Fre00128 飛行機は極めて安全です?

#0000 sci1301  8809200046


 最近、世界各国でたて続けに飛行機の事故が起きていますが、乗り物なら何
でも大好きな小生としては憂慮にたえない今日このごろです。
 そもそも、あんな重たいものを飛ばそうというのだから、無理があることは
間違いないのですが、それにしても何百トンもあるものがよく飛んでいくもの
だと、常に飛行機に乗りながらも不思議に思っています。
 特にこのごろは経年機(中古機)の事故が目立っているようですが、2年ほ
ど前、航空機の安全に関する会議に出ていて、おもしろい話を聞いたことがあ
ります。長い討議の間の休憩時間でしたが、ある航空評論家(技術系)の先生
と話をしたのです。その評論家の先生が言うには「他の飛行機はともかくとし
て、YSは怖くて乗れたものではない」ということでした。
 どういうことかといいますと、その評論家の先生が、ある航空会社の整備工
場に行ってYSのオーバーホールの現場を見たことがあるそうです。内装を全
部はがして完全に骨組みが丸見えの状態で整備をしていたそうですが、その骨
組みを見て愕然としたということです。
 とても見てはいられないほどのくたびれようだったということです。もちろ
ん法定の安全基準には合致しているのでしょうが、その先生から見れば、直視
できないほどの傷みように見えたそうです。
 我々素人が見て、というのとは違い、専門家がそう言うのですから、そうな
んでしょう。それで、その先生は「YSにだけは乗りたくない」と言っていま
した。
 それで、私がその先生に尋ねたのですが、
 私 「それでは先生、YSには絶対に乗らないのですか」
 先生「・・・・・・」
 私 「講演などで地方に行くときは、どうするのですか」
 私 「YSしか飛んでない路線のときは、鉄道とか船を使うのですか」
 先生「そんなことしてたら、講演のスケジュールはこなせない」
 先生「全国をしゃべって歩くのが私の商売だから」
 私 「では、やはり乗るのでしょう」
 先生「仕方がないから乗る」
 先生「だけれども、私の乗っているときは、どうか落ちないようにと神様に
    祈り続けるのです」
 そこでまた航空機の安全に関する会議が再開され、後日、立派な報告書がで
き上がりました。もちろん、YSのオーバーホールのことも神様のことも、そ
の報告書には全く載っておりませんでした。
 私のオフクロは、飛行機に乗るのを今でも極度に嫌がります。
             (横浜の薄葉)改め キャプテン・テラ




#0001 sci1462  8809201237


 とりあえず、よく言われていることに、「自動車より飛行機の方が安全」
というのがあいます。もちろんこれは、事故が起きた場合どっちが安全かと
いうのではなく、事故の起きる確率はどっちが大きいかというものですが。
 そのことを考えると、神様に祈り続ける必要のある乗り物は、飛行機より
自動車ということにになるのですが・・・やっぱり私は飛行機の方が怖い。
 いきなり脱線しましたが又脱線します。日航ジャンボ機墜落事故、チャレ
ンジャ−爆発事故に関して小松左京氏が、こんなことを言っていました。
「アメリカの技術思想は時代遅れ だから事故が多いんだ」
 これは、アメリカの”社会技術体系”が、ミリタリ−・エンジニアリング
(軍事技術)の上に成り立っているからだそうです。日航、チャレンジャ−
の場合は、このミリタリ−・エンジニアリングが事故に直結してしまったそ
うです。
 ではなぜ、ミリタリ−・エンジニアリングだと事故が多いのかというと、
考えかたが荒っぽいからだそうです。たとえば、戦争の場合、敵に勝つこと
が目的だからとにかく”早く””たくさん”ということが優先される。
100発の弾丸のうち3発ぐらい不発弾があっても構わない。それよりも大
量の弾があるほうが大切。というように、目的優先、細部はこだわらないと
いう傾向が、ミリタリ−・エンジニアリングの底流にあるからだそうです。
 これに対して日本で戦後成長した技術は完璧にシビル・エンジニアリング
(民間技術)なので品質管理は厳しく、技術もいいかげんなものではないそ
うです。それに日本の技術精度はアメリカの100倍だそうです。だからシ
ビル・エンジニアリングによって作られた「YS」は一応大丈夫なのではな
いでしょうか ?それに、
「シビル・エンジニアリングの”安全神話”は崩壊なんかしない」
 そうですから。もっとも、他の飛行機(アメリカ製旅客機)には少々不安
がありますが。(メ−タ−の取り付けミスなんて、ミリタリ−・エンジニア
リングの典型!!)
           歩く転ぶ。走るぶつかる。
           浮かぶ沈む。飛ぶ落ちる。
           あたりまえだの まてりある