nat00092 求む情報&議論>尾瀬有料化構想

#0000 sci1060  8907220240

 近ごろ、環境庁による「尾瀬有料化構想」とかいうものを
新聞にてちらりと拝見しましたが、詳しいことご存じの方、
ござりませぬか?

 以下の関連発言に、愚生が新聞で読んだ「有料化反対」の動きと論拠を
UPしておきます。
                        阿波六吉

#0001 sci1060  8907220256

 7月14日に日本勤労者山岳連盟が環境庁に「尾瀬有料化反対」を申し入れ。
 理由は
1)自然環境を楽しむことは国際的にも認められた国民の権利であり、その
  条件整備は国の責任と負担で為されるべき。
2)入山料の導入は全国の国立公園、国有林などの有料化の突破口となり、
  国民の求める自然保護政策に逆行する。
3)環境庁は山小屋や登山団体、自然保護団体の意見を聞こうとしていない。

とのこと。

 次に、地元の群馬県利根郡片品村議会では7月20日に「尾瀬入園料の
徴収に反対する決議案」を採択

 理由は
○金持ちしか利用できなくなる。
○ごみの廃棄が公然と行われる。
など。

 最初、尾瀬の環境を守るための整備管理費を取ると聞き、自然環境に金を
払いたがらない日本の現状の中でよいことかとも思ったのですが、反対の
意見ももっともなところもあるかと存じます。

 別のボードで、自動車に大気汚染の税金をかけるはなしかなんかがあった
と思いまするが、皆様、如何お考えでしょうや?

 また、これについて詳しいこと御存じの方、お知らせ下され。

                        阿波六吉

#0002 sci1004  8907220403

報道によると,県知事も有料化に不快感を表明しているとのことです.社務猫



#0003 sci2714  8907230142

実は、わたくし有料化に賛成なのです。
  私は個人的に尾瀬の有料化を考えたことがあります。
    理由は2つ。尾瀬の過剰利用防止。山小屋の稜線外移転の補償。

もし可能であるならば、入園料の徴収から、さらに集めたお金の使い方まで
  自主管理運用できる尾瀬保護団体ができればいいと思っています。もちろん
    官僚の影響を受けないものを。いくつかの保護団体の共同運用でもいいかな。

もちろん、手放しで賛成と云うわけではなく、代替案や有料化否決も含めて
  目的・方法・効果をよく検討した上で実施するのならばです。消費税(生き
  とし生けるものは全て税金を払えという税金じゃ! プン プン)のような導
  入にはもちろん反対。
もっとも、今回の有料化の詳しい内容を知らないので、今回の有料化案については
  何とも言えないのですが。

下記は今回の有料化案の動きとは別のものかも知れませんが、手持ちも資料から。
-------------------------------------------------------------------------
しかし近年、諸経費の高騰により、従来どおりの清掃を続けるのに困難を生じてきて
おり、入山者に費用負担を求めるべきだとの声も少なくない。だが、一部の不心得者
のために多くの善良の人達が金を負担したり、国民の税金を使用したりすることは本
来ばかばかしいことであり、不心得者から罰金を徴取するなり、不心得者が出ないよ
うな衆目の監視が必要であろう。ただ、ゴミを捨てない利用者であってもたとえば公
衆便所等の使用により、環境に負担をかけているのであって、それを防止するための
経費、いわゆる国立公園利用費の導入が必要となるかもしれない。

           「尾瀬  自然解説資料」,(財)国立公園協会,1982年  (p.98より抜粋)
-------------------------------------------------------------------------

「尾瀬  自然解説資料」は、尾瀬の自然、植生、生成、歴史、地名、などと共に '尾
瀬の保護と課題' もよくまとめられているので、尾瀬に関心のある人に一読を奬めま
す。

   '尾瀬の保護と課題' のなかのテーマは次の通り

    第5章  尾瀬の保護と課題
        5−1  車道建設と過剰利用
        5−2  人為による植生破壊と復元
        5−3  ゴミ問題と持ち帰り運動
        5−4  山小屋等の生活排水による自然環境の変化と排水処理対策
        5−5  分水計画と尾瀬の保護

現在は、尾瀬では 'ゴミ持ち帰り運動' が広く行き届いていますが、人の生活に伴う
食料、包装、糞尿、洗浄などの廃棄物の問題は解決されていません。それに、電源開
発や水資源もときどきくすぶるし。尾瀬沼から沼尻川への注ぎ口にある水門も嫌いじゃ。

水が流れないから尾瀬が原が乾燥するばかりじゃ。

   環境庁が、尾瀬の稜線のなかに立派なセンターと立派な公衆便所を作ったのを、
   いまだに憤りを感じるKITA−2でした。
       (こんな事を言いながら、もしもの時には使うであろう自分が情けない。)

#0004 sci2714  8907230143

阿波閣下報告の反対意見に対する私的意見

           実は、ここ数年尾瀬にいってないKITA−2     行きたいよ〜

----------------------
    日本勤労者山岳連盟
    1)国民の権利。国の責任と負担で為されるべき。
    2)全国の国立公園、国有林などの有料化の突破口。自然保護政策に逆行。
    3)山小屋や登山団体、自然保護団体の意見を聞こうとしていない。

1)について
  楽しむ権利があるなら、共に '守る義務' もあると思います。ところで、楽しむ権
利があるとすると開発する権利もあるでしょう。そうすると、地権者、水利権者の発
言の方が強くなるような気がします。
  国の責任と負担、これはすなはち税金のことでしょうか。国の責任云々言ってもな
かなか実りのあることは期待できないので、自分たちで積極的に行動していきましょ
う。

2)について
  有料化で本当に環境が守られるのであれば、いいと思います。
          ~~~~~~
3)について、同感です。
  行政はもっと民間の声を聞くべきです。

--------------------------
   群馬県利根郡片品村議会
    1)金持ちしか利用できなくなる。
    2)ごみの廃棄が公然と行われる。

1)について
  尾瀬の入園料にいったい幾らぐらいを想定しているのでしょうか。博物館や美術館
の入館料は、遊園地、都内の有料公園の入園料はいくらぐらいでしょうか。バス代
(160〜200円)くらいでは済まないのでしょうか。だいたい現状でさえ、すで
にお金がかかる場所なのです、山は。交通費、宿泊費、山用品(ハイヒール、サンダ
ルでゆくなんて事故のもと。尾瀬も山なのです、お忘れなく)。いまさら金持ち云々
いっても、説得力に欠けると思う。

2)について
  ?  入園料とどういう関係があるのか私には判りません。
  お金をもらったらゴミの面倒から下の面倒まで、何から何まで面倒を見る、という
必要は無いと思います。
  ゴミは持ち帰る。一番良いのはゴミにしない、ゴミをださない。
  余談ですが、廃棄物処分場建設の事前協議規定を緩和しようとしている群馬県への
片品村の対応に興味が出てきます。

#0005 sci1060  8907240320

>社務猫閣下、KITA−2閣下
 早速のフォロウありがとうござった。

 KITA−2閣下の申されるとおり、保護管理団体の育成、制定の必要な
時期にきているのかといえそうでござるなあ。
 本当は環境庁が真面目にスタッフやとって、やって欲しいのでござるが・・

 それにしても環境庁が取り立てる入山料が如何なる性質の物なのかが、
未だはっきりせぬ状況。
 本当は応援したいところでござるが、どうも今までの不信感がぬぐえず、
環境庁がやるというと、うさんくさいと思ってしまう悲しい条件反射でご
ざる。
                   阿波六吉

#0006 sci2714  8907260050

そうなんですよね。どうしても不信感が残りますよ。

尾瀬沼のあのビジターセンター、公衆便所。貴重な湿原を潰しての案内版。
どうしても、むっむっむっ、とこちらでは考えてしまう。

まあ、文句を言うだけでは始まらないので、個人的にでもオルナタティブを示せ
たらと思うのですが、なにせシワがすくないので...

後世に誇れるような対策に、手本となるようなものになれば良いのですが...

ところで、みなさんは料金徴収に反対・賛成とか、このことに関する情報・意見を
お持ちではないでしょうか。私の好きな尾瀬の事なので、是非みなさまの感想など
も知りたいのですが。
                                雨降る尾瀬が最高と思っている  KITA−2

#0007 sci1003  8907260525

わたくし、このボードでの阿波閣下やKITA−2閣下の提起を見るたびに、目の
開かれる思いしきりでして、自ら情報を発することのできない無念さを常に感じて
おります。

尾瀬の現状についても全く知らないシロートなのですが、ご両人の書き込みを読ん
で、この問題についてもいささか考えさせられました。で、ちと思いついたことが
あるので書かせていただきます。

まず、基本的には尾瀬へ入る人間の数を制限すべきでありましょう。しかし、それ
を高額な入園料の徴収という形でおこなうのは、いかがなものかと思います。お金
をはらったんだからもっと快適にしてよ、トイレも欲しい、きれいな休憩所も欲し
い、という不心得な要望が出てくるのは避けられないのじゃないでしょうか。それ
ではなんにもなりません。

そこで、わたくしのシロート考えで思うに、1口5百円くらいで尾瀬の自然を保全
する寄付を集めるのです。ただし、寄付というのは名目で、実際にはそれで宝クジ
のようなくじ引き券が手に入る。そして、そのクジに当選した人もしくはグループ
だけに尾瀬への入園権を与えるのです。どうでしょう。

人工的に管理された自然のどこがいいんじゃ、公衆便所なんかに頼るなよ、野グ*
しろ、野*ソ、と思わなくもないRUKAS

#0008 sci2714  8907261303

RUKAS閣下、早速のレス有難うございます。

わたくしも尾瀬の過剰利用を抑えるためには、入山制限が不可欠と思います。
その方法の一つとして、料金徴収があるのだと思います。

ただ、RUKAS閣下の指摘のように、料金支払いと設備充実とを結び付けられる
方が出てくることが予想され、そのような方に如何に対応するかが腕の見せどころ、
工夫の仕どころ。ここで重要に成ってくるのが、環境教育だと思われます。

じつは料金徴収の前にもすべきこと、出来ることがあると思います。

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ビジターセンターを尾瀬の入口に、勿論稜線の外側に設置することです。
ふもとの集落の中でもいいかな。そして尾瀬を訪れる人は、必ずビジターセンターで
尾瀬の事(自然、歴史、特異性)、環境保護などの講習を受けてから、入山するシス
テムにするのです。事前研修ですね。もし入山料を徴収するならば、ここでお金の使
い道を説明しては如何かな。ベンチやら休憩舎をつくる為ではなく、逆にそれらの無
い環境を保持するのに使うのだと。(即ち環境教育)

尾瀬の中にビジターセンターを造っても、観察小屋・博物館的な目的しか果たせてい
ないのではないかと思っています。勿論毎夏毎夜、レンジャーやアルバイト・スタッ
フの方がスライドを使ったりして尾瀬の解説と共に保護を訴えているのは知っていま
すし、現地に精通しているだけあってなかなか良い内容と感じています。現状では、
出来るだけ多くの人に参加して欲しいと思っています。でも、本当は尾瀬に入る前に
それを入山希望者全員に知ってもらった方が、参加してもらった方が、もっと現実的
な効果が期待できるのではないでしょうか。入山前に尾瀬を理解してもらっていれば、
ゴミや廃棄物の問題、林業や電源開発の問題、湿原保護の問題などを考えながら尾瀬
を歩くことができると信じています。

ビジターセンターを造る場所は三ヶ所。
大清水、富士見、鳩待の入山口に対応する戸倉に一つ。
沼山峠、尾瀬御池に対応する七入、または檜枝岐温泉郷に一つ。
小沢平、尾瀬御池に対応する奥只見方面に一つ。

残念ながら奥日光、鬼怒沼からの入山については対応できないのですが。
でも、鬼怒沼にかんして云えば、夫婦淵温泉に造ることも可能かもしれない。

ビジターセンターの運営は保護団体のボランティア(ただし有給にする)に頼る。
環境庁は資金・資料などは出すが、口は出さない、としたい。
官庁の影響をできるだけ除くために、どこかの財団なり団体を通して、資金を流す。

事前研修は泊まりがけでもいいかも。さすれば、軽装で日帰りなんて人を減らせるし。
このあたりは論議が必要ですね。宿泊は便利に、または安く、そして地元に利益があ
るように工夫。土産屋や民宿が増えるかな。

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宝くじ方式や、申込方式による入山規制もいいかもしれませんね。
正倉院だったでしょうか、参観に申込が必要なのは。それと似たシステムを作ること
も不可能ではないでしょう。

------------------------------
最大の問題は山小屋のあり方。
できれば山小屋を稜線の外に移したいのですが、とにかく入山者が少なくなると山小
屋の経営が難しくなるので何等かの補助が必要になるでしょう。

しかし、事は旨く運ばないんですよね。どこかに問題が残っているだろうし。

                                        つい燃えてしまった  KITA−2

P.S.  参考資料:国土地理院発行 5万分1集成図 尾瀬

P.P.S.  野**は、富栄養化につながるので尾瀬では我慢しましょう。
        海やプールでなら野シ****をしても...いえ、あ、冗談です。

#0009 sci1060  8907270108

 なるほど、確かにRUKAS閣下の申されるがごとき、ニーズが出て
きそうで恐くもござるが、愚生もKITA−2閣下の申されるように、
環境教育と言うのが(多少押し付けがましくなるのが、気に食わぬところ
ではござるが・・)、一番、根本的な方策かと存じまする。

 愚生が考えるのは、苔寺の西芳寺の参拝方式のようなやつ。
カンパでも抽選でもけっこうですから、ある程度人数を絞って、入山と
セットでスライドなどでの説明会を入れ、尾瀬の自然はどう言う発想の
もとに運営されているのかと説明をする。

 そうすると、その運営方針が気に食う人も、気に食わない人もそれなり
に考え、一種の緊張感を持って尾瀬にはいるのではないでしょうか?

 もちろんその方針が気に食わないという意見が多くなれば、そこは
それで尾瀬の自然の位置付ってえものについての議論の場となって結構
だと存じます。

 やっぱり、尾瀬の自然のあり方について考える人だけが入山するような
制度を作れれば、今みたいに「誰かが自然を守り、私がそれを楽しむ」と
言う受身な姿勢は減るでしょうし、「せっかく来たんだから、ここらで
ゴルフやろう。テニスやりたい」なんてえ不心得もなくなるのではない
でしょうか?

 それにしても、RUKAS閣下の「クジビキ」ってのは、いい加減で
好きですなあ! やっぱり、くじ運に左右される価値があってもいいと
思ってしまうヤクザなあたしです。

        基調ひらいといてフォロウしない阿波六吉

#0010 kimot    8907270408

 えー、宣伝、せんでん。
 朝日ジャーナルで、尾瀬の特集やってまあす。
 やはりジャーナルで、保護とはちょびっと異なる
思想が出てくるのがみどころですぴょーん。

           朝日新聞出版局 木元・拝
           (肩書をアレンジしてみました)

#0011 sci2714  8907270437

おおっ、では早速立ち読みじゃない、かりて読みましょう。ナンチャッテネ.
        どんな思想かな  KITA−2

online カキコミ ヒサシブリ !

#0012 sci2714  8907291846

あぁ、な〜んだ。
環境庁の考えている「入園料」は排水処理設備などの資金作りなんですか。
(7月29日某朝日新聞報道による)

これじゃ、環境庁の案には反対ですね。
根本的解決になって無いじゃないですか。

健全なる処理施設の運転が前提ですが、それが容易でないのは新聞で指摘されている
とうりです。施設があっても正常に機能してなければ、また何等かの故障で機能低下
を招いた場合の、尾瀬への影響はオバケ水芭蕉に留まらないでしょう。

平地の(下界の)処理場でも、処理が旨く出来ない事が結構あるのです(活性汚泥法)。

方式が違うとは云え、生物処理には変わりありません。尾瀬でそんなことになった場
合の対応はあるのでしょうか?(それとも化学的処理?)

現在、尾瀬沼近くのビジターセンターわきにある処理施設の運転は、山小屋からの風
呂の温排水に頼っている部分があります。もっと風呂を沸かせというのでしょうか。
それとも電熱器で加温するのでしょうか。電気はどうしますか、尾瀬沼の発電所から
もってきますか?それに現状の処理施設からの処理水はそのまま垂れ流して、地下浸
透させているではないですか。

尾瀬の過剰利用が問題の原因なのに、その結果たる排水処理の対策をしても一時凌ぎ
でしかなく、いずれは処理施設の拡張も余儀なくされるでしょう。こんな小手先の対
策しかとれないなんて、情けなくなってしまいます。

処理場の建設では、 "尾瀬" にはほとんど利益がありません。建設施行者には利益が
あるでしょうが。あんな山奥に資材と人員を運ぶのですから。こんなうがった見方を
せざるを得ないのは自分に取っても悲しいことです。でもこういう対策ばかり立てて
いると不信感がつのるばかりです。

もっと、 "尾瀬" の立場で考えて下さい。これ以上、尾瀬をかき回さないで下さい。
尾瀬を守れるのは、現実には環境庁しかないのですから。その気になれば、環境庁だ
って十分効果的な対策が取れるはずです。やる気を出せ、環境庁!

                                                      あきれた KITA−2

p.s. 尾瀬が原の乾燥化が進んでいるため、葦が結構侵入してきています。乾燥化の原
     因として尾瀬沼からの流入水が、発電の取水に回されていて、制限されているこ
     とが挙げられています。こういったことに手を打たずに環境庁は何をしようとし
     ているんだ、まったく。ブツブツ。

p.p.s. ジャーナル書店にもうなかった。別の書店を捜します。

#0013 sci1060  8908010307

なるほどねえ。

 尾瀬の自然を守る上で、山小屋の排水が湿原に入らないようにするとか、
やるべきことはたくさんあるのに、排水処理設備ですかあ!

 この手のことは信用しない方がいいと愚生も存じまする。
 琵琶湖でも、生活排水の浄化と称して必要を遥かに上回る浄水場を建設して
かえって琵琶湖を汚したってえこともありますからねえ。

 一度、この手の施設が入って来ると、次から次へと新たな施設が必要になって
最後には生命維持装置だらけの人工的な「尾瀬の自然」になりかねません。

 何がいま「尾瀬」を危機に陥れられているのかを考えなくては、目先に「汚い」
を「きれい」にするだけのことになってしまいそうでやすねえ。

 ところで、生態学の教科書なんかでは、湿原と言うのはいずれは乾燥し、森林に
なっていくものと習ったのでやすが、尾瀬の場合はどうなのでしょうか?
 自然の乾燥とはいえないようなペースでの乾燥なのでしょうか?
 その辺、聞かれたときに困るもんで・・・

             リゾート地に縁の無い阿波六吉

#0014 sci2714  8908040504

 92 題    名  : 求む情報&議論>尾瀬有料化構想

え〜、尾瀬の乾燥化についてですが。

はい、そういえば湿原は乾燥していくというのを昔ガッコで聞いた様な気がします。
ところで個別の事例として尾瀬がこの先どなるのかは、専門家、いや神様しか知ら
ないでしょう。でも、乾燥の時間スケールはかなり大きいのでは、と思われます。
そして、湿原から草原、そして森林へと移り変わるまでの種の入れ替わりも、その
時間スケールで緩やかに行われるはずです。また、時にはそのまま安定して、何百
年も何千年もそのままで有り続ける環境もあるでしょう。尾瀬のような高層湿原で
は、貧栄養や寒冷の為に替わりの種が入りづらく、移り変わりが遅くなり、現代に
まで残っているのではないかと思います。(KITA-2談)

しかし、尾瀬の問題は極めて人為的なものです。
尾瀬周辺の地図をお持ちでしたら、まず広げてみて下さい。
すると、尾瀬沼から尾瀬ヶ原に川が流れ出ているのに気付くでしょう。
さてこの尾瀬沼ですが、これを水力発電用の貯水池として使いたくなりました。
発電には水量と落差が大きい方が有利です。
そこで尾瀬沼の水の出口(尾瀬ヶ原への水の供給源の一つ)に堰を作りました。
発電用の取水口は、尾瀬沼の三平峠寄りに作りました。
なにが起こったでしょうか。
水面の上昇は水域の拡大を伴いましたので、それまで水に浸かっていなかった木が
水に浸かり、結局立ち枯れてしましました。取水口の方からビジターセンターのあ
る方(長蔵小屋の方)へ歩いて行くと、たくさんの立ち枯れを見ることができます。
これが尾瀬沼周辺で見ることのできる大きな影響です。

尾瀬ヶ原の乾燥化は...乾燥化は.....うっ、うっ、勉強不足じゃ。

阿波ぎちょ閣下先生、夏休みの宿題の自由研究で尾瀬ヶ原の乾燥化をやりま〜す。
(と言って時間稼ぎをしてしまう、悪い生徒でした。)

                                                   うっ、うっ KITA−2
P.S.  考えをまとめる良い機会になりました。
      生徒の導き方がなかなか旨い先生ですね。
      この辺りを読んでいましたね。

#0015 sci2714  8910252122

          間に合うか!?

    10月25日(水)22:00〜

  NHKラジオ第一『NHKジャーナル』

     「冬を越す尾瀬自然保護論争」

#0016 sci1653  8910270011

間に合いませんでした....

以前、入隊のお誘いを受けましたが、失礼しました。>KITA−2様
Lコマンドのお蔭と言いますか、最初から読まさせていただきました。
勉強させていただきたいと思っております。
最新情報をよろしくお願いいたします。

私も雨の尾瀬が好きです。
それから白銀の尾瀬も忘れられません。
モウセンゴケがあんなに小さなものだとは知らなかった。
できるだけ長く、湿原でいて欲しい。
花に息を吹きかけないで下さいと叱られたことのある
                               ノクターン

#0017 kimot    8910310151

報告ッ ワレ「尾瀬の自然を守る会」ノ会報最新号ヲ入手セリ
    以下ニ転電セムト欲ス(すでにアップされていたかナ)

 同会は、この7月17日、環境庁保護管理課を訪ねて、入山
徴収料問題について質したそうです。環境庁側は、排水処理設
備の整備にその金をあてたい、というかねてからの方針を説明。
一方守る会サイドは、入山料も保全策のひとつではあると考え
ているが(この日に環境庁長官にあてた質問書では、「歓迎い
たすべきものかとも考えております。しかしながら...」と
いう表現になっています)、対症療法的な対策では解決になら
ない、と申し入れました。
 守る会は、尾瀬の汚染の原因となっている山小屋の撤去や、
汚水とゴミのヘリコプターによる移送などに入山料をあてるべ
きだと考えているそうです。また、特別保護区内にある野外キ
ャンプ場(転記者注:えーっ、んなもんまであんのかよぅ)の
撤去を訴えています。
 環境庁は、尾瀬が万人に開かれた場所であるとして、山小屋
撤去には難色を示したそうです。でも、守る会の示したデータ
に関して、興味を持たれたようです。

 「尾瀬の自然を守る会」の懸念としては、排水・汚水処理(
移送)のためパイプラインが敷設されるとしたら、それは逆に
山小屋やキャンプ場の恒久化を意味し、尾瀬の破壊をかえって
「約束」するものである、ということに尽きるようです。
 会報によると、尾瀬になかった外来種の発見が、これまでに
22科47種にもおよぶというが、この6月の同会の自然保護
指導員の研修会でも、鳩待峠というところで新たにアブラナ科
の移入植物を発見したとのこと。

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 以下余談ですが、清水一郎・群馬県知事は、保護のための金
は国が出すべきであるとし、また地元のひとつの福島県桧枝岐
村も、観光客が減るとして、いずれも入園料には反対だといい
ます。
 こうした意向も、しかたないことなのでしょうか。
 小生はかつて、沖縄に家族旅行をして、パッケージツァーに
身をまかせてグラスボートによる「珊瑚礁遊覧」とかいうのを
体験したことがあります。この時点で小生は、写真でしか珊瑚
礁というものを知りませんでしたが、どうみても出てくるのは
死滅したサンゴが中心。生サンゴは小さいのが少しづつあるだ
けなのですが、結構お客は、「あ、チョウチョウウオ」とか喜
んでいる。
 船頭さんにこっそり聞いたら、「もう少しいいところが沖に
はあるんだけど、今日は天気が悪いからね」とか、すまなさそ
うな顔をしていました。
 極端にいえば、尾瀬がライオンでも飼えそうなサバンナにな
っても、ところどころに給水してとりあえずミズバショウが咲
いていれば、観光は続くのかもしれません。
                     木元・拝

追伸:「尾瀬の自然を守る会」の入会方法など、友軍目録にア
   ップいたしました。
   基調の99番です。