Gen00385 朝日新聞地方版から(その5)

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                      88年10月28日  青森版
 原子力発電所や上北郡六カ所村に計画されている核燃料サイクル施設を推進する立
場から、エネルギー問題を考える原子力シンポジウムが、27日、青森市の市文化会
館で開かれた。東北電力労組など新潟、東北地方の計7県の労組で構成する東北原子
力関係労組懇話会が主催し、労組組合員ら約600人が出席した。 主題は「今、考
えたい。エネルギーとは。原子力とは」。講師は、中村政雄・読売新聞論説委員、鈴
木篤之・東大教授(原子力工学)、久保寺昭子・東京理科大教授(放射線医学)、福
田裕次・電力労連書記長。
 主催者側は、原子力施設への反対運動が高まる中、論議の一部には短絡的なものが
みられるとし、「核燃施設や原発の安全性、必要性を正しく伝えることが必要」とシ
ンポジウムの目的を説明した。
 質疑応答では、「青森になぜ原子力施設が必要なのか」という質問に対し、鈴木教
授は「東京への立地も可能と思うが、青森には広大な土地が確保されており、地価の
問題など経済性を考えた結果だろう」と述べた。また「核燃施設立地によるメリット
があるのか」という質問について、福田書記長は道路整備や雇用の増大を挙げた。

                      88年10月27日  福井版
 電力会社など原発推進側の「原子力の日」PR攻勢に対抗して、福井市花月3丁目、
光寿寺に事務局を置く「止めなくちゃ!げんぱつ」連絡会は26日、福井新聞の1ペー
ジを使い意見広告を出した。同会はこの春から県内外からカンパを募り準備をしてき
た。まだ60万円ほど不足しているが、掲載に踏み切った。一方で、同じこの日の各
新聞には関西電力が「電気って、輸入できないのよね」と見出しをつけた広告を出し、
原子力が暮らしを支えていることを強調している。
 連絡会の意見広告は「私は原発で死にたくない」と中央に見出しがあり、続けて、
「今なら間に合います。「原発とめよう」の声を出しましょう」と訴えかけている。
「原発1基に原爆1000発分の死の灰が!」「たまりつづける放射性廃棄物!」
「原子力の電気は過剰!」「世界は脱原発へ!」と反対している根拠を9項目にまと
めている。
 同会は今後も、この日の広告掲載で不足した分のカンパを求めている。一口500
円。問い合わせは光寿寺(0776−23−6074)。

                      88年10月29日  青森版
 原子力船「むつ」の新母港、むつ市関根浜港の陸上付帯施設がほぼ完成、28日、
報道陣に公開された。11月1日にはこれまで大湊港にあった日本原子力研究所むつ
事業所(加藤昭三所長)が関根浜港に移転、早ければ4日にも「むつ」の原子炉のふ
たが開けられる予定だ。