Fre00706 摂氏99.974度って本当?

#0000 sci5774  9007060915

今朝のラジオで,最近,温度計の精度が上がり水の沸点が摂氏100度ではなく
摂氏99.974度であることが判り,これに伴い学校の教科書等も来年から
訂正されるようなこと言っておりました. 本当かなぁ.
このことについて,詳しいことをご存じのかた教えて下さい.また,ご意見,
ご発言もお聞かせ下さい.
                           お邪魔虫

#0001 sci5774  9007060924

今まで私は,水の氷点が摂氏0度で,沸点を100度として,それを100等分
して摂氏の温度計の目盛りを決めていたもの思っていました.それならば温度計
の目盛りを修正するべきだと考えたのですが,私の知識がなさすぎたようで様
で,温度に関する知識の豊富な方,どなたかご指導を...
                         お邪魔虫

#0002 sci4920  9007062122

>お邪魔虫さん,

そんな話があったんですか。 (-。^) ヘー
それはちっとも知らなかった。

国際単位系の定義が552「光は重さあるの?」関連71と83に書いてあります
ので御参照下さい。

By Nori

#0003 sci5774  9007071425

>Noriさん アドバイスありがとうございます

実は、あれから気になって色々なデータベースをあったて見たのですが
そうしましたら、90年1月10日の朝日新聞にこのことが載っている
ようでして、記事内容の全文が手に入らないので詳しいことは判らない
のですが、現在、研究開発レベルでは水の沸点は摂氏99。974
度となるような計測方法のの温度計が使用されているそうです。
他のルートから記事内容を入手しようとしていますので入手したら
また、報告します。

>美優さんへ
美優さんは朝日新聞関係の方ではないのですか?
もし、そうなら上記の記事内容を入手できませんか? もし、できました
内容を教えて戴けませんか? お願いします。
                          お邪魔虫

#0004 sci2754  9007072045

  お邪魔虫さん
  私は朝日新聞とはまったく関係ありません。あっ!まったくとい
うわけでもない、単に、サイエンスネットの会員で朝日科学を愛読
書としている、某電気メーカーに勤めているサラリーマンです。お
役に立てなくてごめんなさい。

  ところで、摂氏はどのようにして求められるのでしょうかね。私
も今までは1気圧での蒸留水の沸点が摂氏100度とし、氷点が0
度として決めたのが摂氏だと思っていたのですが、どうやら違うよ
うでして、どうなんでしょうね。
                                                美優

#0005 kimot    9007072313

愚生は、朝日の社員ですので、来週にでも調べてみます。
しかし、新聞記事だとあまり詳しいことは載っていない
のではないかと思いますので、その点乞うご勘弁です。

木元・拝

#0006 sci5574  9007081700

 摂氏99.974度が、標準気圧下の水の沸点温度なのだ。
 一応、これが今年の国際温度目盛なのだ。
                                ベネア

#0007 sci5451  9007090322

 僕のまわりでは4月頃話題になりました。(化学科ですので)
ようするに定義が変わっただけなのですが、理科年表1990年版の目玉(?)
ともなっている改正ですので、以下に転載します。

**************************************
温度の標準

1967年国際度量衡委員会,1968年国際度量衡委員会および1989年国際
度量衡委員会で定められた温度標準の体系は次のとおり
----------------------------------------------------------------------------
             量記号 単位名 単位記号 備考
熱力学温度     T    ケルビン     K    1ケルビンは水の三重点の熱力学温度の1/273.16
                                    国際単位系(SI)の基本単位のひとつ
セルシウス温度 t    セルシウス度   ℃   t=T-T0,T0=273.16K,1℃=1K
国際ケルビン温度   T90  ケルビン    K  \これらは1990年国際温度目盛によって測られ
国際セルシウス温度  t90  セルシウス度   ℃  /る。T90はTに、t90はtに実験誤差内で
                   一致している。t90=T90−T0
----------------------------------------------------------------------------

1990年国際温度目盛(ITS−90)

定義:温度値が与えられた再現可能な平衡状態(定義定点)とこれらの温度で目盛定め
      される計器とに基づいて定義される。定点以外の温度は所定の公式で定められる。
----------------------------------------------------------------------------
  定義定点                 T90(K)            t90(℃)
水の三重点          273.16               0.01
  *<その他は省略します>*
----------------------------------------------------------------------------
  *注)水の沸点は定義定点ではなくなった。新しい温度目盛では、その値は
    標準気圧下で約99.974℃となる。
 *注)ITS−90の細部については現在検討中。国内での法定温度標準には
    まだIPTS−68が用いられる。
    *<IPTS−68:1968年国際実用温度目盛>*

**************************************

上記で*注)は転載元(理科年表)の注、*<>*は僕のつけた注釈です。
IPTS−68では水の沸点が定義定点のひとつとなっており、その温度値は
373.15K(=100℃)です。ITS−90ではIPTS−68にいくつか
あった「〜の沸点」という定義定点がすべて削除されており、各定義定義の温度値も
ほとんどが変更されています。おそらく20年のあいだの測定機器の精度向上が
改正の理由のひとつになったと思われます。−68ではかなりの定義定点が5ケタ
の数値で定義されていましたが、−90ではほとんどが6ケタになっています。
唯一5ケタなのが水の三重点です。測定精度を上げるのが困難なので「沸点」を
定義定点から外したのではないでしょうか。−90の定義にある「所定の公式」は
まだ検討中で、今は暫定的に−68の補間方法がとられています。
                       つかれた、つかれた、

#0008 sci5574  9007090808

 ↑ の通り・・・。おかげで、「COSM−OS9」の定数修正が大変だたのです。
 この事は私は、○立天文台の人から、去年の暮れ頃聞いたのです。

                                      ベネア

#0009 kimot    9007091848

 遅ればせながら...

 新聞によると、国際度量衡委員会が、温度の基準にしていた
13の定義定点のうちに、「水の沸点が摂氏100度」という
ものが含まれていました。しかし、これは再現しにくい、とい
うことで、他の2つの定点とともに廃止となり、代わって、イ
ンジウムの凝固点などが新たな定義定点として加えることにな
ったそうです(その結果、定義定点は17となった)。
 再現しにくい、というのは、水以外の他の定義定点をもとに
測った場合に100度という数値が得られない、ということだ
と思いますが、はやい話が、道路の起点を日本橋から京橋へと
変えたので少し測った距離がかわった、てな話みたいですね。
(89年12月7日社会面から)

木元・拝

#0010 sci5774  9007091934

>見つけた! 見つけましたよ!(と、おもいきや、ベネアさん、あなたは
スゴイ、木元さんもどうもありがとうございます)

>オット、 その前に、美優さん大変失礼いたしました。最初にこのネットに
アクセスした時、あなたの案内を読ませて戴いたものですから、あなたはこの
ネットのシスオペか、その関係の方だと思っていたものですから。

美優さん、木元さんありましたよ。90年1月10日の朝日新聞の第3版の7
ページに「水の沸点はなぜ変わった」というテーマで、約6段にわったて書かれ
てありました。

>ベネアさんありがとうございます。あなたのご説明のとおりです。

>木元さんもご協力ありがとうございました

朝日新聞の記事の全文を書くのは、既にベネアさんが説明してくださったので
省略いたしますが、私の思っていた温度の基準が間違えていたのでした。
簡単に言えば、現在の温度の基準は水の沸点ではなく、「水の三重点(水、氷、
水蒸気が共存している状態)」の温度だそうで、1954年からこの状態の
温度を絶対温度で273.16度(摂氏0.01度)と定義して、これを基準
に目盛りが刻まれているそうです。ところが、精密測定の技術向上で、この
定義定点の温度測定に誤差があることが判り、測定基準に使う計算式が改善
され、従来の目盛りと新目盛りで測定した温度に差がでることになった訳で
この新目盛りが今年1月より研究機関などで使われることになったと言うこと
です。

ところで、私がラジオで聴いたのは、来年あたりから学校の教科書も訂正され
るとかで、我々の常識と子供達の常識に誤差ができてしまう......。
いち早く気付いてよかった..。

                          お邪魔虫

#0011 sci5574  9007100801

 お邪魔虫さん、私は説明はしていない気がするのですが・・・。

  (もしかしたら、sci5451さんの理科年表の転載も、私が書いたと思ったの
かなぁ・・・。)

 私は、「1990年国際温度目盛」をもとに言ただけです。
 但し、「国際温度目盛(ITS−90)」が必ずしも正しいとは言えないのです。
 もっと精度の高い測定装置ができ、この先これらの値が変化するかも知れません。
 私があそこで、「一応」と言う言葉をつけたのはその為です。

 「現在の公式や定数は、あくまで仮の物」と言うふうに、私は考えています。

 教科書も、そのように考えた上で記載すれば良いのでは?

                                         ベネア

#0012 sci5774  9007101448

小生の早とちりでした.sci5451さんでした.
sci5451さん,大変失礼しました.ご説明ありがとうございました

とにかく,皆さんご協力ありがとうございました.

                           お邪魔虫

#0013 sci2754  9007102130

  お邪魔虫さん
  やっぱり、そうでしたか。いままでにも、何度か間違えられてい
るもので、そうではないかと思っていました。

  やっぱり、もともとは沸点が摂氏100度だったのですか。時代
に合わせていろいろと変わって来ているのですね。日常生活では変
わろうが、影響はありませんが、研究所によっては変更で大変なの
でしょうね。

                                                美優

#0014 sci4919  9007121553

社会常識と言うか、日常生活の論理としては、これからも水の沸点は
摂氏100度と言ってもよいでしょうね。普通の温度計ならば測定誤差の
範囲内だし。逆に、グラグラ沸いているヤカンのなかに温度計を突っ込んでも、
どこでも100度を示すわけではないし。実際には結構温度のムラがあります。

                          ROCKY江藤

#0015 sci1003  9008140634

先人の足跡発掘中のRUKASです。

水の沸点が100度でなくなったことの詳細、私も知りたかったので、
このノートを発見してとてもうれしいな。

そいえば、似たような話で「1ミリリットル=1立方センチメートル」の
定義が変わって、科学の教科書の訂正に大騒ぎしたことがあったと聞いて
います。これはどういう事情だったのでしょう。知ってる方います?

RUKAS

#0016 sci1082  9008141434

理科年表の物理化学・単位の項に

体積
 リットル(litre, l)=1dm^3=10^-3 m^3. 1964年までは1l= 1atmで
最大密度の温度における純粋な水1kgの体積=1000.028cm^3と定義されていた.

とありますから、このことでしょうか?

家では痴性の父さんの Notus

#0017 sci1003  9008160413

あっNotusさん、それそれ、たぶんそのことです。「今の学生は楽だ。
ml(ミリリットル)とc.c.(シーシー)を区別しなくていいのだから」と
いうようなことを聞いたのです。それにしても理科年表を持ってないこと
がばれてしまった。

要するにリットルという単位は昔は長さではなくて質量が元になっていた
のですね。質量を元に体積を決めるのって、次元解析の論理的整合性とか
大丈夫なのかしら。いや、これは基調719の「自然を記述する数学」の
話題だったかしらん。

RUKAS