nat00028 通信>兄を救おう!小笠原通信

#0000 sci1060  8904052251

 小生のところで手にはいる小笠原兄島空港関係の資料やちらしの
類を、ここに出来るだけupしたいと思います。

  小笠原コーナーは「会議>」としてはありますが、ここにupする
ような長いのを入れると話の腰を折りそうなので、「通信>」として
改めて開設させてください。
                       阿波六吉

#0001 sci1060  8904052253

                           兄島空港問題の経過

 1968年6月26日小笠原諸島は日本に返還されました。当初から飛行場建
設への住民の要望は強く、候補地としては兄島が有力視されてきましたが、建設
に莫大な費用がかかるということで、実現せずにきました。
 1988年6月26日に行われた「返還20周年記念式典」のために来島した
鈴木東京都知事は、祝辞の中で飛行場建設に取り組む方針を明らかにし、記者会
見で候補地として「兄島が適当と思う」と発言しました。公の席で兄島という具
体的な名前が出たのはこれが初めてです。私たちはいよいよ兄島空港案が動き出
すかも知れないと危機感をいだきました。
 その後年内にも候補地が決定されるかも知れないとの情報を得て、私たちは何
等かの意志表示をすべきであると考え、「要請書」を作成し関係各方面に配布す
ることにしました。内容は兄島の自然の貴重さに鑑み、兄島以外の地に建設地を
求めること、建設地決定以前に自然環境調査を実施し公開すること、小笠原村基
本目標である「海と太陽と緑を友とした村」にふさわしいものとなるよう配慮す
ることを要請したものです。1988年12月5日に従来から小笠原の生物を研
究してきた6名が連名のかたちで、小笠原村・東京都・国の関係各機関やマスコ
ミ関係などの約120カ所に宛ててこれを発送しました(第一次要請書)。
  ついで、小笠原と多少とも関係のありそうな全国の研究者を中心に要請書への
賛同を募る依頼書を配布し、指定した期日までに207名から賛同の返事があり
ました。依頼された人が自発的に輪を広げて下さった場合が多くあったので、こ
の数は依頼数を上回っています。1989年1月20日付でこれらの人の連名に
よる第二次要請書を第一次の時と同様の箇所に送付しました。
 こうした意志表示にもかかわらず、1月30日の「小笠原空港問題検討調査会」
(国・都・全日空からなる非公式の会)にて、空港建設予定地を兄島とし、18
00m規模の滑走路をつくって中型ジェット機(B737クラス)を就航させる
という内容を盛り込んだ報告書が決議されました。同時に来年度予算の知事原案
の中に兄島空港の基本計画策定のための予算が計上されたとの報道がありました。
 そこで、次なる意志表示として東京都知事宛てに「質問書」を出すことにしま
した。兄島の自然環境の評価について、候補地の評価・選定の方法について、小
笠原の将来像についての3つの観点からあわせて18項目の質問をつくり、2月
18日付で都知事宛てに郵送しました。あわせて2月20日に代表が都庁に出向
き、総務局地域振興課の課長にこれを手渡すとともに、回答を要請しました。(
先方は回答の約束をしましたが、まだ受け取っていません。)
 先の報告書を受けて東京都は2月21日に開かれた「多摩島しょ新興推進本部
会議」で都として正式に兄島空港案(兄島・1800m滑走路・中型ジェット機
・父島との連絡方法は未定)を決定し、いよいよ実現に向けて歩みだしました。
来年末ぐらいまでに運輸省の認可を得て、1991年度から始まる国の第6次空
港整備5か年計画に載せることによって、2000年までには一番機を飛ばした
いということです。
 現在東京都議会が開催されていますが、都教組出身の社会党都議に以来して、
3月9日の本会議で空港建設問題についての質問をしていただきました。あわせ
て文書質問の提出と関連資料の請求を行っていただく予定です。
 これまでの経過は以上のようですが、この間、私たちの運動は毎日新聞、朝日
新聞などで報道されたほか、下記の雑誌でも取り上げられています。

   「アニマ」  1989年2月号  p5     平凡社
   「ダイバー」 1989年2月号  p130   サン・エイティー社
   「科学朝日」 1989年4月号  p10−13 朝日新聞社
   「グリーンパワー」 1989年5月号 (予定) 森林文化協会

#0002 sci1060  8904052255

「小笠原自然研究会」結成の趣意

 小笠原諸島は亜熱帯域に属する大洋島であり、その貴重性に鑑み高度の保護措
置を必要とする地域のひとつであります。本諸島は、戦前、一部の島しょを除く
と、その大部分が開発・利用対象地とされた歴史をもち、1968年の復帰以降、新
たな開発進行にさらされ、再び損傷の度を深めつつあります。
 この事態に対し、本会は、小笠原諸島に関する各分野の研究・調査を推進し、
知見を普及するとともに、本諸島の自然環境の保全に寄与することを目的として
結成された組織であります。
 本諸島の自然保護上のさしせまった最大の課題は父島列島兄島への「小笠原空
港(都営第三種空港)」建設問題であります。兄島は、本諸島を代表する自然の
ひとつとして学術的に貴重であるばかりでなく、世界的にも希少性を有する地域
であります。「同空港」の兄島への建設問題については、1988年12月以来関係各
方面に対して、要請書・質問書を提出するなど、有志による一連の運動が行われ
てきました。
 本会は、これらの運動を引継ぎ、運動の進め方への提言・情報収集を通じての
援助・財政的な支援の裾野を広げ、兄島の保護の実現を目指します。また、広く
小笠原諸島の自然環境問題についての研究・討論・情報公開・知識普及をはかっ
ていきます。

 <基本方針>
会の基本方針を次のように定めます。
1.小笠原諸島の自然環境についての調査・研究ならびに知識の普及、啓蒙活動
  を行います。ただし、「自然環境」の言葉を人間をも含めた広い意味に解釈
  し人文科学・社会科学の分野の研究も含めます。
2.兄島空港建設に反対し、関係各機関への働きかけを行います。また、兄島保
  護の世論を盛り上げます。ただし、小笠原における空港建設そのものを否定
  するものではありません。兄島以外の代替地で自然破壊のより少ない適正規
  模の飛行場建設、あるいは、飛行船・高速艇等の飛行機以外の高速輸送手段
  の真剣な検討を求めます。
3.本会の活動を推進していく上で、小笠原村民の運動との連携をはかります。
4.会の性格を「研究者グループ」と位置づけ、いわゆる住民運動組織や政治団
  体とは一線を画します。
                      1989年3月14日
                          会長: 加崎英男
                      事務局世話人: 清水善和
                              船越真樹
                              安井隆弥

#0003 sci1060  8904052256

           小笠原自然研究会 会則

1. (名称)本会は「小笠原自然環境研究会」と称します。
2. (目的)本会は、結成の趣意の実現を目的とします。
3. (活動)本会は、目的を達成するために「基本方針」に定めた活動を行
       います。その遂行に当たっては、事務局が責任を持ってこれを
       行います。会員にはニュースレター(不定期発行)を通じて活
       動報告を行います。必要に応じて、会員の意見聴取や協力の呼
       掛けを行います。また、「基本方針」の変更にかかわる場合は
       会員の賛否をとります。
4. (会員)本会の趣意に賛同し、会則を承認された方は職業的研究者に限
       らずどなたでも会員になることが出来ます。
5. (会費)本会の会費は年額1000円とします。なお、カンパも歓迎し
       ます。
6. (財政)本会の財政は、会費と寄付金によって賄います。会計報告は年1
       回行います。
7. (役員)本会は次の役員を置きます。
         会長     1名
         事務局世話人 若干名
         事務局員   若干名
       事務局は東京と小笠原にそれぞれ設けます。

(付則)

1.本会の趣意と活動に対する社会的制約を考慮し、会員名は公表せず、会員への名簿送付も行いません。なお、会員数は公表します。
2.本会への連絡先は、当面下記の場所とします。

                  〒154 東京都世田谷区駒沢1-23-1
                                  駒沢大学文学部自然科学教室
                           清水善和 気付
                       小笠原自然環境研究会

                         TEL 03-418-9331
                         FAX 03-418-9126

#0004 sci1060  8904052259

     小笠原自然環境研究会の入会申し込み書です。

                       1989年3月
拝啓
 各位から桜の便りが聞かれるようになりましたが皆様いかがお過ごしでし
ょうか。
 さて、このほど小笠原自然環境研究会が新たに発足致しましたのでご案内
申し上げます。
 日本は豊かな自然に恵まれ、我々は古くからその恩恵に預かってきました。
しかしながら、多くの貴重な自然が開発により失われてきており、現在でも、
石垣島の白保の空港問題に代表されるように大規模な自然破壊をともなう計
画が数多く進行しつつあります。
 小笠原諸島は亜熱帯域の大洋島であり、豊かでかつ学術上貴重な自然が現
存しています。特に、兄島は過去にほとんど人為の影響を受けておらず、自
然度が極めて高い状態に保たれています。そのため、兄島には他の島では絶
滅したか、あるいは極めてまれにしか見かけられないような小笠原固有の動
植物が数多く生存しているのが確認されています。
 現在、この兄島に滑走路長1800mの空港の建設の計画が行なわれてお
り、兄島の自然は危機にひんしています。もし、東京都の計画通りに兄島に
空港が建設されれば、広い面積にわたって植生が破壊され、固有の動植物が
絶滅させられるなど小笠原の自然にとって測り知れない影響があると考えら
れます。
 本会は、このような事態に対し、小笠原諸島の自然環境の研究、調査を推
進し、知見の普及をはかると共に、本諸島の自然環境の保全に寄与すること
を目的として結成されました。
 小笠原の自然に興味をお持ちで、本会の結成の趣意にご賛同いただける方
はぜひとも本小笠原自然環境研究会にご入会下さるようお願い申し上げます。

                              敬具

                小笠原自然環境研究会会長 加崎 英男
                      事務局世話人 清水 善和
                        同    船越 真樹
                                                同        安井 隆弥

 ご入会ご希望の方は下の入会申し込み書にご記入の上、下記の住所までご
返送下さい。
                  〒154 東京都世田谷区駒沢1-23-1
                                  駒沢大学文学部自然科学教室
                           清水善和 気付
                       小笠原自然環境研究会

                         TEL 03-418-9331
                         FAX 03-418-9126
                       振替口座 東京3-409156

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        小笠原自然環境研究会入会申込書

フリガナ
氏名 _____________
所属 __________________________
住所   ________________________
(勤務先)________________________
TEL ____________

現住所  ________________________
(自宅) ________________________
TEL  ____________

ニュースレター送付先(丸で囲んで下さい)  勤務先  自宅

もしご専門の研究分野がありましたらご記入下さい。__________

その他会に対するご希望、ご意見をご自由にお書きください。


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                     ここまでのUP転載責任阿波六吉

#0005 sci1260  8904060419

ちなみに、前記「研究会」の年会費は1000円。むろん、カンパ
は大歓迎だそうです。また、仕事のシガラミ浮世のギリで、勤務先
を伏せたいとかいう人は、そのむねを入会の際にいうか、あるいは
シレッとして、入会時に自分の所属をかかずにおけばよいそうです。

      <<<地球防衛軍布告>>>
小笠原自然環境研究会の、まことに喜ばしい発足の報に接し、地球
防衛軍は、ここにおごそかに、ひとりでも多くの人が、たとえ専門
外でもいいからクビを突っ込まれむことを希望するものであるッ。

       地球防衛軍最低会議ぎちょ ムカシトカゲ

#0006 sci1260  8904222217

ところで、「アニマ」の最近号で、この会の紹介が出たとか..
どなたか、読んだ方、いらっさいます?
                   ムカシトカゲ

#0007 sci1060  8907150315

小笠原兄島空港を巡る動きがまた活発化してきました。

 以下は転載です。

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#4126/4126 搭乗ラウンジ
★タイトル (DAB24830)  89/ 7/14  11: 6  ( 46)
小笠原問題の近況/長瀬<FSHIMIN
★内容
=====================================
−会議室 3  見張塔からずっと (環境・自然保護)

391/396   PFH00673  長瀬総一          小笠原問題の近況
( 3)   89/07/08 10:36

 最近、新聞・TVでもしばらくご無沙汰している小笠原の空港問題ですが、なにやら
また動きがありそうな情報が入ってきました。
 聞くところによると、今年度から東京都環境保全局が中心になって「小笠原の生物調
査」の名目で環境調査が行なわれようとしているそうです。これが兄島空港の問題に絡
んでいることは言うまでもありません。
 ただ、これが数々の「兄島空港建設反対要望書」の力に押されたものなのか、それと
も早く決着をつけたい東京都・全日空・西武・・・・が「アセスメントはやったぞ!」と
う既成事実を欲して起こす行動なのかは解りません。しかし、「都立大学」という小笠
原研究では世界のトップレベルにある研究機関を抱えていながら、そこに調査を依頼し
ないところをみると、やっぱり胡散臭さを感じますよねえ、みなさん(ご承知の通り都
立大学理学部の教官たちは、兄島空港には大声で反対していますから)。まあ、いずれ
にせよ、兄島問題も第2ラウンドへ移行しようとしていることは確かでしょう。
 もっとも今回の都議選で自民党が大敗したこともあり、今までのような強引な空港建
設路線に何らかの影響がでることも考えられます。議会での野党の活躍に期待したいも
のです。
 みなさんも監視の目を緩めず、しっかりと見守って行きましょう。お願いします。
 また、くわしい情報が入りましたら(入らなかったらごめんなさい)お知らせします

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

393/396   PFH00673  長瀬総一          小笠原情報、追加
( 3)   89/07/11 21:13

 ええ、#390の小笠原の調査の事ですが、関係者に聞いたところ、東京都は既
に一度都立大に調査を依頼して、見事に蹴られていたそうです。蹴られた理由
はいろいろありますが、やはり調査期間の短さでしょう。都側の条件は、「調
査期間は今年の10月から再来年の3月まで1年半、年2〜3回程度」、これに
対して都立大側は「そんなんでできるわけねーだろ!」と怒ったそうです。ま
あ、当然でしょう。しかし、都立大ですら蹴ったこの仕事を今度は(さらに調
査能力の低い)民間会社に回すとは、ふむ、役人の頭の中って一度覗いてみた
いものです。
 それともうひとつ、先日の第3次要請書に対する都側の反応は、
「まあ、学者のみなさんはどうぞご自由に騒いでください。私ども行政は行政
  で別に行動しますから。」
 ただでさえ、湿度が高くて不愉快なのに・・・・。

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               転載 : DAB24830 スピンネイカー
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                 再転載 : 阿波六吉

#0008 sci1060  8907150329

 動きだしましたねえ!小笠原!

 第3次要請諸提出後の動きが、小笠原自然環境研究会の機関誌「BONIN
通信」に出ているのを拾ってご紹介します。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ・兄島への視察が頻繁に行われている。国土庁、運輸省の役人に民間も加わ
っている。この案内の道作りのためか船着場から建設予定地までの低木林内に
赤テープが張られ、所によりかなりの伐開がなされた。

 ・兄島の空港予定地付近にカメラと風速計が設置され定期的な観測がなされ
ている。父島方面の雲霧の発生について観察を行っている。

 ・滝の浦に調査のための仮設桟橋を作る動きがある。

 ・土地の取引が急増し、値上がりがすごいらしい。大村で坪100万円との
こと。

 ・研究調査へのいやがらせが出始めた。小笠原海洋センターが兄島の珊瑚礁
を調査することになったが、漁協(組合長が原案推進派の実力者)の反対で実
施できず。千葉県立博物館による潮間帯生物の調査も漁協の協力拒否にあった
がこれは実施される。「要請書」連名者には国有林への入山許可を出すなとの
声もあるとか(実際に拒否された例はまだない)。

 ・小笠原商工会や海洋センターの若手有志が発起人になり「小笠原空港問題
を考える懇談会」が発足した。5月20日に第一会、25日に第二会の会合が
もたれ、活発な意見交換がなされた。空港建設に批判的な意見もかなり出た模
様である。今後は独自の資料集めや調査を行って議論を深めていくとのこと。
とにかく村の中にオープンな議論ができる場ができたことは当会(小笠原自然
環境研究会:阿波注)としても歓迎すべきことである。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−以上、BONIN通信より抜粋

 また、1988年に小笠原村がコンサルタント会社に委託して作ったリゾー
ト開発計画では、兄島内をリゾート施設ゾーン、リクリエーションゾーンなど
のいくつかのゾーンに分け、ホテル、テニスコート、マリーナ、プール、そし
て極め付けはお馴染みのゴルフ場(9ホール)が計画されているのだそうです。

 小笠原まで来てゴルフなんかするんじゃない!

 あんな小さな島にこんだけ作りきれるのかと首をひねりたくなります。まっ
たく!

 ちなみに、要請書は、第1次、第2次、第3次のがそれぞれ6人、207人、
376人、合計589人でした。
                        阿波六吉

#0009 sci1060  8907210318

 小笠原情報の追加です。またもpc−vanからの転載です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
#4145/4154 搭乗ラウンジ
★タイトル (DAB24830)  89/ 7/18  11:19  ( 55)
TO4126小笠原>訂正/長瀬総一<FSHIMIN
★内容
 長瀬さんからの小笠原情報、第二弾です。

=====================================
−会議室 3  見張塔からずっと (環境・自然保護)

397/397   PFH00673  長瀬総一          おわびと訂正
( 3)   89/07/15 19:04

  #393での私の発言に間違いがありましたので、訂正をさせていただくと同時
に深くわびを申し上げます。
 「小笠原の自然環境調査について、都立大が調査を断わった」と書きましたが、
これは私の確認違いで、別件の調査の事でした。別のルートから詳しく聞きました
ところ、ことの経緯は実は以下のようです。

 昨年11月頃、東京都の某局より「1年間で兄島の鳥類について調査するように」
と都立大の小笠原委員会に要請がありまして、まあ、調査の人選の方はいろいろと
あったようですが、何とか調査をするような形にまで事は進んだそうです。ところ
が、12月になって、突然都側は「翌年3月末までに報告書を提出するように」と通
告してきたそうです。そのため、都立大側は「たった3カ月ではとても調査できな
い」と断わったそうです。その後、この鳥類調査はある民間会社が引き受けたそう
ですが、その報告書は入手できておりません。
 この兄島の鳥類調査は、当時環境庁が都に対し「鳥類」について盛んにつついた
ことによるものだと言われております。これは同島が鳥獣保護区に指定されている
ためだそうです(もちろん、この保護区の指定解除は簡単ですが)。

 ところで、#390で私が発言した「小笠原諸島の自然環境調査」については、
これとは別に、環境庁が石垣島の事に懲りて、都に対して「すべての空港候補地に
ついて基礎調査をするように」と指示した事によるものだそうです。これについて
も最初は鳥類のみの内容だったようですが、反対派等からの資料送によってか、最
終的に全項目にわたっての調査を指示する事となったそうです。ただし、これは権
限の問題もあってか「口頭」で行なわれたといいます。
 この調査はいわゆるアセスメントのさらに前の段階の調査であり、これで少しで
も今後の足がかり(例えば、さらに詳細な調査が必要である、等の結論)を造れれ
ば、環境庁としても立場上黙っている訳にもいかなくなるでしょう。

 現在地元小笠原でも、都の原案に対して慎重論を唱えることができる状況になっ
てきており、また、現職(6月に再選した)村長の安藤氏も「村民だより」(7月
1日発行)の中で「私の村づくりの基本は、小笠原の豊かな自然を損なわない開発」
「小笠原を訪れる人々にとっても、世界的に貴重な自然こそが大きな魅力となって
います」「空港の建設、リゾート地としての整備などを推進するについて、安易な
方法に頼る事無く、未来を見据えた策を樹立していく姿勢を失わない事が肝要です」
と述べています。もとより、この空港問題は、第1には小笠原の人々の生活問題で
すから、その人々が賛成にしろ、反対にしろ声を出して考えを出し合うのは言い事
だと思います。

 少しづつ状況が変化しつつある小笠原、いい方向へ向かうよう努力して行きたい
と思います。

 以上、取り急ぎ、おわびと訂正まで。
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               転載 : DAB24830 スピンネイカー

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                          再転載 阿波六吉

#0010 sci1060  9003050230

 しばらく掲載をさぼっていた小笠原情報にござるが、昨年の夏の事態の進行の
報告にござる。

最近の動き(小笠原自然環境研究会誌・BONIN通信より)

7月9日:小笠原固有種観察会実施。主催−むらおこし事業実行委員会環境保全
        小委員会。協力−みどりの推進委員ムニン会。参加者40名が兄島の植
        生を観察。大変好評だったとのこと。兄島の自然に対する関心が小笠原
        村民の間でも高まり始めた様子。

8月7日:東京都より同会の「質問書」に対して回答が寄せられる。それによる
        と以下のようなことが分かったとのこと。
    @小笠原の固有の自然については空港建設とは切り放して総合的に自然
        環境調査を実施する。
    @小笠原の将来像についてはマリンリゾート開発を中心に進めていき、
        たとえリゾート法による指定を受けられなくてもできるところから開発
        計画に取り入れていく。

8月24日:日本生態学会第36回大会において、「小笠原兄島空港建設計画に
        関する要望書」が決議される。

        なお、上記の自然環境現況調査は東京都立大学が請け負うことになった
        そうで、1989年10月から父島、母島、兄島、弟島の4島の陸海の
        動植物についての総合的な調査が行われているはずにござる。来年度に
        兄島の空港予定地に限定した環境アセスメントも始まる予定でござるが、
        これとは全く独立した調査であると説明されているとのこと。兄島は現
        在国立公園の普通地域に編入されているため、候補地選定の段階で自然
        の価値が低く評価された可能性が高うござるが、今回の環境調査で当会
        の主張するような事実が公けにされれば、候補地見直しもありうるので
        はないかと考えられるとのこと。
                          以上阿波六吉要約

#0011 sci1060  9011220227

 小笠原空港の周辺、動きも活発化してまいり申した。
 最近の動きを以下にお知らせ申す。
                           阿波六吉
*************************************

小笠原自然環境研究会ニュースレター
1990 年11月20日発行分より転載

最近の動き

 (1)  5月16日、  村の外郭団体として 「小笠原航空路早期開設促進協議会」
(会長  打込政男氏、 商工会内に事務局) が開設された。 第6次空港整備5か年
計画へ採択に向けて、 村民からの意志表示が必要であると、 都の方から強い要請
を受けての結成であると言われている。  初めはあらゆる  「長」 と名の付く役職
(学校長を含む)  の人たちを役職名のまま発起人に連ねた設立案を出したが、 各
機関の了承を得ていないと批判されこれを変更すると言ういきさつもあったよう
に、 推進派がかなり強引に作り上げた感じが強い。 この委員会が空港路早期開設
のための署名集めを行い村民だよりNo. 283によると、 村内958名、 村外
2531名の署名が集まり、 国、 自民党、 都の関係各機関に提出されたと言うこ
とである。  しかし、 各自治会長を通じてかなり強引な署名集めがなされ、 また、
支庁や村役場の役人にとってはこれが空港賛成・反対の踏み絵とされるなど、 厚
め方にかなりの批判が出ている。 また、 巧妙にも請願の文書には 「兄島」 の固有
名詞がなく単に航空路動機開設とあったので、 兄島には反対だが、 飛行場は必要
であると考える人に取っては断わりがたい状況であったという。

 (2)  4月には村長が自民党の小沢幹事長に会って空港促進の陳情をし、 明る
い感触をつかんだらしいとの情報を得た。 6月15日、 二階運輸政務時間が兄島
を視察し、 積極的な発言が目だったと言う。 8月には国土庁長官の来島も予定さ
れていたが、 たまたま台風のために中止になった。 推進派と自民党上層部とのつ
ながりができ、 自民党筋の動きが活発化してきたように感じられる。

 (3)  「SEA  WIND」  (Bulletin  of  the International Marinelife
Alloance)  という雑誌 (Vol.4(2),p31-32) に小笠原空港問題の紹介記事が載っ
た。

 (4)  6月17日、 小笠原ムニン会主催の兄島自然観察会が催された。 空から
の視察のために滑走路予定地の端に白い布の目印が付けられていたという。

 (5)  雑誌 「朝日ジャーナル」 の6月22日号環境新聞欄に町田市玉川学園中
学生によるアンケート調査 (89年7月現地で実施) の紹介記事が載った。 兄島
空港案への言及がなく、 8割近い人が空港建設に賛成との結果のみが読後感とし
て残るような印象を受けたので、 清水 (阿波注:小笠原自然環境研究会事務局の
方)  「小笠原区考案を批判する」 という題の投書を行い、 7月6日号に掲載され
た。 さらに、 この投書を受ける形で、 7月27日号では島民 (匿名) による 「空
港建設のゴリ押し」 という題の投書が載り、 表面には出にくい村の内情が述べら
れていた  (空港問題を匿名でしか批判できない状況があった)。  その後、  8月
10日号の環境新聞欄で杉岡碩夫独協大学教授による記事 「東京都の机上プラン
としても小笠原空港案は破綻している−村民には配られない商工会の経済影響調
査報告書」 が出た。 この報告書は村が委託した 「航空路開設に伴う経済影響調査
委員会」  (村の商工会と観光協会のメンバーが中心となり杉岡教授が学識経験者
として村外から参加) が一月に行った与論島のリゾート施設視察の結果を杉岡教
授が中心になってまとめたものである  (資料1に要旨を掲載)。 初め、 5月下旬
に刊行される予定であったが、 ゲラ刷りの段階で内容が兄島空港案に批判的なも
のであることがわかると、 土壇場になって推進派はこの公表を押さえてしまった。
そのため、 現時点 (10月下旬) でもこの報告書は委託元の村にさえ提出されて
いない。 朝日ジャーナルの記事はこの内容を暴露したものである。 また、 この報
告書には 「与論島事例研究報告書」 として視察に参加した島民各委員の感想・意
見が述べられている文書 (大手資本による開発に危惧を表明するもの、 村の主体
性を強調するものなど納得できる意見が多い) が添付されていたが、 これは存在
自体が消されてしまう可能性が高い (報告書本体の版権は杉岡教授にあるが、 こ
ちらの版権はないため)。

 (6)  上記経済アセスに対抗するためか、 推進派の村議3人が7月に宮古島に
行政視察に出かけた。

 (7)  ホテルニュージャパンの横井秀樹氏が媒島 (なこうどじま) の土地2万
坪を購入したとの話が伝えれられた。 父島の扇浦ではヤマト運輸資本による土地
造成が行われている。 社員の厚生施設としてログハウスをつくるとのこと。

 (8)  7月12日、 本会発行の絵はがき 「兄島−固有種の保存庫」 を発売開始
した。 70万円で4200セット印刷したもの。 新聞・雑誌に紹介を依頼したと
ころ下記のようにいくつかのところで取り上げてくれた。 特に朝日新聞全国版で
紹介されたことの反響は大きく、 しばらくの間注文が殺到した。 また、 ある会社
からは200セットの大口注文も入り、 何とか投資資金 (事務局員のボーナス借
金) は回収できそうなところまできている。 かしまだまだ在庫があるので、 会員
の皆さんのご協力をお願いしたい。 また、 絵はがきがきっかけになって、 ミニコ
ミ誌や新たな雑誌・新聞社からの問い合わせもあり、 多少運動の幅が広がったよ
うな感じがしている。
 赤旗新聞  (7/19)/朝日新聞 (7/31)/ 「グリーンパワー」 9月号/ 「アニマ」
9月号/  「地理」  9月号/ 「サリダ」 10月5日号/ 「野鳥」 9月10日号/
「科学朝日」 11月号

 (8)  (ママ)7月24日、 航空審議会の委員長豊田英二氏あてに 「小笠原空港予
定地兄島の自然保護に関する要望書」  (資料2) を送付した。 あわせて、 従来か
ら要請書などの写しを送っている関係各機関約120箇所にも通知の手紙を出し
た。
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                続く

#0012 sci1060  9011220232

小笠原兄島空港問題の最近の動きの続きにござる。
 御感想などは、#16の「会議>兄危篤 すぐ帰れ<小笠原」はどうぞ。

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 (9)  8月24日、 航空審議会で審議されている第6次空港整備5か年計画の
中間報告が出された。  5年間の総投資額は3兆200億円  (前回の67%増)、
三大プロジェクト (成田、 羽田沖、 関西新空港) にその約3分の2を当てるとの
大枠が示された。 その他、 関西新空港の二期計画の着手、 中部新空港の調査、 首
都圏第三空港の必要性などが盛り込まれているが、 地方空港についてはこの段階
で具体的な内容は示されなかった。 事務局としては中間報告で兄島の名前が出る
のではないかと心配していたが、 先送りとなった。 地方空港の採否は年末、 年初
あたりに行われるらしい。

 (10) 8月4日、 「’90全国自然保護学生交流会」 が東大駒場キャンパスに
て開催され、 事務局員が3名参加した。 午前中 「小笠原兄島空港計画から自然を
考える」 という分科会でスライド映写と問題点の説明をし、 午後は長野オリンピ
ック問題の分科会と合流して、 自由な意見交換を行った。

 (11)  8月27日、 横浜にて開催された国際生態学会 (INTECOL) の
シンポジウム 「Vegetation Ecology of the Pacific Island」 の中で清水が空港
問題に触れた。 最後に議長がこの問題を取り上げ、 空港建設見直しをシンポジウ
ム参加者の総意と言うことでまとめてくれた。 この学会ではポスターセッション
の場で上手なアピールをした自然保護団体もあり、 本会では準備不足で取り組め
なかったのが悔やまれるが、 次の機会への参考になった。

 (12)  東京都が都知事の諮問機関 「小笠原諸島21世紀ビジョン懇談会」 を
設置し、 8月15日に一回目の会合が持たれて、 会長に元環境庁長官梶木又三氏
が選出された。

 (13)  前期懇談会に対して、 10月2日付で 「小笠原空港建設予定地兄島の
自然保護と懇談会運営に関する要望書」 を発送した。 今回は18人の委員全員に
フルセットの資料と要望書コピーを個別に送り、 委員の理解を期待した。 あわせ
て、 関係各機関約120箇所にも通知を出した。

 (14)  9月14日、 小笠原海洋センターがWWFJの助成を受けて実施した
造礁サンゴの調査報告書 「小笠原諸島に分布する造礁サンゴの調査」 が発表され
た。 父島列島周辺の調査で119種 (うち10種が新確認) が認められ、 沖縄に
劣らぬサンゴの宝庫であることが明らかにされた。 また、 沖縄で猛威を振るった
オニヒトデは一個体発見されただけであり、 きわめて健全な状態に保たれている
ことが分かった。

 (15)  10月15日、 朝日新聞朝刊の 「論壇」 に加崎英男会長の主張 「小笠
原空港建設は兄島以外で−原生状態で残る動植物絶滅の恐れ」 が掲載された。

 (16) 雑誌 「遺伝」 10月号に清水が執筆。 「小笠原の絶滅危惧植物」

 (17) 雑誌 「自然保護」 11月号に清水が執筆。 「小笠原兄島の自然と空港開
発」

 (18)  雑誌 「九州の貝」 第35号 (1990年) に冨山清升 「小笠原諸島兄
島の空港建設計画と予測される固有陸産貝類の絶滅 その2」

 (19)  社会党・都民会議より 「平成3年度予算要望ヒアリング」 の案内がき
たので、 10月23日、 事務局代表が都庁に資料を持って出かけ、 問題点と現状
の説明を行った。 兄島空港案の計画のずさんさを中心に委員会で取り上げてもら
うように依頼した。

 (20)  NHKが 「地球ファミリー」 という番組で小笠原の自然を取り上げる
らしい。  半年ぐらいかけてじっくり取材するとの事である。 (阿波:こんなこと
公表して圧力食らわなければいいけど・・・(^_^;))

 (21)  小笠原で兄島空港案見直しを求める住民組織 「小笠原の航空路を考え
る会」 が結成された。 代表者 (氏名省略:阿波) が選ばれ、 10月31日、 会の
設立趣意書を村長に提出した。 これまで地元の批判的な声が表に現れない状態が
続いてきたが、 これでようやく共闘体制が整ったといえる。 また、 都は村民の悲
願 (一丸となった要望) を空港建設の旗印としてきたが、 その根拠を失うことに
なった。 来年3月の村議選では空港反対の公約をかかげた立候補もあると伝えら
れており、 多少光が見えてきたような気がする。

                               (清水善和)

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 以上、小笠原自然環境研究会ニュースレター「BONIN通信」No.5より
阿波六吉転載。(一部改変)

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 関連#11の「最近の動き」の(5)に出て来る杉岡教授の握りつぶされた
経済アセスの概要にござる。(#11の文中に資料1とあるやつ)
 与論島の事例は離島観光開発の陥りやすい罠が描かれていて必見かと存じま
する。
                             阿波六吉

**************************************
資料1(BONIN通信5)

「小笠原空港案の問題点」(要約)

 杉岡碩夫 独協大学経済学部教授

航空路開設に伴う経済影響調査委員会
                pp. (1990)

第1章 小笠原諸島の概要と航空路の開設
  1 小笠原の概況
  歴史、地理、人口構成、気候、土地利用
 2 東京からのアクセス
  現行の船便、航空路の必要性

第2章 東京都による小笠原空路開設計画の推移
 空港建設推進のための主要な調査の概要と推移の紹介
  その1 「小笠原諸島航空路開発調査報告書」、東京都(1983)
      兄島、1800m滑走路、中型ジェット機、東京都直行便の内容
  その2 「小笠原諸島空港計画案(兄島案)に関する基礎調査報告書」、小笠原
       村(1987)
      兄島、1000m滑走路、DHC−7型、直行便の内容
  その3 「小笠原諸島航空路開発調査報告書−小笠原諸島の地域経済などへ与え
     る効果予測」、東京都(1986)
      農産物輸送へのメリット、貨物運送の推定、農・水・観光の生産額の伸
     び予測等の内容

第3章 小笠原空路開発についての社会的反響
 (1)自然科学者からの問題提示
  その1 自然保護および地域経済について学会からの疑問と提示
   1 学会から都への要望書
      1988年12月以降、三次にわたって出された研究者連名の要請書
     (「東京都小笠原村における空港建設予定地決定に関する要請書」)の
     内容について紹介
   2 東京都知事に対する公開質問
      研究者有志により1989年2月に出された都知事宛の質問書(「東
     京都小笠原村における空港建設予定地決定に関する質問書」)の内容に
     ついて紹介
  その2 ケース・スタデイ 与論島の観光と航空路の開設
   1 はじめに
      1990年T月25−28日に実施された与論島視察の概要と与論島
     の現状について解説
   2 与論島観光の推移
      1969年からの”ヨロン・ブーム”(日本最南端の珊瑚礁の海、若
     い女性に人気)。1976年には空港開設、1975年の入り込み客を
     100とすると1978年には214(145,599人)となる。し
     かし、1979年以降ブームが過ぎ、入り込み客が激減、1989年に
     は137(93,521人)となる。その原因として以下の4つが考え
     られる。
      (1) 沖縄の本土復帰(1972年)による沖縄ブーム。
      (2) 海外旅行の盛行。
      (3) パッケージツアーの導入(特定ホテルへの集中)
      (4) 開発による環境の悪化
   3 外部観光資本の衝撃
      プリシア・ホテル(ミサワ系リゾート会社)により最近は与論観光が
     やや復活している。しかし、全ての観光経営をホテルが代替し、自己完
     結的システムを作り上げているため地元の利益にはつながらない。
   4 結び
      与論島のケースから得られる反省点として次の3点が挙げられる。
     (1) ブームが先行し、サービスが低下したため、リピーターを育てられ
       なかった。
     (2) 自治体が乱開発を防止できず、環境悪化をまねいた。
     (3) シーズンオフ対策として当初より農業(サトウキビ)との兼業を進
       めてきたのが救いとなっている。
     離島観光の三大ポイントは自然・環境・人情の良さである。自然と環境保
    全は、自治体と住民の努力、具体的には土地を商品化せず計画的に利用し、
    住民がそれを守っていくと言う体制の整備が不可欠である。
 (2)地元関係者の世論調査
    視察に加わった委員(小売業3、宿泊業3、飲食業3、ガイド業3)の視
   察報告文。

第4章 結論
  小笠原の空港開設の問題点として次の6点が挙げられる。
  (1) 計画決定の段階で小笠原村の代表が参加していない。地元の事情に暗い国
   と東京都が兄島を予定し、そのあと民間空港会社の就航上の採算を前提とし
      てプランが立てられたと考えられる。
  (2) 飛行場関係の調査や情報が一切公表されていない。
  (3) コンサルタント機関は発注者の以降に沿った論理や数字合わせをしている。
  (4) 環境アセスメントが全く行われていない。
  (5) 水不足、廃棄物の処理がどこにも考慮されていない。
  (6) 東京都の調査は外部資本の導入を前提としており、現生活者の基盤を脅か
   すプランを進めようとしている。
  故に、2000年を目標とした東京都の中型ジェット機構想は事実上破綻して
 いる。水陸両用機のテスト採用などを検討すべきである。

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#0014 sci1060  9109260307

 小笠原自然環境研究会に絵はがきを注文したところ、綺麗な8葉の絵はがきと
一緒に以下のような文がござったので、UP申し上げまする。
 絵はがきのご注文先は以下の文中にもござりまする。
 また小笠原空港関係の抗議の持ってき先などもござればご覧あれかし。

                         阿波六吉

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     私たちは兄島空港建設に反対します−−−−

 今、東京都が主体となり兄島に空港をつくる計画が進められています。兄島の
岩盤を削り谷を生めて、一八〇〇m長の滑走路と付帯施設をつくり、中型ジェッ
ト機を就航させようというものです。

1、 兄島の乾性硬葉低木林は小笠原固有の多くの動植物を育んでおり、世界的
   にみても貴重な自然です。しかも、この低木林が広範囲に原生状態を保っ
   たまま残っているのは兄島だけです。
2、 兄島には小笠原の乾性硬葉低木林に分布する数十種に及ぶ絶滅危惧植物の
   ほとんどが生育しています。
3、 陸産貝類ではアニジマカタマイマイをはじめ、現在兄島だけにしか生存し
   ていない固有種(すべて天然記念物)が十種以上も生息しています。
4、 兄島の周辺海域は多様な海産生物の宝庫となっており、一部は海中公園に
   指定されています。
5、 兄島空港が実現したならば、多くの固有動植物が絶滅の危機に瀕し、海産
   生物にも多大な影響が影響が及ぶと考えられます。
6、 大規模な空港はマリンリゾート計画と連動し、大手資本による小笠原の環
   境容量を越えた一大開発の呼び水となることが予想されます。

 この絵はがきは一人でも多くの人に兄島空港問題を知っていただくために作成
しました。絵はがきの収入は小笠原の自然保護の活動に使用します。さらに興味
のある方は下記までお問い合わせ下さい。

連絡先 「小笠原自然環境研究会」
    〒154 東京都世田谷区駒沢1−23−1
    駒沢大学文学部自然科学教室 清水善和 気付


※ 兄島空港問題関係者にハガキを出して見ませんか。
  兄島空港推進者へ、計画撤回要求を
   〒100-21 東京都小笠原村父島 小笠原村長 安藤光一 様
   〒100-81 東京都千代田区丸の内3-5-1 東京都知事 鈴木俊一 様
  国有林・国立公園責任者へ、保護要望を(空港予定地は国有地)
   〒135 東京都江東区東陽6-2-11 東京営林局 御中
   〒100 東京都千代田区霞が関 1−2−2 環境庁自然保護局 御中

////////////////////////以上、転載 阿波六吉///


#0015 sci5272  9110050230

清水先生の弟子の学生が、小笠原ファンクラブというのを作ったようですよ。

                             アマナクニ


#0016 sci1060  9110050326

 お久しぶりにござる>アマナクニ閣下

 先日絵はがきを購入せしところ、小笠原自然環境研究会事務局より、
いよいよこの11月に第6次空港整備計画に載るかどうかの決定が下る
との追伸を頂き申した。
 この11月は正念場のようにござりまするなあ。

                         阿波六吉


#0017 sci5272  9110290113

 またまたお久し振りですが、前に書いた「小笠原ファンクラブ」というのは、活
動停止という話を聞きましたので、一応お知らせします。

                           アマナクニ


#0018 sci1060  9111252309

 ぎひぇーー
 とうとう小笠原空港が国の第6次空港整備計画に乗ってしまいましたわい。
これからは東京都のみならず、国も相手となってしまい申したわい。
 それにしても、同計画に入ってるのが、秋田の大館能代空港、静岡空港、
びわこ空港、神戸空港だとか。本当に要るのかと思うような場所に作るのが
多いと思いませぬか?
 その内、大宮空港とか、横浜空港とか造ると言い出すのではござるまいか?
 それにしても何故「びわこ」のみ平仮名なのでござろう?

 ファンクラブ活動停止とは残念。

                            阿波六吉


#0019 sci2754  9112122347

NAURE/0028「ファンクラブ活動停止!?」7lines by H.Hasegawa

  阿波閣下
  ファンクラブが活動停止だそうでして何故でしょう?本当に残念
です。

                                                      長谷川


#0020 sci1060  9112140352

うっ。長谷川閣下の書き込みを見て愚生のふぁんくらぶかと早合点して
しまい申した。

 さて閑話休題。
 小笠原空港案が国の第6次空港整備5カ年計画に採択されてしまったので、
小笠原自然環境研究会が機関誌を緊急発行して経緯を述べています。その
内容をいかにUPします。

 先の地方選で兄島空港案に反対の候補を村議選でトップ当選させ、村議8人
中反対側を2人送り込めたのですが、本文にもあるように政治的な圧力がか
なり強いようです。
 都立大がやった小笠原の自然環境調査にも圧力をかけて改竄を迫ったとか。

                                                      阿波六吉

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 BONIN通信 (小笠原自然環境研究会ニュースレター) 8号より

  小笠原空港案、 国の第6次空港整備5ヶ年計画に採択される!

 11月29日の閣議で、 運輸省航空審議会が検討してきた第6次空
港整備5ヶ年計画 (1991−95年) が正式決定された。 計画はい
わゆる3大プロジェクト  (成田空港二期工事、 羽田空港の沖合拡張、
関西新空港開港) を最優先で推進することをうたっているほか、 地方
新空港として、 大館能代、 小笠原、 静岡、 びわこ、 神戸、 新石垣の6
空港を 「条件付きの新設」 として盛り込んでいる。 我々の運動の力及
ばず小笠原空港案が採択されてしまったことは、 大変残念なことであ
る。
 事務局で得た情報によると、 運輸省の事務担当者レベルでは、 民意
の不統一、 立地条件の悪さ、 莫大な建設費用の3点から、 小笠原空港
案の採択には最後まで否定的であったが、 土壇場になってトップダウ
ン式に押し込まれたという。 9月中旬には、 都知事が運輸省に出向い
て運輸大臣、 国土庁長官に直接採択を要請したとのウワサもあり、 ま
た、 建設費用のかなりの部分を東京都が持つことで政治的な手打がな
されたとも伝えられている。
 自然保護に厳しい国際情勢に逆らい、 バブル崩壊で都税の大幅な減
収が伝えられる中で、  人口2000人の離島に  500 億円とも 1000
億円とも言われる莫大な税金を使って空港建設を押し進める真意はな
んなのであろう。 1989年6月、 返還20周年記念式典出席への手
土産として、 事前の周到な準備もなしに空港建設をぶち上げてしまっ
た鈴木都知事のメンツを保つためか、 あるいは我々の知らない利権が
らみの大きな力が働いているのか。
 ところで、 今回、 運輸省は 「予定事業」 という従来になかったカテ
ゴリーをもうけ、 上記6つの新設地方空港をすべてこの枠内で採択と
した。 これらの空港が正式な 「新規事業」 に格上げされるには、 自衛
隊との空域調節、 需要面での不安、 環境対策、 反対運動の克服といっ
たそれぞれの 「課題」 を解決する必要がある。 運輸省航空局は来年1
月にも  「空港整備計画検討委員会」 (仮称) を設置し、 課題解決の見
通しのたった空港から  「新規事業」 に格上げするということである。
これを逆に言えば、 従来の基準に照らして満足のいくような空港案は
一つもないということであり、 欠陥空港であることを国が認めたよう
な物である。 運輸省にとっては、 地元の要望を受け入れるポーズをと
りながら、 問題解決は地元に押し付けて自らの責任逃れができる一石
二鳥の方策かも知れないが、 本来否定されるべきものが否定されずに、
変に期待を持たせる形で残ることになったのは、 かえって問題をこじ
らすことになりかねない。 もっとも、 自民党筋からの強力な圧力をむ
げに断われない運輸省の苦肉の策であるとの見方もある。 都知事はこ
の決定後の記者会見で 「空港建設の候補地や環境保護との両立など改
めて検証したい」 と述べ、 兄島について様々な見直しをする考えを示
したと報道されている。 しかし、 これまでの経緯からして、 兄島その
ものを見直す意志は毛頭無く、  滑走路の位置の微修正、 工法の工夫、
希少生物の移植といった兄島の自然保護にはまったく意味のない小手
先の検討でお茶を濁そうとすることは間違いない。
 兄島空港案は自然保護の問題だけでなく、 飛行場としての立地適正
への疑問  (上昇気流、 冠雲現象)、 莫大な建設資金、 空港建設の技術
的困難さ、 採算性への疑問など多くの問題を抱えている。 国は今回小
笠原に空港を造ることを条件付きで認めはしたが、  「兄島空港案」 そ
のものを認めた訳ではない。 本会としては、 この機会を見せかけだけ
の再検討に終わらせることなく、 小型機や水陸両用艇など兄島以外で
自然破壊の少ない代替案に変更させるようさらに働きかけを強める必
要がある。
 幸いマスコミ関係者もこの問題に関心を寄せるようになってきたし、
全国的なメディアでの紹介も増えてきている。 今後は国内・国外の世
論を高め、  世論の圧力を書けていくことが一番有効な方法となろう。
会員の皆さんの一層のご支援をお願いします。