Fre00051 《オー・カーク記者の大反論》

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　　　《オー・カーク記者の大反論》

　＃３９に対し、さっそく競馬狂様からごていねいな反撃をいただきましたので、４
項目のご質問をまとめて以下、私の反論といたします。

　まず、われわれは「新聞記者」であって、コンピューター専門紙誌のコンピューター
専従記者ではないことであります。
　みなさまが新聞記者かくあるべしと思っておられる期待像があまりにも大きいのに、
ただたじろくばかりです。一人の人間がしりうる世界像は、それぞれ大小があるにせ
よ限界があるのは自明のこと。科学部でコンピューター分野をもつ記者といえども、
それはあくまで一分野にすぎません。
　競馬狂様ほかのみなさんにとっては、コンピューターこそ生業の種であり、ＵＮＩ
ＸとかＥＤＬＩＮとか知らなければ、Ｃｏｓｉを知らないＭｏｚａｒｔ好きみたいな
もんです。
　あなたがたは、原発のＤＮＢとか、△ＣＰＲとか、ＣＨＦＲとか、ＰＷＲ−ＦＬＥ
ＣＨＴとか聞いて、ピンときますか。スペースシャトルのＤＡＰとか、ＣＯＡＳとか、
ＲＥＦＳＭＭＡＴとか聞いてピンときますか。
　私がいいたいのは、なにごとも、知らないよりは知っている方がいいに決まってい
るが、知らなくてもいいこともあるということ。あるいは、つまらないことを知る暇
があれば、知るべきもっと大切なことがあるのではないか。
　あまりにもトリビアルな例だが、ＥＤＬＩＮがいかに使いにくいエディターである
かをもし知っていれば、もしＥＤＬＩＮにでかいバグがあったという話があったとき、
そのニュースは「朝日新聞にはいらないニュースである」ということを瞬時に判断す
るのにこそ役立つでありましょう。ただし、もしも仮にそこにコンピューター・ウイ
ルスの遺伝子がひそんでいた、という話なら別です。そのとき、もしＥＤＬＩＮを知
らなければ、それがなにであるかはそのときしかるべき筋に取材して教えてもらえば
いい。
　われわれにとって大切なのは、大局的立場からそれが「新聞」報道に値するかどう
かを判断する知識をもつことです。それもいいとか、悪いとかより、そうした事実そ
のものを報道すべきかどうか、ではないでしょうか。