Fre00647 励起状態について

#0000 sci4754  9002180120

原子が励起状態になるときどうしてある決まったエネルギ−の光子を
受けたときしか外側の軌道に移らないのですか

例えば軌道二つ分とわずかな量のエネルギーを与えた時
軌道二つ移動して残りのエネルギーを放出しないのですか

#0001 sci4983  9002240647

えっと、おおぼけだったらごめんなさい。
 これって、電子が励起されるっていう話ですよね。このエネルギー差が
僅かの場合、非弾性散乱で確率は小さいものの2つ移動すると思うのです
が。ごく短時間なら定常状態でないエネルギー状態をとれる(とおもう)
ので、そこから定常状態に移行するときに残りのエネルギーを放出するこ
とになると思います。
                SCI4983:NOSHA

#0002 sci4754  9003012335

NOSHAさんへ
はい。そのことです。御返事有り難うございます。ところで、「非弾性散乱」
とはどう言うものなのでしょうか。詳しく教えてくれませんか。

#0003 sci3927  9003031630

質問です。
「軌道二つ分とわずかな量のエネルギーを与えた時、軌道二つ移動して残りの
 エネルギーを放出」とは、下の図のような意味でいってるのでしょうか。

                         ← 入射光のエネルギー
              E2+E1 −−−−――――   E2+E1+α

                         → 放出光 α
 ↑
 |
 | エ  終状態|2> E2  −−−−−―――
 | ネ               ↑
 | ル               |
 | ギ  終状態|1> E1  −−|−−−――
 | |               |  ↑
 |                 |  |状態遷移E0→E1
          状態遷移E0→E2|  |
                   |  |     by sci3927
      始状態|0> E0  −−−−−―――

#0004 sci4983  9003062328

 自分で散乱の話と混同していたので話を整理しながら書いてみたいと
思います。ただ私もあわてて調べたので間違えていることも多々ありそ
うで不安なのですが。
 基調は「電子にたいしE=E1+E2+α(E1、E2はそれぞれ入
射された電子の移り得るエネルギー準位差)の単色光が入射した場合の
電子の挙動について」とうけとって以下の話に入ります。
 結論からいえばE以下のエネルギー準位差に励起され得ます。私のか
いた微小の時間うんぬんはまちがえです。ごめんなさい。それで残りの
エネルギーはどうなるかというと、吸収される場合があります。この場
合減衰にあたって連続X線として観測されます。直接エネルギーの低い
フォトンとしてでていくことがあります。
 あと非弾性散乱についてですが、これは要するに入射エネルギーと違う
エネルギーの散乱波が観測されるものです。弾性散乱とのエネルギー差等
は分散関係などで決まるもので、励起のはなしとは別の話ですね。
 とりあえず今日はここまでにします。「まちがってるぞ」等のフォロー
待ってます。
                SCI4983:NOSHA

#0006 sci1009  9003070445

これがシフトJISでーす。      かの

#0007 sci3927  9003080434

 本人の希望どうりレス4のフォローをしましょう。

 「目茶苦茶です。」

         by sci3927

#0008 sci3927  9003081642

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 議    題 : フリートーク(Free.Sci)  発言番号 : 647  関連発言 : 5/7
 題    名 : 励起状態について
 [関連発言](レスポンス)  筆    者 : sci4920  作成日時 : 12:32 am  Mar  7, 1990

私は,励起とは一種の共鳴現象だと理解しています。

光子=エネルギー  であるから,入射光子のエネルギーが被入射原子に軌道電子の
遷移可能なエネルギー準位までのエネルギー差と共鳴する(あまりすっきりした説
明になっていませんが)といえると思います。

励起されるのに必要なエネルギー差が例えばブランコのひも(最近はほとんどチェ
ーンですが)の長さに,入射光子のエネルギーがブランコをこぐ周期に当たるでし
ょう。

ブランコをこぐ周期が一定でなくてもブランコが大きく揺れるように,実際の励起
エネルギーにはある程度の幅があります。これは軌道電子の熱運動によるもののみ
ならず、不確定性原理によるものですので,どうあがいてのこの幅はゼロにはなり
ません。

By  Nori
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#0009 sci4983  9003082204

 フォローありがとうございます。
 とりあえず観測されるスペクトルで考えることにしているのですが、当
然その場合、吸収端近傍の話として考えなくてはいけないことを忘れてい
ました。ま、それはそれとして準位の話はまったくむちゃくちゃでした。
調べなおしてまたアップします。
 # I shall return.
                SCI4983:NOSHA

#0010 sci6294  9104240118


 1年以上も古い基調に関連発言しちゃいます。実験屋の MINUANO です。
 エネルギー準位が密集してるんだったら、話は励起光が極紫外光より長い領
域での話で済みますね。

by sci4983  作成日時 :  6:47 am  Feb 24, 1990  関連発言 : 1
>  結論からいえばE以下のエネルギー準位差に励起され得ます。

 これは私の周囲の常識と違うなぁ。実際に delivation したのは1年は前だ
けど。:-p
 確かに、電子衝撃その他の原子分子衝突実験では、衝突させる粒子(電子と
してみよう)が、的とする原子分子との非弾性衝突(すなわちエネルギー移行)
後、余ったエネルギーを持ち去ってしまいますから、散乱電子(1次電子)の
エネルギーを測定しないと、与えた励起エネルギーを得ることが出来ません。
 一般にこういう実験をEELS(Electron Energy Loss)実験と言います。
無論、散乱電子の角度分布も重要です。
 しかし光子の運動量って小さいんだけど……。

> それで残りのエネルギーはどうなるかというと、吸収される場合があります。

 実験的に言えば、準位が存在して振動子強度が0でなければね。私も、光吸
収断面積が「この励起波長領域では絶対0になる!」とは聞いてませんよ。そ
んな例があるのかどうか訊いてみましょうか。

> この場合減衰にあたって連続X線として観測されます。直接エネルギーの低い
> フォトンとしてでていくことがあります。

 連続X線とは、励起光が単色化されているときにも得られるんですか?
 そもそも、連続X線が載ってるスペクトルは発光スペクトルであって、発
光の励起函数ではないでしょう? 横軸が励起波長と発光波長では話が全然
違いませんか?
 更に進んで、連続X線は「励起状態の寿命が著しく短い」ために不確定性
原理で構造が見えないのだ、とも解釈できますが。

by sci4920  作成日時 : 12:32 am  Mar  7, 1990  関連発言 : 5
> 実際の励起エネルギーにはある程度の幅があります。

 はい。励起光の分光器のスリット巾から分解能を見積もることが出来ます。
それが数百meVの桁だと、かなり悪い方です。

> これは軌道電子の熱運動によるもののみならず、

 な、何のことでしょう???

> 不確定性原理によるものですので,どうあがいてのこの幅はゼロにはなりません。

 とはいえ、これが実験上の問題になることは多くはありません。

by sci4983  作成日時 : 10:04 pm  Mar  8, 1990  関連発言 : 9
> ま、それはそれとして準位の話はまったくむちゃくちゃでした。
> 調べなおしてまたアップします。

 私もあの、時間依存の Schr\"{o}dinger方程式でしたっけ、もう一度調べて
みます。私の場合は自分の専攻(超励起状態の崩壊過程の研究)だから切実で
すのだった。(+_+)
                        MINUANO