Gen00377 朝日新聞地方版から(その3)

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                      88年10月22日  鳥取版
 県内の反原発市民団体の調査で、東伯郡東郷町方面(かたも)の旧ウラン試掘鉱近
くの水田の稲から放射性物質の鉛−214とビスマス−214が検出された問題で、
動力炉・核燃料開発事業弾は21日、「この稲を1年間食べたとしても、食品に含ま
れる天然放射性核種(主にカリウム40)によって1年間に受ける被ばく線量の約3
00分の1に過ぎず、問題はない」とする見解を発表した。
 この見解は20日に反原発市民団体が調査結果を明らかにしたことに反論する形で
出された。それによると、まず周辺の放射能汚染について、定期的に実施している環
境モニタリングの結果から「田畑に流失した事実はなく、十分に安全が保たれている
と確認している」としている。
 旧ウラン鉱との因果関係は、かこう岩の中にも放射性物質(トリウムなど)が含ま
れていることから、「ウラン鉱床を起因としたものとは考えにくい」と否定している。

                     88年10月25日  北海道版
 17日に試運転を始めた北海道電力・泊原子力発電所の賛否を問う道民投票条例制
定に向けて、全道労協などでつくる「泊原発凍結!!道民の会」が道内各市区町村選
挙管理委員会に提出した署名の審査が、24日までに渡島支庁森町を除きすべて終わっ
た。道の同日のまとめでは、有効署名は全体の9割近い89万6554人。道民の会
は7日間の縦覧後、来月10日過ぎに横路知事に条例制定を請求、これを審議する臨
時道議会は来月末に開かれる見通し。

                     88年10月25日  和歌山版
 日高郡日高町は24日、町農村環境改善センターで、通産省資源エネルギー庁係官
による原発説明会を開き、同庁の山田範保・電源立地対策室長らが約400人の参加
者に「将来のエネルギー源として原子力発電は欠かせず、安全性も確立されている」
などと説明した。
 山田室長は原発の固定資産税の数字などをあげて「関連公共事業が進み、雇用促進
にもつながる」と説明、山本欣一・同庁原子力発電安全審査課長も安全性について
「日本の原発は多重防御を基本にしているため安全は確保できている」など話した。

                      88年10月25日  鳥取版
 東伯郡東郷町方面(かたも)の旧ウラン試掘鉱近くの水田の稲から放射性物質の鉛
−214とビスマス−214が検出された問題で、阪大の久米三四郎講師(核化学)
は24日、県庁で記者会見し、稲の中には放射性鉛やビスマスのほか人体への影響が
特に大きいラジウムが存在する可能性が強い、との見解を発表した。県内の反原発市
民団体が検査を依頼した京大原子炉実験所の小出裕明助手の測定装置では検出されに
くい放射性物質で、影響の度合は放射性鉛やビスマスの約三千倍以上あるため、県は
改めて周辺の放射能調査をすべきだ、としている。

                     88年10月26日  青森版
 使用済み核燃料再処理施設予定地に2本の断層が走っていることが明らかになった
問題で、事業者の日本原燃サービスは25日、地元の上北郡六ケ所村で説明会を開い
た。
 同村からは古川伊勢松村長のほか幹部職員20人と村議16人が、同社からは平沢
哲夫副社長、渡辺要平常務らが出席した。
 非公開だったが、同社の登内弘・取締役立地広報部長によると、断層は存在するが
安全上問題はないことを中心に約1時間にわたり説明した。地元側からは「問題が明
るみに出た直後のもっと早い時期に説明してほしかった」などの意見が出されたとい
う。
 説明会終了後、古川村長は「大変良く理解できた。新聞が大々的に報道するような
問題とは思わないが、今後は種々の方法で村民にこの日の説明会の内容を知らせたい」
と語った。