Gen00505 放射能除去装置???

#0000 sci2956  8904281120

  ウランなどの原子核分裂によって発生する長寿命放射能を処理する有力な方法の一つ
に、【消滅処理法】と言うのがあります。
 御存知の方も多いと思いますが、あらためて紹介させていただきます。

 水素の原子核の陽子を粒子線加速器を用いて、光の速度の概ね90%以上に加速して
やります。
 この高速陽子を例えば、プルトニウムの原子核にぶつけてやると、プルの原子核は、
(ガラス玉に、ピストルの玉を打ち込んだ様に)粉々に粉砕されます。この粉粒が、水
素・酸素・窒素・ほう素などの原子核で、その半減期は、ほとんどが数秒で、長いもの
でも数年ですから、プルの半減期81000000年に比べれば、プルは、消滅したも
同然である。と言うことで、【消滅処理】の名前が付けられたようです。
 問題は、加速器の電力ですが、加速方法にもよりますが、実用化には、30〜50万
kwは必要と言われてます。核が、破砕する時に熱も放出しますので、この熱を加速器
運転の電力に利用して、自立させる研究が、現在進行中です。

 基礎研究によるデータ収集10年
 小型装置にいる実証データ収集に10年
 2010年頃には、実機建設のスケジュールですが、
 高レベルの死の灰を一個所に集めるわけですから、建設場所や安全確保などの問題も
あるわけで、私は、実用化するとしても、2030年頃かな?と思ってます。

 色々問題はありますが、81000000年の何倍も危険と同居することに比べたら
10年程度で済むのは、魅力かな????

                AHYH

#0001 sci2162  8904282303

 私めのリクエストにお答えいただき有難う御座居ます。
そうした研究がされているとは、まったく畑違いの私は知りませんでした。
ということで、あらためてペコペコ!

 自動車の排ガス装置のような意味でとても魅力的だと思います。
そういえば、排ガス装置も話が本格的になるまえは絶対に無理だと言われて
いた事を思い出してしまいました。

 無理だ・問題無い・安全だ、などと言っていては進歩はないですものね! 
そうした事が騒がれれば少しずつでも着実に進歩していくのだと思います。
少しでも早く実用化してほしいものです。。

        と言う事で、本当にサンクスでした。  JPS  !!

#0002 sci2036  8905111531

 【消滅処理法】には30万Kw〜50万Kwの電力が必要なようで,これで
は原発で作られた廃棄物(プルトニウムは廃棄物ではないといわれ
るかもしれないが)を処理するのにあらたにもう1基の原発が必要に
なるみたいですね。

  すでに作られてしまった廃棄物を処理するにはこれでよいとして,
もうこれ以上出さないようにすることが必要なのではないでしょうか。

  中性子を吸収させて放射線を出さない安定した放射性同位元素に
する方法もあると聞いたことがありますがこのへんの技術的な可能
性,経済性等はどうでしょうか。
                  yie

#0003 sci2036  8905192138

 私の質問 --->「中性子を吸収させて放射線を出さない安定した放
射性同位元素にする方法 - - - 」について書店の原子力関係の本
を立ちよみして調べて見ました。

 理論的にはなり立つようですが中性子を発生させるためには原子
炉を稼働させなければならず,またそれによって新たな廃棄物が生
成されるとともに容器そのものも中性子によって放射化しなんのた
めに行なっているのか判らなくなってしまいます。
 したがって技術的にも,経済的にもなり立たないと思います。

理論的にはまたは実験室の中では出来ても今の技術(経済的に割が
あうことも含む)では処理できない放射性廃棄物をもうこれ以上作
り出さないことだと思いますがどうでしょうか?

今もしくは近い将来技術的に可能になるならばわざわざ下北にもっ
ていって埋めなくてもすみます。将来消滅法が可能になったときに
はまた掘り起こして消滅の処理をするのでしょうか?

                           yie

#0004 sci2956  8905271332

 ここのところなかなかアップできませんでしたので、resが遅くなってすみません。
 中性子は、原子炉でなくても生成することは可能です。
 中性子を原子核に吸収させて、安定核にかえる方法では、エネルギーの
 低い熱中性子がゆうこうではあります。
 ですが、核変換による放射能除去(??)には、私は、
 加速器を用いた、消滅処理法がよいと考えます。30万キロワットの
 必要電力は、消滅反応の際の反応熱を回収すれば、自立型の
 加速器システムにできる可能性もあります。

 大切なのは、我々が作ってしまった超長寿妙の(化学的毒性も強い)
 TRUをいかに、半減期の短いRIに変換できるかという命題に対する
 開発者の努力だと思います。私は、30年あれば、実用化すると信じて
 いるのですが・・・

 オンライン書き込みなので、詳しくは後日・・・すみません!!
       AHYH

#0005 sci2036  8905312216

  サンクス  AHYHさん

放射能の除去には消滅法のほうが良いようだということはだいたい
判りました。しかし必要とする電力が30万KWとは大きいですね。
30万kWの電力を取り出すには今の火力発電又は原発と同じ熱効率と
仮定するとすると30万の2.5〜3倍つまり75万〜90万KW相当の発生熱
量が必要です。自立型システムにしてもその廃熱による環境に与え
る影響も大きいのでは。
自立であるから発生した熱はすべてそこに捨てられることになると
思います。

定量的なことが示されていないのでいまいちよく判りません。 た
とえばプルトニウム1キログラムを処分するのにどれくらいの電力
量(KWH)が必要なのか判ったら教えてください。
いまは研究段階なので聞くほうが無理だと思いますが。

放射能除去システムが1日も早く確立することを期待します。
            yie

#0006 sci3052  8906031142

技術的疑問
核反応で放射性核種を無毒化する場合、最大の困難は反応のコントロールでは
ないのでしょうか。化学反応の場合は比較的コントロールしやすいようですが、
(それでも有機などでは副次的な生成物の方が多いのが普通のようです)核反
応ではかなり困難なのではないでしょうか。
化学的な前処理でプルトニウムなりの目的とする物質を高純度に精製できれば
良いのですが、純度を追求する必要のない再処理工場ですらあの状態ですから、
どこまで期待できるかはなはだ疑問です。
核反応段階に入ってしまえば、加減できるのは粒子のエネルギーぐらいのもの
ですから、びーむを当てたい核以外にも当たって種々の反応を起こすことでし
ょう。かなり高エネルギーのビームを使うのは、ともかく当たった原子核は種
類を問わず(水素は別ですが)壊してしまおうということだと思います。
けれども壊れた核は広いエネルギー分布をもった様々な軽い粒子(陽子、中性
子、アルファ粒子など)となって飛び散り、周囲の核にぶつかって、様々な反
応を引き起こすのではないでしょうか。
その結果どの様な核種がどれだけできるのか(最悪の場合、有害な核の「増殖
炉」になる可能性もあるわけですから)がおそらく一番の課題でしょうし、A
HYH氏の研究もその辺が中心なのではないでしょうか。
もちろん、研究を進められるのはけっこうですが(国が研究費を出すことはか
ならずしもけっこうではないが)、かなり実証的な結論が出るまでは、原子力
利用をめぐる議論の前提からははずしておくべきでしょう。
(つまり原発の是非を問う議論の中では、無毒化は不可能という前提に立つと
いうことです)
「疑問」と書き出しておきながら、「べき」で終わりそうになってしまいました。
(きちんとした文章を書く場合は、別に書いてからダウンロードすべきですね。
まだ不慣れなもので)
とってつけたようですが、疑問形で終わりにします。
上記の問題点(反応の制御)はどこまで解決しているのでしょうか?

#0007 sci2956  8906091446

基調を開いておきながらresできなくてすみません!!!!
必ずres致しますので、もうしばらくお待ち下さい。

今、仕事に悩殺されておりまして・・・・(6/9)
    申し訳ありませんのAHYH

#0008 sci2956  8906130929

  yieさん sci3052さん 質問ありがとうございます。また、RESが、遅くなって
申し訳有りません。

 1.プルトニウム1kgを処分するのに必要な電力量について

  私は、消滅処理を専門に手掛けているわけではないので、あまりしったかぶりを
するとまずいのですが・・・
  それから、原*さん&動*さんが、まず始めに、実用化しようとしているのは、
プルトニウム処分ではなくて、核分裂生成物のセシウム及びストロンチムウムです。
プルトニウムは、廃棄物ではなくて燃料であるという考えによる様です。これらの核
種は、30年程度の半減期で、これが消滅処理で、実効的な半減期が、5年くらいに
なるともくろんでいるみたいです。これには、私は、全く魅力を感じません。
  推進派の方々にとっては、プルは、確かに燃料であるのですが、消滅処理は、半
減期が、数千年のものが、数年のものに変換されるというところに大きな魅力がある
と考えます。ですから、せめて、アメリシウムやキュリウムなどの超ウラン元素の処
分を検討すべきではないかと、上記の開発担当者に質問してみたのですが、絶対量の
多い分裂生成物を処分する方が逼迫した問題なのだそうです。(私には理解できませ
んでした。)
  ただし、核分裂方式の核エネルギー利用が、行われなくなったときの、超ウラン
元素の処分方法として、消滅処理が最も有効であろうことは、彼らも認めておりまし
た。

  したがって、プル処分の経済性試算は、おこなられてないようです。ですが、想
像はできますのでやってみました。

  そこで、仮定をたててみました。

 仮定条件:消滅炉に入射した陽子の、30%がプルトニウムを破砕する。

       プルの臨界の問題もあるので、不純物として、先のストロンチウム
      やセシウム等を混ぜてやる必要があったりで、この数値を設定してみ
      ました。詳しい説明は省きますが、現実問題これを下回ることはない
      と思います。

 プルトニウム1kgは、(1÷244)×(6.02×10^^23)
           =2.47×10^^21 個の原子の集まりですから、
 仮定条件を考慮すると (2.47×10^^21)÷(30÷100)
           =8.23×10^^21 個の陽子が必要です。

 次に、これだけの陽子を生成するのにどれくらいの電力が必要になるかということ
ですが、これが・・・世の中にこんな加速器がないので、信憑性の問題はおおいにあ
りますが、1秒間に、1×10^^18個生成するのに、30万kwと見積っておけ
ば、まず間違いないでしょう・・・先の関連発言での30万kw云々というのは、こ
れより、1桁多い生成量で見積ってますから・・・

  したがって、8.23×10^^21÷1×10^^18
              =2.3時間 で1kg消滅です。

  1kWh=20円とすると、30×20×2.3=1380万円

  まあ1500万円と思っていれば、よいかと思います。ちなみに、消滅処理シス
テム建設費用は、1500億円程度だそうです。ただし、この30万kwは、反応熱
で、発電して加速器に補給することで、自前で、供給できますから、そうなると、こ
の1500万円は、考えなくてよくて、建設費+運転保守経費+その他をプルの総量
で、割った値ということになるのでしょうか・・・
  安いか高いかは、考え方の問題ですが・・・

 2.核反応の制御は可能か&無毒化は、不可能か?について

  核破砕反応は、核分裂と同じで、どの様な生成物ができるかは、ある程度予測で
きるものの、基本的には、確率に依存する分布を持ちます。したがって、できてほし
くないものも当然できてしまいます。

>  核反応段階に入ってしまえば、加減できるのは粒子のエネルギーぐらいのものです
>から、びーむを当てたい核以外にも当たって種々の反応を起こすことでしょう。かな
>り高エネルギーのビームを使うのは、ともかく当たった原子核は種類を問わず(水素
>は別ですが)壊してしまおうということだと思います。
>  けれども壊れた核は広いエネルギー分布をもった様々な軽い粒子(陽子、中性子、
>アルファ粒子など)となって飛び散り、周囲の核にぶつかって、様々な反応を引き起
>こすのではないでしょうか。
>  その結果どの様な核種がどれだけできるのか(最悪の場合、有害な核の「増殖炉」
>になる可能性もあるわけですから)がおそらく一番の課題

  100%その通りです。ただし、ほとんどは、酸素以下のかるい原子になる様な
ので、有害核増殖炉になることはないでしょう。
  消滅処理では、放射性物質を、非放射性物質に直接変換することを狙っているわ
けではなくて、実効的な半減期を短くすることを狙っているのです。消滅処理した後
の生成物もしっかり放射性物質であるわけです。ただこれらほとんどは、半減期数時
間以下です。できてほしくないものでも数10年です。
  ですからこの方法では、無毒化は不可能です。ガラス固化深地層処分によって、
何万年もびくびく暮らさなくてはいけないところを、数100年びくびくするだけで
よくなるとすれば、かなり魅力的だとは思いませんか??

  私個人としては、消滅処理の実用化と原発の是非は、無関係だと思っております。
原発の是非として、重要なことは、廃棄物問題よりも、チェルノブイリの様な放射性
物質を短時間に、一度に、大量に、一般環境に放出してしまう様な事故が、発生する
可能性がとにかく存在するということではないかと認識しているのですが・・これは、
原発に限らず、廃棄物処理や、燃料再処理工程中に発生する場合も含めてですが・・
  そういう意味では、消滅処理プラントから放射性物質が、大量に洩れ出す事故が
起こらないとは、言い切れないとも思っています。私のライフワークは、原発を推進
するとしても、廃止するとしても、それを如何に安全に実施するかという放射線安全
の確保です。ですから、消滅処理でも、この加速器のロス陽子(加速軌道からはずれ
た陽子)によって、加速管、建屋、建屋内空気の放射化(これもできてほしくない放
射能ですね)を如何に少なくするか・・・とか、生体遮蔽壁の厚さはどの程度必要か
・・とかに取り組んでいるわけです。

  原子力産業の中にあっては、放射線安全を強く主張すると設備投資が増えるとか
で、金がかからなくて且つ安全であれと、しばしば教育的指導をうけます。どこまで
安全にするかは、まったくもって頭のいたい話ではあります。

  最後は愚痴になってしまい(ここんとこ超忙しいもので・・・)且つ短時間でま
とめたので、読みにくい文章となってしまいました。説明不足のところ間違っている
ところなど有りましたら、どんどんつっこんで下さい!!必ずRES致します。

               遅くなってごめんなさいの  AHYH

#0009 sci3052  8906141333

RESありがとうございました(お忙しいのに)
たいへん勉強になります。
             sci3052  DAI

#0010 sci2036  8906151025

AHYHさん,Resありがとう
じっくり読ませていただきます。
   yie

#0011 sci2956  8906160014

こちらこそ宜しくお願いいたします。どんどんつっこんで下さい。私も勉強になります。
         AHYH 改め Freeway

#0012 sci2036  8906161607

 原子力関係については私は全くの素人ですが消滅処理について大体わかってき
ました。しかし疑問に思うことは消滅法は処理によって完全にプル等が無毒のも
のに変わるのではなく半減期がプル等に比べれば極めて短い放射性物質に変わる
だけです。半減期が数時間の物はそれで良いと思いますが「出来て欲しくない数
十年」の新たな放射性生成物はどうなるのでしょうか?

 管理するのが何万年から数100年に短縮されたとしても我々の子孫が何世代
にもわたってなんらメリットを得ることなくそれらを管理をしていかなければな
らず、私はこの方法が放射性生成物の処理の魅力的な解決策だとは思えません。

 また少し気になることですが、この方法が技術的にも経済的にも確立し、実用
化の可能性が出てきたとPRされ、このシステムがあるからということで(バッ
クエンドが確立したという幻想を与えられて)原発推進の主要な理由の一つとさ
れ、原発がどんどん建設されたが、しかし結果的には開発が技術的にも経済的に
もゆきずまり大量の放射性廃棄物と廃炉が残ったということになりかねない懸念
があります。

 いつも私の発言は日夜真剣に「放射線の安全の確保」のために取り組んでいる
AHYHさんの水をさすようですが”ど素人”の私の率直な疑問です。
私は今までも書き込んできましたが、作られてしまったものはこれらの方法を駆
使して処理するとして、もうこれ以上原発を稼働させて新たな大量の放射性生成
物、廃棄物を作らないことだと考えています。
そういう意味ではAHYHさんの開発の成果を期待しているところもあるわけで
す。

 ところでまたまたど素人の質問ですが加速器の中は真空でなければならないと
思います。陽子と高速で衝突させて生成された酸素等の気体によって陽子の高速
性が損なわれプル等の破壊がうまく行かなくなるのではないかと思いますがどう
でしょうか? 常に真空ポンプ等を働かせ放射性の気体を排出しなければならず
それの保管・管理が大変だと思いますが?
                   yie

#0013 sci3052  8906162058

 消滅処理の実用かと原発の是非は無関係、というFreewayさんのご意見は、
まことにもっともと思います。
 私は、原発がそう遠くない将来になくなるものとして(私は「反原発派」の
中でもかなり「楽観的」な人間かもしれません)、残った放射性物質の処分は
太陽に打ち込むくらいしかないのかなあ、と思っていました。
何万年というのは現実的ではありませんよね。

 yieさんの、消滅処理が原発推進に利用されることへの危惧はもちろん大
切ですが、論理的に考える限りにおいて Freeway さんの書かれたことがポイン
トをついていると思います。
 多分太陽に打ち込むよりは危険が少ないという点で無毒化にいくぶんの期待
をしてみたいと考えます。(いずれにしても原発はすぐにやめないといけない
という考えにはまったく変わりありませんが)

 「推進派」が少しでも利用してきたらがんがんたたくことにして、1つの希
望として成果に期待したいと思います。
仮に実用化したとしても、「反対派」の論拠にほとんど影響はないようですから。

 それからFreewayさんに1つ質問。
半減期の長い核を抽出する化学処理は、実用化の危ぶまれる(私は実用化不可
能と思っている)再処理とあまり変わらないのではないでしょうか?
                     DAI

P.S.
   世間様に通用しないいいわけかもしれませんが、
   ビールを2本飲むと、若干、文章、論旨が乱れてしまいます。
   私の身近なエコロジー派にはアル中、もしくはその1・2歩手前の
   人間が多いのですが、地球防衛軍はいかがでしょうか?

#0014 sci3052  8906162105

ほらまちがえた
ここは「地球防衛軍」ではなく「原子力発電」のコーナーじゃないか。
     (3本めを飲みはじめた)DAI

#0015 sci2956  8906272325

  yie様,DAI様 有り難うございます。遅くなりましたがレスです。

 yie様

> 管理するのが何万年から数100年に短縮されたとしても我々の子孫が何世代
>にもわたってなんらメリットを得ることなくそれらを管理をしていかなければな
>らず、私はこの方法が放射性生成物の処理の魅力的な解決策だとは思えません。

 とのご意見もっともだと思います。ただ、私は、何万年も管理しなければいけない
ものが、数100年で済むとしたら魅力的だと思うのですが・・・
 話は脱線しますが、先日放射線はなぜ危険かと言う話を核医学のお医者さんと話し
合ったのですが、急性放射線障害(放射線の非確率的影響)を除けば、癌になるかも
知れないからだろうと言う話になりました。遺伝的な影響については、その先生の話
では、人間ではまだ確認されていないそうです。(少なくとも広島長崎の被曝者から
は・・・この先生は、広島長崎の被曝線量再評価チームの委員でもあります。)とす
ると、癌ですかねえ〜〜ということになったわけです。だとして、後数100年した
ら癌は、風邪並に治るかも知れない、我々が生みだした、「悪」の為にも是非そうな
ってほしいものです。
 誤解されると困りますので補足しますと、遺伝的影響については、確認されてない
だけで、被曝条件によっては、有り得ると考える方が常識的だと思います。ただ、そ
の先生の話を聞いて、事故被曝以外では、遺伝的影響は、あまり心配いらないのでは、
それよりも癌の方が切実な問題では、などと思ったしだいです。
 それから、癌が風邪並に治るようになったからと言って、放射線を浴びても良いと
は、考えてません。放射線で、人が死ぬ事が無くなればいいなあ〜〜ということです。

> また少し気になることですが、この方法が技術的にも経済的にも確立し、実用
>化の可能性が出てきたとPRされ、このシステムがあるからということで(バッ
>クエンドが確立したという幻想を与えられて)原発推進の主要な理由の一つとさ
>れ、原発がどんどん建設されたが、しかし結果的には開発が技術的にも経済的に
>もゆきずまり大量の放射性廃棄物と廃炉が残ったということになりかねない懸念
>があります。

 という事については、今現在、開発中の、原*殿・動*殿が、超ウラン元素の処
理を考えていない事なら、あまり心配なさらなくても良いのでは・・・と考えます
が、甘いでしょうか・・・原発推進の是非は、別の基調で、議論されているように、
人類の存亡に関わるもっと別の次元の問題である事は、良識ある方々には、すぐに
おわかりになる事ですし・・・
 それから、私は、放射線安全の立場で、この問題に係わっているだけですから、
私の成果なんて・・ 非力なもんで恥ずかしい限りです。

 加速器は、ビーム輸送系は、常に真空です。真空度は、10^^-6 トール 位です。
それでも、陽子は、輸送管内の残留粒子と衝突したり、磁石で制御しきれなかった
陽子が、管外へ飛び出して、トンネル(加速器は、直線加速器で、長さは、約1km
地下15mから20m位のトンネルの中に作られる事になるでしょう)内の空気を
放射化します。トンネルのコンクリート、コンクリートを突き抜けて、地下水をも
放射化します。ロスビームは2%位のようです。ほとんどは、輸送管の放射化に使
われますから、トンネル空気・コンクリート・地下水の生成放射能量としては、た
いした事はないです。(原発に比べての話)  1cm^^3当たりどの様な核種が、
どれだけできると言ったデータ(大型計算機によるシミュレーション結果)も、実
はあるにはあるのですが、非公開データなもので、定性的な話になってしまってす
みません。原発に比べれば、濃度も総量も比較にならないくらい少ないです。また、
消滅ターゲットからの核破砕生成物の安全確保から比べても大げさな問題ではあり
ませんが、保守管理が必要な事は、事実ですし、我々が、取り組んでいるのも、こ
のロスビームによる放射化生成物からの、安全確保です。(矛盾する文章となって
しまいましたが、要約すると、ロスビームの放射化問題は、これを以て、一般公衆
が、危険にさらされはしないが、作業員の衛生管理上解決せねばならない問題では
ある。といったところです。)   保守管理の大変さは、つくば学園都市などに
ある大型加速器程度の困難さはあるでしょうが、それと比べて、特別たいへんとも
思えません。  レスにならないような駄文ですみません。

 DAI様

 化学処理については、まったくわかりません。すみません。
 ただ予想される事は、
 液体状にしておいて照射するのではないかということ。
  (もしかしたら溶融塩??)
 核分裂を防ぐ(未臨界である)という必要条件から、厳密に目的核を抽出する必
要がないのではないかということ。
 です。
 想像ですが、燃料棒をそのまま照射するのでないかぎり、(それも可能性は有り
ますが・・)再処理工程後の廃棄物を何らかの加工を施して照射するのだと思いま
す。
   これも、レスになってなくてすみません。

ps.1 いちばん****  という本、紀ノ国屋に問い合わせてみたのですが、わか
りませんでした。ご存知でしたらどなたか紹介して下さい。(被曝に関する本です。)

PS.2 原発推進派の方々におまんまを食べさせていただいていることを思い出すとつ
いつい、歯切れの悪い文章となってしまいます。幸い??? 私が係わっているのは、
放射線安全ですので、(彼らに安全を売っているわけですから)ここの内容は、彼ら
にも話している内容ではありますが・・・
   放射線安全と言うのは、常に疎まれる立場ではあります。原発以外でも、地下
開発をするといえば、放射性ラドンガスの対策を唱え、宇宙開発をするといえば、被
曝線量を予測してみせ・・・ 開発推進側から見れば、コスト増加につながる話ばか
り持ちかけるわけですから・・・
   出世しない商売を選んでしまったものです・・・

  長々と駄文をしたためてしまいました。 AHYH 改め Freeway

#0016 sci2036  8906292128

Freewayさん忙しい中をResありがとう。

私は原子物理関係については素人(よく「知ろうと」する人)なので
いつも「放射線の安全確保」努力しているFreewayさんの水を差す
ようなことをいっていますがそれは素人なりの不安や懸念です。

今後も非専門の立場からピントのはずれているかもしれないがいろ
いろ意見や質問をしていきたいと思いますのでよろしくおねがいし
ます。

きょうはこれでクロ−ズ,最近いろいろいそがしくなったな。ヒ−、
ヒ−.

ところで「いちばん- - -」についてはT65Dの検証とその見直し論
について書いてある本ならば題名はたしか「ICHIBAN- - - 」
でした。
手元に本がないので正確にかけませんがロ−マ字のICHIBANは間違
いありません。
                yie

#0017 sci2956  8907011524

yie様 こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。
         Freeway

#0018 sci2956  8907011526

それから、ITIBAN***は、もう少し捜してみます。
  どうも有難うございます。
                 Freeway

#0019 sci2036  8907052057

「いちばん****」の正式の題名が判りました。

極秘プロジェクト『ICHIBAN』
問い直されるヒロシマの放射線

NHK取材班 小林孝雄  日本放送出版協会 定価1300円

です。

     yie

#0020 sci2956  8907060926

  yieさん どうもありがとうございます。

  さっそく入手したいと思います。感想もそのうちアップします。

      とりあえずお礼まで    Freeway