nat00047 会議>消す?消さない?国立公園の火事

#0000 sci1260  8905070054


#0001 sci1260  8905070055

 これは、一方で自然破壊の担い手でもある人間が、自然保護の主張をできるか、
というテーマの#23「おしりムズムズ会議」にて、Shadow閣下が提言されたテ
ーマです。とてもよい話題なので、あえてSIGOPの判断で、独立の会議とさ
せていただきました。以下に、Shadow閣下の書き込みを再録いたします。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 話はちょっと脱線しますけど、鯛の骨まで食べる竹内均氏の編集する科学雑誌の
4月号で、イェロー・ストーンの森林火災の問題が出ていました。自然の為すまま
にしておくとゆー管理局の方針のため、消火活動が遅れ、被害を甚大なものにした
というものです。自然保護の観点からの方針なんでしょうけど、果してこのことは
正しかったのだろうか?? 皆さんの意見を聴かせて下さい。
私には、もはや人間に愛想を尽かして、人間を滅ぼして新しい種族の支配を望んで
いる自然が、「自然は我が下僕」といって思い上がっている人類の盲点を突いて攻
撃を仕掛けてきたような気がします。(ヨハネの黙示録的になってしまった)
                                 Shadow
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

                 地球ぼーえー軍最低会議議長 ムカシトカゲ

#0002 sci1017  8905071232

 私は別の雑誌の5月号で"Outdoor News Bulletin, 43, No. 1, 2(1989)" 
が野生地の自然火災について報告していることを知りました。

 この問題は野生地か、人口林もしくは人家が近いかで考え方が変わって
くると思います。

野生林:
 アメリカの方針では、自然のメカニズムに任せて自然発火が起こったならば
それは自然が掃除をしてくれるものと考えて放置して置こうということだと思
います。私も基本的にその考え方で良いと思います。それでも絶滅しそうな動
植物がある場合は躊躇します。
 方針がクルクル変わるのは良くないと思います。1972年までは消す方針
だったため古い木が森の中に蓄積されて今回の火事を大きくしたということで
す。

人家が近いまたは人口林:
 人命にも関わります。そして経済的な意味からも消火します。
日本の場合は殆どこちらになるのではないでしょうか。

杉花粉症:
 話を身近にするために近年問題となっている花粉症を例にしたいと思います。
林業が最近ふるわなくなって、木を植えたまま切らなくなって花粉症の原因にも
なっていると聞きます。人間は経済原則で動きますから、林を適性規模にするこ
とが難しいのだと思います。GWで伊豆の実家に行きましたが、近くに見える山
肌が、はげあがるどころか以前にも増して緑に見えました。

 自然の摂理に任せるか、人間が介入して自然火災を消すか、難しい問題です。
                           こっぺい

#0003 sci2014  8905071329

消化活動を行なったことによる欠点

  ☆消化液による自然破壊

消化活動を行なわなかったことによる欠点

  ☆火災によって森林が無くなってしまう。もとのように戻すには猛烈な時間がかか
る。

私は消化活動をした方がよかったと思う。

Jumbo

#0004 sci2782  8905071708

 トカゲ議長に、こっちへフラれたのでやってきました。

  竹内均氏の編集する科学雑誌の記事を読んでいませんので、Shadow 閣下の
レポートのみから判断した、独断と偏見に満ちた意見ですので...

  このレポートの「被害を甚大なものにした」という被害とは、誰に取っての
被害だったのか?ということではないでしょうか。森林を考え梨、ロクデ梨(
人間様のこと:#23「おしりムズムズ会議」をご覧あれ)にとっての資源と
見れば確かに甚大な被害だったのかも知れません。しかし、考え梨の不始末で
発生した森林火災なら話は別ですが、自然発火による森林火災であるならば、
自然の摂理にしたがった1シーンに過ぎないように思います。しばらくすれば
(考え梨のスケールではなく)、その焼け跡にもコケが生え、今にも増した立
派な森林が復活するはずです(考え梨が下手に手を加えなければ...)。
  ODAという錦の御旗のもとに、東南アジアやアマゾンで行なわれている森
林伐採とは本質的に違うようにおもっちゃったりします。

  というわけで、自然の為すままにしておくとゆー管理局の方針に基本的に賛
成です。

      *** この番組に対するご意見、ご希望をお寄せ下さい ***
      ***                                               ***
   *** あて先は、 〒2782                        ***
      ***              神奈川県片田舎市大字駄才     ***
   ***                     ダサイエンチスト 宛      ***
      ***                    ・・  ・・・                ***
      ***  この番組は、「森林資源を守ろう」本舗の提供で  ***
   ***  お送りしました                                ***

#0005 sci1004  8905101731

  もしかしたら記憶違いかも知れませんが,NHK特集でのオーストラリアの
自然を紹介する番組がありまして,ユーカリの森の火災の話があったように記
憶しています.

  ユーカリっていうのは,ユーカリ油っていうくらいのものですから,簡単に
燃えてしまうそうで,季節によってはかなりな自然発火が起こるのだそうです.
つまり自然発火で随分な面積が焼失するのですが,しかるべき部署のお役人さ
んは,余程のことがないかぎり消火活動はしないそうです.

  その理由はやはり,自然の蘇生力を阻害しないため,なんだそうです.番組
では,実際に焼けてしまった場所にカメラを持ち込んでましたが,一月後には
見事に新芽が発芽してまして,5年後にはけっこうな林くらいには復活してい
ましたね.(実際の写真が紹介されていた)

  ユーカリっていうのは成長の早い樹木ですし,一概には言えないかも知れま
せんが,エコ先進国(なんだそうで)オーストラリアがそのような認識を持っ
てコトに当たっているのは,傾聴に値すると思いました.

  これも別の番組がソースですが,森林火災などでヘリからまく消火液ですが,
あれはかなり悪い影響が出そうな代物ですね.具体的な物質名はしりませんが,
糊状の液体で水よりも空気の遮蔽度が高く,簡単には蒸発しにくいものなんだ
そうですね.確かに消火効率は上がりそうですが,後の影響はかなりのものな
のではないかなあ.
  だって,蒸発はしない,いつまでも空気を遮断している.これじゃあ新芽
もふきませんよねえ.燃えてない木にふりかけても,良くなさそ.

  というわけで,一例でした.(実は新FEPのテスト使用だったりします)            シャム猫 あれれ変換しない! お前なんかクビじゃ!!
                                                            社務猫

#0006 sci3078  8905102236

はじめて書き込みをさせて頂きます。数週間ROMさせていただいてました。

今回の火災に関してなにも知らないのですが、森林火災が自然発火である
場合と、人為発火である場合、インパクトとしてどのような違いが
考えられるのでしょうか?

伐採と火災の違いは、まあなんとなくわかりますが。。。
wad

#0007 sci1260  8905102259

 「イェロー・ストーン森林火災」アンケート!!へのワダクシの返信。

 欧米的な自然保護の運用には、3つのタイプ分類がありまする。
1.プリザベーション Preservation
2.プロテクション  Protection
3.コンサベーション Conservation
 です。

 プリザベーションは、保護対象にいっさい人為的干渉をしないもの。今回の
イェロー・ストーンで火事を放置したのはこの方式ですネ。
 プロテクションは、貴重な保護対象(天然記念物など)を人為的に積極的に
保護(枯れかかったら肥料、薬剤投与、接き木などをする、といったもの)す
るものです。
 コンサベーションは、プロテクションの対象・内容をさらに広範にした「保
全」ないし「管理」の考え方で、国際自然保護連合や日本自然保護連盟なども
この語を団体名に使用しています。生態系の機能の衰弱などに対して、予防的
な対策まで用意しようとします。サンゴを食い散らかすオニヒトデを駆除する
というのも、この範中かもしれません。

 さて、原生状態の自然がしっかり保たれている場所では、プリザベーション
(どーしても、ニューオルリンズのジャズを思い浮かべてしまふなあ)という
方式がベストなはずです。
 ただし、この前提条件の判断が、大切。87年の春ころの「ネイチャー」で
読んだおぼえがありますが、北米の自然公園では、それがムチャクチャ広大(
日本のひとつの県くらい、あったかなー)なものでも、種の消滅がゆっくりと
進んでいっているそうです。著者は、各保護地域の孤立が問題なので、ランド
ブリッジ的な連絡通路の設定の効果を考えるべき、としていたように記憶して
います。
 つまり、でっかいようにみえるイェロー・ストーンですが、プリザベーショ
ン方式を堅持することが現状で適切なのかどうか.....
 今回の火災規模が最終的にどんなものになったか知らないので、はっきりと
判断しかねますが、ワダクシは、プリザベーション地帯とコンサベーション地
帯とを分けておき、管理・保全へ走るべきところではそうして、放置の結果と
して元も子もなくす(空間は残ったが、特徴的な植生が再現困難な事態となっ
たetc.)ような結果となることへの保険をかけておくべき、あるいは、そうな
っているはずだと信じます。

 でも、ワダクシは、消火しなかったのは、立派な見識だと思います。北極の
クジラ救出のバカ騒ぎがあったあとでは、米国の官僚の心意気というか、世相
に迎合しない、スジの通った「哲学」を感じました。
 少なくとも、日本の林野庁が、公式文書に「コンサベーション」という言葉
を使うときの不気味さ(保護をする、というよりは、原生林も放置せず手をい
れるぞっ=切るぞっ、という宣言にみえちゃう)よりは、やることにウソがあ
りません。
                            ムカシトカゲ

#0008 sci1060  8905110248

おおっ!!!
 ようこそ、wad殿! お待してましたぜい!

 どうか、こちらでも遠慮なくちゃちゃをいれてください。
 楽しみにしています。
  どおかこちらでもどんどん書き込み下さい。

 私も自然発火と、人為発火の違いがよく理解できんのですが。
                           阿波六吉

#0009 sci1060  8905110250

 うーーん、難しいですねえ。

  確かに、定期的に野火や洪水が起きるがゆえに維持されている動植物相って、
あることはありますけれどねえ・・・。
 でも、現在みたいに動物植物種が追い込まれているときに、これが自然だからっ
て放置するのは、あまり賛成したくないんですが・・・私は。
 私は基本的には「人類が滅びるのが、自然の摂理だったら、自然の摂理に多少逆
らってもいいんじゃないか」と思っております。

 もちろん、その土壌が回復しやすいところか、どうかにもよるでしょう。しかし、
ここまで直接・間接に人為による破壊にさらされやすい状況では、ある程度管理す
る必要があるのではないでしょうか?
 まあ、そこの自然を享受し管理している人たちの考えを重んじるべきなんでしょ
うが、それにしても森林において、ムカシトカゲ閣下の申されるとおり、林野庁の原生
林を食い物にしようという「コンサベーション」は身の毛もよだちますが、一方では、
林野庁が経済原理に押し流されずに、国内の木材用の森林を見捨てないで、ちゃん
と管理していれば、東南アジアなど外国の森林を伐採せずにすんだのじゃないかと
思います。かつては原生林までも潰して植林したのに、国内の人件費が上がるとポ
イッで、荒れるままにまかせて、ろくに大中型の動物も住めないような状態にして、
挙げ句のはてには急に金目になってきた知床を切りたがったり・・・これじゃあ、
潰された原生林も浮かばれませんよねえ。こっぺい閣下の申されるとおり、日本の
林は、今グレまくっているのです。
 特に日本の自然は二次林(人手が加わってある状態を維持している)が多く(い
わゆる雑木林もそのひとつです)、そこにいる動植物が我々の心を豊かにしてくれ
ている「自然」のひとつなのではないでしょうか?

 私は日本の林野庁に代表される行政の姿勢は決して「コンサベーション」なんど
ではないと思います。むしろ悪質な「放置」(=「自然」に掛ける金はない!とい
う考え)だと思います。今の日本で大事なことは「プリザベーション」(人為を与
えない)を目指すことよりも、「自然はタダではない」という発想から、ある程度
「管理」していくことが大事だと思います。

 たとえ、アメリカの例で、消火しないことが正しかったとしても、あちらは、森
林保護に金を掛け、ちゃんと管理している人たちが「消火しない」と決定したこと
を忘れてはいけないと思います。

 先日、石垣に行った友人が白保の珊瑚を「あのままじゃあ、空港が出来なくても
潰れちゃう。なんか対策を打たなくちゃ」といってました。日本の自然保護に必要
なのは、まだまだ「管理」の側面だと思います。

 自然に対し「保護的な人為」を与える人は、「人為だった」と認め、反省します
が、「破壊的な人為」をなす人は、必ず「俺のせいじゃない。自然の摂理でああな
ったんだ」といいます。

 もちろん、消火剤は感心しませんが・・・
                             阿波六吉

#0010 sci1731  8905142314

 連休が明けると、いきなり基調発言に引っ越していて、驚いているShadowです。

 諸閣下のご意見、拝見いたしました。おおかたの方が管理局に賛成の考えを
お持ちなようです。最初に書かなかったのですが、ちょっと考えていただきたいのが
例の火災の背景には、100年に1度の異常干ばつがあったことです。
現在の様々な異常気象が人間のせいだとはちょっと証明できませんけど、
よく言われる砂漠の拡大・乾燥化が背景にあると私は考えているのです。
したがって、これからも森林火災は多発すると思います。

 「ムズムズ会議」で議長閣下がおっしゃっているように、自然は特定な個体を
守る存在ではないので、砂漠が広がるのも、温暖化するのも、自然の姿なのかも
知れません。しかし、砂漠の地球に人間は住むことが出来ません。
阿波六吉閣下も私と同じ考えと思います。つまり、

>「人類が滅びるのが、自然の摂理だったら、自然の摂理に多少逆らってもいいん
>じゃないか」

ということで、私は管理局に反対に一票投じます。
                                                        Shadow

#0011 sci3395  8906010232

ただ、問題はその「逆らい方」なわけでして。
Shadow閣下のおっしゃることも踏まえたうえで考えると、
人為的な砂漠化を原因とする自然発火火災における、人間の
尻拭い的な守備範囲を出ない(もちろん範囲目一杯)の消火活動、
というのは、現実に判定可能な問題なのでしょうか?

この件に関しては(も)全く知識を持たない私は、上記のような
厄介な疑問を持ってしまったのですが。
                                        MUTAこと牟田口
PS:
  突然こんなところにレスを入れてしまって申し訳ありません。
  諸事情(ワープロのメモリー不足、新参者、等々)により、目についた
  基調発言をランダムにちょっとずつ読むしかないという現状なのです。
もしかするとこの手の作業は、静かになってしまった各会議室の活性化
する事になるかも知れない、なんて、都合のいいように考えたりしたら、
怒られっかな?

#0012 sci1060  8906010447

 確かに判定は難しいですなあ。
 でも判定が可能かどうか考える前に、原則とかポリシーは議論できると
思います。
 そうした原則なしでは、判定できるもんも出来なくなっちまうんじゃあ
無えでしょうか?
                       阿波六吉

PS:もちろん、大歓迎でござる。>MUTA閣下
   どうぞテーマの再開発にご協力しておくんなまし。

#0013 sci3395  8906020404

 そうですね。実のところ一番問題にしなきゃならないのは、私も原則やポリ
シーだと思います。(オンラインの書き込みで、何か変な文章になって誤解を
招いたかも知れませんが)(申し訳ない)
 この会議自体、再び森林火災が起こった時に鑑みる対象として充分に考慮す
べき問題として行われているのでしょうし、そういった原則、ポリシー固めに
叛意を唱える気は毛頭ありません。(念を押すほどのこともないか?)
 ただ、先の発言の流れを見ていくと、この会議上での原則、ポリシー固めに、
ある種の行き詰まりがあったようにも思われたのです。
 で、なんとなくその流れを受けた発言をし、その発言に見る行き詰まりの原因
にふれたくなったのです。(どうも話が長いナ)

「プリザベーション、コンサベーションを、その保護区なりに振り分ける」考え
方というのが無難な線、という感じでしたが、僕としてはこれに疑問を投げ掛け
ておきたかったわけです、ここで落ち着いてしまっていいのかなって。
「自然発火の原因に、砂漠化があるのではないか」という発言を読んでしまうと、
この「保護区別対処」も、「プリザベーション原則」(勝手に単語造ってしまう)
も、なんかヤバそうな気がするんですが、どうでしょう。
 つまり、地球規模の人為的バイオスフェア破壊が進行する中、もう、先の原則は
通用しないんじゃないか、ってことです。環境保護が常に後手後手と回っていちゃ
あ、ただの悪循環でしかないような。
 ICSU(国際学術連合会議)によるIGBP(国際ジオスフェア・バイオスフ
ェア計画)で、今後、バイオスフェアと周辺環境の相互作用観測、研究が進められ
ていくそうですが、僕としては「がんばってほしいな」と思うと同時に、これに対
してさえ「ちょっち違うような…」と考えてしまうのです。

 中部ヨーロッパに現在多く残されている自然林は、200年に及ぶ人間の手によ
って復元、存在しているのだ、と聞いたことがあります。僕個人としては、それは
非常に悲しい現実ですが、「プリザベーション原則」はすでに理想でしかなく、現
実問題で語る場合には、その短所(つまり親に責任をまかせる子供の視点)による
リスクが大きすぎる気がするのです。
 言ってみれば、人間は植物に寄生しているケチな寄生生物でしかない。ならば一
蓮托生、寄生生物の「視点」で被寄生生物をなんとか生き永らえさせるべく対処す
べきじゃないでしょうか。「子供」の視点でも「管理者」の視点でも、もうおっつ
かないところに来ていると思います。

 部外者の遠吠え的な発言になってしまいましたが、この視点の問題も、常に
考えるべき重要かつ微妙な問題だと思います。

#0014 sci3395  8906020419

あちゃー、記名忘れてもうた。前の関連発言はあちきでありんす。
それと、なんか読みづらい文章になってしまってごめんなさい。
所詮アニメ誌のライターなぞ、とか思われると、同業者からうらまれそう
で怖いナ。単に私が未熟ものなんです。だいたい入稿の修羅場真只中で、
こんなことしてていいんだろうか? いや、私には地球防衛軍としての
使命があるのだ。とへんしゅうちょに言ってみよ。
                                                        MUTA

#0015 sci1060  8906032354

>MUTA閣下
 なーるほど、
 自然保護が、破壊の後追いでいいのかってえのは、重要な観点でしょうねえ。

 とうの昔に滅びたマングローブ林の再生なんてえのも、この先どりでしょう
しね。

 また、「雑木林を守る」なんてえのも、かんぜんにコンサベーションですしね。

 そういった破壊への対抗策としての自然管理ってのもたしかに必要だと
思います。しかし現実にはその作業に当たる行政府なり事業者に都合の良い
自然が作られてしまう可能性も高いと思います。
 特に近年、環境保護の技術の向上と共に、環境保護が産業として成立しう
る可能性が出てきたようです。そうなると産業の論理から「より利益になる
環境保護」観に基づく、自然管理なんてえのも現れかねないのではないで
しょうか?

 こうなると、良いコンサベーションは良くて、悪いコンサベーションは
悪いという、論理の行き詰まりになってしまいそうづすね(こんなことで
行き詰まるのは私ぐらいなものだろうか?)

 以上のようなことから、一応私は、「原則としては現状を守り、不必要な
改変は行わず、どうしても破壊への対抗策として必要な場合に管理を強める」
ってな玉虫色の考えなんですが、どこで必要と考えるかの現場の原則と
言うものがこれ、考えつかんのですね。

 まあ、まとまりませぬが、こまったもんだの阿波六吉でした。

#0016 sci3395  8906040454

うーん、さすがは議長閣下。鋭いところを突いてくださる。
そこを突かれると、とっさには相槌のゴタクしか浮かんでこない
わけだったりする、あちきでありんす。

「営利目的の環境保護」つうのは、もうすでに「なりかねない」の
レベルじゃなかったりするものね、実際。

その例としてあげるわけじゃないけど、
以前、ゴルフがいかに良いかを説明しようとした人が、
「自然に親しむスポーツ」と言ったのを聞いて、ハラワタ煮えくりかえっちゃった
事があったな。僕の故郷は、やたらゴルフ場の多いところで、その建設過程を
何度も見てたから。前に遊んだことのある林が(まあそこだって営林所の管轄
だけど)、ブルドーザーでガリガリ削られて……。あれ以来、ゴルフバッグを
みると、野生の血が目覚め、シャツが筋肉でビリビリと破けバミューダジーンズ
から緑の肌がががが、ガォォォォォーッ

話が彗星軌道並に逸れちゃった。ごめんなさい。
要は結果的に環境保護になればいいわけなんだけど、なにをして「保護」と
いうか、どういうのを「自然」と呼ぶかっていう判断基準と、もうひとつ
判断を委ねるべき位置(対象、人、機関、価値観、思想)が、あまりに具体化
しにくい。(あ、これって2つに分けるのもんだいあったかな?)

…………もちょっと、考える時間さくだせい。
どうも、会議というより個人面接風になってきたな。
あ、そうか。防衛軍って面接があったんだ? ナイナイ

                オンライン MUTA

#0017 sci1009  8910061437

似た話題ですが・・

最近の記事で、
鳥取砂丘にマツが生えてきて砂丘がなくなってしまうかもしれないとか。
これはほっといたほうがいいんでしょうか?
   かの

#0018 kimot    8910070033

記事をちょろりと読んだ限りでは、たしか人為的な
原因によるもの、ということにされていました。
自然遷移とは異なるものである、ということを仮に
出発点にすると、原因となっている防風林(でした
っけ?)の配置とか、防災上の視点などとのトレー
ド・オフになってくるのではないかと思います。

                木元・拝

#0019 sci1009  8910091552

だけどなんとか地域で草木一本ぬいちゃだめってあったようなきがするんですが・・
(なんといい加減なレスだ)
   狩野(かの)

#0020 kimot    8910091854

たしか環境庁はそういう意向だったような...
(なんとまたいい加減なRESぢゃっ) キモト・拝

#0021 sci3487  9103070509

 「ファイアーエコロジー」という本を読みました。
 山林火災について、生態学という観点から幅広く論じていて、興味深いものでした。
 次の書き込みで、この本をご紹介したいと思います。また、目次も転載いたしますの
で、どうかご参考までに。(目次を含めて66行あります。)
                                    NH3


#0022 sci3487  9103070510

「ファイアーエコロジー」  飯泉 茂 編  東海大学出版会 刊  税込\3,090

第1章 山火事の時代
 1−1 世界の山火事
 1−2 日本の山火事

第2章 火と林野
 2−1 人と火のかかわり
 2−2 火耕、焼畑、切替畑
 2−3 山火事の歴史と現況
 2−4 林野火災の研究−−−日本の場合

第3章 林野火災の発生と拡大
 3−1 頻発する林野火災
 3−2 火災発生の地表条件
 3−3 林野火災の同時多発と気象条件
 3−4 1983年4月27日の異常気象
 3−5 時系列としての気象条件
 3−6 延焼域の拡大
 3−7 火止まり線付近の地形条件と局地気象
 3−8 延焼域の拡大機構
 3−9 ススキ草地における火入れ実験

第4章 火と植物−−−種の反応
 4−1 火に対する耐性
 4−2 栄養的再生
 4−3 火事後の開花
 4−4 火による樹上の果実の裂開
 4−5 埋土種子の発芽
 4−6 種子の飛来
 4−7 火に対する反応から見た種の類型

第5章 火と植物群落−−−再生と遷移
 5−1 植物群落と山火事
 5−2 植物群落の燃焼性
 5−3 植生再生の過程
 5−4 プレーリー
 5−5 ピニョン−ジュニパー
 5−6 ポンデローサイパン林
 5−7 ジャックパイン林
 5−8 北米タイガ
 5−9 マキーとガリグ
 5−10 チャパラル
 5−11 南アフリカのフィンボス
 5−12 オーストラリアのヒース
 5−13 オーストラリアの常緑広葉樹林
 5−14 熱帯雨林

第6章 山火事と自然界
 6−1 哺乳類・鳥類への影響
 6−2 昆虫・土壌動物への影響
 6−3 土壌への影響
 6−4 水収支・物質循環の変化
 6−5 微気候の変化

第7章 山火事の災害と対策
 7−1 被害
 7−2 災害の構造
 7−3 二次災害
 7−4 防災

用語解説

引用文献

用語索引

                                    NH3