Fre00150 クラウドウォッチングPART1.5

#0000 sci1082  8810051247





#0001 sci1082  8810051250


137番の続きです.ちょっと早い引っ越しですが,電話料の節約
に協力したいと思います.
(ROMさんには借りがあるので)
--Tokio




#0002 sci1082  8810051251


こっぺい さん>
 札幌から千歳の間に...ちょっと記憶にないのですが.
 雲が山の上にできやすいというのには,ちゃんとした理由があります.そもそも
(コホン,えらそやないけ)空気とか水とか,およそ流れるものは,物体の表面に沿
って流れようとする性質があります.理由は簡単で,物体から引き剥がされようとす
れば,物体の表面近くに真空ができようとするからです.
 さて,天気は快晴,ポカポカ地面が暖められると,軽くなった空気は上へ向かって
昇ろうとします.ところがこれが平地ではなかなか難しい.ちょっと上がっては,上
の冷たい空気と混ざり合い,下へ引き戻される,というようなことを繰り返して,比
較的ゆっくりと上に昇っていきます.
 これが,山の斜面だと,そのまま斜面に沿って昇って行けばいい,というわけです.
上に昇った空気は,気圧が低くなり,「断熱膨張」で冷えて,空気中の水蒸気が水に
なって雲となるわけです.結局,まず山の上に雲ができる,ということになります.
 以上は,モクモク積雲の場合ですが,傘雲のように,風が吹いているときに,山の
斜面に沿って昇った空気の中の水蒸気で出来る雲や,はるか上層でも「下の空気が山
を昇るなら,私も一緒に押し上げられ」て,雲になるのもあります.
 信州...いいですね.南極へいく前には3月に耐寒訓練で乗鞍へ,7月に耐肝訓
練で菅平へ行きました.8月には佐久へ気象測器の研修にも行って,モクモク積雲が
山の上に昇るのをウォッチングしました.もうあれから何年になるだろう.
 南極といえば,隊員候補の身体検査の話がありましたよね.確かに厳重にやるので
すが,中には「たまには健康な人の体を見たい」という医者の趣味で念入りに検査さ
れる項目もあったようです.脳波よりも面白かったのはロールシャッハ・テストで,
「これが何に見える?」というのに「えーと,**かな?」と答えると,その通りに
「えーと...」とメモしているんですね.一通り終わると二順目に矛盾をバシバシ
突かれて,冷汗タラタラかいたりしました.
院生浪人 さん>
 そんなに誉められたら,ますます調子に乗ってしまいそう.まだまだ,「ナスカの
遺跡も顔負け,北極海に現われたサンタクロース」なんていう,宇宙からのクラウド・
ウォッチングの話題も,とってありますからね.
今なら何でも雲に見える--Tokio




#0003 sci1274  8810062211


こんにちは、Tokioさん。 お久しぶりです。
アレ?全然借りなんか無かったですよ!(ア私から言えば化しか)
                                                ROM




#0004 sci1017  8810070612


 併設美術館の展示品には、知名度の高い物も置かないと困ります。サザビー
出張に行ってきました。「かったー、かったー」と叫んでいたらドスが出てきて
びっくり。
 手に入れたのは、あのレオナルド・ダ・インセイ作の名画、「**ちゃんの
微笑」。どうです。由緒正しき唯一まともな物でしょう。多摩地方の院生堂浪
人画廊でも欲しがっていたようですよ。侍館長、ぜひ、特別展を開催してくだ
さい。鑑賞された方は感想を一言お願いします。
 「きぞうひん」が、また増えたので目録に一行追加。濁点を入れなかったば
かりに、いまだに台帳のタイトルは奇想品になっています。
 totoさんの話を聞いたら、リトグラフなども集めないといけないような
気になってきました。
 さて、話し変わって、怪盗ジバゴ。はるか昔に読んだので記憶がはっきりし
ません。確か、ジバゴが盗んでしまったのは「椰子」の実ではなかったでしょ
うか。なるほど、それで依頼してきたのですか。でも、このような仕事は忍者、
五右衛門の門下に頼んだ方がいいですよ。
                              こっぺい




#0005 sci1082  8810071028


 別のボードで、NIFTY-SERVE の方がよっぽど科学的だよ。という発言を見て、あわ
てて NIFTY を見に行ってたんです。(おまはん、ほんまに はいっとったん?)
FWEATHER というのは、天気予報のボードだと思っていたら、このクラウドウォッチ
ングより、ずーっと科学的まとも的でした。でもいいや。と、気を取り直してエディ
ターに向かう私。マイナーでもいい、頑張る!
 さて、雲を消す話をしなくちゃいけないんだけど、その前に、朝の新聞で「ひまわ
り」のクラウドウォッチングしていた私は、「あー、惜しい。もう少しでクェスチョ
ンマークになったのに。」とつぶやいてしまったので、その話を。
 「ひまわり」の画像がテレビや新聞に出るようになって、誰でも茶の間で「宇宙か
らのクラウドウォッチング」を、楽しめるようになりました。特に、新聞のは、天気
図と見比べることができるので、いろいろ勉強になります。例えば、画像では大きな
雲の渦巻が、一つだけ見えているのに、天気図では、何個かの低気圧が、かたまって
いることがあります。
        画像            天気図
       雲雲雲            低
      雲   雲雲
      雲雲   雲雲
       雲雲  雲雲         低   低
          雲雲             /
         雲雲             低
       雲雲雲             /
                                     (前線)

 衛星画像のない時代から、いくつかの低気圧がつながっていることは知られており、
低気圧家族と呼ばれていましたが、実際に雲で見てみると、家族というよりは一つの
個体のように見えます。この場合の低気圧は、正確には、温帯低気圧と呼ばれていま
すが、もうひとつの低気圧である、熱帯低気圧がからんでくると、おもしろい模様が
画像に現われることがあります。熱帯低気圧(強くなれば台風)が南からやってくる
と、温帯低気圧にくっついた前線に向かって、暖かくて湿った空気を大量に送り込み、
前線を刺激して、大量の雨を降らせるというわけです。各地で豪雨災害などを起こし
ますから、おもしろがっていてはいけませんが。このときの雲画像はこんなふうにな
ります。
        画像            天気図
       雲雲雲            低
      雲   雲雲
      雲雲   雲雲
       雲雲  雲雲         低   低
          雲雲             /
         雲雲             低
       雲雲雲雲            /
      雲雲雲雲                       (前線)
          雲雲雲雲            /
    雲雲              /
   
     雲雲
     雲 雲              台
     雲雲

 これが実は、以前に話した「台風と温帯低気圧が、手をつないで」熱を赤道から極
へ運んでいる図なのです。ところで、この画像、斜めに見たら「クェスチョンマーク」
に見えません?「ひまわり」の場合赤道からまっすぐ地球を見ているのですが、極軌
道を回るNOAAという気象衛星の場合だと画像が少し傾いていて、偶然ですが、き
れいなクェスチョンマークになったことがあるんです。アメリカの大気研究センター
の刊行物の中に、その写真が載っていました。今朝の新聞の画像では、台風が大きす
ぎて、クェスチョンマークと言うよりは逆S字という感じでした。
と、言うわけで、雲を消す話はおあずけ。
昨夕は、きれいな夕焼け雲をウォッチした--Tokio
PS.ROMさんようこそ。あれは、単なる呼び水です。(ビールの方がよかった?)
クイズに答えていないもので。。。




#0006 reader   8810071431


 こんにちは,わたしが文系の理科的知識のメートル原器(少々甘目にできてます)
で,各方面のお邪魔むし,院生浪人です.
 唐突ですが,Tokio さまに,ムクムクと質問が湧いてきました.そうそうtoto
神さんも関係あるかな?(もう幼稚園とは,いやいや年長組かな?)お手数かけます.
 地球上の潮の干満っていうのは,月の引力に地球そのものが引っ張られて,なおか
つ地球が自転してるから起きる海の現象なのだそうですが(そうですよね?と恐る恐
る聞く)では,地球が月に引っ張られて,大気への影響は出るものなのでしょうか?
  影響があるとしたら,それはたぶん気象現象ではないかと思ったものですから. 
 地軸の傾きの話,ぼくは天文が趣味だったもんで知ってはいました(理論抜きで)
もし,地球の地軸が天王星みたいに横倒し(82度)だったら,気候はどうなってい
るんだろうなあ,それにどういう社会が形成されるのだろうと,ここで社会科学的頭
に逆戻りする,その昔,”天文と気象”の気象の頁を一瞥だにしなかった報いを,今
思い知る...ああもう名乗ったのね. 今日は学校の端末なのでreader です.




#0007 sci1017  8810072340


 早く起きすぎて寝呆けてしまいました。隣のうちに早朝から踏み込んでし
まいまして。しばらくの間、朝はやめることにします。家宅侵入罪でつかま
りそう。
 雲の説明よく分かりました。飛行機の浮揚原理のようなものですね。潜水
艦のcavitationなんてのも真空によりおこりましたね。
                             こっぺい




#0008 sci1082  8810081142


 大気の方の潮汐現象については、totoさんが、小さな本屋で見つけた本の中に、
詳しく出ています。要約すると、海の潮の満干のような現象は、大気では赤道近くに
だけ見られる。ところが、この満干は月に同期しているのではなくて、太陽に同期し
ている。太陽に同期しているのなら、1日1回の満干がおこってもいいはずなのに、
1日2回の満干がある。この謎は、京大の加藤進教授の計算した「マイナスの深さ」
で解かれた。と、いうところです。
 このへんのところは、はっきり言って私にもよく分からないんですよね。高校のこ
ろ、よく分からなかったことは、海の満干が1日2回あることでした。月に面した方
の海水が、月の引力で引かれて盛り上がる、というのは直観的で分かるのですが、反
対側の水が「取り残されて」盛り上がるという説明をされて、頭を抱えてしまいまし
た。(それでもめげずに地球物理へ進んだのだから厚顔無恥というべきか)
 だいぶ後になって、月の引力と遠心力(地球は月と地球の重心の周りを回っている)
の和で考えるとよいということを、何かで知りました。つまり、地球の中心では、月
の引力と遠心力は釣り合っていますが、月に面した側では、遠心力よりも引力が大き
いので、月の方へ引かれる。反対に、月の反対側では、遠心力の方が引力よりも大き
くなるので、月の反対側へ向かう。つまり水が盛り上がるということになります。
  潮汐現象には、そのほかに地殻潮汐というのもあります。地震と月と関係があると
いう話は、全く根拠がない話では無いのですが、本当に統計的にも意味があるかどう
かは、知りません。女性の生理現象に関係があるかどうかも知りません。赤ん坊の出
産時刻と関係があるという話を、真剣にしている人がいましたが、少なくとも病院で
は、そういった潮の満干に対応した、勤務体制にはなっていないようでした。
今日は快晴の--Tokio




#0009 sci1017  8810081250


 飛行機の浮揚原理では逆に翼の方が吸い上げられる。翼の代わりに山のよう
に動かないものがあれば流体の方がそれに沿って動くというわけですね。そし
て断熱膨張で冷却したものが雲になる。これでいいですね。
 それでは、ここでレポートを提出します。
   ・・  『ちょっと、危ないウォッチ・レポート』  ・・
 空を見上げると、いつになくおもしろい形の雲ばかり。まず、見えたのは猫
の形、少し黒っぽいようです。次に見えたのは鳥の形をしています。顎が脹ら
んでいるのでペリカンでしょう。かわいい形のコアラやパンダに見える雲もあ
ります。激しくジャンプを繰り返しているのがカンガルーのように見えます。
何か、動物園に行ったみたいです。
 風が激しいらしく、みんなハイスピードで飛んで行きますよ。
 政府の発表によれば、ニュー・メディア通信媒体を開発するプロジェクトが
世界に先駆けて雲を使ったメイル・システムを開発したということです。あの
動物園みたいに見えた雲はその実験ということです。
 次に、飛んできたのがカツオの形をした雲。高知大学に誤配されたメイルを
搬送媒体に雲を利用して転送するという実験は大成功でした。新聞社では、打
ち返し記事に応用できるのではと、利用の検討を始めたということです。
 ニュー・メディア通信媒体に関する未来社会を描くスペシャル・レポートで
した。菊地先生、こんなレポートでどうでしょうか。あっ、顔をくもらせてい
る。
                              こっぺい




#0010 sci1004  8810081426


 雲に関係無い質問をしてしまったなあと,猛省しております.「地球をめぐる風」
は本屋に注文してきました。やっぱりあることはあるんですね。勉強してみます。
 ぼくは根が単純なせいでしょうか、潮汐の仕組みは分かったつもりでおりました。
 月の引力に引っ張られるのは、海水だけではなくて地球本体も引っ張られるから、
月に面していない裏側の海水は、慣性の法則みたいに地球が引っ張られた分、そこに
海水が残るからだと(言ってること分かりますか?図だと一発だけど)、思ってまし
たら...ははあ遠心力との関係ですか。馬鹿を一つさらさないで済みました。なる
ほど!
 これでは、雲のコーナーではなくなるので...今現在、東京の空はベタ曇りで、
灰色をしています。こういう曇り空の光線は、あまりに光量が均一なので映画のロケ
には不向きだそうで、キャメラマンとか照明マンは苦労する、と「マルサの女日記」
にありました。
 「雲」という字はまさしく”くも”ですね。雲の?マークの図をぼんやり見てて、
そう思いました。     院生浪人
ps.お手間をおかけしました。




#0011 sci1731  8810082126


以前、孫悟空の話が出てましたが、かのお天気博士、藤原咲平博士の
計算によると、1立方センチの中に100個の雲粒があるとすると
10万兆個の雲粒、つまり厚さ100メートル、広さ1平方キロの雲があれば
人の重さを支えることが出来るそうです。
もちろん雲の上にそのまま乗れるはずもありません。あくまで計算の上ですが、
なかなか夢のある研究ですね。
                                                        Shadow




#0012 匿名     8810091613


  どうも、こちらへは初めて顔(?)を出させていただきます。隣のお邪魔虫
のtotoであります。

 えー、まず「お月さん」の話に関してですが出産などにはやっぱり関係ある
との日本における統計が確か東京書籍から出ている「月の魔力」という本の巻
末に報告されております。興味のある方はこちらをどうぞ。

 というところで話を雲へと戻したいと思います。

 もうしばらくしますと信州にも雪のたより(そう言えば、「雪は天からの手
紙」なんて言葉聞いたことあるなぁー。)が届くわけですが、長野あたりです
と、まず志賀高原の山のあたりに白いものが見え初め、ついですぐ北側にある
飯縄あたりから次第に雪が里へと降りてきます。

 この頃、飯縄山あたりを覆っている雲を見ると、「おっ!あれは雪の雲だな
ぁー」とよく思ったりいたします。どこどう違うのかと改めて問われると困る
のですが、やっぱり雨の雲とは違う感じがするのです。

 これは単なる季節からの先入観からきているのか、それともやっぱり「雪」
の雲は見た感じが異なるものなのか、その辺をちょっと教えていただければ
と思うのですが・・・。

    実は雲より高い山の上でもよく暮らしたことのあるtotoでした。




#0013 sci1731  8810092222


「雨の雲・雪の雲」
 後ほど、Tokioさんが詳しいお話をして下さると思いますが、
私なりに考えたことを書きます。
 雲から降水現象が見られるものを、尾流雲あるいは降水雲と呼びます。
前者は降水が地上に達しないものを指します。このような雲を遠くからみると
雲の下から、暗い陰のようなものが下がっているのが見えます。この陰は
雨や雪そのものですが、雪の方が光を遮る量が多いので、より暗く見えるのでは
ないかと思います。また、冬の雲は雲底の高度が低いので、いっそう暗く見える
かも知れません。 Tokioさんフォローお願いします。
 飯綱の方へは一度行ったことがあります。そのとき泊まったのが飯綱温泉という
温泉で、2泊ほどしました。10月でしたので、朝はものすごく冷えました。
来週には、松川渓谷に行く予定もあります。
                                                Shadow




#0014 sci1082  8810111128


日曜日は、愚息の運動会。愛用のニコンに望遠を付けて、小学生といっても5・6年
ともなれば・・・ おっと、ここは変なおじさんのコーナーではなかった。

こっぺい さん>
 おもしろいレポート、どうも有難うございました。私の顔は :) でした。

院生浪人さん>
 気象一般も、扱うことにしてますから、いいですよ。雲は、大気の流れを見せてく
れているのですから、全く関係無いという訳でもないですし。遠心力は慣性で生じる
のですから、取り残されるという説明でも間違いでは無いのですが、それで分かった
と思えるかどうかの違いです。引力と遠心力で説明した本を思いだしました。
The Earth Sciences, Strahler著 あちらの大学教養の教科書です。日本では・・・
思いつかない。
  曇ると明暗のコントラストがつかない。これが雪の上だと地面(雪面)と天空の区
別までつかなくなって、ホワイトアウトと言います。

totoさん>
 どうも。改めてようこそ。雪の雲と雨の雲の違い・・・雪のない所に定着してだい
ぶ経つので・・・ Shadow さんの言うような事があるのでしょうね。レーダーでは、
はっきり違いが分かる、ということを聞いた覚えがあります。「雪は天からの手紙」
というのは、寺田寅彦の弟子の中谷宇吉郎の言葉ですね。どんな雪が降ってくるかで
上空の気温などが分かる、という意味です。

Shadow さん>
 藤原咲平お天気博士の話は、人間をスプレーにかけて霧にしたら、というように読
むと恐ろしーい話になりますね。フォローの件に関しては、もう少し勉強させてくだ
さい。
勤務時間にUPしている、ぐーたら公務員は、休み明けのレスポンスで、手いっぱい
でした。学会が近いので、愛用のニコンで愛機XLの画面を撮らなくちゃ・・・(X
Lをハイレゾモードにすると、エディタもFEPも使いにくくて、どなたかのように
裏でアクセスという訳には、いかなくなるのよねー)
昨日は快晴。アスレチックで汗を流した--Tokio




#0015 匿名     8810120048



#0016 sci1082  8810141058


ぷっつん。ここは無言行のコーナーではない。
 それでは、お待たせの雲を消す話を。

1.霧なら消せる。
 霧というのも、広い意味では、雲と同じようなものですよね。(と、同意を求めて
おいて)霧が出ると、飛行機の離着陸に障害があるというので、霧の国イギリスでは、
かなり前から、霧を消す研究が行なわれていて、現在では実用の段階にあるようです。
原理は、空気を暖めれば水が蒸発するというやつで、霧が出ると、一生懸命重油を燃
やすらしいです。

2.雲を消すには。
 雲の場合でも、気球にバーナーを載せて、雲の高さで燃やしてやれば、少しは消え
るかもしれませんが、蒸発させるのでなくて、雨にして落としてやれば、結果的には、
雲が消えることになります。要するに、人工降雨というやつです。雨になりそうで雨
にならない雲というのは、実は小さな水の粒でできた雲で、雲粒同士の衝突合併が遅
いので、いつまでも浮かんだままなのです。ところが、このときの温度はというとマ
イナスになっていることが多く、雲粒の水は過冷却状態にあります。過冷却ですから、
なにかきっかけがあれば、水は氷になり、周りの水の雲粒から水蒸気をもらって大き
な雪片に成長できます。ですから雨を降らすには、氷の核になるもの(種)をばらま
いてやればいいのです。種には化学構造が氷に似たヨウ化銀、空気を冷やして氷の種
をつくるドライアイスなどが使われます。アメリカでは、この種の実験が盛んに行な
われたことがありますが、本当に種蒔をして雨が降ったのか、それとも種を蒔かなく
ても降ったのかの判定が難しくて、最近ではあまり行なわれていないようです。
 余談ですが、ヨウ化銀を使い始めた人が B. Vonnegut という人で、
K.Vonnegut Jr. のお兄さんです。弟のボネガットは兄の研究からヒ
ントを得て、常温常圧で安定な氷\というものを考え出してSF小説を書きました。
氷\の核を落とした瞬間に世界の破滅が始まるというものです。(題を忘れてしまっ
たので、知っている人がいたら教えてね)

3.雲に開いていた穴。
 1,2の話は、人間が雲や霧を消そうとする話ですが、雲の真ん中にぽっかりと丸
い穴が開いていた、という話があります。細胞状の高積雲の、真ん中が丸く切りとら
れたようになっていた、というもので、この場合は、対流で、いちばん真っ先に上昇
していく、雲の中心部が上層に達すると、それまで過冷却状態であった雲粒が、氷に
なって、下へ落ちてしまった、ということらしいです。山の風下にできる、吊し雲の
真ん中に穴が開いた写真を見せてもらったことがあります。(手元には無いのですが)

4.レーザー光線で雲が消せるか?
 レーザーを使うのがよいかどうかは分かりませんが、ミサイルを撃ち落とそうとい
う時代ですから、全く不可能では無いと思います。電子レンジに使われている電波は、
水分子に共鳴するのですから、でっかいパラボラで狙いをつければあるいは(これは
殺人兵器だな)...それだけの金と時間を使って開発する価値があるかどうかの問
題ではないでしょうか。

あっ、寮母じゃない陵墓のコーナーに杉下さんが...こちらの方へもどうぞ。
ひらひら さん、夜空の雲(星雲)の話なんていうのもいいんじゃないですか。
オーロラとマゼラン星雲のコンビネーションなんか好きでしたよ。
と、客寄せに懸命の--Tokio




#0017 sci1180  8810141718


  つまらん質問への早速のレスポンスありがとうございました。そうですね
確かにShadowさんのおっしゃられる通り「分厚い」という感じがあり
ますね。いかにも重そうな・・・。

 で、また相変わらず「素朴」というか「無知まるだし」の質問があるので
すが、雨でも雪でもどうして結構長い時間を持続して降っていられるのでし
ょうか?
 この辺は、雲から雨や雪になるプロセスがどうなっているのか、というこ
とでもあると思うのですが、つまり、どうして少しづつ雨や雪に変化してゆ
くのかということですね。いちどにドッ!となったら大変なことになるのか
もしれませんが・・・?

          その程度の疑問しかまだ持てないtotoでした。




#0018 sci1223  8810142119


はじめまして。
そういえば、雲と言えば私の大好きな星空にもありましたね。
ということで、そちらの方に話題を向けてしまいます。
 学生時代ですから、もう10年も前になりますが、ウエスト
彗星、ブラッドフィールド彗星、コホーテック・・・・という
面々を写真にとろうと車で九州中を走っていました。そのとき
は、彗星だけではなく、星雲・星団などもTargetでしたので、
思い出もたくさん有ります。
 写真に撮っていちばん見栄えがよいのはやはり、アンドロメ
ダ星雲(M31)、オリオン星雲(M42)あたりですが、
当時は、アマチュアにとってまだ珍しかったコダックの103
a−Oを使って天の川を撮るのが楽しかったです。赤外のほう
迄感度が延びているので、北アメリカ星雲とか、カリフォルニ
ア星雲等もよく狙いました。
 寒い風の中で望遠鏡を覗きながら、2、30分も微動ハンド
ルを回す緊張感。標準レンズも使いましたが、200ミリの時
はガイドが厳しいだけに成功した時のうれしさはありません。

     お招き頂いてうれしさのあまり
     またまたオンラインで書き込んだ ひらひら でした。




#0019 sci1004  8810142235


 へー,霧なら実用段階で消せるのですね.蒸発した霧は上昇気流に乗って雲を
作るとか..でも効率的に重油を燃やす方法は,やっぱりノウハウなのでしょうね.
 雲を消すなら,雨を吐き出させて雲を消す.これはコロンブスの卵ですね.でも
ヨウ化銀の空中散布なんて,なんか危なそうですね.そうそうこの前,TBS系の
”報道特集”で人工降雨のルポが放送されてまして,ユタ大学(うろ覚え)の日本
人教授の人工降雨研究が紹介されたり,採算ベースの人工降雨会社(飛行機でヨウ
化銀を撒く)のルポがありましたよ.丁度あちらの大干ばつの時期でしたし.日本
では東京都が奥多摩湖で実験しているそうです.効果は数%(一桁)オーダーだそう
です(だったかな?).
 氷になって落ちる...ヒョウのことでしょうか.見てみたいですねその写真.
おいしそうな写真(ドーナッツ状)かな.
 雲を消す技術なんて開発したら,その派生で恐ろしいことになりそうですね.や
っぱり自然のままが一番かしら.

 雲を消すなんて,やっぱり傍若無人だったかなあと反省しきりの院生浪人
 わざわざリクエストにお答えいただき,恐縮しております.

>ひらひらさん
 このネットで天文が話題になることはメッタにないので,思わずうれしくなっちゃ
いました.103シリーズなつかしいですね.飛田給のカメラやさんに買いにいきま
したよ.でも最近は水素増感全盛ですね.そのうちコーナーでも...




#0020 sci1017  8810150904


 先日は苦し紛れのウォッチ・レポートで失礼しました。90度の回転で
すから:)はニコニコ・マークですが、45度の回転ではご機嫌斜めですね。
私のワープロにはメッセージ書込み中の表情を示す字も入っています。
つまり郵便番号案内のマークです。
 今年はもう西高東低の気圧配置とかで、郷里では駿河湾から吹き付ける
強烈な西風の季節風が吹き始めたそうです。時候の挨拶はこのくらいにし
て、今日は、リモート・センシングから入って、最後にはどうにか、雲に
たどり付く話の進行にします。
 科学朝日11月号には地球観測衛星「アデオス」によるオゾン測定の話
題が出ていました。アデオスはほかにも海色海温測定センサー(OCTS)
を搭載する事になっています。
 OCTSによって観測収集されるデータは、地球物理学者だけではなく
漁船によっても活用されることになっています。最近の漁船は、漁師の勘
に頼る漁場探しから科学応用の時代になってきました。
 海中のクロロフィル濃度と海面温度が分かると、漁類の資源管理、保護、
漁場探しに役立つといわれています。海面の温度測定だけでは不十分で
色も分かるとプランクトンの発生状態がよく分かるというわけです。プラ
ンクトンの集まる所が漁場ということになります。
 では、雲のあるところではどうやって観測するのでしょうか、というの
が素朴な疑問です。衛星だけでなく、船や飛行機も使ってデータ集めをす
ればよいのでしょうが。薄い雲ならば通過するマイクロ波センサーの開発
が進行中で金さえかければ使えるとも聞いています。
 アデオスは極軌道プラットホームというものだそうです。計画ではその
あと無人宇宙基地をあげて、次に有人宇宙基地につなげるそうです。
                            こっぺい




#0021 sci1009  8810151002


全然関係ないのですが松川渓谷って
雷滝があって鉱毒で魚が住まない茶色の川ですか?
   SCI1009:狩野




#0022 sci1260  8810151530


 余談ですが、ソ連では革命記念日にモスクワを強引にお天気にしてしまう
のだとか。ほんとかどうか知りませんが、ヨウ化銀をモスクワ周辺に撒いて
降雨のもとを強制的に消してしまう、おかげでクレムリンのお立ち台の偉い
さんが雨に(あるいは雪?)濡れなくてすむ、だから超年寄り連が頑張れる、
世代交代が遅れる、改革が進まない...という後半のは冗談。

 でも、もしそうなら、ボネガットさんにレーニン勲章とかあげても良いで
すね。ゴルバチョフ時代になって、どうしてるか知りませんが。
 宇宙からのマイクロ波送電が行われるとしたら、雲への影響はかなり出る
のでしょうね。ここらへん、詳しい方がいたらおせーて下さい。
          ゴミ話で参加の ムカシトカゲ




#0023 sci1731  8810160108


そうそう、狩野さん。その松川渓谷ですよ。(なんでも日本3大渓谷の
一つだそうで。。)
日本の梅雨は、ヒマラヤ山脈の影響がかなりあるって話聞いたことありませんか?
ジェット気流が、ヒマラヤで二分されて日本の上空でまたぶつかる、というのです。
だから、もしヒマラヤを核爆弾でふっ飛ばせば、日本の梅雨もなくなるだろうか。
・・・ちょっと過激な考えでした。
                                                        Shadow




#0024 sci1731  8810160110


前の三大渓谷は三大紅葉の間違いでした。スミマセン




#0025 sci1082  8810201608


皆様、御無沙汰しております。実は来週学会が二つ梯子でありまして、
その準備やら、一週間の不在のための準備やらで大童子なのであります。
レスポンスを付けることもできないので、謹んでお詫び申し上げます。
23日から25日は東京(日教組教育会館)、26日から28日は
仙台です。そのあたりで、貧相な口髭をはやして色変わりの眼鏡を
掛けている男がいたら私ですので、声を。。。かけないでね。
--Tokio




#0026 ultra    8810270110


 tokio座長が長いわらじをお履きになっているうちに、静かになって
しまいましたね、このコーナー。しめしめ、鬼の居ぬ間になんとやら・・で
はないですが、座長がお帰りになったら、怒られちゃいそうなマージナル・
サイエンスのお話しを、今のうちにおひとつ。
 座長様が以前雲をなくす話をされてましたが、まったく学会では認められ
ていない雲を消す話しがもうひとつあるのです。それが、以前名前だけちょ
こっと書いたウイルヘルム・ライヒのクラウド・バスターでございます。
 ライヒ・WHO?という方も多いでしょうから、簡単に書きますと彼は、
心理学を基盤とした生物学者であり、物理学者であり、気象学者であり、社
会学者でもあった異端科学者であります。フロイトの説いた性エネルギー・
リビドーを彼は物質と考え、青空や細胞内に輝くエネルギー体「バイオン」
を発見、生命エネルギー=オルゴン・エネルギーの理論と実験をやった人で
ありました。
 最後は、米食品医薬局の禁止を押し切って、オルゴン療法の装置を販売し
た罪により、1957年11月3日、連邦刑務所で60年の生涯を遂げたの
でありました。
 晩年の彼は確かにおかしかったですが、彼の心理学の理論はフロイトと良
い勝負な気がします(フロイト理論もかなりめちゃくちゃということ)、し
かし、この理論を継いで出てきたアレキサンダー・ローエンのサイコセラピ
ー「バイオエナージェテイックス」は、かなり素晴らしい療法だと私、思っ
てます。(かなり、効くようです、この療法!)
 何て事ばっかいってると、全然気象の話にならないので、話を戻しますと
このクラウド・バスターは、見た目は金属の棒が突き出てる機関銃みたいな
装置でして、これに、生命エネルギー=オルゴン・エネルギーをチャージ、
中空に発射すると、雲を消したり、作ったり自由にできるのだそうです。ラ
イヒは、「オルゴン・ポテンシャルの均衡状態を崩すことで、雲を作る」と
説明してます。1978年12月には、この装置を使って、アイダホ州のス
キー場で雪を降らしたって話ですから、暖冬の日本でもおひとついかがでげ
しょ。
 しかし、やがてこの装置でUFOも撃退できるなどという話になってき
て、だんだん、常人にはついていけない世界の話となってくるのでありまし
た。
tokio座長、くだらんこと書いてごめんちゃいのウルトラ久保田であった。




#0027 sci1082  8810311320


と、いうわけで、私が学会の梯子をしてきたTokioです。
掃除機さん、仙台ではお会いしませんでしたね。実は、そちらからは、見られていた
りして。XLの画面をスライドに撮って発表したら、そちらのテクニックの方に質問
が集中したりして。70-200mmのズームを使って撮ってみましたが、隅の方が暗くなっ
てしまって。まあ映写装置の良くない学会での発表では気になりませんけど。
いろいろ、ご質問があったと思うんですけど、(Log を見直さなくっちゃ)学会の方
でも、いろいろと仕事を安請合いしてきちゃったので、気長にお待ち下さい。
ウルトラ久保田さん、面白い話を有難うございます。雲なんて、待っていれば、いつ
かは消えますよ。と言ってしまえば身も蓋もないか。
不在の間に、隣はもう引っ越しか。天文の方も賑わっていますね。
今日はこのへんで--Tokio

#0028 sci1082  8811291051

  シーン
としてしまった、このあたりは。賑わいは、はるか彼方へ。なんせ、家主が慣れない
cに凝ってしまったもので。ごめんなさい、ごめんなさい(おーい、管理人さーん)
 ここまでさぼったら、前の質問に答えるなんて、間が抜けてしまうから、勝手に話
題をとりあげよう。いつの間にやら季節はめぐり、大陸からの寒気の吹き出しが厳し
く、お隣韓国の済州島からは、カルマン渦が発生するようになってきた。今日はこの
カルマン渦のお話でもしようか。
 カルマン渦とは何ぞや。ドイツの科学者セオドール・フォン・カルマンにちなんで
名付けられた渦の列で、逆向きの渦が交代に並んでいる。この程度のことは御存知で
あろう。どうして、カルマンの名前がついたのか、カルマンの著書から著作権侵害を
覚悟で引用しよう。
        *        *         *
 ・・・渦の配列は、私の名前と結びついていて、普通に「カルマンの渦街(ボルテ
ックス・ストリート)」または「カルマンの渦列」と呼ばれます。しかし私は、この
渦を発見したのが私であるとは主張しません。それは私の生まれるずっと前から知ら
れていたのです。私がこの渦を見た一番古い絵は、イタリアのボローニャの教会にあ
るもので、セント・クリストファが幼いキリストを抱いて、流れを渡っているところ
なのですが、聖徒の裸の足のうしろに、二列の交代の渦が描かれていました。
 このように物体のうしろにできる交代の渦については、イギリスの科学者、ヘンリ
ー・R・A・マロック(1851−1933)、それからフランスの大学教授、アン
リ・ベナール(1874−1939)によって観察が行なわれ、写真に撮影されたり
していました。ことにベナールは私の前に、かなりの仕事をこの問題についてやって
いましたが、主として非常に粘い流体、またはコロイド溶液に起こる渦を実験してい
て、その立場は、空気力学というよりは、むしろ実験物理学と言ったほうがよいでし
ょう。それでも彼は、渦が私の名前で呼ばれることにやきもちを焼き、一度ならず、
例えば国際応用力学会の席上、1926年にチューリッヒ、1930年にストックホ
ルムで、この現象を古くから観察していた優先を主張しました。あるとき私は答えて、
「ベルリンとロンドンでカルマン街と呼ばれるものが、パリでアンリ・ベナール街と
呼ばれることに賛成します」と言ったのですが、この冗談で私たちは和解し、それか
らよい友達になりました。・・・
        *        *         *
と、まぁ、こんな風に、カルマンはこの渦の発見者では無いのだが、なぜ名前がついた
かというと、その理論的解明に大いに貢献したからなのである。
(次の関連発言に続く)
--Tokio
 

#0029 sci1082  8811291052

さて、カルマンの貢献に進む前に、渦とは何かを考えて見よう。
  渦とは、ぐるぐる回る流れである。と答えた人は半分正しい。ただ、ぐるぐる回っ
ているだけではなくて、無限の彼方では静止しているような、ぐるぐるなのである。
数学的には、渦の動径方向の速度が中心からの距離に反比例する、という。これでは、
渦の中心で速度が無限大になってしまうが、その辺は目をつぶる。
 渦が二つあるとどうなるか。それぞれの渦による速度を、足し合わせたものになる。
注意しなければならないのは、渦の中心が、別の渦によって流されることである。例
えば、左巻の渦が二つ並んでいると、互いに相手の渦を左に見ながら回転する。双子
台風でよく観察される、「藤原効果」である。左巻の渦と右巻の渦が並んでいると、
一緒に手をつないで、同じ方向に進む。左巻が左、右巻が右にあれば、上に向かって
進む(この辺は黒板に書いていると考えてネ)。
            △     △
            ‖     ‖・・・進行方向
            ←     →
           ↓+↑   ↑−↓・・・流れ
            →     ←
 もっとたくさんの渦があったらどうなるか。例えば、同じ向き(左巻とする)の渦
が、一列に等間隔で並んでいたら、渦の列(渦層という)を境に上半分は左へ向かっ
て、下半分は右へ向かうような流れができる。ところが、注意しなければならないの
は、このような渦の配列は不安定であるということだ。試しに、並んだ渦の一つを、
少しだけ上に、持ち上げてみよう。渦層より上では左向きの流れになっているから、
これに乗って、少しだけ左隣の渦に近づく。すると、いままで右と左の渦からの、微
妙なバランスで留まっていた、この渦が左の影響を強く受けるようになり、上に持ち
上がる。すると左へ向かう。上に持ち上がる・・・鉛筆を芯を下に立たせようとする
ようなもので、並んだ渦はすぐに崩れてしまう。
 さて、カルマンのやったことは、何かというと、このような渦の配置の安定性の問
題を、2列の渦にあてはめたらどうなるか、ということである。想像できるように、
たいがいの配置は不安定なのであるが、一つだけ、逆向きの渦が交代に配置されてい
て、間隔の比がある一定の値をとるときだけ、安定であることが分かったのだ。
  ↑    −     −     −
  |
  h
  |
  ↓ +     +     +     +
    ←−−l−−→
上の図でh/lが0.28の値をとるとき安定である。(+、−は渦)この場合、鉛
筆は尻を下にして立っているので、ありふれた現象として観察されるであろう。
 そのほかに、こうした渦列が発生すると、その発生源である円柱に抵抗が現われる
ことを示したことも、重要な貢献であった。カルマンは、先人達が長い観察によって
も、何故渦列が起こるのか分からなかったのを、週末に計算を始めて月曜日には先生
のプラントルの所へ結果を持っていったのである。
と、言うわけで、アンリ・ベナールはカルマンに負けたのですと。
(まだまだ続く)
--Tokio
 

#0030 sci1082  8811291052

なぜ、カルマンはカルマン渦の理論を手がけたか。
というと、1911年当時、ゲッチンゲン大学でプラントルの助手をしていたので、
先生から課題を貰って研究していたのではないのだ。
 その頃のプラントルの関心は境界層の理論(これが一体何かというのは別の機会に)
にあって、カール・ヒーメンツという(誰かが喜びそうな)名前の学生に円柱の表面
から流れが剥離するのを観察する仕事を与えていた。
          *         *       *
・・・そのためには、定常な流れを必要としたのですが、意外なことに、水槽の中の
流れは激しく振動していました。
 このことをプラントルに報告すると、「それは円柱の断面が正しい円でないからだ
ろう」と言われました。
 しかし、円柱を入念に削り直してみても、やはり流れは振動をやめません。それで
は水槽が対称的でないのかもしれないという、意見も出て、ヒーメンツは調整をはじ
めました。
 私はこの問題に関係していなかったのですが、毎朝研究室にやってくると、「ヒー
メンツ君、流れは落ち着いたかい」と尋ねてみました。すると彼はいかにも悲しそう
に、「いつも振動しています」と答えるのでした。
 そこで私は考えたのですが、それは、もし流れがいつも振動するのであれば、この
現象には何か自然な本質的な理由があるに違いない、ということでした。・・・
           *        *        *
研究のネタというのは、思わぬ所にころがっているものなんですね。カルマンの名前
を不朽の物にした理論はかくして生まれたのでありましたとさ。
 カルマン渦で説明できる現象としては、古代ギリシャの伝説のエオルスの竪琴、電
線が強風で鳴る現象、船のプロペラの共振、そして衛星画像に見られる雲の列などが
ある。
難しかった?
ネタ本はフォン・カルマン著谷一郎訳「飛行の理論」(岩波書店)でありました。
今年の冬はラ・ニーニャのせいで、寒い冬になるかもね。裏方さん達も、風邪には、
気をつけてね
--Tokio
 

#0031 sci1003  8812012315

このカルマン渦の話は,とぉっても面白く読ませてもらいました.
渦の流れの速さが中心からの距離に反比例するというのを使って
BASICで渦たちの動きのシミュレーションプログラムを書き
楽しんでいます.
大学の一般教養物理も,これくらい面白かったらよかったのになあ.
RUKAS
 

#0032 匿名     8812012355

  トマトの学名はラテン語でLycopersium esculentum Millとなっており、このLycopersi
umを直訳するとオオカミの桃となります。
  ところでオオカミの桃という名のトマトジュースをご存じでしょうか。知らない人のた
めに説明いたします。                                      
  産地  北海道  上川郡  鷹栖町
  真っ赤に熟したトマトを加工してつくるおいしいトマトジュースです。
  澄みきった青い空、日照時間が長く、昼と夜の温度差が大きい気象条件がカロチン、リ
コピン、ビタミン類やミネラル類、有機酸が多く含まれるトマトを作ってくれます。
  市販品と味がぜんぜん異なり、色は鮮明で濃い赤色をしています。
  従来は食生活を通じての健康作り活動の一つとして作られたものなのですが、特産品と
して人気が出てしまってからは農業の方が頑張って、今では外国やプロ野球のキャンプか
らも注文がくるそうです。                          
  問い合わせ先  071-12 北海道  上川郡  鷹栖町11線5号
                鷹栖町農業振興公社
                全国有名デパート
 

#0033 sci1082  8812021103

えーと、トマトですか。迷いこんだようですね。
 それとも、私が大学院時代6年を過ごした北海道からの、特別メッセージでしょう
か。トマトジュースはビールの次に大好きです。
 カルマン渦の話は難しいかと思ったら、RUKAS さんRES をありがとうございました。
BASICのプログラム、UPして頂けたら。なんて虫のよいお願いをしてもいいかな。
 雲のカルマン渦については、以前にも紹介した「流れの科学」(木村竜治著)にく
わしく説明が出ています。これで完璧に分かったのかというと、そうでもなくて、
○渦がどのような機構で発生するのか?(実験室規模のカルマン渦は、「境界層のは
 がれ」で出来ることがわかっているが)
○カルマン渦ができるのは、寒気の吹き出しの弱まっていく過程にだけ限られていて、
 同じ風速でも、強くなっていく時にはできないのはなぜか?
など、まだまだ謎は多いのです。気象学会の秋の大会でも、木村先生の他に千葉大の
先生も研究発表をしていました。
こっぺい さん>
 ELF通信の話、ありがとうございました。神田のあたりで学会があった時は、お
尋ねしようかと思ったのですが、ご迷惑かと・・・実は、私は恥ずかしがりなもんで。
侍ニッポン さん>
 古ーい話ですが、のーべる賞を頂けるそうで。私の父が、酒を飲んでは「お父さん
は、のーめる賞」と言ってましたが。御存知土佐は、酒のみの国、「しょうしょう」
で2升ですから、今回は辞退です。
他のコーナーで、関連発言をつけなくては、と思いながら、果していませんが、まと
めてごめんなさい。
--Tokio
 

#0034 sci1017  8812031438

 私の使っている端末はワープロですので、皆さん方のPDSソフトを使う
ことができませんが、BASICならば古い8ビット機で動かすことができ
ます。RUKAS さんのカルマン渦シミュレーション・ソフトをぜひ公開してい
ただけませんか。
 Tokio さん、学会で神田へ来られたときには、気軽に声をかけてください。
                              こっぺい
 

#0035 reader   8812042224

 ははあー (と平伏)
会員の末席を汚しております 侍ニッポンでございます
毎日 雲を眺めて 何かいいことないか 雲助ちゃん と話しかけておりますが
なにしろ 天高く 侍ニッポン肥える秋(もう 冬なのでしょうか)で 雲も空
高く遊んでいますから 答えが聞こえないのです(決して難聴ではありません
幻聴は聞こえますし 盗聴はやってみたいですね)
 カルマン渦について 楽しく読ませて頂きました  僕の様な物理学の門外漢
にとって 一番重要な面白さと分かり易い説明  いやあ ご馳走さまでした
これからも このような美味しいテーマをおねだり致します
 カートのお兄さんバーナードについて
... バーナードは研究室を恐ろしく乱雑にしているというので、スケネクタ
ディー(GEの研究所のある場所)でも評判でした。 研究所の保安責任者がしょっ
ちゅうバーナードの部屋へ行って、床一面に散らばっている殺人装置を片付けて
くれと頼んだいたそうです。 ある日、兄はその人に、「これで乱雑というのな
ら、このなかを見せてやりたいね」と言って、自分の頭を指さしました。 ..
             (ヴォネガット大いに語る ハヤカワ文庫) 
 頭の中の乱雑さにも 質の相違があるのだと しみじみ 感じました
      ただ散らかっているだけの  侍ニッポン  でした
 

#0036 reader   8812042228

  ゆきひかりの草丈の推移を見ると、初期は全層区が良く、成熟期では側条、多肥
>標肥>少肥の順となり全層を加えて大きく、表肥区が短かった。
  茎数の初期は側条、多肥>標肥>少肥の順で草丈と同様であり表肥区も多く、成
熟期も同様であった。
  収量は側条多肥がやや減収したが全体に大差はなかった。
  上育397号の草丈の初期は各区差がみられず7/22より全層、表肥が短く、側
条区では、少肥>表皮≒多肥の順となり、茎数では少肥>標肥>多肥の順となり、
その推移は成熟期まで続いた。
  収量は側条区が優った。
〔まとめ〕
  全体に稲が大きく多肥区で倒伏がみられたため、施肥量は側条で少肥基準以下と
し、全層区は表層区より茎数の確保が少なく、側条より劣っているため表層及び側
条施肥が適切とみられる。
 

#0037 sci1082  8812141055

さてさて、ここは北海道の農業関係者のコーナーになってしまいそうですね。
先日、うちの近くの農協で安売りがありました。「ゆきひかり一升**円」
「おじさん、ゆきひかりっておいしいの?ささにしきとかこしひかりとか比べて」
「そんなにおいしかったら、この値段じゃ売れないよ」
農業関係者さん、ごめんなさい。いま食べてますけど、値段の割にはおいしいです。
 むかーし昔のはなしですが。彩雲の話をしました。夏はあまり見えなかったのです
が、このごろ日本海から山を越えてやってくるちぎれ雲を見ていると、その端がピン
クや緑に染まって見えることがあります。太陽を手でさえぎって、その周りのちぎれ
雲を探して見て下さい。
街角でクラウドウォッチング会員を見つける方法−−太陽に手をかざして、なにやら
空を見ている人がいたら、その人は会員です。
--Tokio
p.s. 次の関連発言に旧ネットに載せた、彩雲の話をアップします。旧ネットコーナ
  ーのどこかにあると思うんですが、どこか確かめるのが面倒なので。
p.p.s. そういえば、出版の話があったんですよね。先日H書房から、「わが社の出
  版では売れない」という断わりが来ました。やっぱり大朝日に頼むかなぁ。

#0038 sci1082  8812141056

§17.ひょうたんから彩雲
 「ビールジョッキの中の雲」を順に紹介していこうと思っていたのですが,先日
某公共放送協会のテレビニュースで「函館で彩雲が観測された」というニュースが
入って,きれいな七色の彩雲が写っていたので,急遽,第17章「ひょうたんから
彩雲」というところを紹介したいと思います.
 虹が太陽を背にして見られるのとは反対に彩雲は太陽と少しだけずれた方角に見
られます.虹が雲や雨の水滴中を屈折した光によってできるのとは違って,彩雲は
「フラウンホファー回折」によって起こります.フラウンホファー回折とは光が
「波」であるために起こる現象で,物理の教科書などでは,港の防波堤の後ろに波
が回り込んでいく現象との類推で書いてあります.例えば,直径10μm の雲粒では,
緑の光は角度2.5度のあたり,赤の光は3.5度のあたりに回り込んだ光の強いところ
があらわれます.雲は細かな水滴や氷でできていますから,一個一個の雲粒が小さ
な防波堤の役割を果して,きれいな彩雲になるというわけです.ところで,実際に
彩雲として見えるためには,まず入射光が平行光線であることつまり太陽光線を散
乱する別の雲が彩雲になる雲のむこう側に無いこと,雲が厚すぎないことが必要で
す.また,雲が薄すぎても回折光が足りなくてきれいな彩りは見えないことになり
ます.太陽の回りにきれいに彩雲が輪を描くときコロナと呼びます.日食のときに
見える太陽の回りの輝きをコロナと呼びますがこれとは全く別物です.コロナはめ
ったに見ることはできませんが彩雲は雲の切れ端が太陽の前を横切るときなどによ
く見られる現象です.
 と,書いてしまえば,単なる百科辞典の引き写しのようなものですが,Bohren先
生はこのきれいな彩雲を講義室の教壇の上に作り出して見せるのです.まず,雲を
作るにはどうしたらいいか?実はこれは第2章の主題になっているので,その章を
解説するときまでとっておこうと思います.その雲は,瓶の中にできることだけ教
えておきましょう.さて,その瓶の中の雲を学生に見せるために,先生は照明灯を
持っておったのですが,これが盗まれてしまったのです(ケチな物を盗むもんだ).
代わりになるものをと捜した先生は手近にあったオーバーヘッドプロジェクターを
使ったのです.たまたまその日は,いつも使う,半分黒くぬった瓶(横から中の雲
を照らせば黒を背景にして白い雲がよく見える)の代わりに全部透明の瓶を使った
ということもありました.プロジェクターとしばらく格闘して,うまくみんなに中
の雲が見えるようにと瓶の後ろから照らしてやると,学生達から驚きの声が上がっ
たのです(ンなもの私の講義生活ン年では一度も無いことだ).そこに彩雲が見え
たというわけです.先生が照明灯を盗まれたおかげで彩雲が現われたというわけで
すが,それがセレンディピタスというわけのわからない形容詞をつけた理由.「ひ
ょうたんから彩雲」と訳してみました.
 小さな粒があればよいわけで,別に雲で無くたっていいわけです.水のなかに作
る方法が書いてあったのでこれも紹介しましょう.
=====================================
準備するもの
 0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液(24.8gを1リットルの蒸留水に溶かす)
  0.2モルの塩酸溶液(16mlの濃塩酸を1リットルの蒸留水にに溶かす)
それぞれを10mlとり,980mlの蒸留水に加える.暫く置いておくとチオ硫酸ナトリウ
ムに含まれていた硫黄が小さな粒になって析出してくる.これが,雲粒と同じ役割
をして,暗室の中などで光をあててやると彩雲のようにきれいな色が見える.
=====================================
  ということです.どなたか,実験してみてきれいな写真ができたら送って下さい.
翻訳ができたら,カラー写真を訳本に飾りましょう.原本には残念なことにカラー
写真が無いのです.
--Tokio

#0039 sci1082  8812230951

もう、クリスマスはすぐそこですね。そこで、以前予告しておいた、
    「北極海に現われたサンタクロース」
の話をしましょう。

 そのまえに、「寒帯気団低気圧」というちょっと難しい話をしなくちゃいけません。
以前に、低気圧家族の話をしました。要するに、低気圧というのは、普通、ずーっと
つながった前線の上に、できるものなのです。ところが、例外もあります。熱帯低気
圧、つまり台風がそうです。そのほかに、ここでお話する「寒帯気団低気圧」という
ものがあります。
 御存知のように(説明を省くときには便利な言葉だ)前線というのは、寒帯気団と
亜熱帯気団のぶつかりあうところです。ぶつかりあうと、暖かい方の空気は押し上げ
られ、水蒸気が雲になり、雨風を起こします。前線では天気が悪い。ならば、前線か
ら離れれば、天気はよくなる。だれでも、そう思います。ところが、ここに落し穴が
あったのです。実は、寒帯気団の中で、発生し発達する低気圧があるのです。普通は
寒帯気団は、前線の通過の後にやってきますから、「やれやれ、これから天気がよく
なるぞ」と、油断したところに、急に嵐がやってきて、大きな被害を出したりします。
これは、最初にアイスランドやイギリスで注目されました。後にはノルウェー、さら
には衛星画像が得られるようになって、北太平洋でも、南半球のチリあたりでも頻繁
に起こっていることが分かってきました。
 寒帯気団低気圧の発生は、寒帯気団の中ならどこでも起こる、という訳ではありま
せん。海の上で起こるのです。寒帯気団というのは、そもそも、冬の寒い大陸の上で
形成されるのですが、カルマン渦のところで触れたように、寒帯気団が海の上へ出て
行くと、寒気の吹き出しになります。暖かい海からは、盛んに水蒸気が発生し、筋状
の雲ができます。普通、シベリアの寒気が、日本海程度の海を渡る程度なら、筋状の
まま日本に到着しますが、寒気団がもっと発達して、もっと蒸発が盛んになると、ま
るで台風が発生するように、低気圧が発生するのです。
 この低気圧の発生は、海上で起こることに注目して下さい。海上では陸に比べて、
極端に、気象観測点が少ないのです。予測の難しい、実にやっかいな低気圧なのです。
そこで、宇宙からのクラウドウォッチングが登場するわけです。
(次の関連発言に続く)
--Tokio
 

#0040 sci1082  8812230952

 さて、宇宙からこの「寒帯気団低気圧」を見るとどう見えるか。
        画像            天気図
       雲雲雲            低
      雲   雲雲
      雲雲   雲雲
       雲雲  雲雲         低   低
    雲雲    雲雲       寒低     /
     雲    雲雲             低
    雲  雲雲雲雲            /
      雲雲雲雲                       (前線)
          雲雲雲雲            /
    雲雲              /
   
とまあ、本来の前線の後ろに、雲がチョコンとついてくるように、見えるわけで、こ
のチョコンをコンマ雲と呼んでいます。
 こんなふうに、寒帯気団低気圧の研究には、気象衛星の画像が欠かせないわけです
が、この研究をしていた、デンマークのラスムッセンという人が、NOAA気象衛星
の画像を見ているうちに、実はこのいたずら低気圧が、こともあろうに、あのサンタ
クロースの仕業であることを、発見したのです。1982年の12月14日のNOA
A−7の画像を見ると、なんとサンタさんが、ノルウェーをにらんでいるではありま
せんか。上の画像で青の所と、その北側の低気圧の雲のあたりを拡大すると、こんな
ふうになっていたのです。
                 雲雲雲
                雲雲雲雲
               雲雲雲雲雲
             雲雲雲雲雲雲雲雲      雲
             雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲
            雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲雲
           雲雲     雲雲雲雲雲雲
           雲雲 雲雲 雲 雲雲雲
            雲  雲雲 雲雲 雲
              雲雲   雲雲
              雲雲雲雲雲雲
                  雲
              雲雲雲 雲雲雲
              雲雲雲 雲雲
               雲雲雲
                雲
          雲雲   雲雲
           雲雲雲雲雲

コンマが、あごひげなんですけどわかります?(もうちょっと続く)の--Tokio

#0041 sci1082  8812230953

 しばらく、観賞して頂いてから、lを押して頂けましたでしょうか。
 まあ、「雲」という字だけでは、なんとも表現力がありませんが、元の写真は、も
っとはっきりしています。Bulletin of American Meteorological Society という、
米国気象学会機関誌の1987年7月号第68巻810頁にその写真が載っています。
専門雑誌なので手に入りにくいでしょうが、大きな大学の図書館にはあるはずです。
私は、この、サンタ現わるの話を、Vancouver で1987年の8月に、ラスムッセン
さんから聞きました。なんとなくバイキングの子孫みたいな人です。
 日本では、寒帯気団低気圧はあまり報告されていませんが、北洋へ出る漁船の方々
は、経験されたことがあるかも知れません。おとっつぁーん、気をつけろよー。
 では、皆さん、メリー・クリスマス!
皆さんの所に来るサンタさんが、よいサンタさんでありますように。
--Tokio

#0042 sci1082  8901041132

皆様、明けましておめでとうございます。

 といっても、このあたりは、皆さんに読んでもらえているのかな?おやおや、クリ
スマスのサンタさんが、寂しく残っている。

 12月30日から1月1日まで、家族で、瀬戸大橋見物に行って来ました。瀬戸大
橋のすぐそばに宿をとって、船で下をくぐったり、鷲羽山の遊園地で乗り物乗り放題
で遊んだり、倉敷まで足を伸ばしてアイビースクェアを見たり、十分に堪能してきま
した。

 元旦は、旅館のおせち料理を食べて、周りを見渡せば、同じ様な家族連れがいっぱ
い。三元日は満員の盛況だそうで、(あぁ、日本は滅びる)と思ってしまいました。
でも、病みつきになりそう。家へ帰れば、罰があたったのか、皆で風邪で寝込んでし
まい、自動的に寝正月。(あぁ、わが家は滅びる)

 ハンドルを握っていても、会長はクラウドウォッチング。帰途の雨模様も、山を越
えて、高知平野へ出れば、完璧青空。やはり、山の存在は偉大だ。

 2日のNHKに廣田勇京都大学教授が、竹内均東京大学名誉教授などと一緒に出て
ましたね。ちらと見ただけで、寝込んでしまいましたが。

 新刊案内。新しい日本を創る。樋口敬二。氷河研究の世界的な権威が、全地球的な
視点からダイナミックに展開する、新しい地球と日本への提言。講談社。うーん、先
生止めて欲しいな。これじゃ、参議院選挙の事前運動ですよ。

今年も宜しく、の--Tokio

#0043 sci1731  8901210136

ちょっと目を離していた隙に話が進んでいるんですね。
今年も宜しくお願いします、のShadowです。

それにしても、今日はすごい雨。1月だというのに、どうなっているのでしょう。
聞く所によると世界的に暖冬傾向だとか。
ニュースの解説なんかを見ているといつも思うのですが、異常気象の原因は
偏西風の蛇行がうんぬんなどとよく言っていますが、これは原因を説明しては
いませんね。そのように蛇行させる原因はなんなのか、ということを知りたいと
いつも思っているのです。
                                                        Shadow

#0044 sci1082  8902071403

Shadow さん、おひさしぶりです。それは、カオスなのです。と、言っても何かわか
ったことにはならないのですが。要するに、不精をしないで根気よく、方程式を解い
たら分かるかもしれない、ということなのですが。
     ^^
 以下の文は、どこかのボードのどこかのコーナーで、ギョエー科学が話題になって
いたときに、書きかけたものなので、未完成ですが、アップしておきます。

 経済と太陽活動には関係があるか?という問題はさておいて、

 太陽活動はほぼ11年の周期で強くなったり弱くなったりしています。太陽活動が
強い時は黒点数も多く、逆に弱いときは少ないので、黒点数が太陽活動の指標になっ
ています。過去の黒点数の変動については、理科年表にもでてます。最近の「来るべ
き極大期の大きさ」についてのちょっとした騒ぎは、ウォッチボードの27番にも少
し書いておきました。
 さて、この太陽活動の変化が、もし、経済にまで影響があるくらいのものであれば、
まず、気象に影響するのではないか、と、誰でも考えますよね。事実、「気象ハンド
ブック」(朝倉書店、1979年)を紐といてみると、一般的な傾向として「黒点が
増加したとき、(1)熱帯と極地方の気温は昇り、中緯度は下がる、(2)熱帯と極
地方の気圧は下がり、中緯度の気圧は上がる、(3)熱帯と極地方の雨量は増加する」
などなどのことが書いてあります。ところが、一方では、太陽活動の変化に伴って、
地球が太陽から受け取る熱量の変化は1%にも満たないことが、厳然たる事実として
あるわけで、前に上げたような気象観測「事実」に対して疑問視する見方もあります。
実際これらの「事実」は統計的には意味を持たないとする考えの方が、気象学者の間
では一般的でした。
 ところが、最近になって、こうした「通説」を覆すような、研究結果が出てきて、
ちょっとした話題になっているのです。主役は、ベルリン自由大学の女性教授である
カーリン・ラビツケ。わき役は、アメリカ国立大気研究センターのハリー・ヴァン・
ルーン博士その他大勢です。そうそう、「地球をめぐる風」(中公新書)の著者であ
る、廣田勇教授にもちょい役で登場して頂きましょうか。
 この、ラビツケ女史は成層圏突然昇温の発見で名高い故シェルハーク教授の後継者
でありまして、成層圏のデータを扱わせたら、右に出るものがいないという人です。
彼女は博士論文の仕事で(高緯度成層圏の)突然昇温のことを研究しているころ、一
方で赤道の上空をめぐっては、準2年振動という、成層圏の風が約26ヶ月の周期で
東風になったり、西風になったりという現象が謎として、研究者の注目を集めていま
した。この辺の事情については、廣田教授の本に詳しいので、興味のある方はぜひ目
を通していただきたいところです。(サイエンス・ブック・レビューでも取り上げて
あります)

 ここまで、書いて中断してしまったのですが、要するに、ラビツケさんがヴァン・
ルーンくんの所へ出かけて、なにやらかにやら、データをならべているうちに、準2
年振動の西から吹いている時だけを並べてみると、例えば北極上空の成層圏温度と、
太陽活動に明かな相関が見られることに、気がついたということなのです。さらに、
北半球のあちこちの気温にも、同じように、西風の時だけ相関が見られて、長期予報
担当者が、「こいつは使えるぞ」というくらいのものになってきています。
 何故なのか?については、まだ、誰もわかりません。廣田教授がどこに出て来るか
というと、気象学会の機関誌の「天気」誌上でインタビュー記事を載せていたという
だけでして、ちょい役というほどのものでもございません。(情けない)

  あー、竜頭蛇尾になってしまった。

--Tokio

#0045 sci1082  8902071404

という、前置きの後で、トクダネですよ。(何が前置きじゃろ?)

 だいぶ前に、雲に穴を開ける話がありましたよネ。その、見事にまん丸に穴の開い
た雲の写真を撮った人が、大阪にいます。大阪府立花園高校の半田孝さんです。
「天気」89年1月号に載っていました。昨年1月19日のことですから、ひょっとす
ると、もう先を越されているかもしれませんが、ネットで話題になったことだし、
科学蘭に写真を載せて頂けると嬉しいんですが。

大阪科学部の皆さんお願いします。
さあ、みんなで声を揃えて、お願いしよう。の--Tokio

#0046 sci1004  8902071450

これだけの事で書き込むのは心苦しいのですが,
そのおいしそうな写真,見てみたいなあ. おねがいしまーす.
院生浪人

#0047 sci1731  8902072351

「混沌」を明らかにするのはなかなか難しいようですね。

黒点の影響は1パーセントにしかならないのですか・・・。
これでしたら、火山の噴火による噴煙の影響の方が大ですね。

不精しないで解く、というのは例の数値予報のことですか?
なんか昔は、明日の予想天気図を計算するのに一週間かかった、なんて
お話を聞いたことがありますけど、現在はどんなもんでしょうか。
それにしても、スポンサーと頭脳が得られれば、私のとこのCRAYで
やってみたいですが。(なんせ、まだ使ったためしがない)

ところで、雲に穴を開けた写真って、どこかの気象の専門書に出てませんでしたっけ??
見た覚えがありますよ。(白黒)

あー、どこかで綺麗な雲の写真を撮りたいなぁ。。。
                                                        Shadow

#0048 yaman    8902102243

 Tokio様、執拗な呼び掛けが続いていますね。
私が担当することになっているのですが、他の取材の都合もあって遅くなりました。決
して無視している訳ではありません。ぎょえーーーーのultra7の厳しい監視の目
も光っていることですし、何とかしますので、いま一時のご猶予を。
        ultra7の視線に脅えるyaman

#0049 sci1082  8902180911

はいはい、気長に待っております。

執拗な--Tokio

#0050 sci1004  8902221634

 おっとっと! 会長さん!例の写真出ましたね.(高知は明日かな?)
 いま届いた夕刊科学面にバッチリ.なんでも”写るんデス”で写した写真の
ようですね.yamanさん,どうもありがとう.お芋はのちほど.

院生浪人.

#0051 sci1082  8902230933

  山之内様、どうも有難うございました。意外に早く載ったので、びっくりしました。
「写るんデス」で写したという、根性に脱帽です。会長職をゆずりたい心境です。
  さて、一般に穴がどうしてできるのか、については、記事の説明でよいとして、ど
うしてあの日あの時あの場所に出来たのでしょうか?私は人為的なものを感じますが、
いかがですか?

と、謎掛けをしておいて、ワードスターに向かう--Tokio

#0052 yaman    8902232326

 Tokio様、情報ありがとうございました。じつは、薄い雲
だったので、写真にコントラストがなく新聞の印刷ではっきり分
かるか、心配でしたが、なんとかなったようです。
 半田さんは、穴の開いた雲の写真をこれを含めて3枚撮られた
そうです。我々も注意していれば、出くわすこともありそうです
ね。
   時にはのんびり雲でもながめていたいyaman

#0053 sci1082  8903141025

まもなく、新ボードができるそうですので、出来たら
引っ越し致します。 ながらくの御愛顧、ありがとう
ございました。
           Tokioアラタメ税金泥棒