決されていません.

戦争が外交の延長であるならまた外交は戦争の延長でしょう.次の戦争
を起こさないために私たちは何を言い、行動すべきなのでしょうか?

TAKA


#0002 sci1004  9102152101

わ TAKAさん早い・・

アメリカの出方として,イラクが撤退を決める兆候がほの
みえる状況で,徹底的にイラクを叩く可能性がある・・
と予測されていましたが.NHKの解説者氏によれば,
太平洋戦争においても,日本がポツダム受諾の動きを
見せた時点で原爆を落としたのも,これと同じだった
のではないのか と穿った見方をしていました.

手むぽ
て


#0003 sci1044  9102152248

 米軍が「だめ押し」の攻撃をする可能性はありますね。だって、相手が
タオルを投げようとしているわけですから、完全にノックアウトしたいと
思うでしょう。特に軍人は思うんじゃないでしょうか?!

                         「誤り人」


#0004 sci1509  9102162255

 停戦までは戦争中、なわけでベトナムじゃ和平協定が締結されてから米軍撤
収まで3ヶ月、終戦までは更に2年かかりました.イラクが出している様々な
条件と多国籍軍構成国の反応をみる限り、停戦はもうしばらく先のことのよう
に見うけられます.
 その間、化学兵器の2・3発は使われるかも知れないし、言葉では一歩も引
かないようなことを言いつづけるでしょうが、イラクが武器兵站情報といずれ
をとっても継戦能力を失いつつあることはもはや覆いがたい事実です.この戦
争は軍事的にはイラクの全面的敗北という形で終結するでしょう.

 さて、そうなったところで戦後をどう処理するのでしょう.イスラエルはパ
レスチナに居座っているだろうし、イランは相変わらずイスラム原理主義だし、
南北間の富の偏在は一向に是正されない.
 即時停戦を叫んでいる人達にはきっと事態を解決する妙案があるに違いない.
が、私にはどうしたらいいのか正直なところよくわかりません.

1.戦後のイラクといかなる交流を持つべきなのか.政権の形態によっても変
  わってくるでしょう.
2.なにかというとリンケージの対象にされ、ミサイル攻撃を堪え忍んできた
  イスラエルに対して何を求め、逆に何を与えねばならないのか.
3.大量の難民を抱えた周辺諸国に何を提供できるのか.

のどもと過ぎれば、にはなりたくない TAKA


#0005 sci4567  9102170124

アメリカなら、やる。 徹底的に、やる。
なぜなら、それがアメリカだから。

きょう(17日)イラクのアジズ外相がモスクワを訪れます。
18日にゴルバチョフ大統領と会談するそうなので、
このあたりが今後の行方を占う最重要ポイントになるでしょう。

        通信や


#0006 sci3095  9102172034

 確かに、戦争が終わっても容易ならざる問題が残る。問題が富や土地の配分
され方ならば、足して割ることもできようが、中東に限ったことではないが、
そこには権力の配分も潜んでいることが解決を無限遠点に追いやっている。権
力の配分は政治的闘争でしか決着されないからである。幸運にも天才が現れて、
配分に成功したとしても、ある時点での現状を未来永劫に固定することに異議
のない国家などこの世にあるはずがないから、また、解決不可能な問題を解決
する為の手段が行使されるとみるべきであろう。
 
 「世界の平和が日本の繁栄の基盤」というのが盛んに聞かれる。平和でなけ
れば、日本は繁栄しない。対偶をとれば、日本が繁栄するならば、平和である。
つまり、平和は日本が繁栄するための必要条件ではあるが、必要十分条件では
ないということである。
 図示すると
 ア」」」 平和 」」」」」」」オ
 ・ア」日本の繁栄」オ    ・
 ・・  a      ・   b  ・
 ・ケ」」」」」」」ス    ・(境界はφ)
 ケ」」」」」」」」」」」」」ス
 我が国は、与野党とわず、湾岸における平和を希望してきたが、そろそろ意
味明瞭にして、その平和として、aかbかのどちらを選択するのかを決めるべ
きである。私としては、繁栄を求めない国家など、燃えざる火であり、輝かざ
る光であるから、aを選ぶ。
 我が国の政府・国会からマスコミまで、事実として、命題「世界の平和が日
本の繁栄の基盤」を公理とし、その公理系の中から出ようとしない。しかし、
もし日本の繁栄が世界の平和に寄与しないとしたら一体どうなるのであろうか。
この公理が否定されてしまえば、日本の進路は危機に陥ってしまう。日米経済
摩擦を持ち出すまでもなく、「日本はイラクの戦後復興で儲けようとしている
」という声は、この公理系を揺さぶっている。国家の繁栄は当然のことである
が、平和も我が国の最高の価値と言っておれるのだろうか。
 湾岸戦争が終われば、連合国に都合のよい中東が作られるであろう。もちろ
ん、日本も連合国の端くれであるから、参加すべきである。


#0007 sci6293  9102181732

連合国にとって都合のよい中東が作られる
ことで、中東に平和がくるだろうか、アメリカ、イギリスによる中東支配
が継続することであり、支配しやすいように国境線が決められ、政府がつ
くられる。アラブに対する支配がつづき、石油が独占される。
これは、あらたな戦争の始まりとみることができまいか。
今回は、イラクが負けたが次回はどうなるか、
中東の抱える問題が解決されないまま、次の戦いに持ち越される。
 日本も連合国のはしくれだから参加して、おこぼれをわけてもらうのだ
ろうか。
 今回の戦争の焦点はフセイン体制を維持できるか、打倒されるかにある。
アメリカはフセイン体制を打破するまで戦うだろう。
 日本がアメリカとイラクの調停役になることは、無理でしょう。
そろそろ自立した外交ができないものでしょうか。
日本の外交を見ているとだんだん情けなくなってくる。
                      ふうたん


#0008 sci3095  9102201404

  戦争突入以前からも指摘されてきたことだが、武力はイラクをクウェート
から追い出すかもしれないが、中東の抱える問題は解決されないとか真に平
和が来るとはいえないと。私も実にそう思う。というのは、戦争は解決不可
能を問題を解決するための手段なのだから、戦争が湾岸問題が解決するとは
限らないのだ。しかし傲慢な言い方ではなかろうか。「問題は解決されない」
とか、「平和になったのではない」というのは、「すべての問題は解決され
うる」・「平和は達成されうる」という命題が真であることを前提としてい
る。だから、戦争に突入したとき、人類はまた過ちを侵したとか進歩してい
ないということが言えるのだ。ところが、これらの命題が真である根拠は今
のところ何もない。
 ということは、戦後の構造の中にも解決不可能な問題を解決するための手
段を残す必要がある。軍縮が問題解決のための最大の事業とみるのは大きな
間違いである。


#0009 sci1509  9102242150


re:#8 てにをはがいまひとつはっきりしない文章で真意を読み取りにくいので
すが、どうも戦後の軍備縮小を否定するがごとくに見えます.しかし、イラク
のクウェート侵攻の直接の動機は買い込みすぎた武器の代金を払いきれなくな
ったことと、成人男子の5人に一人が軍人という肥大化した軍組織を賄い切れ
なくなったことにあったのではないでしょうか.つまり、イランイラク戦争の
解決手段としてイラクに軍事支援を行ったことが多国籍軍諸国にとって見事に
裏目に出たということです.

 だから、私は地上戦を経て恐らく完全に無力化されるであろうイラクではな
く今回反イラク側に立った国の中に次の戦争の発生源となる国があると思って
います.従って周辺諸国支援といっても慎重にやらねば将来に禍根を残すこと
になりましょう.今度多国籍軍に加担するときに「日本の経済援助が奴等の軍
を太らせたんだ」などと責められたくはないですからね.おっと、次の時には
日本は多国籍軍の敵側なのかなぁ?

TAKA


#0010 sci2993  9102250008


危ないと言えば、シリアでしょうか?もう一つイスラエルがありますね。
戦後体制で忘れてならないのは、アメリカに対するイラク国民の怨嗟
でしょう。日本は利権あさりをすべきではないですね。

同時に合衆国は「強気」になります。日米構造協議に跳ね返って来る
のは必定でしょう。

MAT


#0011 sci1509  9103062126

イラクはいよいよ正規軍が分裂して内戦へ.
あれほど戦争反対を叫んでいた人達は、多国籍軍とイラク軍との戦争さえ終われば、
あとはどうでもいいのかな.

TAKA


#0012 sci2993  9103070918

イラクは最悪3分裂かもしれない。南部イスラム教シーア派、中央、
北部クルド族。

クルド族の分布は広く、ソ連にもいるみたいですね。それでなくても
民族主義に揺れるソ連はまた一つ火種をかかえるのでしょうか?

MAT


#0013 sci4843  9103071020

RE:#11

 あれは、戦争反対なんかじゃなくて、反米デモだったんですよ。

                              知恵捨猫


#0014 sci4843  9103090259

#13の

 「あれは、戦争反対なんかじゃなくて、反米デモだったんですよ。」

というのは、ちょっと、言い過ぎたかな。

 「自分たちがTVや新聞で見えるところでやる戦争に反対。」

というのが、本当の姿なんじゃないでしょうか。世界中を見てみれば、武力
紛争はいくつも続いているわけでしょう。たとえば、エチオピアでは、中央
の社会主義政権と対立する民主勢力との内乱は続いているし。

                              知恵捨猫


#0015 sci2680  9103151713

 #14の方へ
 それじゃ戦争賛成の人達は単なる”親米デモ”だったわけだ。
 単なる”親米感情”だけで戦争を肯定してもらっちゃ迷惑せんばんだ。!

 戦争というヤツはどんな形であれ無いのが理想だろう(あたりまえだ!)
 現実には戦争はある訳だが只、その戦争にヨソ者がくちばしを突っ込むのはやめて
 欲しいということだ。イラクが内戦しようがアルバニアで内乱があろうが、
  エチオピアで何があろうがそれをどう解決しようと彼らの勝手じゃないか?
 我々に出来るのは、なるべく平和裡に解決するよう手助けしてやるのがせいぜいでは
 ないか。

 ヨーロッパの国々は今でこそ偉そうにしてるけど彼らなりの自由主義だとか
  民主主義を定着させて比較的安定状態に入ったのはごく最近の事ではないか。
 彼らヨーロッパ人がここへ至るまでにはどれほど多くの外戦内戦による血を流して
 来たことか。(それだからこそ、それなりの価値があるという事はになるが。)
 後進国は今ちょうど彼らヨーロッパ人達が歩いてきた道を辿っているのだろう。
 だったら彼らは彼らなりの方法で時間をかけて問題を解決して行くであろうから、
 いわゆる先進国が自分流の”やりかた”を、それも武力で押しつけるなど論外で、
 潜越もはなはだしいというもんだ。

   >「自分たちがTVや新聞で見えるところでやる戦争に反対」

 出放題言っちゃいけないよ。
 それを言うのだったら

    「自分たちがTVや新聞で見えるところでやる戦争に賛成」

 よりましだろう。
                           アホウドリ


#0016 sci1509  9103221956


 「見えるところでやる戦争に反対」することは「賛成」よりましなんでし
ょうか.私はまさにその点を問いたいですね.戦争は殺人行為だからという
のであれば内戦も国家間の戦争も「交通戦争」も同じ次元で語らねばならな
いし、利権が絡んでいるからいやだというだけでは「だからこそ介入する必
要がある」という論理に力負けしてしまう.

 自分が正しく相手は間違っているという主張をするだけならば簡単だけれ
ど、対立が尖鋭化してきたら周囲を巻き込んでの根回しだの武力の整備だの
をしっかりしておかないと悲惨な結果を招くということをクウェートとイラ
クは体験したのではなかったのかな.

TAKA


#0017 sci2680  9103261444


”まし”だよ。 そりゃ”まし”にきまってるよ!
少なくとも自分がやらない戦争を遠くからけしかけてる輩よりは。
「戦争は殺人行為・・・・・・・・・・・・・同じ次元で語らねば・・・」のところ
よく主旨がわからんが  同じ次元で語りたければ語ればいいじゃないの。
交通戦争に賛成などと言うあほがいたら、お目にかかりたい。

「自分が正しく相手は・・・・・・・・・」 のくだりはどういう意味?

あなたの言う様にイラクの武力の整備が”しっかりしていた”ばっかりに悲惨な
結果になったんだよ。

湾岸戦争に衷心から反対し憂いてる者に対し#14のように茶化すような発言は
不愉快だ。正面から正攻法で来んかい!
                          アホウドリ


#0018 sci1004  9103280419

れ,冷静にいきましょうよ・・

 #11でTAKAさんが出している提起,つまり「あれほど戦争反対
を叫んでいた人達」が「あとはどうでもいいのかな」というくらいに
静かになってしまった説明としての,
 #13,14の知恵捨猫さんの発言は,不合理なものだとは思えないん
ですが.

 でアホウドリさんは#15で,『戦争賛成は「親米デモ」』という発言を,
#13の発言からひっくり返して導き,「迷惑せんばん」と価値判断さ
れていますが,しかしその,他人の意見をひっくり返して言い換える
事の正当性っていうのは,一体どこにあるんでしょうか.ひっくり返
したからといって,それが知恵捨猫さんのひっくりかえす前の見解と
同じであるという証明ができますか?

 そもそも#14だって,大国のイデオロギーに引きずられて(大国
のイデオロギーに引きずられたマスコミも含む),戦争の価値判断を
してしまうことのおかしさを述べたものであって,戦争を正面から見
据える姿勢はどこにいったのか??っていう,きわめて健全な意見表
明と読めますが.
 という表明をすることが,心から反対し憂いている者に対して,「茶
化す」ことになるのでしたら,なぜそうなるのかを正攻法で説明して
ください.

 他人を理由なく価値判断したら,それは中傷と言うんですよ.
 それと,戦争反対を論じる方が,好戦的に出ては・・・・

てむぽ


#0019 sci2680  9103282106


   てむぽさんとやら あなたは代理人? それではこたえましょう。

   まず湾岸戦争反対のコメントがなくなったことがどうしてそのまま
   「反米デモ」だったと言えるのか『その正当性を証明』しなさい。
   ついでに『きわめて健全な意見表明であること』の証明をしなさい。
   私の”証明”はそれからだね。

   茶化しているということの説明?
   言ってる事が論理的でなくかつ表現が揶揄的だからである。

   それからなんだって?
   『他人を理由なく価値判断したらそれは中傷と言うんですよ』だって?
   その通りね。わかってるなら言う事なし!誹謗中傷はいけないよ!! 

   『戦争反対を論じる人が好戦的にでては・・・・』→ 大きなお世話よ。
   喧嘩を”しない人” と ”出来ない人”を一緒にしちゃいけない。

                        アホウドリ


#0020 sci1598  9104052346


  あの太平洋戦争は決して不可避だったとは思いません。戦争はある日突然始まるの
ではなく、そこへ至るまでの過程において、うっかりしていると見過ごしてしまいそ
うな小さな分岐点がいくつもあったはずです。そして、そこで国民が「戦争はしない」
方向を選択していれば――。

  こんどの湾岸戦争での自衛隊派兵問題は、その小さな分岐点のひとつだったと思い
ます。日々の暮らしに追われ政治に深くかかわれない人、議論することが得意でない
人、中東問題に詳しくない人、そんな人たちが黙っていられずにあげた叫び声で海外
派兵を阻止したことは高く評価されるべきことです。

  TAKAさんの「戦争は終わったが状況は何も変わっていない、ではどうすればい
いのか」、との問いかけは重要です。しかし、そんな草の根の人々が今後の中東情勢
の展望を持たずに反戦を訴えたことが無責任だとは思いません。(考えなくていいと
言っているのではありません)。「妙案がなければ即時停戦を叫ぶな」ともとれる発
言には疑問を感じます。

  中東に限らず、紛争の解決には地道な努力の積み重ねしかありません。これで即時
全面解決という妙案などあるはずがない、のです。「それが出来るくらいなら苦労は
しない」と言われるようなあたりまえのことを、ひとつずつ辛抱強くやっていくしか
方法はないと思いませんか。そしてその「あたりまえのこと」の第一は、「武力を用
いない」であることは言うまでもありません。

  その後の社会が結果的によくなったとしても、戦争がないにこしたことはありませ
ん。今回もあれだけの破壊をもたらしながら、根本的なことは何も変わっていないの
ですから。

      責任の持てる発言を、と考えると沈黙するしかないほど重い問題だけど、
      「あの戦争は仕方なかった」とは絶対に思いたくない。  <  猫  男  >


#0021 sci1004  9104060427

次の書込みは115行です. てむぽ


#0022 sci1004  9104060429

少々忙しいもので間があきました.ご容赦のほど.

 私が文面から解釈するに,
 アホウドリさんが怒っているという状況は・・・
 「私は戦争を憎んでいるし戦争は反対である,しかし戦争反対は『反米であ
  る』というように言われると,戦争反対の気持ちがさもウソ臭いもののよ
  うに感ぜられて,非常に不愉快である」

 という事だと思うんですが,ちがいますか?
 まあそうだと仮定して書きますが,(仮定しなくても同じですが)

 あなたが戦争反対の意志を明確にするのは立派な事であって,だれもそれを
 非難なんかできやしません.だけどそれと同様,「あの事柄はどうなってい
 るんだろうか・・」っていう,モノの見方っていうのは多様であって,そう
 いうモノの見方をすることはイカンのだ,とも非難することはできないんで
 すよ.

 つまり,これは思想の自由ですよ.あなたの反戦意識はだれも否定しないけ
 れど,その否定されない自由というのは,他人にも向けなくてはならないん
 じゃないですか?

 知恵捨猫さんは,あれを「見方」として発表しました.決して,アホウドリさん
 の意識を否定したものでないことは明らかです.なぜならあの付近のヤリトリ
 は,時系列としてアホウドリさんの意見に対するレスではないということ.さら
 に,特定個人の意識信条を否定するという文脈ではないということ.そして
 信条を否定することは,ネット上ではタブーであって,だれもそんな益の無
 いことはやらないという期待,があげられます.

 しかし,御存じのように,社会現象への見方・解釈というのは,多岐にわた
 ります.アホウドリさんの視点においての信条とは反する解釈(否定するのでは
 なくて)だって,当然あります.であるなら,それらの解釈をも尊重するこ
 とができてはじめて,アホウドリさんの信条も尊重して貰えるのではないでしょ
 うか.

 もちろん,他人の意見が自身の信条に反していても,それが論理的に明確に
 間違っているのなら,反論を述べるのは可能です.しかし不愉快せんばん・
 ・という,アホウドリさんの個人の見解を基準にして価値判断するような発言は,
 どう解釈しても,他人への否定を一方的にしているとしか思えません.

 そこで,「戦争反対は反米である」ですが.
 これも見方ですよ.アホウドリさんの信条を否定するという,そういう次元では
 なくて,もっとマクロな視点においてそういう見方ができるのではないか,
 という解釈は可能です.○一つはシニカルな見方として,戦争反対が反米で
 あるかのように誘導するアメリカのマスコミ戦術があって,それを皮肉った
 上での「戦争反対は反米である」.●辛口な見方として,戦争反対というムー
 ブメントもそれはマスコミの影響力が大であって,その意味で自らの「戦争
 反対」という意識を洗いだして見る必要はないのか,という意味での「反米
 である」もしくは「マスコミで見えるところでやる戦争に反対」.○さらに,
 戦争反対のムーブメントというものが本当にあるとすれば,湾岸戦争以外へ
 の反戦という声が盛り上がっていいはずなのに,それが見当たらないという
 点で,ああしたムーブメントはどう理解すればいいのか・・その一つの説明
 として,アレは大国でしかも(軍事)覇権国アメリカへの反発がそこにあっ
 たのではないか(またはマスコミに誘導された一面はないだろうか),とい
 う論理的な一説明としての「反米」「マスコミに見える・云々」etc.etc.....
 (朝日の「論壇時評」にも出ていたと思いますが,反米だったのではないか
 という論調は,別に珍しいものではありませんよ.)

 もちろんこれらの解釈が正しいという自信はありません.しかしこういう解
 釈も可能だという意味で(だれの信条も否定しない解釈が可能だという意味
 で),「反米である云々」「テレビ・新聞云々」という見方そのものを否定
 することはできないはずですし,そうした文脈においても,#13,14の
 発言は,きわめて健全であると言えます.

//
 例えば「神の見えざる手」という,マクロ経済運動を表した有名な言葉があ
 ります.経済というのは放任しておけば,自律調節作用があるのだ,神様が
 導くように人々はうまく立ち回るのだ・・という意味で「神の見えざる手」
 と言うのですが,これに対して,「わたしの行動が神に支配されているとは
 とんでもない!」というクレイムは,これはやはり次元が違う問題ではない
 でしょうか.

 さらに例えば,今度の統一地方選では公示のその日に,600人近い無投票
 当選者が出ています.こういう状況を,「民主主義の死」「民主国家の恥」
 とまで言い切る論調もありますが,これに対してもし「立候補して当選して
 いるのに,恥とはなにごとか」と反発したとしても,はたしてこれは噛み合っ
 ているでしょうか.
//

 そもそもこういう社会現象の見方・分析というのは,正解がでるという類の
 問題ではないんですよ.ひとそれぞれ見方がありますし,学者ならともかく,
 正解を必ずしも出さなくてはならないというモノでもない.まして多数の人
 間からなるムーブメントを扱うマクロ的命題ならば,なおさらのことです.
 さらにマクロでは正しくてもミクロでは正しくないという,複雑な場合だっ
 てあります.
 であるならば,各人各様の見方の存在を認めたうえで,ルールにそって議論
 するのが正攻法ではないでしょうか.理由無しに価値判断したり,命令調で
 書込みを要求したりすることが,各様の存在を認めていることにはならない
 と愚考しますが,いかがでしょうか.
 個人の信条に反する見解を発表することがタブーならば,世の中の社会科学
 者や(科学史においてはガリレオを例に出すまでもなく)自然科学者は,廃
 業しなくてはなりません.

 自分が正しく相手が間違っている,という論理展開を企図するのでしたら,
 まず最初に,御自身の論理を十分に客観的に説明(ふえん)するのが先決の
 はずで,それなしにいきなり価値判断からはじめてしまったなら,それはあ
 なたの意見を受け入れる素地を,みずから破壊してしまうという不幸なこと
 にはなりはしませんか?

  それとですね,みなさん自由な立場で書き込んでいるのだから,「代理人」
  というような,何かに従属されているかのレッテルを張るのは勘弁してくだ
  さい.

てむぽ

 付け加えるならば,私も反戦論者です.しかし,戦争にかかわる諸ムーブメン
 トを分析なり解釈するなりするのなら,「反戦論者」という視点が邪魔になる
 場合があります.つまり反戦とかなんとかから離れた場所で,諸ムーブメント
 の文脈を探るという方法は,これはこれで科学的方法であって,だれにも否定
 される覚えもないし,否定できる種類のものでもありません.


#0023 sci3095  9104061337

>>TAKAさんの「戦争は終わったが状況は何も変わっていない、ではどうすれ
ばいいのか」、との問いかけは重要です。しかし、そんな草の根の人々が今後の
中東情勢の展望を持たずに反戦を訴えたことが無責任だとは思いません。(考え
なくていいと言っているのではありません)。「妙案がなければ即時停戦を叫ぶ
な」ともとれる発言には疑問を感じます。
 
  草の根の人々から土井たか子や猪木が今後の中東情勢の展望を持たずに反戦を
訴えたことは完全に無責任であったし、有害であった。彼らは自分たちの運動と
関連する本当の問題を直視していないことは明白である。彼らは日本政府、米国
国務省・国防総省、同盟国の世論、ブッシュ大統領を明らかに悩ませることがで
きる。彼らはそうすることで、米国の政策を修正したり、弱めたりすることがで
きるかもしれない。実際、日本では成功した。しかし、彼らがバクダットを動か
す影響力を持つかとなると、彼らはまったくの無力である。彼らは、イラクでは
政治的自由も世論も存在していない、という事実を考慮にいれていない。または、
忘れようと努めている。政治的自由や世論なしに政策を変更させるのは不可能で
ある。彼らは、日本がホワイトハウスとバクダットの両方に影響力をもつ唯一可
能な方策を拒否して、自分たちの願う種類の平和に向けて導こうとしている。湾
岸問題が軍事に係わる以上、日本が適当な規模の軍備を持ち、統一の外交政策を
備え、連合国軍に参加してはじめて、日本の発言は尊敬の念をもって傾聴され、
歴史の進路に影響及ぼすようになるのは明らかである。日本の平和主義者は、あ
のすばらしい日本国憲法をもつ日本特有の理由を揚げて、こうした考えをすべて
頑強に反対する。彼らは自らを「狂気の時代における唯一正気の人間」ととらえ、
日本を「人間の愚行の海に浮かぶ正気の島」、平和憲法を「暗黒の世界の針路を
示す灯台」ととらえた。しかし、結果は惨たんたるものだった。


#0024 sci2680  9104101757

    てむぽさんレスありがとう
 小生殆どROMなのですがムッとした時だけ書き込みをするくせがありまして、
   どうしても喧嘩調になってしまいますがそれにもめげず長文のそれも丁寧な
 書き込みを頂き感謝し、かつ敬意を表させていただきます。
   しかしちょっとばかり、反論させて下さい。
 まず発端となった書き込みは私個人に宛てたものでは無いので私がとやかく言う
   のは筋違いとおっしゃいますが、あなたも#21の終わりの方で言っておられる
 様に「我々はそれぞれ自由な立場で書いている」わけで私の言い分も同じです。
   お互いに勝手にシンパの代表ヅラをしているという意味では同罪です。
 さて#13、14の書き込みを真面目な論評ととるか、はたまた”茶化し”と
   とるかは表現を見ればわかるのでは?
 これは多分に感覚的な面もあるので当人の釈明でも無いかぎり後者であるとする
   私の説はゆずれません。一体「茶化す」、「揶揄する」という行為は
 「あざける」、「ののしる」などと同列で能動的に他人の心理に作用して反応を
   うながす挑発行為です。大人であればその反応はおよそ予知できるものであり
 またその反応を期待される場合もあるのです。したがって私はその誘いに素直に
   のって「不愉快」「迷惑」という心理現象の発露をもって答えただけです。
 おっしゃるところの難しい理屈は分かりません。(名は体を現す・・・です)
   単に原因があって、結果があった。それだけです。
                            アホウドリ
   PS.代理人よばわり ゴメンナサイ


#0025 sci1509  9104120115


基調者は超多忙状態に陥っており、満足なレスポンスができません.
申し訳ありません.

ともあれ、事態は今なお進行中です.無関心を装うほかになにか言
う、あるいはするべきことはないのか、考えることをやめずにいた
いと思うのです.

ああ、うまく言えない TAKA


#0026 sci1598  9104132312


  3095さん、そうですね。政治家や評論家、あるいは財界人などの「何かを発言す
れば国家を動かしうる」人が明確な展望のない言動をとれば、あきらかに無責任で
す。本人はさしたるリスクも負わず、その影響を被るのは大衆ですから。
  しかし一般大衆の場合、結果が裏目に出たとしてもやはり自分たちでその責任を
負うわけです。そうやって少しずつ賢くなっていくのです。だから私は「無責任だ
とは思わない」のです。それよりも、同じ失敗を何度も繰り返すほうが「有害」で
はないですか。
  事態が逼迫した時に大衆が直接意志表示をすることの出来るシステムは、あった
ほうがいいと思います。米国の顔色をうかがってばかりいるのではなく、そのよう
な素朴な国民感情をいかに政策に反映させ、国際情勢と折り合いをつけて行くのか
が、政治家の本来の役割ではないでしょうか。

  「世界平和より日本の繁栄」と言われました(関連#6)。確かに短期的に見れ
ば両立しない場合もあるでしょう。では、「日本の繁栄と地元の発展」「地元の発
展と自分の幸せ」が両立しない場合、あなたはどちらを選択されるのでしょう。例
えば前者はダム建設で住んでいた地域全体が水没するとか、後者は自分の家の隣に
ゴミ処理場や火葬場が造られる、といった例は世の中には多くあります。そのよう
な時、あなたはどうなさいますか?
  私としては「幸福を求めない人生など、燃えざる火であり、輝かざる光である」
から、何よりも「個人の幸福」を優先させます。しかし、それだけをかたくなに通
してもいずれ破綻するのは明らかです。地域あっての個人だし、国家あっての地域
だからです。だとすれば当然、世界平和があっての日本ではないでしょうか。
  そもそも、「世界平和が大事か、個人の幸福が一番か」と二者択一できる問題で
はないのですが、「日本の繁栄」の段階でストップしてしまう理由がよく判らない
のです。

  多くの人々は、「平和は達成されうる」「すべての問題は解決されうる」から平
和を求めているのではなく、万難を乗り越えて「問題を解決し」「平和を築きあげ
る」努力こそが結果として個々人の幸福にもつながっていく、と考えているのだと
思います。
  「平和は達成されない」「解決されない問題は存在する」との証明もされてはい
ないし、そもそも証明されるとか、されないとかの問題ではありません。

            「愚行の海…」ですか、表現が文学的ですね。ハア・・  <  猫  男  >


#0027 sci3095  9104140418

  多くの人々が、「平和は達成されうる」「すべての問題は解決されうる」か
ら平和を求めているのではない、のはその多く人々が無頓着であるだけのこと
である。
  「武力はイラクをクウェートから追い出すかもしれないが、中東の抱える問
題は解決されないし、真に平和が来るとはいえない」の類の意見を、論理的に
考えれば、「すべての問題は解決されうる」・「平和は達成されうる」という
命題に到達するのは当然のことである。
 「平和は達成されない」「解決されない問題は存在する」との証明もされて
はいないと主張するのは実にナンセンスなことである。もし、「平和は達成さ
れうる」を証明すれば、「平和は達成されない」が偽であることになる。だか
ら、「平和が達成されない」が証明されていないというのは当たり前のことで
ある。
 そして、「解決されない問題は存在する」という文章はそれ自体に誤りがあ
る。「解決されない」を「未解決」という意味で取れば、ただ単に「未解決な
問題がある」という事実を述べたことになるから、「解決されない」は「解決
しない」とうことである。解決しない問題があったとしよう。その問題は解決
しないのだから、「解決しない」という結論をもって解決したことになる。「
すべての問題は解決されうる」というのは、与えられた問題が「解決不可能」
という結論を持たないことであって、「解決され得ない問題は存在しない」と
同値である。
 
  「世界平和より日本の繁栄」というのは「世界平和」という曖昧な言葉を使
うなと言うことである。「平和」というのは修辞に使われるのが常であって、
その本当の意味を吟味してから使うべきである。「世界平和があっての日本で
はないでしょうか。」といのは表現としては美しい、だから多くの人が賛同す
るし、演説にも使われる。しかし、そこからは、日本が国家としていかなる政
策をとるかは何も見いだすことはできない。


#0028 sci1598  9104211843


  3095さん、本来二者択一すべきでない問題であえて一方を選ぶのなら、他のケー
スではどちらを選択されるのか知りたかったのですが、お答えいただけず残念です。

  「世界平和」という言葉が曖昧とのことですが、それでは「日本の繁栄」はどれ
ほど意味明瞭なのでしょうか?  おそらく、日本人で日本の繁栄を望まない人は多
くはいないでしょう。しかし、原発や空港は言うに及ばず、道路一本を通すにして
も賛成する人と反対する人がいます。経済活動が活発になり生活が便利になること
を第一とする人がいれば、多少の不便は我慢しても自然に囲まれた環境で暮らすこ
との出来るゆとりこそが繁栄の基本だと考える人もいます。あるいは原発には賛成
でも、自分の家の近くに建設されるのはいやだ、と言う人もいます。開発によって
ある人が利益を受け、ほかのある人が不利益を被ることもあります。
  国家として具体的にどのような政策をとれば「日本の繁栄」につながるのか、こ
の言葉からも何も見いだすことはできません(私だけだろうか)。そんな「曖昧」
な言葉を使わずに「自分さえ良ければいいんだ」と言えば実に明快なのですが、そ
れではただの身勝手というものですね。

  「解決されない問題…」は、「解決され得ない問題…」の間違いです(証明され
るされないの問題ではない、と言いながら余計なことを書いてしまった。慣れない
ことはするもんじゃないな)。
  で、「『平和は達成され得る』という命題が真であるという根拠は今のところ何
もない」のならば、武力を行使せずに紛争を解決しようとする努力は全て無意味な
のでしょうか。いきなりガツンとやれ、ということですか?  「(他の方法では)
解決不可能な問題を解決するための手段」と言われましたが、何をもって解決可能
か不可能かを判断するのでしょう。これもまた実に曖昧です。

  曖昧さを徹底的に拒否して本当の意味を吟味することも、巨視的な立場で話を進
めることも大切だと思いますが、その中で生きている庶民の視点を見落とさないで
ください(あなた自身がその一員なのです)。「世界」も「国家」もその尊重すべ
き一人一人の集合体である、という前提に立ってこそ初めて「平和」や「繁栄」が
意味を持つのです。そして、そうであれば目的とするものの実体が多様化し曖昧さ
を増してくるのは避けられないことであるし、否定したり強引に切り捨てたりすべ
きことではないと思います。

                          素早いお返事ありがとうございます  <  猫  男  >


#0029 sci1004  9104211928

どうも猫男さんのすぐ後に書き込んでばかりいるな(^^;)
まあわたしも「猫男」でしたから(^^;)
−−−

 またしても忙しくしております.拙い長文を読んでいただけて感謝します.
 >アホウドリさん

 #13,14が真面目であるか茶化しているのかは,本人の意図次第です.
 私は表現を見て,不真面目ではないと判断しています.あなたは,そうは
 判断されていないのでしょう.それはそれで,なにも非難されるべきもの
 ではありません. しかし,読者の我々が,真面目である茶化していると
 議論しても,所詮その著作者の意図の前では,無力なものです.

 NETというのはコミニュケーションの場ですから,そしてその作者は我
 々の目前にいるのですから,批判などするのでしたら,議論の手順として,
 その意図をまず確認するべきだったのではないでしょうか?

 繰り返しますが,茶化しているんだと判断するのは自由です.しかし,判
 断するのと批判するのとは,意味が異なります.批判するのでしたら,根
 拠が必要です.その根拠は,今回の場合,まさに著作者の意図にこそある
 べきもので,それを確認せずして批判が成立するのでしょうか? という
 ことを言いたいのです.こうした慎重な手順を踏んでこそ,「自由な立場」
 を尊重できるのだし,尊重してもらえるのだと私は思いますが.

 「多分に感覚的」というのは,まさにその通りです.感覚的だからこそ,
 つまり主観的であるからこそ,批判するのなら客観的肉付けが必要なんだ
 と思いますがいかがでしょうか.感覚という「固有」の価値基準で他者を
 批判すれば,そこに残るのは軋轢だけだと思うのですが.

 そもそも「挑発行為」だったのか? この点を確認する必要はありません
 でしょうか.

 ちなみに私は,#13,14が不真面目なものだとは思えないからこそ,
 その解釈を試み,「こういう(不真面目でない)読み方も可能ではないか」
 となるべく客観的に提示したのですが,私の読み方になにか間違いはあり
 ますでしょうか? (逆に,客観的解釈ができる文脈だからこそ,不真面
 目ではないと判断できるんじゃないかと)

 話しは少々逸脱するかもしれませんが,法律の世界では,「疑わしきは罰
 せず」とか「疑わしきは被告人の利益に」という一般則があります.つま
 り,批判されるべき事項になにか曇りがあるならば,それは批判するに当
 たらない.批判するなら問題点をクリアにしなければならないし,そうし
 た手順がありますよ,っていうモラルの具現です.
 一個人がどう思ったか,という失礼ながら客観的に疑わしい状況ではなく
 て,本人がどういう意図で書いたのか,という点をクリアにしなくては,
 本来,批判は成立しないものではないでしょうか. そして付け加えるな
 らば,クリアにする(確認する)責任は(法律用語で挙証責任と言います
 が),批判者側にあるものなんです.

てむぽ

---
 ところで,自動車雑誌の「NAVI」は,車のユーザーとしての反戦意志
 とは何か,という呼び掛けで「車込み反戦集会」を呼び掛けていました.
 その概要が今号に出ているのですが,その中で作家の田中康夫氏は,「こ
 の戦争に対して表明されるべきは嫌米反戦なのです」とありました.この
 意見の背景がいまひとつわからないので,氏の過去の発言を探していると
 ころなんですが,こういう主張もあるわけです.


#0030 sci3095  9104212304

  「世界平和」と「日本の繁栄」との違いは、後者は日本政府というシステム
があるのに対して、前者にはそれがないことである。確かに、国益の名の元に
不利益を被ったり、時として、命をも捧げなくてはならないかも知れない。し
かし、国家に捧げる命でさえも、絶えず国家によって保護を受けているのは、
紛れもない事実である。一方、世界は何をしてくれたであろうか。「世界」と
名のつくものは信じるべきではない。「世界平和」は言葉としては美しいが、
戦争を放棄しない他国の餌食になる用意も、その美しさの中に含まれている。
 
  武力を行使せずに紛争を解決しようとする努力とは、一体何であったのか。
「戦争はやめましょう。軍隊を引きましょう。」という約束をイラクとするこ
となのか。しかし、あの場合、武力の裏付けのない約束は単なる言葉に過ぎな
かった。国連は、イラクの即時・無条件の撤退を決め、何人もそれを支持した。
そして、「世界は待てない」として戦争になったが、武力を用いずにイラクを
即時に撤退させる案が即時に出せなかったのだから、武力なしでは即時の問題
解決は不能と即時に見るべきであるし、即時の武力行使は妥当であった。幸運
なことに、即時に撤退させることができた。
 武力を行使せずに紛争を解決しようとする最大の努力であったはずの経済制
裁でさえも、武力よる監視が行われていたのである。「武力を行使しない」と
いうのは言葉として美しいし、理想である。でも、美しさや理想にとらわれて
いては、事実、何一つできやしない。
 
 最後に「庶民の・・」とあったが、選挙のときに社共の言う「庶民のための、
庶民本位の・・」という意味の「庶民」ならば、そんな庶民の視点に立つ必要
はないし、私は庶民の一員でもなければ、縁故者でもない。「庶民の・・」と
言うのは表現としては美しいが、一体全体、誰なのかはわからない。


#0031 sci1598  9104292219

  日本でもわずか百数十年前までは日本人同士が戦争をしていました。今でも色々
な点で地域格差は存在するし、対立する問題もたくさんあります(多くの場合、中
央対地方)。しかし本気で、武力に訴えてでも解決しようと考えている人はいない
でしょう。内政に不安要因を抱えている時、外敵の脅威を煽りたて国民の関心を国
外に向けようとするのは権力者の常套手段ですが、今の日本が「ソ連や中国の脅威」
への対抗心だけで統一を保っているとも考えにくいことです。
  確かに世界を見渡せば、人種や宗教や思想の違いから内戦状態にある国家はたく
さんあるけれど、それらを克服した国家も少なからずあるわけで必ずしも戦争には
必然性があるとは思いません。このあたりに戦争のない世界を築き上げるヒントは
ないでしょうか。変わらない点ばかりにとらわれていて、変わってきた点を見落と
してはいけません。

  「システム」について言えば、日本政府というシステムが最初からあったわけで
はないし、沖縄戦を持ち出すまでもなくいざとなったら「国家」なんて非情なもの
だと私は思っています。現在、基本的人権が曲がりなりにも尊重され「国家によっ
て保護」される社会になったのは、権力に対して屈することなく異議申し立てをし
てきた人々の努力の成果であり、決して天から降ってきたのでも地から涌き出たも
のでもありません。また、私たちがその「権利」を守る努力をしなければ国家は何
もしてくれないでしょう。「世界は何をしてくれたであろうか」と嘆くよりも「自
分は世界平和のために何を為し得るか」を考えるべきだとケネディ大統領も言って
いましたね(ちょっと違ったかな)。
  システムが必要ならば、そういうシステム(世界連邦でも何でも)作りにこそ力
を注ぐべきだし、そうしてこそ初めて「日本の発言は尊敬の念をもって傾聴され、
歴史の進路に影響」を及ぼすようになるでしょう。

  今回の戦争に限らず、戦闘が目前に迫ってからそれをやめさせることは確かにし
んどいこと(泥縄というヤツ)です。本当はそんな切羽詰まった状態になる前に、
色々なことをしておかなければいけなかったのでしょう。中東が火薬庫なのは今に
始まったことではないのですから。ただそうなると、やはり政治を職業とする人た
ちにしっかりやってもらわなければ無理です。毎日の暮らしに精一杯の「庶民」に
とって、これは重荷です。(ううう、そんな政治家しか選ばなかった責任からは逃
れられないか)
  でもね3095さん、「武力を行使しないというのは‥‥理想である」のくだりは共
通の認識が持てたような気がして、少し嬉しく思いました。理想であるならば、そ
れを現実のものとすべく努力することこそが必要なのではないでしょうか。即時、
即時と言われますが、頭が悪くて良い考えが浮かばなければすぐに手を出せ、と言
われているようでどうも賛成しかねます。

  「社共の言う庶民」の意味が、よくわからないので説明してくださいませんか。
ちなみに私は社会主義者ではありませんが、その目標とする考えには共鳴する者で
す(マルクスがああ言ったとか、エンゲルスがこう言ったという難しい話は解りま
せんが)。
  ソ連や東欧の混迷は反対意見の存在を認めようとしなかったからであり、社会主
義そのものの失敗ではないと私は思っています。そんな姿勢の政府ならば、どのよ
うな体制であれ長くは続かないでしょう。それは庶民(国民でも大衆でも人民でも、
何でもいい)にとって不幸なことです。その意味で、日本の社会党や共産党が政府
の独走をチェックする役割を果たしていることは重要です(本当はそれだけでは歯
がゆいのだが)。単に政府の足を引っ張っている、というとらえかたは正しくない
と思います。

仕事が多忙のところへ連休と重なり混乱しています(うまい口実ができたわい)。
                  おかしな点があればご指摘ください。『元祖』<  猫  男  >


#0032 sci3095  9104300351

  ケネディ大統領は「自分は世界平和のために何を為し得るか」ではなくて、
「自分は国家のために何を為し得るか」と言ったんではないですか。「世界平
和」という言葉が出てきたので、是非お尋ねしたいのだが。「世界平和」とい
うのは一体どういう状態なのでしょうか。「世界」、「平和」とか「庶民」、
「人々」という抽象的な言葉を使わずに、具体的に説明して欲しい。もし、こ
れからも「よく定義されていない言葉」が使われるならば、まるで循環小数の
ような、おなじ論議が繰り返される状態のまま終わるだけである。終わりのあ
る循環小数なんて聞いたことがありますか。結果を言えば、整合性のある説明
は出来ないであろう。「世界平和」というのは表現として美しいだけで、全く
空虚な言葉である。
 私が「武力を行使しないというのは‥‥理想である」と書いたのに、嬉しく
思うのは止めたほうがよい。文章を美しくみせる、キレイゴトでしかないから
だ。「理想であるならば、それを現実のものとすべく努力しましょう」なんて、
このネットでも多くの人が言ったでしょう。言おうと思えば、誰でも言える。
抽象的な正論を言うのは簡単だし、批判されることはまずない。しかし、「頭
が悪くて良い考えが浮かばなければすぐに手を出せ」と言うのは、それの比べ
れば、はるかに具体的である。「政治」というコーナーにふさわしい。
 最後に「社共の言う庶民」の意味だか、私は「庶民」というのが誰であるの
かがわからないのだから、「社共の言う庶民」としか説明のしようがない。
 「平和」とか「庶民」とかいう言葉を使って作文をすれば、いくらでも長く
書けるし、いくらでも読む人を喜ばすことが出来る。言葉が空虚なのだから、
都合よく解釈できるからだ。しかし、そんなものをPCで書くぐらいなら、文
書入力のアルバイトをしたほうがはるかに時間の有効な活用であろう。


#0033 sci6474  9105031732

  世界平和が空虚,ですか.
 良く判らないけど,空虚というからには,「世界平和」に実質的な価値がない
 ということなのでしょうか?
  そもそも,世界平和とはなにかが判らないとのことですが,私も辞書で調べ
 るレベルでしか判りません.いわく,「地球上に存在する,全ての国家(住民
 社会)」の「戦争や災害などがなく,不安を感じないで生活できる状態」.
  ところで,3095さん,#6においてご自分で「世界平和」を定義せずに「世
 界平和」という語をどこからか引用して論を進めているところを読むと,定義
 についてはすでに共通認識となっていると解釈してしまいますよ.(少なくと
 も私はそう解釈してしまった)
  さて,現実を見つめれば,「世界平和」なるものが一度たりとも実現した事
 はなかったようです.しかし,だからといって「空虚」とまでに断ずるのは,
 どんなもんでしょうか?もちろんこれは価値観の問題に帰結するのだからどう
 でもよいことかもしれませんが,この「世界平和」を「国家の繁栄」の拡大定
 義と考えれば,空虚感も薄らぐのでは?当然,「国家の繁栄」の定義がされて
 いないので,その言は意味をなさない,との反論もありえますな.しかしこち
 らは,以前<猫 男>さんが疑問を呈していますが,誰も回答していないとこ
 ろを見ると,自明なのでしょうか?私は辞書のレベルでしか「国家の繁栄」を
 理解していませんので,「一定の領土に住み独立の統治組織を持つ人民の社会
 集団」が「経済力,権力を得て勢いが強くなり,発展すること」,と解釈せざ
 るをえません.「発展」てところが引っかかりますね.なにをもって「発展」
 とするのかが私にはよく判らない.
  それはともかく,「社共の言う庶民」ってなに?辞書に載ってないんですけ
 ど?社共は一体,どんなことを言っているのかな?教えてください.

    今日が憲法記念日であることを通信ソフトに教えられた
                     ソリトン 


#0034 sci3095  9105092026

 「世界平和」の定義が辞書で調べるレベルでは、「地球上に存在する,全ての国
家(住民・社会)が戦争や災害などがなく、不安を感じないで生活できる状態」な
らば、共産主義のレベルならば、「世界中の国家に共産主義政権が樹立すること」
である。もしかしたら、ソ連の辞書にも前者のような説明があるかも知れないが、
共産主義という政治の場での「世界平和」の定義は後者である。
 「世界平和」の定義として前者は矛盾をはらんでいる。災害はともかく、「不安
を感じないで生活できる状態」を得るために、戦争をすることがあるからである。
また、戦争をなくすために、屈辱的な生活を強いられることが十分にある。
 「辞書で調べるレベルでしか判らない」というのは、言い換えれば、考える能力
が不自由か、考えることを放棄したのかのどちらかであるが、その矛盾に気づいて
言ってるならば、それは卑怯でもある。
  定義はwell−defined、よく定義されていなければならない。定義は
曖昧さの中には落とし罠が隠されている可能性があるからである。


#0035 sci1598  9105122152

  3095さん、間が開いてしまいました。ごめんなさい。

  「世界平和」とは、とりあえず地球上のどこにも戦争のない状態、だと考えていま
す。難しく考える必要は全くないでしょう。様々な条件を付け、「それを満たさなけ
れば真の平和ではない」と一層の努力をするのなら賛成ですが、逆に「だから平和は
達成不可能だ」という口実にするのには同意できません。それではいつまでたっても
「理想」の域から出ないでしょう。

  貴兄の言われる具体的説明とは、侵略されたらどうするのか(それに甘んじるのか)
答えろということだとすれば、「私は非暴力主義者ではない」と答えておきます。詳
しい説明が必要でしょうか?(長い作文になってしまいそうな気がする)

  「庶民」という言葉を、「国民」や「大衆」などいかなる用語に言い換えてもやは
り「そんな連中の視点に立つ必要もないしその一員でもない」と言われますか?  そ
もそも貴兄が「政治」について語るのは何のため、誰のためでしょうか。そのあたり
にも議論がかみ合わない理由がありそうです。私は「社会的弱者」を念頭においてい
ます(抽象的ですか?)。

  ケネディの演説はご指摘の通りです。つまり、他から何かしてもらうのを待つので
はなく自分から進んで行動しろ、ということですね。「世界は何もしてくれないから
信じるべきでない」との貴兄の消極的な発言への反論として引用したものですから、
「世界」でも「国家」でも、その趣旨はなんら変わらないはずです。賢明な貴兄です
から敢えて書くまでもなくご理解いただけたかと思います。
  彼が国連事務総長になっていたら多分そのように言ったのではないでしょうか。

                    アルバイト(一銭にもならないが)で忙しい  <  猫  男  >


#0036 sci3095  9105130317

 「世界平和」を「とりあえず・・戦争のない状態」と定義して、それに努力する
ことに賛成の人が、「戦争のない状態」という句が画面から消えないうちに、「私
は非暴力主義者ではない」と言うのは大きな矛盾である。だから、言葉が空虚だと
言っているのだ。非暴力主義者でないならば、最低、独立を守るために戦争をも辞
さないということですよ。しかし、「とりあえず」という言葉の中に自衛戦争は含
めないとしておこう。それから、「世界平和に努力する」という主張は軍事問題を
忌避するために使われることが多いことに注意すべきである。というのは、定義と
して「戦争のない状態」としたからだ。そして、軍事問題を忌避することは、今回
のイラクにとって非常に都合がよかったことにも注意をすべきである。去年から、
「イラクの無条件撤退」と「世界平和への貢献」とを同時に主張することが大いに
流行った。しかし、「世界平和」の定義としてそれをとるのは、中身の詰まった酒
樽と酒好きの妻を同時に求めるようなものである。出来ないことはないが、樽と同
様に言葉の定義もたちまち空虚になるであろう。
 私は「世界平和」というのは、日本の既得権益の現状維持が必要条件であると考
える。世界各国の指導者も「世界平和」の中には、自国の既得権益の現状維持が必
要条件と考えているのは明らかである。「世界平和」を仮に各国の既得権益の現状
維持としても、実際、権益を主張して対立が起こるし、現状に不満を持つ国もある。
「世界平和」が「国家の利益」の延長にあるというのは大きな間違いである。
 ブッシュ大統領は戦闘開始のときに「世界は待てない」という声明を出した。
確かに米国は待てない。日本もそうだ。英仏独伊西・・もそうだ。しかし、捜せば、
待てる国があったであろう。ここで「世界」というのを全ての国の集合とみるのは
軽率である。ファジィ集合も考慮にいれなければならない。政治の言葉には誇張は
つきものであり、とくに「世界」という言葉はそうである。世界と名のつくものを
信じてはならない。
 
 湾岸戦争は、幸運なことに、戦死者は少なかったが、戦死者を出した家族は、誰
が一緒にやったかを語り次いでいくであろう。日本人もそうだ。WWUの時、戦費
はどうやって調達したのかは知っていないが、どこと一緒に戦ったのかは知ってい
る。        ・・・・・・・・・・・・・