Fre00264 ガラスについて ?? #0000 reader 8811291912 ガラスは何故、光をとうすのか? この質問をするとつぎの様な解答がかえってくる。 (1) 分子の配列が不規則なので、粘性が大きい液体である。 そのため途中で光を反射したり、吸収したりしない。 (2) ガラスの成分である「酸化ケイソ」が光を吸収しないから。 それでは何故、液体は光をとうすのか? 液体でも、そこに分子,原子の壁があるにはちがわないのに・・・・・ また、酸化ケイソの原子構造が何故光を反射するのか? このへんに詳しい方、よろしくおねがいします。 これを書いてて思ったのですが、身の回りの疑問につて 考えてみてはどうですか? 初めて書き込みしたSKIでした。 #0001 reader 8811300438 そういえばネビル・モットさんが 吸収端がど−したとか 黒いガラスがど−したとかいってたって 米沢富美子さんがかいてますねえ。 #0002 sci1003 8811300650 ネビル・モット? 吸収端? 黒いガラス? 米沢富美子? オーイオイオイ(泣いている)まったくわからねえですだ. おーい おーい(呼んでいる) TAWASI さーん,もっとくわしく 教えてくだせえよぉー. RUKAS #0003 reader 8812010605 ぎょぇぇ−! な、何故 TAWASHI だとばれてしまったんでしょ。 名探偵 RUKAS さん、SKIさん 悪戯してご免なさい。 実は #217 に書き込もうとログオンしたら、ガラスっって文字が みえたんで、うろ覚えの名詞を衝動的にFEPで書き込んでしま ったんです。 関連発言 1/2 は #217 で菊池先生ご推薦の「アモルファスな話」 にとっても判りやすくせつめ−されてて、WATASHI なんぞのしゃ しゃりでる幕はないんですけど、しゃ−ないと根性すえて補足し ますね。 え−と、まずSKIさんの(1)は「液体には反射・吸収がない」 と縮めて読んでも良いのでしょうか。これは、水銀はピカピカし てるとか、液体酸素は青色だとかの例からも誤解だと思いません? 「不規則なので反射・吸収がない」と読んだとしたら、規則的な 水晶やダイアモンドはなぜ可視光を吸収しないのかしらん。 だからって、(2)の「光を吸収しないから」だけじゃSKIさ んが納得しないのもごもっとも。な−ぜ吸収しないのか判んない もんね−。 普通、可視光は物質中の電子に吸収されます。で、電子の方は当 然よぶんのエネルギ−を押し付けられちゃう訳ね。 このとき電子が「や−だよん。べ−。」なんて受取拒否したら光 は吸収されないわけだ。 なんで受取拒否などとゆう我がままが許されるかってゆ−と、実 は、物質中に束縛とゆ−か、閉じ込められてる電子はとびとびの 運動状態しかとれないってゆ−、量子力学からの要請があるから なんだそ−な。つまり丁度いい大きさのエネルギ−の光が飛んで 来たときしか状態間を動けないのですね。 で、石英ガラスでは電子が今いる状態とそのすぐ上のエネルギ− を持つ状態の間がぐ−−んとひろく開いていて、可視光ぐらいの エネルギ−じゃその間を動けないんです。 この隙間があるから無色透明に成るんですが、この隙間をエネル ギ−ギャップといいます。ガラスではこれが「移動度ギャップ」 という一風変わった性格をもってるんですが、これについては本 屋さんで「アモルファスな話」をたちよみしてください。きれい な絵が載ってます。 (え、なになに、それこそ肝心要じゃないかって?パスします。) ここまで書けばお判りでしょ。「黒いガラス」ってのはギャップ が可視光より小さいガラスで、カルコゲナイドガラスというやつ です。カルコゲン(S,Se,Te)とAs,Ge,Sbなんか がぐちゃぐちゃになったのです。 米沢さんって慶応の誇る理論物理学者のおもろいおばさんで、こ の方の書いた「アモルファスな話」はむっちゃオモシロイからぜ ひ買ってくださいね。それと…… 能勢先生のコ−ディング、坂本先生の青春数年間などなど、米沢 研究室が総力を結集して(?)制作した、アルゴンのガラス状態 のシミュレ−ション・アニメが近日発売の筈です(僕、情報に疎 いから、も−発売中かもしれないけど)。これもすっっご−くオ モシロクて、国際会議で拍手喝采を浴びたとゆう代物。これの理 屈がどんなガラスにもあてはまるとはいわね−(特に石英ガラス みたいな共有結合的なのは平均配位数とガラス形成能のかんけ− もあるし。)が、見たら感動ものです。みんなで買お−ね。 長々と失礼しました。これくらいで勘弁ね、名探偵さん。 化学大好き! TAWASHI P.S. 過冷却液体とガラスが #217 の諸発言の中で はっきり区別されてないと感じるのは僕だけ でしょうか? #0004 reader 8812012215 TAWASHIさんでいいのかな? 上の書き込みを読んで以前よりもガラスについて解りました、 どうもありがとうございました。 しかし、今1つ納得しない事があります。 それは石英ガラスの表面に光子が当たっても、エネルギーが合わないと 電子にエネルギーを与える事が出来なくて光子を吸収しない(電子が跳び 出さない)、というのは解るのですが光子がガラスの中を通過する時、 酸化ケイソの原子核や電子にぶつかって方向が狂ってしまうと言う 事はないのでしょうか?もし、狂ってしまうならばガラスを通しての象が 歪んでしまうのでは・・ 家に約10cmかくのガラスのキューブがありますが10cmぐらいの 厚さでは方向が狂う光子が少なすぎて、人間の目には区別がつかないので しょうか? P.S(1) それにしても、#217の中学生には感心しました。 P.S(2) 早速、「アモルファスな話」を読んでみます。 大学が決まった高3のSKIでした。 #0005 sci1003 8812012321 私もさっそく「アモルファスな話」読みます. TAWASHI さん,どーもありがとう. RUKAS #0006 reader 8812050218 しつこく顔を出す TAWASHI です。ど−も。 遅ればせながら、SKIさん大学合格おめでとうございます。 SKIさんのおっしゃった「光子がガラスの中を通過する時、酸化ケイソの 原子核や電子にぶつかって方向が狂ってしまう」状況というのは、いわゆる レ−リ−散乱という現象じゃないかとおもいます。 これは、化学のコロイド溶液の授業で習う「チンダル現象」とよく似てます ね。ただ、チンダル散乱は比較的おおきなコロイド粒子による散乱なのに対 し、レ−リ−散乱は分子による散乱だという違いがあります。最近、高校は リッチになってきて、たいがいの化学実験室にはレ−ザ−がありますけど、 あれを使ってチンダル現象の観察をすると、ただの水でも光路が見えてしま います。レ−ザ−は強い光を出すのでレ−リ−光がみえるんです。 で、像が歪むか、という問題ですが、たぶん暗くなったり輪郭がぼやけたり はするんじゃないですか。TAWASHI は光学に疎いのでスペキュレ−ションし かできませんが。 こないだの電子の状態間遷移(ここからエネルギ−準位間の遷移と呼ぶこと にしましょ−。)の考え方でレ−リ−散乱を説明するには、光の吸収と放出 が引き続いて起こったんだと考えます。 でも、電子が今いるエネルギ−準位に、飛んで来た光のエネルギ−分のゲタ を履かせたとして、そこに電子を受け入れてくれるエネルギ−準位がなくっ ちゃ吸収は起こらない筈でしたよね。 これは、吸収と放出が続いて起こるため、電子が高いエネルギ−準位にいる 時間(つまり寿命)が短く、エネルギ−準位が幅を持つ(一つの値に決まら なくって適当な値を持てるってコト)ので受け入れ先になってもらえるから です。不確定性原理がきいてるワケです。 ついでなんですけど、今、理化学辞典をひいてみたら、チンダル現象はレ− リ−散乱のせ−だって書いたるじゃ−ありませんか。ど−やら人によって言 葉の使い方が違うみたいですね。 そ−いえば、空が青いのはレ−リ−散乱のせ−だって人と、ブリルアン散乱 のせ−だってゆう人といるんだそ−ですよ。雑誌の記事 ( A.T.Young; Physics Today/Jan. 1982 pp.42 )で読んだんですけど、S KIさんも大学の図書館にでも遊びにいってのぞいてね。 ど−も。 TAWASHI