Fre00169 きのこの話2 #0000 sci1621 8810181213 きのこの話2 クサウラベニタケ by 根田 #136でツキヨタケという毒きのこについて書きましたので, 同様に中毒例の多いクサウラベニタケについて書きます. 石川五右衛門は「石川や、浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ!」 とか死ぬ間際に詠んだそうですが、この科学が進歩し、情報の氾濫し過ぎている くらいの日本に、未だにきのこ中毒が絶えないのには驚かされます。 (あまり五衛門とは関係ありませんけど) 日本に毒きのこと呼ばれるのは、数十種ありますが、共通の特徴が無いので、 ひとつひとつ、覚える必要があります。 しかし、これがまた、似ている食用きのこと、実にまぎらわしいのです。 ですから、よく知っているきのこ以外は、不用意に食べない方が良いですね。 毒きのこの中でも中毒例の多いのは、 ツキヨタケ、 クサウラベニタケ(およびイッポンシメジ)、 ニガクリタケ、 ドクツルタケ(およびタマゴテングタケ、シロタマゴテングタケなど) などです。 これらのきのこだけは最低覚える必要があるでしょう。 クサウラベニタケは、シメジ類やウラベニホテイシメジという食用きのこに とても良く似た毒きのこです。(ここでシメジ類というのは、狭い意味です) クサウラベニタケはイッポンシメジ科に属するきのこです。 このイッポンシメジ科というのは、割合に見分けるのが易しいグループです。 というのは、傘の裏のヒダが、ピンク色ないし肉色をしているからです。 ヒダの表面には胞子という、高等植物で言うと花粉のようなものを作って、 子孫を増やします。この胞子が未熟の時は、ヒダは白い色をしているので 注意が必要です。(未熟のきのこでも立派に中毒します) とにかく、ヒダがピンク色をしていたら、要注意です。 同じイッポンシメジ科でも食用のきのこに、ウラベニホテイシメジ、シメジモドキ があります。特に前者は、地方によっては「きのこ狩り」のメインになるほどの 有名なきのこです。しかし、形が良く似ていて、発生する時期や場所まで ほぼ同じなため、クサウラベニタケと間違えてしまう例が後をたちません。 よく都会のハイカーが「山の人が採っているきのこと同じきのこを採ったはずなのに」 とか、「教えて貰ったきのこを採ったのに」で、中毒するのは、このクサウラベニタケ のことが多いようです。 ==================================== クサウラベニタケ ウラベニホテイシメジ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 傘 小(〜10cm) 大(10cm〜) わずかにかすり状の模様がある 柄 細い(〜2cm) 太い(2cm〜) もろくて中空 しっかりしていて中実 ヒダ ピンク色 ピンク色 柄には上部にわずかにつく 柄には湾曲してつく ____---ー----____ _____------ ̄ ̄------_____ /------|| ||------\ /---------_ _---------\  ̄----/|| ||\--_- ̄ \______/ ̄| | ̄\______/ || || | | || || | | || || | | || || | | \V/ | | | | \__/ ====================================