nat00188 会議>動物実験について

#0000 sci2754  9004290026

  動物実験について話し合いましょう
                                                美優

#0001 sci2754  9004290026

  MATさん
  そうですねえ。たしかに動物実験を必要としている人たちの判断
だけでしたら、歯止めが殆どきかないでしょう。国家予算みたいな
もので、予算を使い切らないと来年の予算が削られるというので、
必要以上に予算を使うのとおなじようなもので、実験をしている方
があれもだめこれもだめと言っていると自分が実験を行いたい時に
だめと言われてしまうので、だめとしないとかね。一例ですが。
かと行って素人が口を出したら重要な研究も出来なくなるかもしれ
ません。正しく理解してくれる方が、研究者のなかにいて行ってく
れればいいのですが、なかなか見付かるものではないでしょう。
  MATさんのおっしゃるプレッシャーとは、単純な発想による動物
保護の圧力のことでしょうか。そして、その効果とはプレッシャー
と研究者たちの欲望がバランスすることでしょうか。もしそうでし
たら、非常に有効だと思います。ただし、プレッシャーをかける方
はある程度の知識は必要でしょうね。そうでないと、日本へプレッ
シャーをかけられている鯨問題のようなものでしょう。(これにつ
いてはまた議論がありそうですが、基本的にグリーン・ピースが言っ
ていることは過剰であり、権力を持つ政治者を動かしたことは、失
敗だと思います。バランスが捕鯨反対者に傾き過ぎと思いますから)

                                                美優

#0002 kimot    9004291424

 私がつねづね、おかしいな、と思っていること。
 なぜ、「動物」実験反対であって、「植物」実験反対だとか、
「生物」実験反対だとかいう声を聞くことがないのか。

 たとえば、現在小生が使っている石鹸シャンプーは、この手
の実験反対団体が販売していたものですが、ラベルにあるのは
「Not tested on animals」という字だけです。うがった見方を
すれば、毒性を確認する手段として動物ではない生物が利用さ
れている可能性を、きちんと否定してあるものではありません(
使いごこちはまずまずです)。
 より公平にいえば、動物以外には無関心なような雰囲気があり
ます。
 ある物質に発ガン性があるかどうか、その疑わしさを効率よく
確かめる方法にエームズ・テストというものがあります。対象の
物質を、サルモネラ菌に与え、菌の突然変異の度合をみるもので
す。サルモネラ菌には、えらいめいわくな話です。しかし、生物
を利用した実験に反対を唱えるグループが、「サルモネラ菌を救
え」と立ち上がったという話を、小生は寡聞にしてしりません。

 英国の動物愛護協会の原名は、"Society for the Prevention 
of Cruelty to Animals"、だったと思います(手元の資料が、や
や不完全なもので自信がない)。動物への「残酷な行為」を防止
する、という団体です。この発想のもとは、「家畜をいたわる」
というものであったという話を聞いたことがありますが、それは
ともかく、残酷な行為 Cruelty とは何でしょうか。

 ひとつの基準は、苦痛を与えることは避けよ、というものだと
思います。確か、この線に沿った実験ガイドラインが存在するは
ずです。しかし、苦痛の存在の推定は、どうやって行われるのか。
これは、実験対象生物が中枢神経を発達させているかどうかによ
っているものだと思います。チンパンジーの苦痛の度合は、人間
の経験からの類推で、ある程度計れるかもしれません。しかしサ
ルモネラ菌の苦痛を計ることが可能なものでしょうか。つまり、
苦痛防止に基礎を置くことは、生物一般の中から、配慮すべき対
象として、中枢神経(脳)を持った生物(動物、とくに哺乳動物
をはじめとする脊椎動物)を「特別扱い」することです。

 あるいはもっと単純に、その現場を見た人間が、「おーまいご
っ!!なんとクルーエルなんだベイビー」と感じるかどうかにま
かされているのかもしれません。

 いずれの場合にせよ、動物実験に反対する人々の依って立つ根
拠は、動物を人間のために使うという実験の根拠と同様、人間側
の都合・人間側の判断でしかないでしょう。あとは、どちらによ
り多くの妥当性を感じるか、という問題となります。

 以下は、小生の考えです。
 ある実験対象動物の苦痛に対して、シンパシーを抱く人間側の
機構は、たぶん、他人の苦痛に対してシンパシーを抱く機構と同
一のものであるはずです。とすると、動物の苦痛に対して無関心
であるヒト個体は、他のヒト個体の苦痛に対しても無関心である
か、シンパシーの能力が低い可能性があります。逆にいえば、動
物をいたわることは、ヒトの社会の安定に寄与する行動様式であ
るかもしれません。だから、動物実験における「残酷」に反対す
る人々の主張は、人間生活の運営上、妥当であると思います。
 また、こうした問題にセンシティブな英国の科学が、日本より
劣っているかどうか。たとえば日用品などの毒性チェックのため
に動物が使いづらく、製品開発能力が劣るということはあるかも
しれませんが、そのような化学物質を次々市場に出すこと自体に
問題はありそうです。
 一方で、動物実験そのものに反対する主張は、サルモネラ菌の
福祉を考えるところまで論理をつきつめてくれないと、クジラに
は関心があるがみすぼらしい虫のたぐいには無関心、というよう
な歪みを温存することになり、賛成できません。生態系とは、ヒ
トがシンパシーを持てる生物だけで構成されているわけではない
からです。
               木元・拝

P.S. 美優閣下へ電信>>>トトトツツツ
   「バランスが捕鯨反対者に傾き過ぎ」というのは、欧米で
   の話で、愚生のみるところ、日本のマスコミの多くは捕鯨
   推進(商業捕鯨再開)の論陣をはっています。たとえば、
   朝日新聞では、昨秋の調査捕鯨船の出航に際して、商業捕
   鯨の再開は日本の悲願である、と書かれていました。商業
   捕鯨が打ち切られた87年の朝日ジャーナルにも、「調査捕
   鯨さえ認めぬ”人道的”国際常識」といった記事(10/23)
   があります。毎日新聞でも、同様な論調がみられます。
   なお、現在、調査捕鯨としてミンククジラを捕獲・解体し
   て利用していることには、動物学者の小原秀雄さんがグリ
   ーンピースの反対キャンペーンに参加しています。たしか、
   1978年のIWC総会の席で、反捕鯨団体が会場内でデモを
   したあげく、日本代表の頭に後ろから赤いペンキ(のよう
   なもの)をぶちまけた事件がありました。ああいう馬鹿げ
   た行動や無知からは、反捕鯨団体はたぶん卒業しているは
   ずです。

#0003 sci2754  9004302119

  木元閣下
  生物実験ではなくて動物実験なのかといいますと、簡単に述べれ
ば「かわいそう」だからと思います。「かわいそう」だからやめて
ほしいというのは、むずかしい議論を抜きにして素直な感情と思い
ます。現在の動物実験反対の弱さはここにあるわけで、研究者が、
「この実験は癌を直す薬を作るのに必要なんだ。もし、実験をやめ
ろというのならやめてもいいが、癌患者はいつまでたっても減らな
いよ」と言ってしまえば、動物よりも人間のほうがかわいそうです
から、しょうがないということになるでしょう。そこで、実験反対
者は「不必要」な実験を止めさせようという行動になるわけです。
したがって、反対する実験は「不必要でかわいそう」な実験となり
ます。何が「かわいそう」なのかは#0086でやりましょう。ま
た、「かわいそう」で判断していいのかという議論であればこちら
でやりましょう。これは、私の考えでありますので、「です」「ま
す」調で書いてありますが、誤解なされませんようお願いします。
  次に「かわいそう」との判断ですが、一つは残酷ということでしょ
う。なにが残酷かは木元閣下のおっしゃる通りに人間側の判断によ
るもので対象となる動物側によるものではないでしょう。人間が何
を残酷と思うかは、人間がこんなことを行われたらという置き換え
によるものと対象となる動物の表現によるものでしょう。例えば、
例にあった首をちょんぎってですが、チンパンジーはすでに感情を
無くしているか感情を制御されている可能性がありますが、もし、
私が同様な実験を行われたらと考えると残酷でしょう。また、実験
を行われているチンパンジーが「キーッキーッ」と騒いでいればそ
れを残酷と考えるでしょう。
  つまりは、木元様のおっしゃる通り人間側の感情によるものです。
しかし、感情によって行動を起こして悪いものでしょうか?

  鯨については対しては大部分その通りと思いますが、自然保護団
体がすべて同じ意見を持っているわけではありませんでして、いま
だに過激な行動を起こしている方もすくなくないですし、日本とい
う民族性を考えずに単に頭がいいからとかいう理由で反対している
方も少ないと思います。実際アメリカでデモが行われた時のプラカー
ドには「賢い鯨を殺すな!!」というのがありました。ただし、大
きな団体はそのように意見していないです。

P.S.
  私自身すべては結論が出ていません。ここで述べたことにも、取
敢えず今考えていることであって疑問もあります。

                                                美優

#0004 kimot    9005010016

はーい。 木元・拝

#0005 sci2993  9005011126

社会的プレッシャーに関しては、概ね美優さんの言われている事
と私のいわんとしている事は一緒です。(うーむ、おおむねとか
いうこの書き出しがおおいなあ)

で、動物実験の濫用を防止する目的は、kimot閣下の考察が、ばくぜん
と私が考えていた事です。つえ加えさせていただけば、動物実験の
極北には「人体実験」が潜んでいると考えるからです。

かつて、関東軍石井部隊は中国人やソ連人捕虜に対して細菌兵器あるいは
化学兵器の実験をとりおこないました。得られたデータは貴重な物で
石井中将はこのデータと引換にアメリカ軍と取り引きし、自身の保身すら
図れました。

現在では、このような事は一見できなそうですが、「人間たるの用件」を
満たさないとされる人間−つまりは脳死者や場合によっては犯罪者に
対し、似たような事が起こる危険性があります。

実験データの科学的有用性のみを考えると、「脳死者一人で、10人の
人が救える」という論理を許容する恐れがあります。私が、専門家のみ
の抑止に疑問をいだくゆえんでもあります。


とはいえ、実際上は「生命の濫費」的な動物実験を専門家自身が自主規制
してほしいものと考えています。日本は風土的に「体制」「反体制」の2極
構造に反対運動がおちいりやすいようなので、動物実験を守るあまり、
過剰な自己防衛に走る懸念もあるからです。

鯨も面白そうですが、また外しになりますね(笑)

MAT

#0006 sci2754  9005011633

  MATさん
  実験者の自主規制を望むという意見には私もまったくの賛成です。
もちろん、それが正常に規制されればです。しかしながら、「かわ
いそう」のコーナーでも出て来たように実験者に任せればなんでも
OKとしてしまうのではという意見がありました。だからこそガイ
ドラインが必要なのではないかと思います。このガイドラインとは
どの程度が動物に対して許される行為かということではなく、どの
実験が人類のために必要なのかということということです。(ガイ
ドラインという言葉は正しくないですね。今頃気が付きました)
  人体実験はたしか今でも多く行われているのではないでしょうか。
もちろん、本人及び家族の方の了解を得て死体での実験ですが。こ
れと、脳死者の実験とはどこが違うのでしょうか。簡単に言えば、
脳死した人間は死者かによるでしょう。死者であれば死体であり実
験が行えるとか。法律的なことは分かりませんが。私はこのような
実験を賛成はしませんがしかたがないと思っています。これも動物
実験と同じ理由によるものです。
                                                美優

#0007 sci2993  9005011824

しまったなあ、と思ってまた来たんですが、もう美優さんのレスが
ついちゃった。

脳死の問題は、どうしても臓器移植とからんできて、話題が外しに
なりそうだったもんで..

それと、現在でも生体人体実験は一般的にもやられているのにも
気がつきました。薬で多いですね。
それに、人種差別がからんでくると、なかなかに怖い物があります。
例えば、西ドイツでのトルコ人とかの例が、かつてNHKでも放映され
ましたね。

MAT

#0008 kimot    9006040110

 さらに、大はずしになる危険を覚悟で書き込みますが....

 先日、バイオエシックスの世界では名前が知られた、米ジョージ
タウン大学ケネディ倫理研究所長のR・M・ヴィーチ博士の講演を
聞いて参りました。それによると、現在の米国は、ユタ州のほかは
全脳死を死の基準としているそうです。博士は、これは中枢神経系
の機能の有無を、生死の有無とする考え方であるとしています。
 一方で、ニューヨーク、ニュージャージー両州は、高次脳機能(
大脳の機能に相当するようです)の停止を、死のオプション(患者
自身の事前の選択)に加えることができるよう、動いているそうで
す。
 高次脳中枢の機能停止を生命の有無の基準とした場合、無脳児か
らの臓器摘出は倫理的にOKとなります。換言すると、下位中枢(
脳幹)は、配慮の視野から消えそうです。それを食い止めているの
は、「患者の自己決定権」(この場合、オレはこんな基準で死にて
えんでい、てやんでばかやろ、といった事前の主張)という考え方
ですが、一方で、中枢神経系が発達した時期の胎児が中絶可能とさ
れている国もあります。胎児には自己決定権を行使する余地が、こ
の国ではないわけです。
 中枢神経系の一部があるヒト個体(社会の成員として認められた
一人の人間ではない)の運命を、自己決定の有無という関門をスキ
ップして社会・経済・倫理的要請によって左右することが許可され
ている場合には、中枢神経がある程度発達した動物に対して実験を
しても、それは不当なものではないでしょう。
 その場合要求される配慮は、部分脳死のヒト個体から臓器を取り
出す際にその個体が感じるかもしれない不快に対して、麻酔などの
措置で対処するのと同様の処置を、実験動物に対してほどこすこと
であるでしょう。
 逆にいうと、ヒト個体に心臓死を適用している社会が、動物実験
を行うことそのものについて無頓着であれば、それはかなり強烈な
「人間様優位」であるということになるかもしれません。

木元・胚

#0009 sci2754  9006041656

  木元閣下
  「人間様優位」は動物実験のみならずも多くの点で行われている
ことと思います。極端な話では、生物を食べて人間が生きて行くわ
けですが、ことて「人間様優位」と言うことも出来ましょう。よう
は、人間が中心に位置し人間が生物の頂点にあるのだとの考えとす
ればです。「あめえたち、牛はよう、俺様人間に食べられるために
生きているんだぜ、覚悟しな」ては感じで。動物の生命を悪戯する
動物実験においても、それとあまり変わらないものと思います。
  逆に「人間様優位」ではいけないのか。動物達も「俺達が一番さ」
なんて考えて草を食らい肉を食らっているように、最近は考えが変
わりつつあります。私は。

P.S.
  「人間様優位」の意味はあっていますか?
                                                美優

#0010 kimot    9006242355

 美優閣下

 ずいぶん間があいてしまって、申し訳ありません。多忙と
猛暑で、ものごとを考えるパワーが減退していまして。

 愚生が思っておるのは、人体実験ないし胎児の中絶といっ
た、いわゆるバイオエシックスの扱う領域と、動物実験など
の領域という、バラバラにみえる2つの場の問題に対して、
統一的な考え方をしたい、ということです。
 もちろん、完全に同一の基準を、ヒトと、ヒト以外の生物
の双方で使うわけにはいかないでしょう。たとえば、ヒトを
食用にできるのは、遭難など緊急避難という限られた状況に
おいてだけでしょうが、一方でヒトはヒト以外の生物の個体
を殺したり、あるいは子孫となるべき胚(タネとか卵の意味)
をいただいて食用とせねば、生存が困難です。

 ここで、ほとんどゲームですが、次の三つの話題に共通し
て使える物差しを捜す、ということを解くべき課題とします。

1.イヌやサルへの実験には関心があるが、酵母菌や、ナス
  科など植物への実験にはとくに関心はない(遺伝子組替
  え、といった別の角度の話題を別にすれば、これは現在
  の動物実験について運動をしている人々の思考パターン
  でしょう)。その上で、イヌやサルへの実験は全面的に
  中止すべきなのか、それとも、苦痛を与えないようにす
  ればよいのか、考え方が分かれる。

2.胎児の中絶ができる時期は、胎児が帝王切開後に生存で
  きない段階までとするか、あるいは神経細胞が発達する
  前の段階までとするか(日本は前者の立場で、現在は妊
  娠22週です。これを、未熟児医療の進歩を踏まえて、
  20週にしようという動きがあります。後者は、フラン
  スなどがそうみたいですが、たぶん生後2週間までとい
  うきわめて限定された期間となります)。

3.ヒトの個体死は、心臓死か、全脳死か、あるいは高次脳
  中枢の機能停止か(心臓死は日本や、米国ユタ州などの
  死の基準です。全脳死は、ユタを除く全米で基準となっ
  ています。最後のは、脳幹は生きているがヒトの社会性
  などを司る脳の上位部分の機能がない場合です。米国で
  は、ニューヨーク、ニュージャージー両州で、事前の本
  人の選択により、このような状態を死とできるという法
  案が審議されているそうです)。

 で、愚生の回答ですが、ひとつの基準として、「中枢神経
の有無」がありそうです。
 中枢神経をもっている存在へは、介入を避けるという考え
方です。
 たとえば、植物や単細胞生物は、中枢神経を持ちません。
だから、配慮の対象外です。C.Eleganceのような、よく実験
で使われる線虫(サナダムシみたいなもの)は、いちおう神
経がありますから、少しひっかかってきますが、まだ「中枢」
(脳、脊髄)はありませんから、OK。これがカエル、ラッ
ト、チンパンジーになれば立派な中枢神経がありますから、
実験対象として問題あり、ということになります。
 この場合、中枢神経が発達してきた段階の胎児は中絶は禁
止されるべき、となります。現実問題として、妊娠中絶は、
ほとんどできないとする考え方です。
 死の基準は、全脳死です。中枢神経が、ほぼすべてダメに
なっている、という状況です。それゆえ、無脳児だが、脳幹
はあるようなケースでは、たとえ妊娠中にわかっても、それ
は生存させる努力が払われるべき対象ということになります。

 もうひとつの基準が、「中枢神経の機能の有無」です。つ
まり、解剖すれば中枢神経はある。次の段階として、そこに
機能があるかどうで考えよう、というものです。
 この場合、中枢神経を持つ動物でも、その機能を低下・喪
失させておけば実験が可能である、という考えができます。
つまり、苦痛を軽減させる麻酔などの利用です。これは、現
在の動物実験のガイドラインの考え方とマッチするはずです。
 同様に、胎児の苦痛を軽減させる処置を義務とした上で、
発達がかなり進んだ段階でも妊娠中絶が可能となります。日
本の医療現場で、胎児の摘出時の苦痛軽減策があるかどうか
はしりませんが、もし無いとしたら、動物実験に求められて
いるのと同じ程度の配慮はするべきこととなります。
 死の基準は、全脳死と高次脳機能停止、という両方がオプ
ションで並立することになるでしょう。なにをもって、組織
(脳の各部)の死とするかは、現在は機能の検査にも依存し
ているからです。もちろん、脳の各部の組織の生死を、もっ
と確実に把握できる医学技術が登場するかもしれません。

 反対に、中枢神経のような単なる一部分を基準とせず、体
の全細胞に配慮すべきだとする立場も考えられます。
 この場合は、すべての生物個体への実験はよくないことと
なります。
 妊娠中絶は、個体として成長可能な胚を殺すことであり、
してはならないこととなります。
 死は、その肉体が腐敗をはじめる全細胞死が望ましい基準
となります。

 木元・拝

#0011 sci2754  9011102218

  11月8日の22:00からやっていた

  ワールドTVスペシャル
  「沈黙の生体兵器・戦争に駆り出された動物たち」

  を御覧になった方はいらっしゃいますでしょうか。
  私は出張で札幌でしたが、ホテルのテレビで見ました。結構おも
しろい番組で、私は多少ながらあることは知っていましたが、番組
ででてきたようなことまでは知りませんでした。そこで、出て来た
実験を分類してみると、以下のようになるのではと思います。

○兵器開発用動物実験
  番組の中では原子爆弾がどのような被害と生物に対して作用する
のか動物に放射能を当てて様子を見る。銃が生物に対してどのよう
な衝撃を与えるのか実際に動物に向けて射撃をするなど。

○医療実験用動物実験
  戦場で撃たれた場合どのような損傷が人体に与えられ、治療方法
は何か有効か動物で実験する。戦地で傷ついた兵士を見付け救助す
る等。

○兵器用動物実験
  イルカに爆弾を背負わせ的に向かって泳がせる実験。犬を使って
的を捜す等。

  私は医療の為の動物実験はしかたがないと意見をしてきました。
番組を見ても医療用の動物実験に関してはしかたないと感じました
が、それ以外についてはまったくもってひどいものであり、やめる
べきと感じました。それと同時に兵器開発用と医療実験用の差が紙
一重であることも感じました。
  戦争が行われることは非常に哀しむべきことであり、人道から外
れていることであると思いますので、医療用とはいえ歓迎すべきこ
とではありませんが、戦争が行われているのは事実であり止めさせ
ることが非常に難しいのも事実であります。ならば、少しでも人間
の命を救う為には必要であると考えます。あくまでも戦争を避ける
のが優先ではありますが。
                                                美優

#0012 sci3717  9011111411

美優さん,
「沈黙の生体兵器」・・・
    忙しくてあまり画面に集中出来ませんでしたが・・・
動物が戦争の道具として使われるのは,ある意味で当然の成行き
だったろうと思います.もしかすると近い将来は兵器として人
工的に改造された生体兵器が登場してくるかもしれませんし・・・
それにしても,利用される動物学者や飼い主達がそれを拒否出来
ずに,しぶしぶ協力してしまう図式はいつもながら悲しいですね.
もしかすると,戦争さえも利用する学者がいるに違いないと想像
すると,なお悲しい.
戦争で武勲のあった動物に勲章与えて喜んでいる姿は滑稽としか
言いようがありません.         カノン

#0013 sci1060  9011170218

 やっぱりそういうことってやっているのでござりまするなあ。
 むかしむかしスキナーだったか誰だったか実験心理学者が鳩を条件付かして兵
器に使おうとした研究があったと聞いておりまするが、 今ならもっと使いようが
ござりましょうなあ。 以前 「プロジェクトX」 という映画 (ジャッキーチェンの
類似の題名の映画とは異なりまするぞ!)  でチンパンジーを使って核戦争用のシ
ミュレーションをしていると言う話が御ざってさもあらんと思いもうした。

                             阿波六吉

#0014 sci2754  9011220026

  カノン閣下
  おっしゃる通りですね。さらに、犬はなにも知らずに尻尾を振っ
て喜んでいる姿には泣けてしまいます。

  阿波閣下
  そのチンパンジーはどのような実験かは知りませんが、番組の中
ではチンパンジーを利用して核戦争の実験をしておりました。チン
パンジーを訓練して飛行機のようなもののを操縦できるように訓練
するのです。実際には操縦かんを操作して、チンパンジーが乗って
いる台の平衡を保つように訓練するのです。そして、被爆させた場
合にチンパンジーがどのような反応を示すか調査するというもので
した。これは、パイロットが被爆した場合どうなるかを知るためだ
そうですが、その先は、むむむですね。

                                                美優

#0015 sci1060  9011220312

>美優閣下
 おおっ!!それでござる!それでござるよ。
 愚生が先述した映画で拝見した実験は。まったくその実験にござった。
じゃあ、あの映画はけっこう本当だったのでござるなあ。
 ただ映画では最後にはチンパンジーが一斉に反乱を起こして、本物の飛行機を
操縦して逃げ延びる者も出ると言うすじでござった。

                           阿波六吉

#0016 sci3717  9011240934

美優閣下,阿波閣下.
映画「飛べ,バージル/プロジェクトX」ですが,映画のパンフレットに
よりますと,アメリカ空軍が動物を使って戦略実験を行っているインサイ
ド記録をもとに取材しシナリオを書いたんだそうですよ.
もちろん軍部の協力は得られなかったみたいです.
             なんてこってしょうねぇ・・・カノン.

#0017 sci1060  9012060254

 おお!それそれ!
 愚生がみた映画はそれで御ざった>カノン閣下
 やっぱり真面目な取材の結果の映画だったのでござるなあ。

                          阿波六吉