Fre00236 さイざンスBOOKレビュウ #0000 sci1003 8811170516 さイざンスBOOKレビュー #0001 sci1003 8811170517 かって,サイエンスBOOKレビューというコーナーがありました.しかし そのコーナーは,多くの方々のご協力にもかかわらず,基調発言者の力不足 のため,ポシャってしまいました. 考えてみれば,ふだんサイエンス関連の書籍をろくに読まない私が,あのよ うなコーナーを主催することが,そもそも間違っておりました. そこで心機一転,タイトルも改め,ここに「さイざンスBOOKレビュー」 コーナーを設立しようと考える次第でございます.皆さまの心の琴線に触れ た本のいろいろを,分野にこだわらず紹介していただければ幸いです.もち ろん,サイエンス本も大歓迎です. 本好きの皆さまには,旧に倍するお引き立てを,どうぞよろしくお願いいた します. RUKAS #0002 sci1003 8811260914 一般的な話でいうと,政治家は人から尊敬されたがり,自分の立派な行動を人に見 せたがるものです.ただ昨今の日本の政治家だけは少々特殊で,人に軽蔑されても, 利益を得るのに血道を上げていますけれど. ハインラインが,人間の行動の動機には,金,名誉,理想,の3つがあるとどこか に書いていました.これに大ざっぱにあてはめてみると,一般的な政治家ってのは, 名誉を得るために働いている.日本の政治家は,金を得るために働いている. それでは,理想のために働く政治家はいないのか,心底から己の行動が世のため人 のためになると(事実かどうかには関わらず)思っている政治家はいないのかとい うと,そんなこともないわけで,幕末の志士などがそうですし,いまの日本でも共 産党などはこれに近いといえるのかもしれません. まあ理想家というのは,一歩間違えば,いちばん始末におえない人々になりますか ら,現実にはあまりに理想家肌の人物は敬遠したいと思わなくもありません.しか し,本の中で出会ったとき,いちばん興味を引くのは,やはりこの理想のために働 く人物であったりします. ...と長いマクラをふったあとで紹介する本は, 『百魔(上・下)』 杉山茂丸 著 講談社学術文庫 近代史にヨワいので,この本を読むまでは知りませんでしたが,杉山茂丸という人 は,19世紀末から20世紀の初めにかけて活躍(暗躍?)した日本の政界の黒幕 にしてあばれんぼうだということです.「ドグラマグラ」の夢野久作の父親という ことでも知られています.これがまさに,理想追求のためには何でもするぞといっ た,しょうもない親父だったようです. 上記の本は,その杉山茂丸が,長い生涯のあいだに感銘を受けた人物に関すること どもを筆にまかせて記録した,「魔人怪人伝」であります.当時の政界財界事情を うかがい知ることもできますし,あの星一が茂丸の秘蔵弟子だったなどということ も知りました(星一の人となりには茂丸も舌をまいたとか). それにつけても,杉山茂丸の筆を通すと,どんな些細なできごとでも茂丸の熱気が 乗り移るのか,天地をゆるがす大事件に思えるから不思議です.あるいは,これは 茂丸の筆のせいではなく,当時の人々は皆,本当にこのような熱狂的な人生を送っ ていたのかなあ. まあ,いまの日本のように,のらりくらりとヒョウタンナマズ式答弁を繰り返す政 治家が大繁殖しているのとは,少しは違った状況にあったのではないか,そんなこ とも思う今日このごろです. RUKAS #0003 sci1003 8811270428 侍ニッポンさんの紹介してくれた,オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』を 買ってきました.うーん,いいなあ.万物は移り変わるゆえに,いまこのとき を楽しむべしという,無常感を見据えながらも,それを吹き飛ばす強い意志. 巻末の解説を読むと,オマル・ハイヤームって,ただの詩人ではなくて,科学 者でもあったのですね.数学者としての業績は,「代数学問題の解法研究」や 「ユークリッドの<エレメント>の難点に関する論文」などがいまに残されて いるとのこと. 王様の狩りのため天気のよい日を選ぶようなこともしたらしい.気象学者でも あったのです.もちろん星占いなどは信用しなかったらしい.しかし天文学に も造詣は深く,うるう年を4年おきに7回くりかえしたら,次は5年後をうる う年とするという,グレゴリオ暦より誤差の少ないジャラリイ暦というやつを 提案したこともあったそうです. ちなみに,いま『ルバイヤート』は300円でした.侍さんが持っているのは 一つ星の50円かな? RUKAS #0004 sci1017 8811271208 おや、RUKASさんも,オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』を読まれ ましたか。はたち前からこの本を何度も読み返しているという大阪勤務の人が 7月に社内で『ルバイヤート』の紹介をしてくださったので、それを機会に私 も読みました。彼、云わく。世界は自分のためにだけあるのではない、という ことを知っている人と、酒飲みの必読の書であると。 最初から無常感であふれるこの詩集。来世を信じてもしかたない、現在を楽 しみなさい。それには酒だ、酒だ、酒なら・・・だ。ねぇ、サーキィ。学問を きわめた人の口から出てくる無常感、どことなく魅力的です。オマル・ハイヤ ームさんの名は数学辞典にも出てきます。 サウジアラビヤ勤務の商社マンが、酒を飲めるのは国際線飛行機の中だけで、 ジェッダの飛行場が見えたら止めなければならないと、嘆いていました。イ スラムでは酒も一夫多妻も、とはいかないようですが、侍ニッポン氏ならばど ちらを選ぶでしょうか。『ルバイヤート』の訳者まえがきには、最近年イラン ではイスラム勢力の力が弱くなったと書かれていますが、イスラム革命のこと は知らないらしい。それもそのはず、私が歩行もできなかった頃に書かれたま えがきでした。 こっぺい #0005 reader 8811271322 ここに紹介する本をというわけで 本棚を探したのですが みんな 恥ずかしがっ て隠れているんですよね うーん なんと 奥ゆかしい本たちなんでしょ(お前の 整理の仕方が悪いですって .. 真理は軽々しく口にしてはいけませんよ) そこで うろ覚えの記憶のなかから 王充 「論衡」(東洋文庫 平凡社)などは 如何でしょうか 漢の時代の人(前漢か後漢か覚えていないから ごまかす)です が その合理的思考には すごいなあ と驚きます(すごいなあ と書けば 次は驚 きます ですよね 驚かなかったら それこそ 驚きですね うーん 何を遊ん でいるのじゃ) 残念なことに これは抄訳です 全訳も出ているそうですが 未だ読んでいません 然し この文庫本(と言っても 大きさは 新書本くらいです)でも 面白さは伝わっ てきます 只 残念なのは 僕達 チミモウリョウ族に 好意的でないのですよ ね 講談社学術文庫の「百魔」 面白そうですね 本屋で読もうかな と手に取った こともあったのですが 側にあった推理小説にゆーわくされてしまいまして .. 明日でも 会いにいきましょう(でも 未だ ドグラマグラ も読んでないし わあ 未読霊が 僕の背中にとりついている) ルバイヤートを 昔 彼女に読んで貰い 録音しておいたけど テープが何処かに 行ってしまったなあ でも どう考えても 好きな女性に朗読してもらう詩ではな かったですね(と おそまきの 反省の弁) テープといえば 般若心経などが 入っているものは 眠れない時に 耳もとで流 すと 割りと 心地よい眠りに誘われます(ぶつばつじゃ と言わないように) そうだ 今 思い付きましたが 国会答弁などを録音しておけば もっと早く眠れ るのではないかしら でもね 内容がいくらないとはいえ 悪い夢を見そうだから やめておきましょう ルバイヤートには お星様が 2つ光ってました 岩波文庫から 星が無くなった のは 残念ですね by 侍ニッポン #0006 sci1951 8811282035 凡庸さについてお話させて頂きます、じゃない 本についてお話させて頂きます。 [41mお食事中の方[m、はやめにCTRL+Cを実行して下さい。 いいかなあ そろそろいきます。 ふんにょう博士一代記 (論創社) 中村 浩 これはもちろん[31mうんこ[mの話です。はたして[31mうんこ [mは次世代の食物となりえるか。この著者は、元来あの食物連鎖に おける輪廻を、人間の口と[31m肛門[mとつなげるという輪廻に置 き換えるべく努力なさる話です。 なかなか読むのが生理的に大変かも知れないです。 寒梅庵 #0007 sci1004 8811292157 ちょっとお高いのですが,おもしろいので. パラダイムシフト「技術と経済」 佐和隆光 筑摩書房 ¥1700 朝日の文化時評に書かれているので、御存知の方も多いでしょう。京大の 経済の先生です。内容は対談集で、対談相手は ロボットの吉川弘之氏・ バイオコンピュータの甘利俊一氏・AIの佐伯胖氏・フラクタル(数学)の 山口昌哉氏・科学史の村上陽一郎氏 ほかに、経済畑の方との対談もあります. やはりおもしろいのは,技術畑の方々との対談です.畑が違いますので, 双方の専門的なテクニカルタームは出てきませんし,専門的な事柄は噛み砕い て会話されていますので安心して読めます.注釈も豊富ですからネ. 大体の構成として,技術の方が専門の最先端の話をされて,佐和氏が経済の話題 へとアナロジーを試みる.または佐和氏が経済の話をされて,技術の方が似たよう な専門の話をする,ということになってまして,どちらか片方に多少の知識があれ ば,ごっつあんです,てなご馳走ですし,ちょっと自信が無いなあという方にも, アナロジーでもって両方の知識が得られるという,すぐれモノです. 僕がいちばんおもしろかったのは,脳のムーブメントと市場のムーブメントのア ナロジーが頻出する甘利氏との対談で,お陰様でノウミソの最先端の話が市場の話 で理解できてしまうという,奇妙な体験をしました.対談のタイトルは「市場とし ての脳、脳としての市場」.えへへ,ここを読まれる方なら興味をひかれるでしょ? もし本屋で見かけたら,先ず目次を見て下さい.”禅の悟りと数学”なんて話は お嫌いですか?...対談集ですから立ち読みもできますよ. 院生浪人 #0008 sci1951 8812050405 ○これおもしろいです。侍ニッポンさん続けて下さい。おもしろいです。 宮武先生みたいだなあ。おもしろいなあ。誰なのかなあ。 2進法で10101歳 寒梅庵 #0009 sci1951 8812072304 ごめんなさい。#8は小咄と間違えました。 寒梅庵陳謝寺和尚 #0010 reader 8812172211 小噺コーナーで 引用させて頂きました本の紹介です 「ガレッティ先生失言録」 池内 紀(訳) 創土社 ガレッティ先生はゴータ ギムナージウムの教授で歴史学 地理学を教えていた 彼の同僚にシュルツ教授がいたが そのシュルツの 教え子に あの ショウペン ハウエルがいました 残念なことに(サイワイかな) ショウペンハウエルは ガレッティ先生に習い ませんでした シュルツがショウペンハウエルに罰を加えたとき お返しに 愚弄詩を作り 退学させられたからです その時の ショウペンハウエルのアフォ リズム 「 彼は そこを出ることが出来たのに、シュルツはとどまらなくてはな らなかった」 この失言録には 732項の失言が記載されています 興味がある方は読んでみ て下さい 定価は1980−7−10発行で 1.5K でした 最後に もうひとつ 引用をば 「どうやら御存知ないらしいが、私はクリース教授ではなく、ガレッティである。 クリース教授におたずねになれば、反対のことをおっしゃるに相違無い。」 BY 侍ニッポン PS 寒梅庵 さん 読むのに間にあったかな 留守をしてまして 慌ててアップ しています なにしろ この本の引用にRESしてくれたのは 寒梅庵 さ んだけでしたので 重点を 寒梅庵 さんに置いていたのだけどね 初版は8年前だけど 本屋さんにあるかな 無かったら 寒梅庵 さんの為 に 又 アップするからね (だから 早く 復帰してね) #0011 sci1017 8812232319 先代のレビュウでも話題になりました鼻行類がTVの「博物学の世紀」でも 紹介されていました。ダンボハナアルキとオオナベゾウムです。つくり物の可 愛らしい標本まで映されていました。生物学上ではまったく無視されている物 でも、博物学ならば扱うことができるという説明でした。核実験のため絶滅し たとされていますが、TVを見たかぎりではどこまで本当かどうか判断できま せん。 本を読まれた方はどう思いますか。 こっぺい