nat00068 水車小屋工作隊長布告>「分散研」ニ潜入セヨ

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水車小屋工作隊長布告>「分散研」ニ潜入セヨ

分散型エネルギー研究会の宣伝
 「分散型エネルギー研究会」というのをやっています。興味のある方はお読み下さい。本文が少々長め(約110行)になったので、いったん切ります。

(阿波閣下ヨリノ依頼ニヨリ、原発#519ヲ転載スルモノデアル)
                 水車小屋工作隊長 DAI

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  分散型エネルギー研究会への参加のよびかけ

 巨大化・中央集権化・専門化といった方向にひた走ってきた石油文明がはらむ問題点
は、すでに多くの人たちが指摘しているところです。特にここ数年原子力発電をめぐる
議論が盛んに行なわれていますが、そこには石油文明についての本質的な問題点が非常
によく現われています。
 このような問題点を解決し、人が幸福に暮らし続けてゆくことのできる社会を目指す
アプローチには、大きく分けると2つの方向があります。
 1つは、より一層中央集権化・専門化を進め管理を徹底するという方向です。原子力
発電に即していうならば、安全対策を完全にし、核廃物処理の技術を確立し、被曝者の
発生をなくしつつ発電量を増やしてゆく努力がこれにあたります。しかしこの方向の努
力は問題をますます深刻にし、解決を困難にするばかりです。
 もう1つは個人や地域社会が主体的に自分たちのくらしをつくりあげてゆくという方
向です。エネルギーに関していえば、必要な人(たち)が、身近なところで、可能な限
り自分(たち)の力でエネルギーを生産する自立的・分権的なエネルギーシステムをつ
くりあげることです。私たちはこの方向をめざそうと思います。
 幸いこの方面でもすぐれた研究開発や実践がこれまでになされていて、私たちに使え
そうな技術が少なからず用意されています。ただ、専門家でない個人や小グループが自
分たちで使いこなしてゆくために必要な情報は不足しており、技術そのものにもまだ不
充分なところがあります。
 そこで、
 1.個人や小グループ、地域社会などで自律的にエネルギーを生産しようとする人た
ちに、技術・制度・経済性などについて必要な情報を提供する。
 2.適当な技術が存在しない部分については技術開発を行なう。
 3.ひとりでも多くの人が自律的なエネルギー生産に参加するようはたらきかける。
 4.このような実践の延長上に、日本の、そして地球全体ののぞましいエネルギーシ
ステムを構想する。
 5.さらにこのような実践を促し、それを社会の中に定着させるための制度や政策を
要求する。
  こういったことを目的として、「分散型エネルギー研究会」を発足させることにしま
した。たいへん大きなテーマですが、参加者の意志と能力に応じ、またほかのグループ
や個人と協力しながら、できることから手をつけてゆこうと思います。
 この研究会自身も特定の分野の専門家の集まりではありません。専門家でなくても、
やり方と努力次第で専門的な批判に耐える成果をあげられるものと確信します。
 みなさま方の参加をよびかけます。

         1988年12月
              井田均、市谷壮、小山貴弓、金井利之、小池浩一郎
              田中清子、中島大、松岡信夫、室田武

 よびかけ文だけではどんなことをやろうとしているのかわかりにくいので、いま話題
にのぼっている研究テーマをご紹介します。

1.森林エネルギー
 日本におけるソフト(分散型)エネルギーの代表の1つでありながら、森林エネルギ
ー(主に薪と木炭)をきちんと評価する人はきわめて少ないようです。
 89年1〜3月の東京セミナーでは、日本の森林の生産能力や、廃材利用の実状・事
例、そして技術的な可能性などを勉強しました。さらに、参加者の一部は、三重県美杉
村のおがくずを利用した自家発電施設を見学してきました。
 一方、薪炭というと必ず「炭酸ガス」と答えるパブロフ的反射が蔓延していますが、
森林生態学の観点から、森林エネルギーの適正な利用は炭酸ガスの増加に関して事実上
問題はない、というレポートを、情報誌「分散型エネルギー」に掲載する予定です。

2.小水力利用
 小水力は森林エネルギーと並んで日本で有力なソフトエネルギーです。「水車むら会
議」というグループの研究によれば、条件によっては大規模な火力発電と同じかむしろ
安く発電できる可能性もあります。今年の夏には水車むら会議と共催で研究会やワーク
ショップ(超小型タービン水車の設置工事)を開催する予定です。

3.エネルギー関連の制度(電気事業法・パーパ法など)
 現在の日本の電気事業法などの法規は、大規模発電に有利になっています。また電力
会社の送電義務と自家発電との関係なども勉強しておく必要があります。
 一方、アメリカで風力発電が盛んになった背景には、電力会社に電力の買取りを義務
づけたパーパ法があります。その具体的な内容や、日本で同じような法律をつくる可能
性も研究します。
 現在進行中の東京セミナー「分散型エネルギーと法制度」(次回は6月15日)では
ガス会社の方からガスコジェネレーションの実状を伺ったり、商社の方からアメリカに
風力発電プラントを輸出したときの経験を伺ったりしています。

4.コジェネレーション
 自家発電施設から出る熱を利用することで、電力と燃料を別々に買うよりも安くつき
資源のむだも少ない「コジェネレーションシステム」が産業界で盛んに利用されていま
す。いま普及しているプラントは石油や天然ガスを燃料にしていますが、美杉村の事例
のように木質エネルギーも使えますし、メタンガスやアルコールへの移行も容易でしょ
う。
 自分たちで何ができるかを考えるとともに、産業界の動向を分析し、電気事業法など
の改正に持っていければ大成功です。

5.太陽熱
 効率などを必要以上に追求しなければ太陽熱を利用できる場面は多く、ソーラーハウ
スの研究も進んでいます。ソーラーハウスワーキンググループができたので、まもなく
セミナー・見学会などを始められると思います。

6.風力
 日本の多くの地域では風力を使う条件がよくありません(風が弱い)が、適地を有効
に利用すれば、100万kW程度の発電は可能なようです。また、小規模な利用の可能
性は(もぐら追いだけでなく)まだまだあるでしょう。

7.メタン発酵
 太陽熱温水器と並んで戦後の1時期に広く普及した技術で、今も第3世界を中心に盛
んに研究されています。

8.その他
 廃熱、蓄熱、氷室、波力、太陽光、地熱など

 セミナーや見学会の案内、レポートや話題などを掲載した情報誌「分散型エネルギー」
を、7月1日に創刊します。
 興味のある方は下記にご連絡いただければ、創刊準備号と購読のご案内をお送りしま
す。
   連絡先:〒171 豊島区千早町1−27 第2山吉ビル102
            中島方 分散型エネルギー研究会事務局

 今のところ東京が活動の中心ですが、佐賀(「エネルギー生協研究会」)や金沢など
のグループとも交流があり、情報交換を行なっていますし、むしろ東京以外の方に積極
的に参加していただきたいと思っています。

#0002 sci3052  8906182128

 地球防衛軍らしくやろうとして「・・・潜入セヨ」とか書いてみましたが、
なんか新左翼みたいでやだなア。次はもう少し考えます。
              水車小屋工作隊長 DAI

#0003 sci1060  8906200240

 いやいや、サイエンスしりとりでは「忍び」の称号をいただいた愚生としては
「潜入」と言う言葉には、「軍隊ごっこぽい!」という憧れを抱いてしまいます
る。
 我が軍の皆の衆も、ほうぼうに「潜入」して、神出鬼没のゲリラ戦活動も
またよろしいのではないでしょうか?
                      阿波六吉

#0004 sci1060  8906210826

>DAI閣下
 転載ありがとうござりました。

 ところで太陽エネルギー利用と言うので、太陽電池はハイテク公害の
素だとか聞いたことがあるのですが、閣下の転載の中で太陽「熱」として
あって、太陽エネルギーとはしないのは、そのせいなのでしょうか?

                         阿波六吉

#0005 sci3052  8906252223

>阿波六吉閣下

 ソーラーハウスや太陽熱温水器での太陽熱の利用と、光電池を使った太陽光の利用とは、技術的にまったく異なったものなので、「太陽エネルギー」とくくらない方がいい場合が多いと思います。
 その上で、ご指摘のハイテク公害などの問題があるので、分散研では直接太陽を利用する技術としては太陽熱利用を主に考えています。光電池は専門で研究している人がいますから、本当にいいものができたらそのとき利用させてもらうことにしましょう。

 「分散型エネルギー」創刊号の原稿打ち込みがほぼ完了しました。今週中に内容紹介をupする予定です。

                         DAI

#0006 sci1060  8906260257

>DAI閣下
 なるほど左様にござるか。太陽熱。
 分散型エネルギーの内容紹介、楽しみにしておりまするぞ。
                     阿波六吉

#0007 sci3052  9010041017

1年以上眠らせていた書き込みを復活させます。

 11月3・4日にエントロピー学会恒例のシンポジウムが東京で開催されます。
今年は「自主企画」というわくがあるので、分散研のメンバーなどで1つ企画を
立てました。企画書をアップしますので、読んでみてください。
 なお、この企画は4日の日に行いますが、午前か午後かはまだわかりません。
わかり次第「11月のイベント」の案内のところにアップします。

エントロピー学会シンポジウム(90年11月) 自主企画企画書
                                                  中島 大

<タイトル>  エネルギー自立型社会を構想する

<趣旨>
  水と道路そしてエネルギーを押えれば国民を意のままに操れる−−と、ヒット
ラーは語ったという。
  私たちの住むこの社会では、エネルギーの中央集権的傾向は非常に強く、特に
生活の場においてはそれが著しい。地域主義を1つの足場とするエントロピー学
会のメンバーは、主として理論的な面からこの傾向に体する批判を続けているよ
うに思う。また、社会運動として取り組んでいる人も少なくないだろう。
  今回の企画ではそういった行いとは少し視点を変えて、個人・小グループ・地
域社会で実用的なエネルギー生産技術に取り組んでいるグループの情報・意見交
換を目標に据えている。具体的には、「指宿バイオガスグループ(予定)」、「
エネルギー生協研究会」、「豊中村エネルギー協同組合」、「分散型エネルギー
研究会」の4グループに発表をお願いし(ただし中島は分散型エネルギー研究会
のメンバーである)、関心を同じくする学会員との情報・意見交換の場として設
定した。技術・社会制度の両面からの、具体的な議論が期待される。

<企画内容>
  4人の発表者がそれぞれ30分(5分程度の質疑を含む)の発表をし、最後に
1時間程度、会場を含めた自由討論をする。発表の順序は未定。発表者と演題は
以下のとおり。
  峰  淳二 (指宿バイオガスグループ)
      農家向け小型バイオガスシステムの可能性
  中村  修 (エネルギー生協研究会)
     もうかる脱原発ビジネス
  福本 敬夫 (豊中村エネルギー協同組合)
      ソフトエネルギーとのつき合い方を求めて
  小池 浩一郎:分散型エネルギー研究会
      小水力エネルギーと木質エネルギーを地域社会で活用するために

#0008 sci3052  9010041019

7番に書き込んだ企画での発表のうち、中村さんからは予稿が送られてきて
います。それをアップします。

 もうかる脱原発ビジネス
                             エネルギー生協研究会 中村修
 
  原発事故がなければ燃え上がらない反原発運動を批判するつもりはないが、も
うそろそろ次の段階へと成長してもいいのではないだろうか。原発は派手な事故
が最近ないし、ゴルフ場反対の方が燃えるから、という理由でもないだろうが、
目先のことで反対だけを言い続ける消耗的な運動から脱する時期ではないかと考
える。
 コジェネ電力革命(ダイヤモンド社 エネルギー生協研究会1300円)を昨
年の秋出版した。生協などの市民資本で原発に替わるコージェネや自然エネルギ
ーを「もうけながら」拡大させていこうという主旨である。(最新のエントロピ
ー読本に書いているので参考にしてほしい) ところが、「反対」ならばあれだ
け燃える人々が、原発にかわるものを具体的に提案しているにもかかわらず問い
合わせがこない。これが不思議でたまらない。もっぱら企業からの問い合わせば
かりだ。もちろん、勉強熱心な反対派はコージェネのことを知ってきているよう
だが、それは知識として「知った」というだけである。
 コージェネの実績は素晴らしい。なにしろ、2000台以上のコージェネが現
在稼働しているが、それだけで100万kwの原発1基分以上に匹敵するのである
。コージェネを導入しているのはもっぱら「原発賛成派」である企業だが、コー
ジェネの方が電力会社の電気より安くつく、もうかるという理由で原発の電気を
具体的に拒否しているのである。口先で「原発反対」と言い、原発の恐さを呪文
のように唱え、署名を集め、集会に出席し、疲れて帰ってわが家でたっぷりと原
発の電気を消費するという不思議な原発反対派の行動に比較すれば、コージェネ
を導入する企業は表面は原発賛成と言いつつも、裏に回ればコージェネで自家発
電をおこなうという、一番すぐれた原発反対派なのである。
 署名などを集める暇があれば、マンションの所有者を説得し、コージェネを導
入させたほうがいい。50戸のマンションに2千万円のコージェネを導入させれ
ば、マンション所有者は毎月の電気料金で大きな利益を得ることができる。しか
も、紹介者は、マージンとして10%の200万円を少なくとも手に入れること
ができる。これはやめられない、反原発運動である。しかも、これで確実に電力
会社の電気を拒否することになる。
 大声で反対を言って自己満足で終わる脱原発運動ではなく、確実に電力会社を
追いつめながら儲る脱原発ビジネスのネットワークを考えている。
  当日は、コージェネの価格と利益、およびマージンなどについて簡単に報告す
る。
 
 エネルギー生協研究会ではニュースレター「ソフトエコノミー」を発行。年間
2千円。
      郵便振替 福岡1ー63397エネルギー生協研究会
      福岡市東区箱崎6ー10ー1九州大学農政学教室  中村修気付

#0009 sci3052  9010041025

 せっかく峰さんが東京まで来てくれるので、峰さんの話を聞く機会を
設けることにしました。2日の日に市谷のYWCAで7時ごろから開く
予定です。詳細は別途催し物のコーナーにアップします。

           以上関連7・8・9は DAI でした。

#0010 sci5272  9010060320

あ、こういうコーナーがあったんでしたね。またどしどしアップして下さい。
                           アマナクニ