Fre00713 生物のスケールアップと、フラクタル次元。

#0000 sci5435  9007290219

 みなさん、フラクタル次元って御存知ですか?
知ってる方も多いと思いますが、整数でないlog3 8次元とかいうやつです。
それと生物のスケールアップについてちょっと考えてみましたので聞いてやっ
て下さい。

詳しくは、関連発言の方にいれますのでよろしく。
                               杏仁豆腐

#0001 sci5435  9007290220

 まず、ガリバーが友達を肩車できるか考えてみたいと思います。
人間をスケールアップする事を考えると、その体重は3次元的に増加して行きます。
一方、筋力の方はどうでしょうか。大ざっぱにいえば、筋力は筋肉の断面積に比例
するのではないでしょうか。そうすると、人間をスケールアップすると、その筋力
は2次元的にしか増加して行きません。つまりガリバーが友達を肩車しようと思っ
ても体重を支えきれないことになるのではないでしょうか。(最もその前にそんな
人間は存在できないことになるでしょうが。)

 さて、次にフラクタル次元について簡単に説明したいと思います。
次元には、いろいろな性質があって、いろいろな定義の仕方が可能ですが、フラク
タル次元は、ガリバーの話で出てきた、スケールアップした場合の量の変化で定義
します。つまり、面積という量は、スケールを2倍にすれば4倍、つまり2^2倍
になるということで2次元の量、体積という量は、スケールを2倍にすれば8倍、
つまり2^3倍になるということで3次元の量と定義します。
 一般に、スケールをn倍したときにn^d倍になる量をd次元の量であると定義
することができます。

 では、非整数の次元の例をあげてみましょう。次のよ ↑ ■■■■■■■■■
うなフラクタルな図形を考えてみましょう。            | ■ ■■ ■■ ■
 この図形は全体Bがその相似図形であるAで構成され | ■■■■■■■■■
ているフラクタル図形と考えられます。Aもまたその相 | ■■■      ■■■
似図形で構成されていると考えて下さい。つまりAのス B ■ ■      ■ ■
ケールを3倍にしたものがBで、それは8つのAから成 | ■■■      ■■■
り立っています。すると、このフラクタル図形の“量” |↑■■■■■■■■■
は、スケールを3倍にすると8倍になる性質を持ってい |A■ ■■ ■■ ■
ることになります。8は、3のlog3 8乗ですから、 ↓↓■■■■■■■■■
log3 8(1.89・・)次元の“量”であるといえ   ←A→
ます。                                               ←―――B―――→

 話を生物の方に戻しましょう。生物は生きていく上で様々な物質を体内と体外で
やりとりしなくてはいけません。また体内だけでも物質をやりとりしている場所は
多数存在します。例をあげるならば、肺、腸、血管、腎臓、等々。これらの場所で
交換されている物質はそれぞれ“面”を通じて行き来しています。しかしながら、
これらの物質は体を支えていく上で、ほぼ体重、つまり“体積”に比例して必要な
ものばかりではないでしょうか。そうすると、前に書いたガリバーのように、生物
をスケールアップする事を考えた場合“面”と“体積”のバランスがくずれてしま
います。生物は成長の過程でスケールアップしていきますが、この問題をどうやっ
て克服しているのでしょうか。

 それに対する1つのヒントがフラクタル次元の考え方ではないでしょうか。つま
り、腸壁や肺胞は、成長していくに従ってより複雑にいりくみ、2次元以上の次元
を持ってその面積を増加させているのではないでしょうか。3次とまでいかなくと
も、それに近い次元を持って増加しているのではないでしょうか。

 ということで、長々と書いてしまいましたが、何かご意見か、実際のデータなん
かご存じの方がいらっしゃったら、レスポンスして下さればさいわいです。

                             杏仁豆腐