Gen00524 まとめ

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 基調発言506、512と書き込んできて、
私が原発ボードに最初に発言を書き込もうと思った時、
原発に対する見方といえば、
新聞や雑誌等の記事から漠然と危険な物だなという認識しかあ
りませんでした。
それは、安全性に関する記事を読んだ場合、
原発が危険だという記事の方が原発が安全だという記事よりも
記憶されやすいからであろうと推測しています。
原発に関する記事に注目し始めた時、
既に地球の温暖化の問題が指摘されていました。
この温暖化の問題が原発推進派により意識的に取り上げられて
いることの当否は別にしても、
身の安全を最優先させる人間の生来の性質からして、
この問題はかなりのインパクトを持っています。
原発の安全性に匹敵するか、それ以上の不安を与える問題です。
原発にも環境問題にも興味を示さない人々にも漠然とした不安
を与えているはずです。
これが原発運動の流れを決定してゆく要因になると思われます。
また、この温暖化問題が原発推進のために意識的に捏造された
ものだとしても大気組成を変えるほどの二酸化炭素が無制限に
放出され続ければなんらかの変化が生じるはずであるとする直
感的な判断から、
温暖化を事実とした前提で原発の果たす役割を想定しました。
また、温暖化が二酸化炭素以外のフロンあるいはメタン、一酸
化二窒素などの影響もあるから火力発電を原発にしたとしても
温暖化をストップ出来ないという考え方には反原発のみを前面
に押し出すための論理のようなきがします。
確かに原発だけで温暖化をストップする事は難しいかも知れません。
しかし、温暖化を確実に遅らせることは出来ます。
また、フロン、メタン等がなくても二酸化炭素だけでも温暖化
は起こるはずです。
これらの情勢から鑑みて原発を安全性だけの問題で判断するべ
きではないと考えました。
これが原発の賛否を決定する際の判断基準となりました。
そこで二酸化炭素によって生じる環境破壊による被害の大きさ
と予防対策の方法および原発の熱暴走によって生じる被害の大
きさと予防対策の方法とを比較してみようと思いました。
ところがこの比較を公平に行う方法があるのかという問題があ
りました。
比較するためのデータがどのような方法で算出されたものか全
くわからないからです。
私が用いた二酸化炭素量のデータは月刊ナビ(6月号)の「自
動車文明を覆うCO2の雲に分けいる」から援用しました。
これには4億台の自動車が走行することにより発生する二酸化
炭素は炭素換算で年間約5億4700万トンと記載されています。
しかし、この二酸化炭素の算出方法が不明です。
自動車燃料に使用される燃料の使用量と燃焼効率から割り出し
たものなのか、もし、燃焼効率から割り出したものならば小型
の自動車の効率を基準としたのか大型の自動車なのか、あるい
はそれらの平均値なのか、
そしてどの程度の誤差が含まれるのか不明です。
しかも、原発問題に関して公表されているデータそのものが意
識的に操作されている可能性が大きい。
さらに、データが推測値である場合が多くあります。
そこでデータをできる限り用いずに直感的な判断で比較を行う
以外にありませんでした。
二酸化炭素を減少させることは可能か。
原発の熱暴走の確率を小さくすることは可能か。
この二点を原点として危険度を比較しました。
その結果としては地球規模の温暖化に対して抑制効果のある原
発を無視することできないという結論となりました。
その間私の考えに対する反論や意見を頂きましたが私としては
納得することができませんでした。
この結論が正しいかどうかは別にしても、環境問題、エネルギ
ー問題を含めて原発に対する適正な評価が欲しいと思います。
できれば貴社(科学部)において公表されているデータに対し
て、それが実測値なのかあるいは推測値なのかそしてそれらが
正当性のある値なのか、あるいは根拠があるのか、算出方法に
問題はないのか、あるいは研究機関に必要なデータの算出を依
頼するなどして科学的に公正な評価を下して頂ければとおもう
次第であります。
           加藤 治