Fre00753 アインシュタイン方程式は等価原理を破るか?

#0000 sci6277  9010271701

      「等価原理」とは、

       ”いかなる重力場でも、時空内の任意の点の近傍で、そこに適当な
       座標系を設けるとき、それを基準にとれば、その点の近傍の重力場
    を完全に消し去ることができる”

               ”一般相対性理論”(裳華房) 内山龍雄著

#0001 sci6277  9010271702

      一般相対性理論は「等価原理」をもとにつくられました。
    しかし一般相対性理論から導かれるアインシュタイン方程式は
      その「等価原理」を破っているようにも見えます。

        曲がった空間での式:Rμν−gμνR/2=Tμν   (A)

        平坦な空間での式:                    0=0       (B)

      (A)、(B)は全然違う→「等価原理」からは(A)は(B)になるはず。
                                       ↓
                          「等価原理」のやぶれ?

         電磁波の方程式も      λ  λ  ν        λ
                           □A  +R  A   =−μj       (C)
                                      ν

                               λ               λ
                           □A          =−μj       (D)
                                      
     (C)、(D)は全然違う→「等価原理」からは(C)は(D)になるはず。
                                       ↓
                          「等価原理」のやぶれ?

     さあ、一般相対性理論をつくるために仮定された「等価原理」が重力や
     電磁波の方程式によって破れるのかどうか?仮定から導かれた結果が
     その仮定を破っているのか?

     ”アインシュタインのおっさんはアホや”とか”ゲーデルの不完全性定理だ”
     なんていうハイブロウな意見も歓迎!

        私は等価原理の「重力場」という言葉、平坦性、物理現象の局所、非局所
   性が鍵だと思うんですが? どうでしょうか?
                                                          餃子まん

#0002 sci3927  9010282354

    ランダウ=リフシッツの「場の古典論」では、

    「非慣性基準系は適当な重力場と同等である。(等価原理)」

    と書いています。「適当な」というのが重要で、

>   いかなる重力場でも
>   完全に消し去ることができる

    とは、言っていません。この文は暗に、

    「非慣性基準系は真の重力場とは違う。」

    ということをほのめかしています。(文中でもはっきりといっていますが)

    では、適当な重力場とは何かというと、

    「一様な重力場」

    あるいは、

    「一様な重力場とみなしうるごく限られた領域での重力場」

    であるように思われます。

    で、

>         電磁波の方程式も      λ  λ  ν        λ
>                          □A  +R  A   =−μj       (C)

   は、内山先生のいう「等価原理」は破っているみたいですが、
   ランダウ先生のいう「等価原理」を破ってはいないように思えます。
   「場の古典論」で「一般相対論」を勉強した僕としては、内山先生のいう
   「等価原理」は、「明らかにいいすぎでしょう」の感があります。

   しかし、それ以前にこの式変形が妥当なものなのか、久しくテンソルの計算を
   していない僕にはわかりません。テンソル密度の発散は共変微分でも、普通の
   微分でも同じ形だし、反対称テンソル内のAの微分を共変微分にしても、Γの
   下の添字の対称性からキャンセルしあって、普通の微分の場合と同じになるは
   ずです。したがって、Γの微分を含むリッチテンソルは勝手に定義したダラン
   ベルシアンとローレンツ条件の産物ではないかというのが僕の感想です。

   しかし、観測可能なFμνが一般共変性原理をみたしているのに、なんでベク
   トルポテンシャルが、一般共変性を満たさないのでしょうか。

                                    sci3927

#0003 sci5498  9010311924

ううーん はいぶらう じゃ

”重力場” てのにも問題がありそうな気がしますね。
リッチテンソルまで消せるとしたらこれは実は重力ってのは
まったく見かけのものでじったいはまったくないってことになって
しまいそう

えーっと、今書いてて思いだしたんですが

元々の等価原理ってのは、基調にあって様なんじゃなくて

”慣性質量と重力質量は同じである”ってんじゃなかったっけ?

つまり、運動方程式の加速度項に現われる質量と万有引力に現われる
質量とはまったく同一のものである  とどこかで読んだ気が

(ランダウ、リフシッツかもしれない)
                                             ほんとは素人の shige-A

#0004 sci6343  9011051711

故人の悪口は言いたくないが、内山氏の本はダメだ。ランダウのほうがいい。

#0005 sci6277  9012202156

   結論から言えば、私も内山先生の本が間違っていると思います。
    しかし間違っているのは、裳華房のほうではなく、関連2の理由で
  「等価原理が破れている」と主張している世界で唯一の本、岩波全
  書の方です。先生は岩波全書と、それをリライトした教科書だけで
    この主張をしており、あまり実害はないのですが...
      パイエルスの「物理学秘伝集」という本にも、局所性を失念した
  ことによるパラドックスが述べられていますね。

                             修論書いたっ!餃子まん

#0006 sci6277  9012202220

  限りなく愚痴に近い補足...

  この内山先生の本を読んで、私に「これが解らないなら物理なんか
  やめちまえ」なんて言った誰かさんは土下座もんだなあ。
  一応大学院の入試ではトップだったんだよん(いやみかな)。 

                                            餃子まん

#0007 sci3927  9012242306

>元々の等価原理ってのは、基調にあって様なんじゃなくて
>”慣性質量と重力質量は同じである”ってんじゃなかったっけ?

    何を「等価原理」と呼ぶかであるが、Einsteinの最初の論文の内容では、

    「一様な重力場は、一様な加速度系と同等である」

    となっていて、これを、普通、「等価原理」と呼ぶようです。

                                             sci3927

#0008 sci6609  9103171042

 ”すべての物理法則....”というのは明かに言いすぎ。アインシュタイン言う
等価原理は”どんな曲った空間でも、局所的にはミンコフスキー空間にできる”
ということだから、場の方程式みたいに時間空間的に拡がった現象を表す方程式
は、ミンコフスキーでのものとは一致しないのは当然。
 したがって”局所的に....”と言っているアインシュタインの等価原理は、こ
れらの場の方程式に付いては言及しておらず、関連2の様な議論はおかしい。
 内山教授の本でも、岩波ではない基調の本では、”等価原理の破れ”云々とい
う話は削除されているので、岩波の記述は信じない方がよい。
                                はお


#0009 ultra7   9103181108


 ひさびさに書き込みが・・・

 しかし、等価原理って、本当に「局所慣性系がいつも取れる」って
 いう原理なのでしょうか。

 #737の関連4にぎょうざマンさんが、前に書いていてくれたけど
 座標変換でそういう系が取れる、というのはリーマン空間に固有の
 、いわば「数学的」な性質なのではないか、という気がします。

 つまり、一般相対性原理で、「物理法則はテンソルで」と定めたら
 「局所慣性系が取れる」というのは、必然的にオマケについて来る
 性質では、と思いますが・・・

 あの後、色々な教科書を再び見て見ましたが、本当にこの等価原理って
 表現がバラバラで、真の意味が非常に捕らえにくいんですよね。

 艮神


#0010 kepel    9103202202

丸善のPARITY BOOKSの一冊として
「いまこそ相対性理論」(江里口良治、藤井保憲)
がでました。この中に、幾多の友情を破り続けた等価原理論争のヒントと
なりそうな記述がありました。ご紹介します。

七章 等価原理「重力質量と慣性質量とが等しいことである」
これはいいんですが
九章「近傍を超えて」(どうです、魅力的でしょう)
ニュートン力学の言い方で「慣性力と重力は同じ」というのは
少しナイーブにすぎることのアインシュタインは気づいていた。
(なるほど)
(1)まず、地球周辺のいわゆるアインシュタインエレベーター
決して特殊ではなく、十分に典型的である。
(2)しかし、地球周辺の重力は決して一様ではなく、十分広い範囲なら
慣性力=重力とはいえない(座標変換で打ち消せない部分が出てくる)
(3)では、どこまで小さい範囲で等価原理が成り立つか
(4)Γ(クリストッフェル記号)が消せる範囲=二次の微少量が
無視できる範囲といえる。それを「時空の接続空間はミンコフスキー
空間である」といいかえられる。
(5)それは曲がってはいないではないか。
(6)ベクトルの平行移動をして、戻るか戻らないかで曲がり方が分かるだろう。
それはΓの一次微分、つまり計量の二階微分=二次の微少量のまで考えなければ
ならない。=曲率テンソルまで考えるべき
(7)アインシュタイン方程式は曲率テンソルの方程式。「これは二次の
微少量に関連する量であるから、等価原理の適用範囲を超えて使われる
ものである、(中略)一般相対性理論は、出発点であった「近傍」よりも
もっと広い範囲に適用することのできる強力なものとなるのである」(原文
のまま)

  つまり、等価原理のあとにもう一つ物理的なジャンプが
  あるのではないかという書き方です。

コンジンさん、餃子まんさん、その他、この基調に悩まされていた方々
ご意見をどうぞ

      もと物理学徒のkepel
      (東京科学部・内村直之)


#0011 ultra7   9103221053


 ふむふむ、これは買わなくては。しかし、さすがkepel先生
 こんな本未だに買って読んでいるのですか。

 物理  學徒って、卒業してもうウン年と言っても、ずっと
 物理に後ろ髪引かれ続ける人(ワタシモソウダケド)が、なぜか
 多いのですよねえ。

 それだけ、美しい学問なんだと信じている艮神


#0012 kepel    9103221610

そうそう

    kepel


#0013 sci6609  9103222137

 等価原理の”等価”というのは

”重力と慣性力が等価”ということで
”重力は座標変換で消せる見かけの力”であるという意味。

 アインシュタインは理論を作る途中で、これは局所的にしか成り立たないことに
気づいて、いま等価原理と呼ばれているものを提唱した。等価原理の別の表現とし
て”あらゆる方程式はミンコフスキーでのものと同じ....”云々というのもあるが
あくまでこれは局所的な領域にしか適用できないことに注意すべきである。すなわ
ち関連1の議論は、最初から等価原理の前提条件が満たされていないことになり、
”等価原理が破れている”とは結論できない。

 藤井教授のパリティブックスは私も持っていますが、確かにこの記述は非常に正
確でおすすめできます。


#0014 ultra7   9103222241


 本屋で立ち読みついでに、シュッツの相対性理論の教科書を調べ
 ましたが、やはり、「いつも局所慣性系が取れる」というのは、
 リーマン空間に固有の性質ですね。

 では、この基調にある「重力を消せる」とはどういう意味か考えると
 重力の影響を消せる、つまり、普通のミンコフスキー空間と同じ物理法則
 が成り立つ、と言う意味でしょう。

 何回か書きましたが、あらゆる物理法則にこれが適応できる、と
 主張するのが「強い等価原理」です。

 これ、確かに言い過ぎな感じがしますが、上のシュッツの教科書では
 「強い等価原理」(ダッシュ=微分をコロン=共変微分に書き換える
 法則)は、「常に成立する」ってなことが、書いてあります。

 ただし、基礎方程式の中に、Rを含まないことが条件ですが、これも
 今まで、含まれるような例外は見つかっていない、となっていました。

 しかし、この話を始めるきっかけになった、電磁場を含む重力場の
 方程式って、もろにRAという、項が出てくるんですけど、ここらと
 シュッツの記述の整合性ってどうなっているのでしょう・・・。
 ご存じの方がいらしたら、教えて下さい。

 艮神


#0015 kepel    9103222245

話が進んだ、話が進んだ、うれしいな

平和主義者のkepel


#0016 sci6609  9103241534


 しつこいようだが、等価原理には前提条件(局所性)があり、それが満たされ
ていない対象を指して”等価原理が破れている”というのはナンセンス。

 カンマの後に二つ以上の添え字がくるとき(2階=2次の微分の交換)には局
所性が保証されないので、等価原理の前提が成り立たない。電磁波の方程式はそ
の明かな例である。シュッツの言っているのは、発散ゼロの式(1階微分)は等
価原理を満たすはずである、ということ。電磁場でも二階微分のダランベール方
程式ではなく、一階微分のマックスウェル形で書けば”カンマ=セミコロン法則”
が使える。

  kepel 氏をはじめとして、多くの方が正解に達しておられるようだが、まだ理
解できない人のために次の様な例はいかがであろうか?

 ”太陽右手原理”として次の様なものを考える、

 ”北を向けば、太陽は右手の方角から昇る”

 しかし、南を向いている人が、太陽が左から昇ったのを見て”太陽右手原理”
は破れている、と言うのは正しいだろうか?


#0017 ultra7   9103242048


 『等価原理は局所の法則だから、局所でないものには使うのは元々ナンセン
ス』という主張は、分かります。その当たりの議論は、以前の書き込みを読ん
でいただくと分かりますが、ぎょうざまんさんの書き込みでほぼ尽きている、
のではないでしょうか。

 それは、それで、まあいいとしときます。(実際は多少ひっかかるところがあり
あますが、それは、後程指摘します)。

  どうも何を問題視して議論しているのか、よく伝わっていないようなのです
が、それは、以上の議論と、いわゆる『強い等価原理』との間の整合性の事です。

  #737の関連書き込み42番で、すでに引用しましたが、もう一度『強い等価原理』
を書いておきますと

 『(1)時空のどの点においても必ず局所慣性系を設置できる。この系から
みれば、局所的に重力の影響は完全に消去される。すなわち、そこでは重力の
なかったときの法則が成り立つ』

 これが『強い等価原理』です。この原理は「局所慣性系でみれば、あらゆる
物理法則が、特殊相対性理論と同じ形になる」ことを要求していますが、重力
場中の電磁波の方程式は、その要求を満たしません。これを、どう解釈すれば
いいのでしょうか、ということです。

  抜け道としては、

 1。「強い等価原理」は成り立たない場合がある
 2。「物理法則」といっても、実は2階以上の微分のある法則を暗黙のうち
    に除いている。
 3。電磁波の方程式は、ここでいう「物理法則」に当てはまらない。

 など、いくつか考えられそうですが、どれが正しいのでしょうか。

  法則に『局所』と書いてあるから、だから2。が正解だ、という解釈もあるでしょ
うが、ちなみに、この文を引用した裳華房(岩波ではないのです!)の参考書では、

 『強い原理の(1)についてはすでに述べたように、これは必ずしも成り立
つとは限らない』

 として、1。の解釈を取っています。

   艮神


#0018 ultra7   9103242049


 元々、なんでこんなことに、こだわっているのかということを説明しますと、
疑問の出発点は、『等価原理』なんてものが何で、原理として独立に立てるこ
とが必要なのか、というところに話しは帰ります。

 普通の入門書にあるように、『等価原理』を「慣性質量は、重力質量に等し
い」という意味だけだとしますと、こんなことニュートン力学ですでに仮定さ
れていることであって、いまさら、何のために持ち出すのか、よくわからない
ところがあります。

 等価原理が、『原理』として意味をもち得るのは、「局所慣性系=ミンコフスキー
空間がいつも取れる」ということではなく(前に書いたように、これは良く誤
解されるところですが、このことは、「一般相対性原理」についてくるオマケ
であって、独立した原理ではありえません)、上の書き込みで書いたようにそ
うして作った「局所慣性系内では、普通の慣性系と同じ物理法則が働く、つま
り、重力の『影響』を完全に消せる」ということに意味があるのだと思います。

 重力場の方程式などを使えば、物質があると、どう空間が歪むかは規定され
ますが、その曲がった空間内で、重力以外の他の物理法則がどの振る舞うかは、
一般相対性原理や重力場の方程式からは、何も言えません。これが、分かるの
は、等価原理からです。

 重力場中で、ある物理法則がどう振る舞うかを知りたければ、とにかく、与
えられた重力場の中で局所慣性系を作れ。そして、その系の上で、通常知られ
ている形の物理法則を書け。書いたら、局所慣性系から元の重力場に座標変換
で乗り移れば、重力場中の方程式が分かる。等価原理って大体、こういう筋書
きで出て来たものなのではないでしょうか。

 ランダウは、著書『場の理論』の中では、ここらのことを何も言ってません
が、入門書の方で、「一般相対性原理は、単なる『数学』であって、物理的には
何も述べていない。一般相対性原理が物理法則と成れるのは、等価原理がある
からだ」といったことを、確か述べていました。

 等価原理をそういう原理だとすると、望ましい等価原理とは、すべての物理
法則について述べた「強い等価原理」であり、実際に、アインシュタインも、
当初、この強い原理が、常に成り立つと考えたと思われます。しかし、実際に
は、正確には一階微分の物理法則の時しか、これを満たさなかったというわけ
です。

 艮神


#0019 ultra7   9103242050


 大体、等価原理は、正確にその定義が書いてある教科書って、ほとんど見たこ
とがない気がするのですが、どうでしょうか。

  例えば、この基調の始まりに、等価原理の定義がありますが、この定義も、正し
くないでしょう。定義の中で「近傍」という言葉を使ってますが、普通「近傍」と
言えば、その近く、という意味であって、そのポイント「一点のみ」ということは、
指しません。

  上の方の書き込みで、「等価原理は局所の法則だから、局所でない法則に使う
のは元々ナンセンス」というのが「引っ掛かる」と書いたのは、この「局所」という言
葉の解釈がおかしいのではないか、ということです。

  この『局所』という言葉の使い方に、何か非常な座りの悪さというか、強い恣意
性を感じているわけです。『局所』だから、2階微分は含まないのが当たり前だ、と
いうより、『局所』を2階微分を含まないと「再解釈」して読めば、等価原理は破れ
ないですむ、ということなのではないでしょうか。

  だって、普通物理では、局所というと、「非常に狭い空間」という意味で、と
にかく極小さいながら、なんらかの広がりがある空間を指して使うはずです。

 曲がった空間でも、その一部を取れば、真っすぐな空間で近似できるとか、非
平衡状態でも、小さな空間に分けて考えれば、その内部は平衡と見なせる、とか
いう使い方で、『局所』というのは結構、物理ではよく使う言葉であり、近似方法
です。しかし、この等価原理の場合の『局所』という言葉は、これらの場合の『局
所』と、その「意味内容」が、かなり異なって解釈しなければならないようです。

  等価原理の場合の『局所』は、少しでも広がりがあると成立しないので、厳密
に「一点」でしか成立しないことを「局所」と呼んでいます。こういうことを『局
所』と呼ぶのは、他に例がないのじゃないでしょうか。  (もし、等価原理の『局所』
を、一点のみという意味で用いず、極小さいながら広がりが許されると解釈する
と、その微小空間内で2階微分ができてしまうので、2階微分の出てくる法則は『局
所』の法則ではない、ともともと言えなくなってしまいます)

  また、一階微分の法則は『局所』の法則で、二階以上は『広域的な法則』という、
『局所』の使い方も、他に聞いたことがない気がしますが・・。2階以上の微分
は、一点では定義できないので、局所の原理である等価原理の元々の守備範囲
以外である、というのはどうも納得できないところがあります。

 というのは、私は現代数学は得意じゃないのですが、微分の定義から言えば、
「ずーっと一点に近づいて行く」という高校生風定義、また、聞いてるだけで
イヤになった大学の「イプシロンーデルタ法」、直感的には分かりやすいが、
その真の意味はしらない「超準解析」などなど、どの微分の定義を取っても、微分
という行為は、その定義上最低2点が必要で、最初から「一点のみ」で定義するの
は無理なのじゃないでしょうか。そういう意味では、一階微分の物理法則も、等
価原理のいうところの「局所」の法則ではないのではないでしょうか。

  また、考えようによっては、2階微分、3階微分といえど、その値は、「一点のみ」
で定義されているのですから、その値は「一点=局所」の値であり、2階微分、3
階微分も局所の法則とも、いえると思います。

  以上うだうだ書いた事から、一体何が言いたいのかをまとめますと、『局所』だ
から、2階以上の微分は対象外なのが「当たり前」なのではなく、逆に、そう言う
ふうに『局所』を解釈し直してやれば、等価原理が破れなくてすむから、そう解釈
したやろう、ということなのではないか、ということです。

  等価原理は法則の表現上は、ずっと同じ『局所』という言葉を使ってはいます
が、法則の理解が進むに連れて、法則が破れないように、うまくその指し示す内
容(シニフェ)を微妙に変更して生き延びきて来た、(または、そう再解釈するこ
とにした、だから、普通の『局所』という使い方に合わなくなっている)とい
うことなのでは、ないでしょうか。

  少なくても、アインシュタインが当初から『局所』という表現で、「2階微分は含ま
ない」とか、「一点でしか成り立たない」、ということを指そうと思ったとは、
思えません。(アインシュタインは、確か論文の中では、非常に狭い空間といった表現
をしていたと記憶しています)

  『局所』を法則が破れないように再解釈した意味内容でとらえれば、電磁波
は確かに適用外であり、等価原理は破れずにすむのかもしれません。しかし、
最初にアインシュタインらが考えていた、等価原理という意味では、やはり実際は常に
は、この原理は成り立たず、破れている法則なのだと思います。

 『局所』とは、「2階微分は含まない」「一点でしか成り立たない」、とい
う内容を指すのだ、と解釈してやれば、電磁波などはその原理の適応外だ、と
いうことはその通りだと思います。

 しかし、それは、破れないように、普通の使い方や、当初からの意味から外
して原理を解釈し直してやった結果なのであって、そうならば、原理が破れな
いというのは当たり前ではないか、ということを、私は述べたかった分けなの
です。分かりましたでしょうか。

 艮神


#0020 sci3927  9103252035


先日、素粒子物理学を専攻している友人を招いて、この基調を見せたのだが、

    「下らん」

と一言いわれただけであった。以前にも、この話をしたことがあるのだが、

    「近傍、近傍っていうが、距離の公理を使わない近傍の定義を知ってるのか?」

といわれ、言葉につまってしまった。彼は、それにおっかぶせて、

    「ブルーバックスで超重力理論の解説を読んだところで、
      超重力理論を本当に理解したことにはならないし、ガロ
      アの理論の解説をいくら読んだところで、ガロアの理論
      を本当に理解したことにはならない。物理学科のくせに
      ブルーバックスなんて読んでると、馬鹿になるぞ。」

といわれてしまった。    sci3927


#0021 ultra7   9103252145


  ほう、過激な素粒子屋さんだこと・・・。

  もう10年以上前の薄ら覚えの知識で失礼ですが、確か開集合があれば、その集
合で「近傍」を数学的には定義できましたよね。距離の公理を使わない近傍の定
義ってのは、この普通の開集合で定義する、位相空間での近傍のこってはないで
しょうかねえ。

  数学的には近傍は、確かそのように定義しました。でも、その「近傍」で考えて
も「開集合」ですから、「一点のみからなる近傍」ってのは、普通には、考えません
ね。

  大体もってして、距離を使わない近傍の定義を知っているかどうかってこと
が、どういう関係があるのでしょうか。

  この問題の場合は、元々距離の歪みが問題となる「一般相対性理論」の話であ
りますから、距離を使わない近傍の定義を尋ねたことで、この素粒子屋さんは、
なにを主張されようとされたのか、私には、まあ予想はできても理解はできませ
ん。

  それから、この議論がブルーバックスを元に行われていると、どうも誤解されている
節がありますが、ブルーバックスはごく一部で、文章上多く出て来ているのは、「裳華房」
やら「岩波」やらシュッツの本など、まあ素粒子屋さんも読まれているであろう、物理
の標準的な教科書なんですけど。

  この素粒子屋さんにも、その態度をどうも感じるのですが、この議論をやって
いてつくづく思うのは、出てくる物理屋の方々の多くが、何で「俺は物理のオーソリテ
イーだもんね。君は素人で間違っているけどねえ」という態度で、ここに次々現れ
るのかは、これが、不思議ですよねえ。

  皆さん、自分の学問=物理には、「誇り」をもっていられるようですが、その自信
の一方で、精神的な「余裕」ってのが、どうも少ない印象がありますが・・。

  他の某コーナーで「物理科進学の進め」などを書いてしまいましたが、少なくても
私が、物理をやっていた時代には、こういったタイプの物理屋は身近には、ほとんど
いなかったように記憶してます。それに、専門以外の分野の工学、生物などの科
学知識も身につけようと、みんなブルーバックスもよく読んでましたなあ。(私は、今も
良く読んで喜んでいるけど)。

  それに、ブルーバックスは決して馬鹿にできないと思うけどなあ。確かに、自分が専門
の分野のブルーバックスの本を読めば、下らなく見えるかも知れません。それは、あなた
が専門なのだから当たり前。でも、あの何百冊かある中から任意の一冊を抜いて、
そこに書いてあるのと同様の知識を、常に諳じられる人間なんて、この世にいな
いのとちゃうでしょうか。

  私が科学記者の端くれをやらせていただいて思うのは、大学で何を専門にし
ようと、それは膨大な現代科学から見れば、ごくごく一部しか見れていない、と
いうことです。専門馬鹿になりたくなかったら、逆に、ブルーバックスでも何でも、よそ
の世界の話をよく読み、学ぶこってす。特に、素粒子屋さんは、『科学の王道』を学
んでいる、なんて思って、『物理学帝国主義者』になりやすい領域ですから・・・。

  艮神

  蛇足。
 以上のことは、sci3927さんのことではありませんので、気を悪く
 されませんように。


#0022 sci6609  9103252206


  アインシュタインは1915年11月25日に出した論文で、はっきりと局所
性に言及している。また二階微分が(一次のオーダーという視点で考えると)非
局所的であることは、数値計算をやったことのある人には常識である。

 また、この問題はMTWに載っているが、彼らは”等価原理の破れ”などとは
決して言っておらず、”二階共変微分の交換の結果”として説明している。

 確かに、一般相対論を専門に勉強(例えばMTW等の教科書で)したことのな
い人に正確に説明するのは困難だろう。正確に理解したければ、ブルーバックス
や一人の書いた教科書を金科玉条にせず、アインシュタインの原論文を読み、テ
ンソル計算をマスターしなければならないことは言うまでもない。

 唯、この電磁波の場合には等価原理は破れていないので、専門以外の人は安心
して欲しい。等価原理の破れ、という問題はそれ自身たいへん面白い問題である
が、この程度のレベルの問題ではない。素粒子屋に鼻であしらわれても無理はな
いだろう。


#0023 sci6609  9103252216


  ”一人の書いた教科書”と書いたが、”「裳華房」やら「岩波」”は実質的に内山氏
一人の書いた教科書である。私の知る限り、この電磁波の方程式が等価原理を破る
と書いているのは、世界中で彼だけである。

 シュッツも藤井教授も、”等価原理は厳密に守られている”、と書いているし、
この議論はもうほとんどの人にとって決着がついているように思われる。

 もう少しハイブロウな議論を望む。


#0024 sci6609  9103252259


>また二階微分が(一次のオーダーという視点でで考えると)非局所的である
>ことは、数値計算をやったことのある人には常識である。

 数値計算をやったことのない人は、二階微分を差分で書き直せばわかるはず。
藤井氏がパリティブックスで書いているのも、この様な意味である。

 以上、ダメ押しの補足


#0025 ultra7   9103261357


 いやあ、どうもレベルが低くて、本当にすみません。でも、相対論をよくご存じ
のようですねえ。まあ、そう言わずにぜひ、以下のことについて教えてくださ
い。

 まず、何回も書いているのですが、結局「強い等価原理」と重力場中の電磁
波の方程式の間の整合性は、どうなっているのでしょうか(1。)最初からずっと、
同じくここで引っ掛かってしまい、皆さんにご迷惑をかけているので、前に進
むために、どうか、まずこの点について教えてやってください。

 前に、「激論」をしていただいたぎょうざまんさんが、#737の関連31で書いて
くれたように「強い等価原理」とは、

  「重力場中で、局所慣性系に座標変換すれば、あらゆる物理法則は無重力中
と同じになる(区別がつかない)」

  ということだと思いますが、この「あらゆる物理法則」の中に、電磁波は含まれ
ないのでしょうか(2。)。含まれるとすると、明らかに矛盾を起こすと思いますが。
電磁波は、物理法則じゃないのでしょうか。または、2階以上の微分を含む物は、
物理法則とは呼ばないのでしょうか(3。)。もし、この原理が、「あらゆる、といっ
ても2階以上の微分を含む法則は対象外としてという意味での、あらゆる」とい
う意味なら、(どう読んでも、そう読めないのですが)、そうでしたら、ここで、誤
解を招くしかない「あらゆる」などという言葉を、なぜ使っているのでしょうか(4。)

  それから、1915年の論文でアインシュタインは、「はっきりと局所性に言及している」そ
うですが、具体的にどう「はっきり」言及しているのでしょうか。引用していただ
けませんか(5。)

  多分、電磁波など2階微分以上の法則をその対象から排除するように、局所と
は、「2階微分を含まない」とか、「一点のみのことだ」とか、ちゃんと書いているの
だと思いますが。それとも、単に「無限小の空間」といった、ごくごく小さいなが
らも広がりのある、空間を考えているのでしょうか。

  それから、等価原理は、SCI6609さんの言われるように、「電磁波などは原理の
対象外」と見なして、最初から作られた原理なのでしょうか。それとも、「2階以上
の微分の法則は対象外」、というのは、できあがった「一般相対性理論」が矛盾を
含まぬように、後で原理をうまく解釈してやったものなのでしょうか。(6。)

  また、『MTW』やらに、この問題が載っている、ということですが、「強い等価原理」
と矛盾を起こしそうなことについて、なにか書いてありますか。(7。)

  ところで、この『MTW』って、もしかしたら、MISNER・THORNE・WHEELERの『GRAVITAT
ION』のこってしょうか(8。)これだとしたら、ご存じない方にご紹介しますと、シス
テマテイックにみごとに書かれた、実に米国っぽい、相対論に関する「恐るべき」参考書
です。

  しかし、厚くて重いんだな、これが。私は、とても全部理解し切ったとは言えま
せん。SCI6609さんは、この「枕本」を完全にマスターされたようで、これは、すごい。

   『MTW』がこの本のことなら、確かに「等価原理が破れる」なんて書いてなかっ
たでしたね。確か。(正確にいえば、内山さんも「破れる」なんて書いてなかったな
あ。これは、私の言葉であって、内山さんは、確か「成立しない」といった表現だっ
たと記憶してます)

  ただ、私の記憶では、『MTW』には、2階以上の微分が入る物理法則について、どう
重力場中の式を書き下すかについては記述があり、「一般的方法はないけど、よ
く気を付けてやれば大丈夫」ってな(本当はもっとテクニカルな記述だけど)、数式運
用上の注意が書いてあっただけだったで、等価原理の哲学的(?)な解釈問題など
には触れていなかった、と思いますが、どうでしょうか。もし、読み落としていた
ら、教えてください。(9。)

  以上細々分けてしまいましたが、カッコで囲んだ9点の疑問に付き、どうかロウブロウ
な艮神にお答えをくださいませ。

  艮神


#0026 sci6609  9103261503


 ”内山氏だけが正しく、世界中のほとんど全ての相対論研究者(アインシュタ
インを含む)が誤っている”

 よりも

 ”世界中のほとんど全ての相対論研究者(アインシュタインを含む)が正しく、
内山氏だけが誤った”

 という可能性のほうが高いと思うがどうだろう?

 言葉は悪いが、アインシュタインの理論は、一介の新聞記者が”立ち読み”や、
”10年前のうろ覚え”でボロを出すようなオソマツなものではない。2次の微
小量を考えることは等価原理の適用外であることぐらい、ちゃんと考えてある。
これは藤井教授、シュッツ、MTWの考え方である(もちろんアインシュタイン
もそうである)。


#0027 ultra7   9103261613


  うう、またも、またもなぜか、艮神の「ローブロウ」な質問にお答えいただけませんで
した。なんで何回質問しても、それにまっとうな形で答えがこないで、あんまし
物理的とは思えないなあ・・・という感じの、こんな「多数決」みたいな回答しかい
ただけないのでしょうか。私の質問が理論的におかしければ、理論的に「ここと
ここが、原理的に回答不可能だ」とでも、ご指摘いただけばすむことだと思いま
すが。

  しかし、
  >2次の微小量を考えることは等価原理の適用外であることぐらい、ちゃん 
  >と考えてある。これは藤井教授、シュッツ、MTWの考え方である(もち 
  >ろんアインシュタインもそうである)。
  って、これどうやって確かめて書かれたのですか。なんか「決めつけ」っぽいの
ですが、大丈夫ですか。

  というのも、何回書いても答えがもらえない同じ質問を何回も書くのは疲れ
るので、実はさきほど、sci6609さんも「たかーーく」評価されている東大の藤井
教授に、この件で直接電話インタビューを致したのでありました。それをご参考にお載
せしましょう。

  「アンシュタインの考えから言えば、等価原理が不成立の場合はありますよ。内山さん
が岩波全書に等価原理が不成立と書いたことが、業界で有名なチョンボだ、なん
て話、全然、ないですよ、そんなこと」

  「電磁波は『広域』の現象だから、これに等価原理を当てはめることはできない、
なんてことはありません。ただ、電磁波の場合は、ゲージの問題などもあって、話
はそう簡単ではないけど。タダ、そういう例はほかにもたくさんあって、2次以上
の微分を含む高次の方程式をあてはめるのは、素粒子などで、よくやっています」

  「そういう場合は、一般共変性だけで、理論をとにかく作る訳です。等価原理は、
フラットな空間にした時、著しく普通の形と違うとかないように、一番低いオー
ダーであっていればいいんです」

  「等価原理って色々な表現がありますが、単純なものほど、すぐ成り立たなく
なるのです。後になって、アインシュタインが最初に考えた出発点の形での等価原理になっ
ていない、なんてことは、よくあることです。」

  「(ほかにも)例えば、アインンシュタインは、平坦な空間で物理法則が決まれば、曲がっ
ている空間でも法則が決められる、と考えましたが、これなどは、アンビギュイテイがあっ
て完全に誤りだったわけです」

  「ただ、ここらのことは純粋テストして実験的に決められる精度の話でないの
で、本当は、よく分からないのです。まあ、考えても仕方ないわけです」

  「『いまさら相対性理論』で、等価原理の成り立つ範囲は、2次の微少量が無視で
きる範囲って書いたのは、これは、一次のクリトッフェルは座標変換で消えるけど、2次
のリーマンテンソルは消えないということを念頭に書いただけで、電磁波に係るリッチテンソル
が座標変換で残るから、これが等価原理を満たさないかどうかなどというここ
での議論とは、関係ありません。」

  ということでございました。藤井先生ありがとうございました。

  では、引き続きご質問のお答えをお待ちしてます。 私なんぞ、一介の新聞記者
の「立ち読み」(なぜ立ち読みって断定できるのかなあ。読心術ですね)や、「うろ
覚え」(これは私が前に公言した)をはるかに越えたハイブロウな、お答えをぜひ待っ
てますよ。

  艮神


#0028 sci1004  9103261622


 申訳ないですけど,中身の吟味と,「一介の新聞記者」「立ち読み」
とは,どこがどう関係するんでしょうか.相手の立場に言及することが,
論理の正当性を担保するなんてこと,絶対にありえません.

 当該部分の撤回をされてはいかがでしょうか.  てむぽ


#0029 ultra7   9103261825


  本当に、なんですぐこういう「過激発言」になっちゃうんでしょうか。この議論
でいただいているお答えは、ログを続けて読んでいただけば分かりますが、質問
の答えに全然なってないというだけじゃなくて、ほとんど、「理論的」、とか「物理
的」といえるような次元の「受け答え」になってないわけですよ。

  還元して書いてしまえば、「物理界の常識はこうと決まっているのだ。だが、お
前ごときには、分からなくて当然だ」ということを繰り返しているだけ。

  上にも以前書きましたが、最近は相手を理論的に説得する前に、こういう風
に、まず「威張って見せる」ってのが物理界のトレンドなのでしょうかねえ。

 締め切りの迫って来た仕事があります。これ以上何回も同じ質問を書く時間
がありません。上の9つの質問にお答えがいただけるまで、しばらくこのコー
ナーを離れますので、よろしく。

 春の物理学会の開催期間中に、フーとため息をつく艮神であった。


#0030 sci3927  9103262103


    「ドンキホーテ」という本を、読みたいので、EINSTAINの論文の抜き書き
    だけをします。EINSTAINの論文は、ペーパーブックの

        THE PRINCIPLE OF RELATIVITY   EINSTEIN (DOVER)

    でしかもってないので、これから抜き書きさせてもらいました。

      ON THE INFLUENCE OF GRAVITATION ON THE PROPAGATIN OF LIGHIT(1911)

    (中略)
    §I A Hypothes as to the Physical Nature of the Gravitaion Field

        In a homogenouse gravitional field (acceleration of gravity γ)
    let there be a stationary of co-ordinates K, orientated so that the
    lines of force of gravitaional field run in the negative directin of
    the axis of z. In a space free of gravitaional fields let there be
    a second system of codinates K', moving with uniform accelation (γ)
    in the positive direction of its axis of z.
    (中略)
        But we arrive at a very satisfactory interpretation of this law
    of experience, if we assume that the system K and K' are physically
    excatly equivalent,...
    (中略)
        By assuming this to be so, we arrive at a principle which, if it
    is really true, has great heuristic importance.  For by theoretical 
    consideration of processes which take place reatively to a system of
    reference with uniform accelatin, we obtain information as to the
    career of processes in a homogeneouse gravitational field.

    以上、等価原理に関するもの。

        THE FOUNDATION OF THE GENERAL THEORY OF RELATIVITY

    (中略)
    §4.The Relation of the Four Co-ordinates to Measerement in Space and Time

    (中略)
        For infintely samall four-dimensional regions the theory of relat-
    ivity in the restricricted sense is approprate, if the co-odinates are
    suitably chosen.
        For this purpose we must choose the acceleration of the infinitey
    small("local")system of co-ordinates so that no gravitational field 
    occurs; this is possible for an infinitely small region.

    以上、局所がどうのという下りです。  sci3927


#0031 sci6609  9103262123


 故人なのでバケて出てこられると困るが、一応利害関係をもっていないので
内山氏の誤りを明確に指摘しておく。

 電磁波の二階の波動方程式はリーマンテンソルを含んでいるので、内山氏は
”電磁場があるときには等価原理が成立していない”、と結論づけている。

 電磁場があるときに等価原理が成立しないのなら、電磁場のマックスウェル
方程式(一階微分形)が等価原理を満たしているのはなぜなのか?彼の理論で
は答えられない。

 ところが藤井教授の本によると、これは”2次の微小量を無視できる範囲(P.95)”
を越えているから、と解釈できる。無限近傍、と言った時には普通 x+dx 等と
書き、dx を1次の微小量として考える。1階のマックスウェル方程式が等価
原理を満たしている一方で、2階の電磁波の方程式には等価原理を満たしてい
ないように見えたのはこれで説明がつく。

 一人で妄想せずに、インタビューを試みられたのは非常に評価できる。しか
し、うまく質問すればいくらでも自分の欲しい答えがえられるのが、新聞イン
タビューの常である。自分の意図と全然違う事が、いかにも自分の言ったよう
に書かれていて驚く、と言ったことも多く聞かれる。藤井教授の答えがすべて
インタビュアーの思っていた通りになっているのが気になるがどうだろう。

 例えば、最初アインシュタインの考えていた等価原理が後になってどんどん
変わってきて云々、というくだりは、アインシュタインが一般相対論をつくる
上での試行錯誤を指していると思われるが、意図的にここでの議論を指してい
るようにほのめかされているのではないか?

 すくなくとも藤井教授はこの本で”等価原理は破れない(P.77)”と書いてい
るので、このインタビューの答えと矛盾している(おそらく素粒子レベルでは
等価原理が破れているか?等というレベルの答えだろう)。加えてこの電磁波
の方程式が等価原理を破るとは、例のインタビューでも一言も言っていない。

 これ以上追い詰めても、他の人に迷惑がかかる(もう藤井教授にはかかって
いるが)だけなので私もここで止めることにする。だいたいこの議論は、”等
価原理はすぐに破れるので相対論は間違っている”という動機ではじまってい
るが、この点だけはすっきりしたと思う。


#0032 sci6609  9103262143


 次のドンキホーテにバトンタッチ

宿題1

 電磁場があるときに等価原理が成立しないのなら、電磁場のマックスウェル
方程式(一階微分形)が等価原理を満たしているのはなぜなのか?

宿題2

 内山氏が後に、等価原理が成立しない、というくだりを削除したのはなぜ?

宿題3

 電磁波の2階の波動方程式が等価原理を破る、と書いてある教科書を、内山
氏が書いたのではないもので見つけよ


#0033 sci3927  9103262317


    チェックしたら沢山綴りが違ってました

        THE PRINCIPLE OF RELATIVITY   EINSTEIN (DOVER)

    からの抜き書きです。

      ON THE INFLUENCE OF GRAVITATION ON THE PROPAGATIN OF LIGHIT(1911)

    (中略)
    §I A Hypothes as to the Physical Nature of the Gravitaion Field

        In a homogeneous gravitional field (acceleration of gravity γ)
    let there be a stationary of co-ordinates K, orientated so that the
    lines of force of gravitaional field run in the negative directin of
    the axis of z. In a space free of gravitaional fields let there be
    a second system of codinates K', moving with uniform accelation (γ)
    in the positive direction of its axis of z.
    (中略)

        But we arrive at a very satisfactory interpretation of this law
    of experience, if we assume that the system K and K' are physically
    excatly equivalent,...
    (中略)

        By assuming this to be so, we arrive at a principle which, if it
    is really true, has great heuristic importance.  For by theoretical 
    consideration of processes which take place reatively to a system of
    reference with uniform acceleration, we obtain information as to the
    career of processes in a homogeneous gravitational field.

    以上、等価原理に関するもの。

        THE FOUNDATION OF THE GENERAL THEORY OF RELATIVITY

    (中略)
    §4.The Relation of the Four Co-ordinates to Measerement in Space and Time

    (中略)
        For infintely samall four-dimensional regions the theory of relat-
    ivity in the restricrted sense is approprate, if the co-odinates are
    suitably chosen.
        For this purpose we must choose the acceleration of the infinitely
    small("local")system of co-ordinates so that no gravitational field 
    occurs; this is possible for an infinitely small region.

    以上、局所がどうのという下りです。  sci3927


#0034 ultra7   9103271403


  ああ、ご指摘ありがとうございました。そうですね、その大事な部分を書いて
ませんでしたね。では、この電磁波と等価原理の場合について、藤井先生が述べ
たところを収録させていただきます。

  「電磁波と重力場の場合ですね、ええと待って下さい。リッチテンソルがあるから・
・・・。ええと、やっぱり不成立ですね」
  以上です。

  それから、『いまこそ相対性論』で藤井先生が、『等価原理は敗れていない』、と
書かれているのと矛盾するではないか、という『ご指摘』ですが、ご指摘のp77の
記述を、ここに採録しましょう。

  「なお、第5の力が実際に存在していて、エトヴェッシュの実験にずれが生じたとして
も、これは真の意味で等価原理が破れたことならず、第5の力は一般相対性理論
の原理と矛盾するものではない」

  ちなみにこの文の載っている小題は「第5の力」です。ひまな方は、ぜひ本屋で
確かめて下さい。

  この「第5の力」について記述された話が、上での議論とはたして矛盾するかど
うか、というよりもともと関係があるかどうかは、読まれたみなさんがご判断下
さい。

  都合のよいように書くのは新聞の常とかですが、私自身で申せば、このような
全然関係ない文脈の話を引用するのは、後の「抗議」が怖くてとてもできません
ね。

  私のインタビューにご疑問があるようでしたら、どうぞこのログをもっていかれて、
私がデタラメを書いたかどうか、藤井先生ご自身にお確かめ下さい。

  引き続き、質問のハイブロウお答えをお待ちしています。

 艮神


#0035 ultra7   9103271453


  後、インビュアーの思うとおりになっているのが気になる、そうですが、私は、sci660
9さんが主張されていた「電磁波は広域だから等価原理の適応外」という議論ま
で、藤井教授が否定されるとは思いませんでした。これは、驚きましたね。

  どうも間違って解釈されている気がしますが、私がいいたいことは、別に「電
磁波は広域だから等価原理の適応外」ということが、正しくてもいいのです。

  ただ、「適応外」にしたのは、理論ができあがってから眺めると、そうしないと
座りが悪かったからであって、アインシュタインが最初に構想した「等価原理」(これは、
ほぼ上で述べている「強い等価原理」に近いものだった)は、2次以上の微分を含
まないなんてことは、考えの外だったわけです。そんな元々の意味での「強い等
価原理」は成り立たない場合もある、ということだけです。

  それから、この議論が「等価原理はすぐに破れるので、相対論は間違っている」
という動機で始まっているそう、ですが、私、そんな動機のこと一度でも書きま
したっけ。相対論が本質的に間違っているなんて、夢ゆめ思ってません。

  なにかエキサイトして議論に加わって来る方をみると、どうも、このあたりか
なり誤解されている気がしますね。

  一般相対論は、正しいですよ。だって、正しいでしょう。ただ、アインシュタインが最初
に心に描いた理論の構図が、そのまま皆正しかったわけでなく、できあがった理
論から見れば細かいところでは、結構ポロポロ間違っていた、ということです。

  しかし、しかし、そんなこと彼の偉大さから見れば、ほとんどどうでもいいこ
とです。少し、間違っていてくれた、ということで、かえって、あれだけ偉大な科
学者も、やはり私、見たいなしょうもない者と同じ「人間」では、あったのだ、とほっ
とさせてくれるくらいです。

  何の実験的確証もなく、彼、アインシュタインの心の中にあった、自然の持つ対象性や
美学への確信だけに導かれ作り上げた、一種の「形而上学」だった、この理論が実
際に、「自然界」によって選択されていた、ということは、本当の驚きです。そして、
一般相対論をまねて、これ以後に作られた理論が、実験でポロポロ落ちるなか、
未だに生き残っているという、ことのすごさは、やはり、アインシュタインは、「神に愛で
られた人間」だったことを示している気すらします。

  月並みではございますが、業績だけでなく、その人格の高さも含め、人類最
大の物理学者は、アインシュタインであったと堅く信じている艮神であった。


#0036 sci6609  9103272143


 ようやく2階の電磁波の方程式が、等価原理の適応外であることを認めて
もらえてうれしいと思う。

 藤井教授の答えを聞くと、どうも最近、無限近傍の定義は2次のオーダー
まで含むように変わったようだ〔笑)。それならそれで私も納得できる。

 インタビューされた方は、どうも私の考えが正しいと薄々思いながらイン
タビューしながら、否定されて驚いているようだが、高名な学者の権威を笠
に着ず、自分で理解している範囲で意見をのべる方がよい。私もMTWや、
Waltの該当部分を引用しても良いが、等価原理がこの方程式で破れていると
は一言も延べていないことだけを書くにとどめておく(いずれも等価原理の
章であるが、もし等価原理が破れているなら、そんな大事なことを書かない
わけがない)。前者は16章、後者は4章である。興味のあるひとは参照さ
れたい。

 それから藤井氏の引用が不適切かどうかに関しては、ただこの本で”等価
原理が破れている”とは一言も延べていない、ということが言いたかっただ
けである。

 最後に、アインシュタインは正しく、等価原理も相対論には必要であると
いうことも認めてもらえたようで、この議論も終結した感がある。ただ前に
書いた宿題は依然として残っているので、理解する力のある人は挑戦された
い。特に宿題1は難問ではないだろうか?


#0037 ultra7   9103280048


  『電磁波と重力場の場合ですね、ええと待って下さい。リッチテンソルがあるから・
・・・。ええと、やっぱり不成立ですね』

 と藤井教授が、電磁波の場合、「等価原理は不成立」と、はっきりいわれていた
ことが分かる前のsci6609さんのご意見。

    『一人で妄想せずに、インタビューを試みられたのは非常に評価できる』
    『(おそらく素粒子レベルでは等価原理が破れているか?等というレベル
の答えだろう)。加えてこの電磁波の方程式が等価原理を破るとは、例のイン
タビューでも一言も言っていない。』

   次に、実は、藤井先生も等価原理の成立を否定されていたことが分かってか
らのsci6609さんのご意見。

    『高名な学者の権威を笠に着ず、自分で理解している範囲で意見をのべる
方がよい』

    あらら、あらら・・・守備一貫性が・・・

 あのう、それから

    『この議論も終結した感がある。ただ前に書いた宿題は依然として残ってい
るので』って、書かれてますが、私がずっと以前から出している疑問、9項目には、
未だ一度もお答えいただいてないんですが。

    引き続き、「ハイブロウ」な、お答え待ってます。

 艮神


#0038 sci6609  9103311511


 MTWを引用します(ギリシャ文字の添え字を正確に書くのは難しいので
数式は省略しました。正しい数式は原文を見てください)。

P.390

Box 16.1  FACTOR ORDERING AND CURVATURE COUPLING IN APPLICATIONS OF
 THE EQUIVALENCE PRINCIPLE

 The Problem

 In what order should derivatives be written when applying the "comma-
goes-to-semicolon rlue"? Interchanging derivatives makes no difference 
in flat spacetime it produces terms that couple to curvature, e.g.,2B=
B;-B;+RB for any vector field (see exercise 16.3). Hence, the probrem 
can be restarted: When must the comma-goes-to-semicolon rlue be augmented
by terms that couple to curvature?

 The Solution

  There in no solution in general, but in most cases the following types
of mathematical and physical reasoning resolve the probrem unambigiuously.

A. Mathematically, curvature terms almost always arise from the noncommu-
tation of covariant derivatives. Consequently, one needs to worry about 
curvature terms in any equation that contains a double covariant 
derivative (e.g.,-A,+A,=4piJ); or any equation whose derivation from more
fundamental laws involves double covariant derivatives(e.g.,delta S=0). 
But one can ignore curvature coupling everywhere else(e.g.,Maxwell's
first-order equations). 

B. Coupling to curvature can surely not occor without some physical reason.
Therefore, if one aplies the comma-goes-to-semicolon rlue only to 
physically measurable quantities(e.g., to the electromagnetic field, but
not to the vector potential), one can "intuit" whether coupling to 
curvature is likely.

 この後、件の方程式が例としてでてくるが、めんどくさくなったのでこれで
止める。しかしすくなくとも○×教授は、MTWのこのページを読んでいない
ようである。


#0039 sci6609  9103311854


 アインシュタインの夢

 The law of physics, written in abstract geometric form, differ in no way
whatoever between curved spacetime and flat spacetime. (MTW)

 物理法則は、幾何学的な形式で書けば、曲った空間でも、平坦である時と同じ
形になる

 電磁場の場合において、1階のマックスウェル形に書くことにより、これを満
たすことができるように、あらゆる物理法則はこの”等価原理”を満たすような
形に書ける。これは一般相対論の動機であり、同時に大きな成果である。これに
反する現象は一つも発見されていない(量子論レベルでは話は別)。

 物理を幾何学に還元するというアインシュタインの夢は、重力理論ではこの様
な輝かしい成果をあげた訳だが、彼は更に電磁場をも幾何学に還元しようと試み
た。その一連の研究は統一場理論として知られているが、残念ながらこれはアイ
ンシュタインの頭脳を持ってしても満足な結果を出すには至らなかった。

 この理由は主に、電磁場には、重力場における等価原理のような指導原理が欠
けていたことが大きく影響している。

 統一理論は彼の没後、ゲージ理論という形で復活するが、これと重力理論との
結び付き(幾何学への還元)はいまだに謎である。

 Kepel 氏、アインシュタインの引用をしてくださった方、他暖かくこの議論を
見守ってくださった方に感謝し、また”無限近傍は2次のオーダーも含む”とい
う新しい認識を教えてくださった藤井教授にも感謝し、ここでの書き込みを終え
ることにする。
 最後にこの拙文を、今は亡きアインシュタイン、内山氏、ultra7氏の霊に捧げる


#0040 sci1004  9104010043


議論している相手を,平気で死んだことにできる感覚を私は疑う.
てむぽ


#0041 sci6609  9104022040


 失礼。筆(キー?)がすべってしまいました。虎の後ろにいる人の攻撃は恐い。


#0042 ultra7   9104081530


  どうも、『MTW』の引用は御苦労様でした。けれど、『MTW』は、『
素人』で『一介の記者』の私ごときでも読ませていただいております、まあ
基本的に「教科書」ですから、あの程度の本なら、絶対○×教授も、読まれ
ていることと思いますよ。

 すでに、この下りに触れて、『MTW』には、計算上の注意くらいしか
、確か書いてない、て前に書かせていただきましたが、引用を見る限りそん
なことしか、やはり書いてないようです。がっかりですね。

 これだけ大変よく勉強されている方ですから、sci6609さんは、まだまだ「爪」
を隠されているに違いありません。こんどこそ、こんな「教科書レベル」を遥
かに越えた、ハイブロウな、『藤井教授の全面否定』も吹き飛ばすようなすご
い引用で、かつ文脈を無視しない『適切な』ものが飛び出るのに違いありませ
ん。ぜひ勉強させて下さい。お願いします)

 では、すでに申し上げてありますように、引き続き残りの質問へのお答え
を待たせていただきます。

 艮神


#0043 sci6609  9104082101


 あれ?まだやるのですか?私はいいですけどね(笑)

 残念ながらMTWには「二階以上の共変微分には、カンマ=セミコロン法則
を使うべきではない」と明記されております。英語読めます?なんなら日本語
に訳してあげましょうか?

 まあ読めていながら、わざと、とぼけているんでしょうけど。

 そんなことでは、賢明なサイエンスネットの方々はだませませんよ。

 電磁場のマックスウェル方程式は「曲った空間でも、フラットでも同じ形」
ですよ。アインシュタインはそうゆう理論を作ろうとして、そしてそれに成功
したのです。

 これに気づいたんで、一週間もでてこれなかったのでしょ(大笑い)。

 それから、すこし議論はずれますが藤井教授のお話の中で、「電磁波はゲー
ジの取り方がどうの」ということがでてきますけど、これは明かに「電磁場の
量子化」と勘違いなさっていますね。まあいきなり電話でこんなこと聞かれた
ら色々間違うでしょうけど。


#0044 sci6609  9104082156


 9つの質問とやら、本当に読むのなら答えますけどね、

1 電磁波の方程式を電磁場の方程式になおせばよい

2 電磁場が満たすマックスウェル方程式は等価原理を破らない(電磁波には
 波長があるので、重力とカップリングするように見えるが、電磁場の方程式
 になおしてやればよい)

 1個の2階の微分方程式は、2個の1階の微分方程式系にいつでもなおせる。
1階の微分方程式では常に「等価原理」が成立している(MTW)。

 ということは常に「等価原理」が成立している。

 これでわからなかったら、ほんとに**だよ。他の人もちょっと言ってあげ
てください。

 あとの質問はまた今度


#0045 sci1509  9104082342


ねえ sci6609 さん、あなたが真実を語っていても、耳を傾ける
人がいなければ.何の意味も持ちえないんですよ.物理学はと
もかく、観客の存在を意識して、慎重な言葉使いをお願いしま
すよ.素人が高度な議論を眺めていてどちらに軍配をあげるか
と言えば、正しいほうではなくて、見た目、ですよ.

TAKA


#0046 ultra7   9104091233


 では、引き続きお待ちいたします。

 艮神


#0047 sci6609  9104092042


 なるほど、TAKAさん、有益な御意見、本当にありがとうございます。実は
私も薄々、そういうことには気づいていましたが。

 こうゆう場合は、「はい、あなたのおっしゃるとうりですよ。楽しいお話を
お続けくださいね。」などと言ってしまったほうが、サイエンスネットのため
になるのでしょうかね。ちょっとマイッてしまっています。

 藤井教授のインタビューとやらも、どうやら「クーロンゲージで、電磁場の
量子化がローレンツ共変性を破る」ということなのに、故意に「量子場」とい
う言葉を落している、などといっても、理解してくれる人がいないと、確かに
一生懸命書いてもバカみたいですね。


#0048 sci1082  9104100956


私ごときの素人がでしゃばるのもおかしいですが、この議論はこの
へんでお開きにしませんか。

 素人ではあっても、一応別の分野でアカデミズムに身を置くもの
としてみてみます。例えば私がある学術誌のエディターであったと
します。専門が多少ずれていても、レフェリーのコメントを参考に
論文掲載の可否を判断することはできます。U氏から提出された論
文に対してレフェリー(複数)からこれだけのコメントがあれば、
たとえ個人的に親しい仲でも論文掲載不可の判断を下さねばならな
いでしょう。

 一方、レフェリーをされている方も、既にかなり感情的になられ
ているようです。論文掲載の可否はその論文執筆者の人格について
の判断ではないこともあきらかなことです。ましてや、その執筆者
が大学に籍をおこうが、新聞社であろうが、特許局であろうが関係
ないことです。

 ということで、にわかエディターの判定に賛成していただけるの
であれば、この基調発言は封印をして、以後の書き込みは御遠慮願
いたいと思います。別に基調を開いて蒸し返すのもです。もちろん、
最後っぺもなしですよ。

 適当な期間をおいて、その間に決定的な証拠をつかんだというの
であれば、その時また再開してもよいでしょうが、私の尊敬するあ
る研究者は、論文を仕上げたあと1年間机の引出しに寝かせておい
て、もう一度読んでなおかつ価値があると思う論文だけを発表する
そうです。参考までに。

Notus


#0049 sci6609  9104101929


 どうも、Notusさん、御意見ありがとうございます。

 実は私が教わった数学の教官も、「アイデアを熟成せよ」ということを
常々おっしゃっていました。やっぱり、この議論はもういい加減やめたほ
うがいいですよね。正直言って、立派な新聞記者(しかも科学部ではなく
て、特に忙しい社会部)という職をお持ちの方に、このような時間をかけ
た、熟慮を要する議論を要求した方が間違っていたような気がします。ど
うしても、自分で考える暇がなく、引用をちりばめることぐらいしかでき
ないでしょうから。これは、しょうがないことですね。

 このサイエンスネットでは、「等価原理は破れっぱなし」。なんかこれ
でいいような気がしてきました(笑)。「科学朝日」の毒気にあてられた
のかも知れません。


#0050 sci1509  9104120128


Sad, you don't get me.

TAKA